コロナワクチン供給と接種の見通しについて知りたいですか?
厚生労働省が公表している情報をもとに、Q&A形式で日本の新型コロナワクチン供給や接種は今後どうなるのか?、どのようなワクチンが開発されているのか?という疑問点に対する回答を説明します。
なお、日本で接種が開始された、ファイザー社や、武田/モデルナ社、アストラゼネカ社コロナワクチンの特徴について詳しく学びたい方は以下3つの記事をそれぞれご覧ください。接種回数と接種間隔、有効性や安全性、受けられない人や注意が必要な人を紹介しています。



コロナワクチン供給と接種の見通し
厚生労働省で公表されている情報をもとに、新型コロナワクチン供給と接種の見通しについてQ&A形式で説明します。
日本のコロナワクチン供給と接種の見通し
日本における新型コロナワクチン供給と接種の今後の見通しについて説明します。
厚生労働省HPの新型コロナワクチンQ&Aによると、日本政府はファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社から合計で3億1,400万回分の供給を受けることについて合意をしている点や、ワクチンの約次承認からの接種までの経緯を以下のように説明しています。
Q 日本の新型コロナワクチン接種はどうなりますか。
A 国内で薬事承認され、予防接種の対象となったワクチンを、出来るだけ早く、国民の皆さまに提供していきます。日本政府は、ファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社から合計で3億1,400万回分の供給を受けることについて合意をしています。1人に2回接種を行うとした場合1億5,700万人分となります。
日本では、ファイザー社のワクチンが、2021年2月14日に薬事承認され、同月17日から接種が開始されています。また、武田/モデルナ社のワクチンとアストラゼネカ社のワクチンが、2021年5月21日に薬事承認され、うち、武田/モデルナ社のワクチンは同月24日から接種が開始されています。アストラゼネカ社のワクチンについては、原則40歳以上の方(ただし、他の新型コロナワクチンに含まれる成分に対してアレルギーがあり接種できない等、特に必要がある場合は18歳以上の方)を対象に、同年8月3日より予防接種法に基づく接種の対象となりました。ただし、現時点では、アストラゼネカ社のワクチンの接種を行う機会は限られており、通常は、皆さまに、ファイザー社又は武田/モデルナ社のワクチンを接種いただくこととしています。
(出典:厚生労働省)
つまり、日本人1人あたり4回も接種を行うことができる分の新型コロナワクチンを確保しているということです。そもそもコロナワクチンは何回の接種が必要なのかとう点について、厚生労働省は以下のように説明しています。
接種回数と接種の間隔
2回の接種が必要です。
▷ファイザー社のワクチン:標準として、1回目の接種から3週間後に2回目を接種します。
▷武田/モデルナ社のワクチン:標準として、1回目の接種から4週間後に2回目を接種します。
▷アストラゼネカ社のワクチン:標準として、1回目の接種から4~12週間後に2回目を接種します。ただし、最大の効果を得るためには、8週以上の間隔をおいて接種することが望ましいとされています。標準の接種間隔を超えても、2回目の接種を受けることができます。接種できる間隔の上限が決められているわけではありません。接種を1回目からやり直す必要はありませんので、なるべく早く、2回目の接種を受けていただくことをお勧めします。
なお、標準の接種間隔を超えた場合の効果は十分に検証されていませんが、WHO、米国や、EUの一部の国では、3週間(ファイザー社のワクチン)または4週間(武田/モデルナ社のワクチン)を超えた場合でも、1回目から6週間後までに2回目を接種することを目安として示していますので、こうした目安も参考になると考えられます。
つまり、コロナワクチンは一人当たり2回の接種が必要とするものであるが、4回分ものワクチンを確保しているということであれば、2倍以上の量が確保できていると言えます。
しかし、一度に日本の全国民分のワクチンを確保できておらず、徐々に供給が行われていると以下のように説明があります。
国内で薬事承認され、予防接種の対象となったワクチンは、出来るだけ早く、国民の皆さまに提供します。一方で、全国民分のワクチンを一度には確保できず、徐々に供給が行われます。このため、一定の接種順位を決めて、接種を行っています。
(出典:厚生労働省)
また、なぜ一般の方が早急にワクチン接種を受けられないのかについては以下の通りです。
現在は、医療従事者等と高齢者に続き、基礎疾患を有する方、
一般の方への接種を進めています。 自衛隊や自治体における大規模接種会場等での接種や、 企業や大学等の職業単位での接種を可能とするなど、 接種の加速化を図っています。 これからもワクチンの供給や接種が進んでいきますので、 お待ちいただいている方も、今後、 順次接種いただくことができます。 なお、接種を希望される方々は、無料で受けることができます。
接種についての具体的なお知らせはこちらを、ワクチンの供給の見通しはこちらを、接種の実績はこちらをご覧ください。
(出典:厚生労働省)
つまり、コロナワクチン接種を受けることができる優先順位としては、
- 医療従事者等
- 高齢者
- 基礎疾患を有する方
- 一般の方
となっているためであり、一般の方は最後になってしまうから、一般の方はワクチンの順番が回ってくるまで待つ必要があるということです。
言い換えると、コロナ病棟で働く医師や看護師、コロナに感染し重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある人を後回しにして、健康な一般の方がワクチン接種をするべきではないということですね。
新型コロナワクチンの誤情報についてはこちらの記事をご覧ください。

ワクチン接種効果については以下の記事をどうぞ。

どのようなワクチンが開発されているの?
日本におけるコロナワクチン接種の見通しを知るためには、ワクチンの研究開発がどのように行われているのかについても知る必要があります。
厚生労働省によると、ワクチン開発について以下の通り説明しています。
- Q 現在、承認されている新型コロナワクチン以外に、どのようなワクチンが開発されていますか。
- A 新型コロナワクチンについては、早期の実用化を目指し、国内外で多数の研究が精力的に行われています。
- 一般に、ワクチンの開発は、基礎研究、非臨床試験、臨床試験の大きく3つのステップで進められていきます。その中で、候補物質の探索、有効性・安全性の確認、品質を担保しつつ大量生産が可能かどうかの確認などを行う必要があり、開発には一般に年単位の期間がかかります。
- (出典:厚生労働省)
なるほど、国内外でコロナワクチンの研究開発が精力的に行われてはいるが、基礎研究や非臨床試験、診療試験という3ステップを踏まえ、さらに候補物質の探索、有効性・安全性の確認、品質を担保しつつ大量生産が可能かどうかの確認などを行う必要があるから、コロナワクチン開発には年単位の期間がかかるんだよ、ということです。
つまり、そう簡単にコロナワクチンを開発することはできないので、短期間で複数のコロナワクチンが大量に出回ることはない、ということが分かります。たしかにどのような副反応が出るのかを十分に確認した上でないと、多くの人にワクチン接種させるのは危険だといえます。
なお、ワクチン開発においてどれだけ安全性が高くとも、コロナワクチンの副反応をゼロにすることはできません。コロナワクチンの副反応や安全性について詳しく知りたい方は以下の記事をどうぞ。





また厚生労働省はコロナワクチン開発について、通常より早いペースで開発が進められていると以下のように言及しています。
現在、新型コロナワクチンについては、早期の実用化を目指し、国内外で多数の研究が精力的に行われています。通常より早いペースで開発が進められており、既に承認されたワクチン以外にも、海外で開発され実用化されたものや、国内で臨床試験が開始されているものが複数あります。
詳細は、こちらをご覧ください。
(出典:厚生労働省)
コロナワクチン開発について詳しく学びたい方は「【コロナワクチン開発】見通し/種類/国内/AMED/国際貢献/生産体制/早期実用化」の記事をご参照ください。厚生労働省が公表している情報を元に、コロナワクチン開発の見通しや開発中のワクチンの種類、国内の開発状況やAMED支援のワクチン開発を紹介しています。

もっと知りたい
コロナワクチンについてもっと詳しく知りたいという方向けに、おすすめ記事を紹介します。
ファイザー社コロナワクチンが5~11歳へ対象年齢を拡大することについてはこちらの記事をどうぞ。

新型コロナワクチンの仕組みについて知りたい方は、「【コロナワクチンの仕組み】予防接種・どんな種類・集団免疫・筋肉注射は痛いか・mRNA」の記事をご覧ください。
厚生労働省が公表している情報に基づき、ワクチンの仕組みとして、ワクチンや予防接種とは何か、ワクチンはどのようなものかあるか、集団免疫とは何か、筋肉注射とは何か(痛いのか?)という点をご紹介しています。

ワクチンの対象者や優先順位について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください


コロナワクチンを接種できない人とはどのような人か知りたい方は「【コロナワクチン接種できない人】注意が必要・基礎疾患持病・アレルギー・副反応・アナフィラキシー」の記事をどうぞ。ワクチンを接種するのに注意が必要な人や、基礎疾患(持病)のある人やアレルギーのある人はコロナワクチンを接種できるのかをご紹介!過去にアナフィラキシーが起こり、ワクチンを接種できるのか不安な方は必見です!

その一方で、コロナワクチンを接種できる人とはどのような人か知りたい人は「【意外!?コロナワクチン接種できる人】蜂・薬飲んでる・妊娠授乳計画中・感染した・寝たきり在宅介護」をご参照ください。厚生労働省が公表している情報を踏まえ、意外なことに過去に蜂に刺されたことがある人や薬を飲んでいる人、妊娠中・授乳中・妊娠を計画中の人はワクチン接種をすることが可能であるという点をご紹介!過去にコロナに感染したことのある人や、寝たきり(在宅介護)の人でもワクチン接種は可能か気になる方は必見です!

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