ファイザー社コロナワクチンが5~11歳へ対象年齢を拡大することについて説明します。
2021年9月20日ファイザーは、5~11歳でも安全性と効果を示すデータが確認できたとする新たな臨床試験の結果を発表しました。
中和抗体の増加と安全性が確認できたという試験結果を踏まえ、抗体とは何かをご紹介!
ファイザー社コロナワクチンの4歳以下への対象拡大と、アメリカの子供のコロナ感染者数の増加について学びたい方は必見です!
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【ファイザー社コロナワクチン5~11歳へ対象拡大】
新型コロナウイルスのワクチンの対象年齢が5~11歳へと拡大される可能性が高いです。
というのも、米製薬大手ファイザーと、共同開発した独バイオ企業ビオンテックは2021年9月20日、5~11歳でも安全性と効果を示すデータが確認できたとする新たな臨床試験の結果を発表したためです。出典NHK
近いうちに、米食品医薬品局(FDA)や各国の規制当局にこのワクチンデータを提出する予定です。
そもそも、ファイザー社コロナワクチンは、アメリカでは16歳以上について正式に承認されいます。また、12歳から15歳に対しては緊急使用の許可が出されています。そこで、さらに12歳未満の子どもも使用できるように、臨床試験が行われているのです。
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安全性と効果
しかし気になるのが、安全性と効果です。どんなに年齢対象が拡大したところで、安全でなければワクチン接種など不要です。また、効果が薄いのにも関わらず、無理に受けるとしたら意味がありませんよね?
しかしファイザーは2021年9月20日に、5歳から11歳の2200人余りを対象にした中・後期臨床試験(治験)の結果、中和抗体の増加と安全性が確認できた(=強い免疫反応が示された)と発表したのです。出典ロイター
でも、中和抗体ときいてピンとこないという人も多いと思うので、まずは抗体とは何かについて説明します。
抗体というのは、私たちの体に侵入した細菌やウイルスなどを無力化したり働きを弱めたりする免疫のはたらきの一つを指します。免疫は細菌やウイルスなどが身体に侵入しようとしたときに異物として攻撃します。そして私達が病気にかかるのを防いで体を守ってくれます。抗体がついたウイルスは、他の細胞に侵入できなくなったり、抗体の作用でウイルスを弱体化させたりします。つまり抗体とは私達の味方なのです。
また中和抗体とは、特定のタンパク質の活性を中和できる抗体のことで、ウイルスのタンパク質に結合して感染を防ぐ作用をします。中和抗体も血液検査で調べることができます。出典
ファイザーの治験では、5-11歳は、16-25歳を対象とした治験結果と同水準の免疫反応を得られました。安全性も、16-25歳を対象とした治験結果とほぼ同程度の結果だったといいます。
今後おそらくファイザー社だけではなくモデルナ社ワクチンも、出遅れまいと後に続いて年齢引き下げが続く可能性もあるかもしれません。
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【ファイザー社コロナワクチン4歳以下】
コロナワクチンはどんどん対象年齢が拡大していくので、今後もしかしたら4歳以下の小児へもワクチンの年齢対象が拡大するかもしれません。実際、ファイザーとビオンテックによると、2-5歳と生後6ヶ月-2歳を対象としたデータは、早ければ第4・四半期中に入手される見通しであるとのことです。ファイザー社のブーラCEOは以下のようにも発言しています。
「7月以降、米国では子どもの新型コロナウイルス感染が約240%急増しており、ワクチンの必要性を明示している」
アメリカ 子供のコロナ感染者数の増加
たしかにアメリカでは5-11歳の年齢を含めた、子供全体のコロナ感染者数が急増しています。
具体的にいうと、2021年8月上旬の感染者数は、6月下旬時点に比べて11倍強になりました。学校の本格的な対面授業の再開を9月に控え、子供の感染に加え、子供を通じた高齢者らへの広がりに危機感が強まっています。
さらに詳細にいうと、米小児科学会の集計によると、アメリカの子供のコロナ感染者数は2021年4月下旬から6月下旬にかけて減少傾向が続いていました。しかし2021年7月に入って感染拡大に転じてしまいました。具体的には、2021年8月5日までの1週間では新規感染が約9万4000人もいました。つまり、直近で最低水準をつけた6月24日の週(8447人)の11倍強の水準に膨らんでいるのです。子供のコロナ感染は感染者全体の15%を占めています。
コロナに感染した子供の入院も増えています。米疾病対策センター(CDC)によると、2021年9月10日時点で0~17歳の入院患者数(7日間移動平均)は203人に上り、217人だった2021年1月上旬のピーク時の水準に迫っています。しかし、CDCの追跡調査によると、入院患者全体に占める子供0-17歳の年代の割合は7月末時点で3.2%にとどまります。出典日本経済新聞
米国での感染拡大の原因はおそらく変異株の影響ですが、大人の感染数に比べれば5-11歳の感染数はずっと低いです。以前までは、「子供は感染しても重症化しない」と言われ、高齢者や医療従事者がワクチン接種の優先とされてきました。しかし、2022年以降は子供のワクチン接種にまで及ぶ可能性が高いため、これは米国がコロナの影響から立ち直っている証拠でもありますね。
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