【⑩ファクトフルネス犯人探し本能】失敗・成功要因はシステム全体

【⑩ファクトフルネス犯人探し本能】失敗・成功要因はシステム全体 経営実践戦略
【⑩ファクトフルネス犯人探し本能】失敗・成功要因はシステム全体
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ファクトフルネス10の思い込みの一つ犯人探し本能について知りたいですか?

物事が上手くいかない時は、個々ではなくシステム全体の欠陥を探すべきという点を踏まえ、成功要因もシステム全体に注目すべき点をご紹介!

身近な具体例をもとに、ファクトフルネスを実践したい方必見!

この記事を読み進める前に、まずはファクトフルネスの意味や著者の主張、全体像を把握しておきたい方は「【ファクトフルネスまとめ】意味/主張/本の内容/クイズ/思い込みとは」の記事をご参照ください。

【ファクトフルネスまとめ】意味/主張/本の内容/クイズ/思い込みとは
ファクトフルネスのまとめ記事です。ベストセラー書籍ファクトフルネスとは何か、意味や著者の主張、チンパンジークイズを踏まえ、本の内容を日常のたとえ話と共にご紹介!錯覚しがちな10の思い込みや回避方法を学び、身近な生活でファクトフルネスを実践したい方必見!

 

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【⑩ファクトフルネス犯人探し本能】失敗の原因はシステム全体

犯人探し本能とは、失敗の原因は特定の人や物事であり、システム全体ではないと誤って思い込む傾向です。他方、後ほど説明しますが、成功要因も同様に捉えてしまう場合も犯人探し本能に当てはまります。

ファクトフルネスの著者によると、犯人探し本能とはどのようなものか、以下のように説明があります。

ファクトフルネスとは……誰かが見せしめとばかりに責められていたら、それに気づくこと。誰かを責めるとほかの原因に目が向かなくなり、将来同じ間違いを防げなくなる。犯人捜し本能を抑えるためには、誰かに責任を求める癖を断ち切るといい。●犯人ではなく、原因を探そう。物事がうまく行かないときに、責めるべき人やグループを捜してはいけない。誰かがわざと仕掛けなくても、悪いことは起きる。その状況を生み出した、絡み合った複数の原因やシステムを理解することに力を注ぐべきだ。

ハンス・ロスリング;オーラ・ロスリング;アンナ・ロスリング・ロンランド.FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(Kindleの位置No.3411-3416).日経BP社.Kindle版.

つまり、誰かが何かに失敗して他の人たちに向けて見せしめのために批判を浴びていたら、犯人探し本能によるものではないかと疑う必要があるということです。

申し訳ない気持ちを顔に表して頭を下げる(謝る)スーツを着た男性

物事がうまくいかずに失敗した時に、誰か個人を批判すれば、その人が行った個々の原因ばかりに目を取られることになり、それ以外の全体の根本的な原因に目が向かなくなるということです。その結果、それと同様の失敗がその後も再発してしまう可能性が出てきます。そのため犯人探し本能を抑えて、根本的な原因に目を向ける必要があります。

そこで、何か物事がうまくいかない時に、誰かに原因があると目を向ける習慣をやめることから始まります。では次の章では、犯人捜し本能の具体例を挙げて詳しく見ていきましょう。

前回までの記事で説明したファクトフルネス「10の思い込み」とその回避方法を再確認しておきたい方はこちらの記事をご覧ください。

【⑩ファクトフルネス犯人探し本能】失敗の原因はシステム全体【コロナ】

ファクトフルネス10の思い込み「犯人探し本能」を理解するために、失敗の原因はシステム全体にあるのに、個々に原因があると思い込んでしまっている例として、新型コロナウイルスの感染を挙げてみましょう。

例えば、新型コロナウイルスが流行りだした2020年3月頃のことを考えてみましょう。誰もがコロナに感染することを恐れていました。その当時感染している疑いがかかっているにも関わらず、自宅で療養することを怠り、外出し人と接触したことでコロナウイルスをばらまいているなどと批判する人がいました。確かにウイルス感染の疑いがあるのにもかかわらず外出した人は新型コロナウイルスに意図的に感染したわけではありません。しかし自宅で療養することを怠って職場に行ったり、友人と会ったりすることで、ウイルスを周りの人にうつしてしまう恐れがありました。しかしその人だけを批判することは間違っています。というのも、その人がそうしてしまった行動の原因が、他の所にある可能性も考えられるからです。もしかしたらその人は、仕事をしなければ飯を食っていけないほど経済的に困窮していた可能性もあります。またどうしても、その友人に会わなければいけない理由があったのかもしれません。つまり何かに恐れをなしている時やストレスを感じている時は、人は誰かを批判したがる生き物です。つまり犯人探しを本能的に行ってしまうということです。犯人を特定してその人を責めたところで、何ら根本的な解決にはつながりません。というのも、原因はその人個人にあるのではなく、社会システム全体にあるためです。社会全体で貧困にあえいでいる家庭を支援する、社会支援システムを構築することのほうが重要であるかもしれません。また新型コロナウイルスに関する、正しい知識を政府が国民に伝えることも重要です。

また新型コロナウイルスを他者に移してしまうことを罪悪感とともに反省するのではなく、ウイルスの蔓延を回避するための社会システムの構築に尽力するべきです。例えば政府が外出自粛を呼びかけるだけではなく、外出自粛をするためには飲食店経営者に経営自粛した場合に、店を閉めることに見合うだけの多額の給付金を支給することも必要かもしれません。そうすることで、自ずと外食のために外出するという目的がなくなるので、結果的にはウイルス感染拡大を防止することにつながります。このように犯人探しをして個人を批判するのではなく、社会システム全体の改善を優先するべきであるという考えを、ファクトフルネスの著者は犯人探し本能と呼び、根本的な原因をとり違わないように注意すべきだと主張しています。

 

【⑩ファクトフルネス犯人探し本能】成功要因はシステム全体

ファクトフルネス10の思い込み「犯人探し本能」は失敗した時だけではなく、成功した場合にも思い込みを生じさせてしまうものです。成功要因はシステム全体にあるのに、個々の努力などが原因であると思い込んでしまっている例を挙げて説明します。

何かの物事に失敗したら犯人探しをする行為だけではなく、それとは反対に物事に成功したらその人個人を褒め称えるという行為もまた、犯人探し本能によるものであるとファクトフルネスの著者は主張しています。

●ヒーローではなく、社会を機能させている仕組みに目をむけよう。物事がうまくいったのは自分のおかげだと言う人がいたら、その人が何もしなくても、いずれ同じことになっていたかどうかを考えてみるといい。社会の仕組みを支える人たちの功績をもっと認めよう。

ハンス・ロスリング;オーラ・ロスリング;アンナ・ロスリング・ロンランド.FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣(Kindleの位置No.3416).日経BP社.Kindle版.

つまり成功に至った過程において、社会基盤とテクノロジーという二種類のシステムのおかげであるので、日々の感謝を忘れずに行うべきだと言っています。

【⑩ファクトフルネス犯人探し本能】成功要因はシステム全体【社会基盤とテクノロジー】

例えば洗濯機おかげで、毎日手洗いで衣類を洗わずに済みます。その結果、一昔前までは主に家庭内の女性の役割であった洗濯物を洗う作業がなくなり、洗濯機を回してる間は女性達は本を読む時間が生まれました。

また電気のおかげで日が暮れた夕方以降も勉強をすることができなくなりました。それ以外にも、あなたの近所で運営しているコンビニのアルバイト店員や歯医者さん、メガネ販売店、工務店などのおかげで日々の生活をより豊かにすることができています。つまり何かがうまく行った時はあなたの力だけではなくあなたを支えてくれる社会全体のシステムのお陰であるということを常に意識して感謝の心を忘れないようにしましょうというものです。

【⑩ファクトフルネス犯人探し本能】成功要因はシステム全体【自分の実力ではなく家族のお陰】

私が考えるわかりやすい説明として、過去の成功体験における犯人捜し本能というものの例を、成功要因は自分の実力ではなく家族のお陰であるという例を挙げて説明しましょう。

仕事であなたが過去に成功した経験を思い出してください。例えば仕事で大きな成功を勝ち取った背景には様々な要因があります。あなたはきっともう一度成功したいと考えて、うまくいった要因は何だろうと考えるかもしれません。しかし、そこで思いつく要因は実は誤っている可能性があります。というのも、何かに成功した時に思いつく物事は犯人探し本能によって個々の行動だけがピックアップされるだけであり、その背景にあるものごとを忘れ去ってしまう傾向があるからです。あなたの成功を支えてくれたのは、あなたの努力ではなくあなたの配偶者や両親あるいはあなたの子供たちの笑顔であるかもしれません。つまりあなたの実力を過信せず、成功要因は自分の実力ではない可能性があるということ認識すべきです。そうすることによって、より広い視点で自分の成功要因を分析することにつながるはずです。

さらには仕事で成功したければ、プライベートを大切にする必要もあると認識すべきです。プライベートが上手くいっていなければ、仕事もうまくいきません。例えば、もし家庭内不和が生じて夫婦で離婚裁判をしてる最中に、仕事でも大成功を収められる可能性があるでしょうか?つまり全体のバランスが重要であるにもかかわらず、特定の要因で成功したと勘違いしてしまう傾向を犯人探し本能と呼ぶのです。広い視野で物事の根本的な原因を探す行為こそが、ファクトフルネスであると著者は主張しています。

本記事により、ここまでの説明で犯人探し本能については十分にご理解いただけたかと思います。

次のステップとして、ファクトフルネス10の思い込みの一つ、焦り本能に関する記事がおすすめです。

焦り本能の特徴は、身近な私生活で頻出するという点や長期でみたら悪影響を及ぼす点です。

その具体例を踏まえ、焦って得をすることはめったに存在しない点を学びたい方は、「【⑪ファクトフルネス焦り本能】特徴【身近で頻出・長期的に悪影響】」の記事をご参照ください。

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