【⑨ファクトフルネス単純化本能】専門知識が邪魔をする【回避方法】

【⑨ファクトフルネス単純化本能】専門知識が邪魔をする【回避方法】 経営実践戦略
【⑨ファクトフルネス単純化本能】専門知識が邪魔をする【回避方法】
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ファクトフルネス10の思い込みの一つ単純化本能について知りたいですか?

自分の専門知識で問題解決できるはずという誤った思い込みを踏まえ、単純化本能は政治思想にもみられる点やその回避方法をご紹介!

多面的な物事の捉え方をできるようになりたい人必見!

この記事を読み進める前に、まずはファクトフルネスの意味や著者の主張、全体像を把握しておきたい方は「【ファクトフルネスまとめ】意味/主張/本の内容/クイズ/思い込みとは」の記事をご参照ください。

【ファクトフルネスまとめ】意味/主張/本の内容/クイズ/思い込みとは
ファクトフルネスのまとめ記事です。ベストセラー書籍ファクトフルネスとは何か、意味や著者の主張、チンパンジークイズを踏まえ、本の内容を日常のたとえ話と共にご紹介!錯覚しがちな10の思い込みや回避方法を学び、身近な生活でファクトフルネスを実践したい方必見!

 

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【⑨ファクトフルネス単純化本能】専門知識が問題解決の邪魔をする【回避方法】

単純化本能とは、自分の知識や経験で問題を解決できると思い込む傾向(錯覚)を指します。詳しく説明していきます。

私達はシンプルな物事に惹かれる傾向があり、シンプルな解決策を思いつけば気持ちがいいし、スッキリします。パッとひらめいた単純な解決策が、他の物事の多くに当てはまると思い込むのは誰しも経験があると思います。しかし、反対意見を言う人の話をよく聞くと、「あっ、もしかしたら自分の考えの方が誤っているかも」と感じることもありますよね?つまり、様々な面から問題を見た方が、自分の考えだけで凝り固まったものの見方をするよりも、より良い意見を考えつくことが多々あるということです。このように、多面的に物事を捉えるべきなのに、自分の考えだけで問題を解決できると思いこむべきではないと、ファクトフルネスの著者は主張しており、このことを単純化本能と呼んでいます。

前回までの記事で説明したファクトフルネス「10の思い込み」とその回避方法を再確認しておきたい方はこちらの記事をご覧ください。

 

【⑨ファクトフルネス単純化本能】専門知識が問題解決の邪魔をする例【セールスマン】

まずは、私なりのわかりやすい事例で、単純化本能をご説明しましょう。

例えば、入社7年目のベテランのセールスマンと、入社2ヶ月目の初心者セールスマンの二人のセールスマンがいたとします。一人は様々な専門知識を身に着けたベテランですが、ゴリ押し型のセールスマンです。お客様を論破しようと躍起になるスタイルです。ある日、何度説明しても、何時間説明しても契約には至らないお客様に出会いました。そのお客様は、さまざまな商品を勧め、長時間に渡り詳細な商品説明を繰り返しても、中々契約には至りません。その際に、あらゆる専門知識を用いて、商品をわかりやすく説明しているのに、やっぱりお客様は契約してくれません。その結果、そのゴリ押し型のセールスマンは諦めてしまいました。

次に、入社2ヶ月目の初心者セールスマンがきました。専門知識はほぼ身につけていません。そのため、お客様の話をよく聞くように徹しました。すると、お客様は自分でペラペラと話し始めました。数十分が経過した後に、お客様は自分で問題の解決策を思いついたようで、商品を自ら選択して購入してくれました。つまり、このお客様は自分の考えを聞いてくれる相手を求めていただけであり、専門知識を浴びせられることは求めていなかったのです。

ここから言える教訓としては、単純化本能により、自分が持っている専門知識が問題解決をする唯一の手段だとの思い込みは誤りである場面も存在するということです。ベテランであるほど、知識が豊富です。だからこそ、自分が持っている知識を使えばよりよく問題が解決できるはずだと思いこむのです。その思い込み(単純化本能)を回避するには、自分とは反対の意見をよく聞いたり、ゼロベースで問題に取り組むこととです。

ゼロベースで問題に取り組むとは、自分の知識や経験をもとに判断を下すのではなく、一旦初心に帰り、自分の考えが全てではないと客観的に物事を捉えるようにするということです。

 

【⑨ファクトフルネス単純化本能】専門知識と政治思想

このような単純化本能に陥ってしまうのがよく見られるのは、専門知識と政治思想を持つ人たちによく見られます。

専門知識が単純化しすぎてしまう弊害として、別の例で説明しましょう。

例えば一流の数学者は、数学には強いかもしれませんが、数学にしか精通しておらず、その他のこと、つまり専門外の物事については無知であり、数学に精通していることが全く通用しないことが多いです。自分の専門分野に基づけば、きっと他の分野の問題解決に役立つはずだと思い込んでしまうことで、逆に正解率が下がることもあるのです。たしかに、世の中には数学が通用しないことはたくさんありますよね?これこそが、ファクトフルネスの著者が主張する、単純化本能です。

【⑨ファクトフルネス単純化本能】専門知識【医師】

では医師の例で、単純化本能をより具体的に説明しましょう。例えば、医師は予防に徹したほうが良い場合にもかかわらず、薬で治療したがるということは多くの医師に共通しているはずです。例えば、この世から病気にかかる人が減ってしまえば、医者の仕事も減ってしまいます。だから、病気の予防に注力したほうが国家の医療費が下がるのにも関わらず、医者はそれとは反対に、最新の薬や、最先端手術を行いたがるという矛盾です。これこそが、単純化本能です。つまり自分の専門知識を用いた方が、問題が解決する可能性が上がるはずだと思いこむことは、単純化本能に陥っているのであり、必ずしも正しいとは言えません。

これと同じように、何か一つの分野に精通していると、単純化本能により、自力で問題を解決したがる傾向があります。だから、自分とは違う分野の人達の意見に耳を傾けることが、問題の本当の解決策を考えるためには重要です。

【⑨ファクトフルネス単純化本能】専門知識【妊婦の死亡率を減らすには】

他にも例えば、貧しい国で妊婦の死亡率を減らすためには、看護師の帝王切開の技術を向上させることでも、出血多量や感染症に対応することでもありません。妊婦の命を救うためには最寄りの病院への交通手段を整備する必要があります。救急車もなく、救急車が通れる道も整備されていない状況で、医師や看護師の技術を向上させても効果は薄いです。このように、多面的なものの見方ができなければ、物事の根本的な問題の原因を特定することはできません。

【⑨ファクトフルネス単純化本能】政治思想

また政治思想に関して単純化本能により、自分の考えが正しいと考えている例としては、アメリカは公的健康保険制度がないという点が、資本主義が全ての問題を解決できると思いこんで失敗している例だと、ファクトフルネスの著者はアメリカの政治思想に対して否定的な意見を持っています。

具体的にいうと、他の資本主義の国と比べてアメリカは公的医療保険がないため医療費が高額です。そのため、一部の金持ちの人々が過剰に医者通いをして医療費を使うことで一人あたり医療費を押し上げ、一方でお金がない貧しい家庭の人々は簡単で安い治療も受けることができず、寿命をまっとうできないから、他の先進国と比べて一人あたり医療費が高額であるにも関わらず、平均寿命が短くなってしまっているのです。

この、高額な医療費をかけているのに国民の寿命が低いという矛盾こそが、資本主義社会のお金至上主義による、単純化本能が引き起こした思い込みが原因であるということです。つまり、民主主義ですら民主主義であるというだけでは全ての問題を解決できていないということです。

 

もっと知りたい

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本記事により、ここまでの説明で単純化本能については十分にご理解いただけたかと思います。

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