新型コロナワクチンの異物混入問題について知りたいですか？
問題の概要やモデルナ社ワクチン接種で死亡した事例、一部ロットの使用見合わせ(自主回収)や異物の原因と政府の対応をご紹介！
対象となるロット番号、配送された会場 （2021年9月6日時点）、その他のロットでの異物の原因と対応を学びたい方は必見です！
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ワクチンの副反応についてはこちらの記事をご覧ください。
新型コロナワクチンの異物混入問題
新型コロナワクチンの異物混入問題について説明します。
概要
新型コロナワクチンの異物混入問題の概要について説明します。
新型コロナワクチンについて、複数の接種会場より、未使用の状態において異物の混入がある旨の報告がされました。
2021年9月10日時点では、ステンレスが検出されたロットおよび混入のリスクが否定できない他の２つのロットの合計3ロットについては、すでに使用見合わせ・自主回収が行われています。
また、一部の接種会場において使用が見合わせとなっていないバイアル内等にゴム栓破片が確認され、接種会場の判断により一部ロットの接種を見合わせるといった対応が行われていますが、製造や採取の過程で蓋のゴムの一部が混入したものと考えられる場合は、接種の継続は可能です。（出典:厚生労働省）
もし私が接種するワクチンの中に、異物が混入してたら嫌だな。
たしかに皆そう思うよね。でも、多くの人がそう思うからこそ、注目を集めるニュースにはバイアス（先入観）がかかるから、気をつけたほうがいいかもね。
認知バイアスについて、詳しくはノーベル経済学賞受賞のダニエル・カーネマンのベストセラー著書「ファスト＆スロー」と、こちらの記事が参考になりますのでご参照ください。
モデルナ社ワクチン接種で3人死亡（因果関係）
新型コロナウイルスの米モデルナ製ワクチンに異物が混入していた問題で、厚生労働省は６日、自主回収の対象となったワクチンを接種した男性（４９）が死亡していたと発表しました。同じ製造番号のワクチンを接種した３０歳代の男性２人の死亡も判明しており、同省の有識者検討会が今後、接種と死亡の因果関係を評価します。出典
同じ製造番号のワクチン接種で若者3人も死亡したのだから、因果関係があるのか気になるね。
調査の結果、医療上のリスクが増大する可能性は低いから、因果関係はなさそうだよ！
「新型コロナウイルスワクチンの一部ロットにおける異物混入に係る調査結果について」で厚生労働省が公表しているから読んでみるといいよ！
調査の結果、因果関係がないと判明したのだから、根拠もなく疑うべきではないわね。
実は、ファイザー社ワクチンにも、モデルナ社ワクチンと同様に異物混入が疑われたこともあるよ。（出典:NHK「神奈川 鎌倉市の接種会場でファイザー製ワクチンに異物」2021年9月13日記事）
それは、希釈後に「ファイザー社ワクチン製品由来の浮遊物」が溶解せずに残った物であって、製品由来ではない異物に該当しないから安全だと報告された件だね。（出典:厚生労働省「COVID-19 ワクチン『コミナティ筋注』のバイアル内の白色浮遊物について」）
うん、そうそう。
だから、「モデルナ社ワクチンは、3人も死亡したから危険なのではないか？」などと直感的に感じてしまうのは、メディアを通して多くの人の注目を集めたことによりバイアス（先入観）がかかっている証拠だよ。
因果関係のないコロナワクチンの誤情報について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
一部ロットの使用見合わせ(自主回収)
新型コロナワクチンの異物混入問題における、一部ロットの使用見合わせ・自主回収について説明します。
令和３年８月25日、武田薬品工業株式会社より、全国８か所の接種会場において、同じロットで異物が混入していると疑われるバイアルが39本確認されたとの報告がありました。
バイアルって何？
バイアルとは注射剤を入れるための容器のことで、ガラスもしくはプラスチックでできた瓶にゴムで栓をしたものを指します。
バイアル (画像出典:読売新聞)
バイアルは微生物の侵入を防ぎ、無菌状態を保つことができます。
バイアルに入った注射剤を使用する際は、ゴム栓に注射針を刺して中身を吸い出すようにして使います。（出典:製薬業界 用語辞典 Answers（アンサーズ））
当該ロットについては、複数の接種会場より、未使用の状態において異物の混入がある旨の報告がされたことを踏まえ、異物混入のリスクが否定できない下記の３つのロットの使用を見合わせることとなりました。
- Lot 3004667 （約５万７千本） （約57万回接種分）
- Lot 3004734 （約５万２千本） （約52万回接種分）
- Lot 3004956 （約５万４千本） （約54万回接種分）
（出典:厚生労働省）
合計で約163万回接種分のワクチンは異物混入のリスクが否定できないとは言うものの、必ずしも全てのワクチンに異物混入していたわけでは無いだろうね。
そうだね、極端に不安になる必要はないかもしれないね。
ワクチン接種によって高い発症予防効果が望めるのだから、接種を躊躇するべきではないと思うよ。
ワクチン接種効果について、詳しくは「【コロナワクチン効果】予防・持続期間・年齢・基礎疾患・接種後感染・変異株・妊娠中免疫」の記事をご参照ください。
一方で、コロナワクチンを接種できない人とはどのような人か知りたい方は「【コロナワクチン接種できない人】注意が必要・基礎疾患持病・アレルギー・副反応・アナフィラキシー」の記事をどうぞ。
異物の原因と政府の対応
異物の原因と政府の対応について説明します。
令和３年９月１日、モデルナ社による調査の結果、一部のロット（ロット番号3004667）に混入していた異物は、製造機器の組立て時の不具合により混入したステンレスの破片であったことが分かりました。ワクチンは使用前に目視で異物がないことを確認することとされていますが、このステンレスは心臓のペースメーカーやインプラントなどの医療機器にも使用されているもので、仮に体内に入ったとしても、アレルギーの誘因となる可能性は低いとされています。また、このステンレスが仮にワクチン薬液内に混入したとしても、溶け出す等の恐れは少なく、ワクチン自体の有効性・安全性への影響はありません。
なお、当該ロットの他、同じ時期に同じ設備で製造されたワクチン（計３ロット）については、すでに使用を見合わせており、企業により自主回収されます。
出典:厚生労働省 新型コロナウイルスワクチンの一部ロットにおける異物混入に係る調査結果について（令和３年９月１日報道発表資料）
混入した異物であるステンレスは、心臓のペースメーカーやインプラントなどの医療機器にも使用されているものだから安心なんだね。
厚生労働省が、「仮に体内に入ったとしても、ワクチン自体の有効性・安全性への影響はない」と言い切っているのだから安心しても良さそうだね。
ファイザー社や、武田／モデルナ社、アストラゼネカ社コロナワクチンの特徴を詳しく学びたい方は以下3つの記事をそれぞれご覧ください。
対象となるロット番号
前述の通り、下記ロット番号のワクチンは、使用を見合わせとなっています。
Lot 3004667 （約５万７千本） （約57万回接種分）
Lot 3004734 （約５万２千本） （約52万回接種分）
Lot 3004956 （約５万４千本） （約54万回接種分）
対象となるロットが配送された会場 （９月６日時点）
全国900会場に約161万回分が配布されています。
○大規模接種会場：77会場
そのうち使用が確認されている会場一覧（ロット番号ごと）はこちら
Lot 3004667 Lot 3004734 Lot 3004956
※個別の会場の接種に関するお問い合わせは各自治体までご連絡ください。
○職域接種会場：823会場
掲載についての了承をいただいている会場一覧（ロット番号ごと）はこちら
Lot 3004667 Lot 3004734 Lot 3004956
対象となるロットが配送された会場としては、全国各地の様々な会場に散らばっているね。
その他のロットでの異物の原因と対応
これまでにも、確率は非常に低いものの、ごくまれに製品のゴム栓様の破片がバイアル内に混入したと疑われる事例が国内外で報告されています。また、注射針をワクチンのバイアルに刺した際に、蓋のゴム栓の一部が混入したり、ワクチンではなく、注射器側に異物が存在した可能性もあります。
ゴム栓様の破片がバイアル内に混入する事例は、海外でも報告されているんだね。
つまり今後、異物混入を確実にゼロにすることは不可能と言えるかもしれないね。
ワクチンや注射薬のバイアルのゴム栓に対して斜めに注射針を刺した場合などに、針によりゴム栓が削り取られてしまうことがあります。これは、「コアリング」と呼ばれる現象です。ワクチン使用時にバイアルのゴム栓に注射針を刺す時は、ガイドマーク(中心円)の内側に、垂直に刺す必要があります。
コアリングの防止について
【参考資料】・コアリングの防止について
なるほど、注射針を垂直ではなく斜めに刺すと、ゴム栓が削り取られてしまうんだね。
たしかに100万回も注射針を刺すんだから、異物混入をゼロにするのは難しいのかもね。
もっと知りたい
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