新型コロナワクチン職域接種における、ワクチン管理方法や副反応、完了報告について知りたいですか?
ワクチン解凍時間や2回目接種タイミングを踏まえ、未開封ワクチンの別会場への移送や返却の可否をご紹介!
関連記事
コロナワクチン職域接種について、詳しく学びたい方はこちらの記事も併せてご覧ください。
コロナワクチン職域接種
コロナワクチン職域接種についてQ&A形式で説明します。出典として、厚生労働省が公表している、職域接種に関する疑問点に対する回答はこちらです。
参考文献 厚生労働省「職域接種に関する Q&A(令和3年9月2日版) 」
ワクチンの管理方法
コロナワクチン職域接種におけるワクチンの管理方法について説明します。
ワクチンの解凍方法、解凍時間を教えてください。
ワクチンの解凍方法、解凍時間を教えてください。(6月 16 日更新)
モデルナ社ワクチンの解凍方法は、①冷蔵庫(2~8℃)で2時間半静置、②常温(15-25℃)で1時間静置の2種類です。
2回目の接種のタイミングはいつですか?
2回目の接種のタイミングはいつですか?(6月 16 日更新)
1回目の接種後、通常、4週間の間隔で2回目の接種を受けてください。4週間を超えた場合は、上限はありませんが、できるだけ速やかに 2 回目の接種を受けてください。
ファイザー社のワクチンを使用して市町村の予防接種事業を行っている医療機関が、その接種体制の余力を使って、武田/モデルナ社のワクチンを使用して職域接種を行うことはできるの?
ファイザー社のワクチンを使用して市町村の予防接種事業を行っている医療機関が、その接種体制の余力を使って、武田/モデルナ社のワクチンを使用して職域接種を行うことはできますか?(6月 23 日更新)
ワクチンごとに接種間隔や管理方法等が異なるため、一つの接種実施医療機関では1種類のワクチンのみを用いることが原則です。ただし、職域接種を実施する間は、それぞれのワクチンで接種や管理を明確に区分することを条件として、ファイザー社のワクチンで接種を行っている医療機関で、モデルナ社ワクチンを一時的に併用することを認めることとしています。明確に区分する方法についてはこちらをご参照ください。
厚生労働省「職域接種の実施に伴い複数種類のワクチンを同一医療機関等で使用する場合の取扱いについて」
ファイザー社や、武田/モデルナ社、アストラゼネカ社コロナワクチンの特徴を詳しく学びたい方は以下3つの記事をそれぞれご覧ください。
モデルナワクチン 16歳未満 注意点
モデルナワクチンの対象年齢が 12 歳以上になりましたが、気をつけることはありますか?(8月4日更新)
16 歳未満へ接種を実施する場合は、原則、保護者の同伴が必要ですので注意して下さい。なお、中学生以上の被接種者に限り、当日の受付時に、接種することについての保護者の同意を予診票上の保護者自署欄で確認できるときは、保護者の同伴なく接種することができます。その場合は、予診時に事実確認をする必要が生じた場合に備え、あらかじめ保護者の連絡先を把握するとともに、必要に応じて保護者に連絡して確認するようにして下さい。
コロナワクチンを受ける方法について、詳細はこちらの記事をどうぞ。
ワクチンの対象者や優先順位について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください
未開封のモデルナワクチンが余った場合、後日返却したり、別の会場に移送して使用できますか?
未開封のモデルナワクチンが余った場合、後日返却したり、別の会場に移送して使用するのは可能ですか?(8月 10 日更新)
モデルナワクチンは配送された施設で使用することとされており、返却や移送は認められないこととされています。仮に余剰となった場合には、決して無駄が生じることのないよう、予約のない人や、翌日以降に予約のある人を含め接種をお願いします。
それらの対応をしたのにもかかわらず、余ってしまった未使用ワクチンはどうすればいいですか?
上記の対応を行ったにもかかわらず、やむを得ず冷凍保存された未使用ワクチンが余ってしまった場合、ワクチンの有効活用のため、条件や活用方法について検討しています(「第7回 新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保に係る自治体向け説明会 資料」においても職域接種における冷凍庫・残余ワクチンの回収にかかる検討状況等をご確認頂けます。)。
そのため、冷凍保存された未使用ワクチンが余ってしまった場合は、当面の間、職域接種の終了後も冷凍庫で保管してください。
具体的には、職域接種における冷凍庫・残余ワクチンの回収については以下2点が決められています。
- 職域接種を行う事業者には、国から冷凍庫の貸与を行っており、接種完了後に国への返却が必要。
- やむを得ず発生した残余ワクチンについては、有効活用のため特定の会場に移送し、接種を行う。
残余ワクチン回収の具体的な流れとしては以下のイメージ図をご参照ください。
出典
厚生労働省「第7回 新型コロナウイルスワクチンの接種体制確保に係る自治体向け説明会 資料」P.17
また、職域接種の完了報告については、以下3点が決められています。
- 職域接種完了見込みの会場に、厚労省より接種完了報告様式の入力用URLを送付。
- 提出された報告内容については、厚労省で内容を確認し、必要に応じて自治体に共有する。
- 提出内容を踏まえ、配送業者と連携し、ワクチン、冷凍庫の回収を行う。
会場の関係で、残余ワクチンが保管されている冷蔵庫を別の場所に移動させてもいいのでしょうか?
ただし、会場の関係で冷凍庫を移動する場合は、ワクチンを保管したまま冷凍庫を設置できる適切な場所に移動してください。この場合、「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する職域接種向け手引き(第3版)」の記載のほか、例えば、以下のような点が重要となりますので、必ず守るようにしてください。
(移動関係)
① 冷凍庫がコンセントに接続されていない時間は 15 分(※1)を超えないこと。
② 移動の前後に、冷凍庫付属のロガーを用いて冷凍庫内の温度を測定し、移動中は冷凍庫内の温度が-25℃~-15℃に保たれていることを確認すること。
③ 緩衝材を詰めること等によりワクチンを直立して固定しバイアルの破損を防止すること。
※1 ツインバード社の冷凍庫については、停電時に-20℃から-15℃に上昇するまでの時間は約 25~30 分とされています。
(保管・管理関係)
① 冷凍庫を管理するための責任者(※2)を定めること
② 責任者は定期的にロガーを用いて庫内の温度を確認すること
③ 責任者は定期的に冷凍庫のコンセントが接続されていることを確認すること
④ 責任者は定期的に冷凍庫の扉が開いていないか確認すること(頻繁な開閉や長時間の扉の開放は庫内温度の上昇に繋がる)
⑤ 必要に応じて蓄冷剤を併用し庫内温度を保つこと
※2 責任者の管理下において適切な温度管理が可能であれば、医療機関として登録された施設以外にも設置することができます。
参考:「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する職域接種向け手引き(第3版)」中の「図7 超低温冷凍庫の適正使用について」
ここに出てくる参考文献「図 7 超低温冷凍庫の適正使用について」というのは、具体的には以下の図です。
出典
「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する職域接種向け手引き(第3版)」P.25より引用
副反応
コロナワクチン職域接種における副反応について説明します。
副反応の対応に必要な医療機器、薬剤等は支給されるのか?
副反応の対応に必要な医療機器、薬剤等は支給されるのでしょうか?
(6月 10 日更新)
企業で用意する必要があります。薬剤購入等に関しては予め医療機関等と協議の上、物品や薬剤の準備を行うとともに、常時対応が可能となるよう、救急処置用品について適切な管理を行ってください。
ワクチンの副反応についてはこちらの記事をご覧ください。
製造販売業者から自治体への無償提供は、職域接種においても有効ですか?
令和 3 年2月 25 日付厚労省事務連絡「予防接種会場での救急対応に用いるアドレナリン製剤の供給等について」の2.に記載された、製造販売業者から自治体への無償提供は、職域接種においても有効ですか?(6月 18 日更新)
職域接種は当該無償提供の対象となりません。
なお、上記で言及されている「予防接種会場での救急対応に用いるアドレナリン製剤の供給等について」の2.というのは以下の通りです。
2.今般、1に挙げた製剤のうちエピペン®注射液 0.3mg について、製造販売業者より、一定数の製品を無償提供する旨の申し出があったこと。このため、当該無償提供分については以下のとおり取り扱うこと。
(1)エピペン®注射液 0.3mg は、原則として自治体が設置する特設会場等に具備する場合に無償提供されること。
(2) 当該無償提供を希望する場合、注文数の上限は、概ね接種対象人口1万人あたり1本程度を目安に、予め定められていること。ただし、人口にかかわらず、全ての市町村(特別区を含む。以下同じ。)について1本の注文は可能であること。また、上限までの範囲内であれば、複数回に分けて注文することも可能であること。
(3) 当該無償提供を希望する市町村は、製造販売業者が用意する専用のWebサイトを通じて注文を行うこと。当該WebサイトのURL等については追ってお知らせすること。
(4) 無償提供に関し不明な点等については、以下に掲げる製造販売業者の窓口に照会すること。マイラン EPD 合同会社エピペン提供サポートセンター
0120-336-037(月~土 9 時~18 時 日祝祭日を除く)
e-mail:epn-teikyo@eppharmaline.co.jp(5) 当該無償提供は、特設会場等が、無償提供分に加えて、購入等によりアドレナリン製剤を追加で備えることを妨げるものではないこと。
出典
完了報告
コロナワクチン職域接種における完了報告について説明します。
事前申告フォームと接種完了報告フォームは企業が入力しますか?
事前申告フォームと接種完了報告フォームは企業が入力しますか?(9月2日更新)
企業が入力します。入力の際は企業と医療機関でよく連携し、正確な情報を入力して下さい。
ワクチン接種後の生活をどう過ごすべきか知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
解凍し、2~8℃の冷蔵で保管していたワクチンは回収の対象となりますか?
解凍し、2~8℃の冷蔵で保管していたワクチンは回収の対象となりますか?
(9月2日更新)
対象となりません。適切な温度管理の下で保管されていた、未解凍のワクチンが回収の対象となりますので、ワクチンが余りそうな場合は解凍するワクチン数を慎重に検討してください。
その他
コロナワクチン職域接種におけるその他の事柄に関する疑問点について説明します。
会場に届いたワクチンを各事業所等に配布してもよいですか?
会場に届いたワクチンを各事業所等に配布してもよいですか?(6月 10 日更新)
保管・トレーサビリティーの観点から、会場に届いたワクチンを別の場所に移動させることはできません。
ちなみに、トレーサビリティーとは以下の意味です。
《跡をたどることができることの意》農産物・食品・医薬品・工業製品などの商品やその原材料・部品などを個別に識別し、生産から加工・流通・販売・廃棄までの過程を明確に記録することによって、商品からさかのぼって履歴情報を確認できるようにすること。また、そのシステム。生産履歴管理システム。→牛肉トレーサビリティー法
「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する職域接種向け手引き」はどこにありますか?
「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する職域接種向け手引き」はどこにありますか?(6月 11 日更新)
厚生労働省 HP の新型コロナワクチンについて-職域接種に関するお知らせのページに載っておりますので、こちらをご参照ください。
申請した接種開始予定日より早く接種を開始してもいいですか?
ワクチン、針・シリンジ等が届き、接種の準備が整えば申請した接種開始予定日より早く接種を開始してもよいですか?(6月 14 日更新)
差し支えありません。
配送された-20℃冷凍庫や VRS 用タブレットは接種終了の後はどのようにしたらよいですか?
配送された-20℃冷凍庫や VRS 用タブレットは接種終了の後はどのようにしたらよいですか?(8月 10 日更新)
それぞれ返却の必要があります。なお、-20℃冷凍庫の返却方法については現在調整中ですので、いましばらく保管していてください。
でも、VRSと言われてもピンとこない人もいるでしょう。そこで説明すると、VRSとはワクチン接種記録システム (VRS: Vaccination Record System) の略です。VRSについて、詳しくは以下の動画「新型コロナワクチン接種推進担当 河野大臣からのワクチン接種記録システムについてのメッセージ」をご参照ください。
なお、ここでいう-20℃冷凍庫や VRS 用タブレットとは以下の様なものです。
予診票を事前に従業員へ配布してもいいですか?
予診票を事前に従業員へ配布してもいいですか?(6月 16 日更新)
申請主体である企業・大学等に判断いただいております。
コロナワクチン接種の努力義務については「【コロナワクチン】努力義務(予防接種法)・どこに相談すべきか・SNSの誤情報に注意」をご参照ください。コロナワクチン接種の努力義務とは何かを踏まえ、ワクチンについて相談したい時はどこに相談すべきかをご紹介!コロナワクチンに関するSNSの誤情報に注意すべきである点を学びたい方は必見です!
接種券を持たない人に接種を行った場合、VRS への入力はどのように行えばよいですか?
接種券を持たない人に接種を行った場合、VRS への入力はどのように行えばよいですか?(6月 18 日更新)
接種券を持たない人に接種を行った場合は、接種券が届いてから VRS への登録を行っていただきます。接種を受けた方の接種券が届くまでは、予診票を保管しておき、接種券が届いたのちに企業等において VRS への登録をお願い致します。なお、詳細については、内閣官房 IT 総合戦略室にて開催したオンライン説明会やその動画及びその資料をご確認ください。
https://cio.go.jp/vrs_vsite
複数社による連携等で職域接種を行う場合、予診票をわかりやすく分ける方法
複数社による連携等により職域接種を行う場合、予診票をわかりやすく分ける方法はありますか?(6月 17 日更新)
予診票を企業・大学等ごとに色分けしたり、欄外に企業名を記載するなど、予診票の様式に影響を与えない範囲で工夫をして差し支えありません。
同一会場で複数企業が接種を行う場合、気を付けるべきこと
同一会場で複数企業が接種を行う場合、気を付けるべきことはありますか?
(7月 20 日更新)
同一会場で複数企業が接種を行う場合は、①申請企業と実施医療機関で密接に連携を取り、企業ごとに事務局体制を構築し、ライン・ブースを分けて接種体制を管理する等、ワクチン及び接種体制について適切な管理を行うこと、②企業ごとに V-SYS 登録、委任契約等の手続き、V-SYS への接種実績の登録を行うとともに、V-SYS に登録された接種実績と企業が把握する接種者名簿等を照合するなどの適切な接種実績の管理を行うこと、③企業ごとに接種実務の管理(予診票、接種記録書等管理、請求管理等)を適切に行うとともに、企業内接種者が確実に2回の接種機会を得られるように接種の管理を適切に行うこと、などの点に留意し慎重に接種体制を検討して下さい。
二回目接種ができない人はどうすべき?
二回目接種ができない人はどのようにすればよいですか?(9月2日更新)
まずは二回目接種ができるよう接種期間を延ばすなどして同一会場での二回目接種の機会を提供してください。その上で、やむを得ない事情により同一会場で二回目接種ができない場合は、他の職域接種会場や大学拠点接種会場で二回目接種を受けられるよう、一回目の接種を実施した企業等が二回目接種の受け入れの可否について、相談・調整を行ってください。
関連記事
ブースター接種とは何か知りたい人はこちらの記事をどうぞ。
もっと知りたい
コロナワクチンと免疫については「【コロナワクチン】自然or獲得免疫でワクチン不要?睡眠R-1ヨーグルト【接種証明書の発行】」をどうぞ。コロナワクチン接種前にすでに免疫で守られている可能性はあるのか、もし免疫があればワクチンは不要なのかという点を踏まえ、免疫力はコロナワクチン接種以外の睡眠やR-1ヨーグルト等でも上げられるのかを紹介しています。コロナワクチン接種証明書の発行について学びたい方は必見です!
ファイザー社コロナワクチンが5~11歳へ対象年齢を拡大することについてはこちらの記事をどうぞ。
コロナワクチン供給と接種の見通しについて詳しく知りたい方は「【コロナワクチン】供給と接種の見通し【日本への供給数・どのような研究開発】」の記事をご参照ください。厚生労働省が公表している情報をもとに、Q&A形式で日本の新型コロナワクチン供給や接種は今後どうなるのか?、どのようなワクチンが開発されているのか?という点を説明します。
コロナワクチンの誤情報についてはこちらの記事をご覧ください。
ワクチン接種効果について、詳しくは「【コロナワクチン効果】予防・持続期間・年齢・基礎疾患・接種後感染・変異株・妊娠中免疫」の記事をご参照ください。
新型コロナワクチンを接種できる人とはどのような人か知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
一方で、コロナワクチンを接種できない人とはどのような人か知りたい方は「【コロナワクチン接種できない人】注意が必要・基礎疾患持病・アレルギー・副反応・アナフィラキシー」の記事をどうぞ。
コロナに感染した人はワクチン接種できるのか気になる方はこちらの記事をどうぞ。たとえコロナに感染したとしても通常通りワクチンを2回接種すべき理由を、米国のCDC3つの見解を踏まえてご紹介!「自分はコロナに感染して抗体ができたから、もうコロナ対策は不要だ」などと考えている人は必見です!
コロナワクチン開発について詳しく学びたい方は「【コロナワクチン開発】見通し/種類/国内/AMED/国際貢献/生産体制/早期実用化」の記事をどうぞ。厚生労働省が公表している情報を元に、コロナワクチン開発の見通しや開発中のワクチンの種類、国内の開発状況やAMED支援のワクチン開発を紹介しています。日本政府による、日本国内製造のコロナワクチンの国際貢献やワクチン生産体制整備、ワクチン開発の早期実用化への取組を学びたい方は必見です!
コメント