新型コロナウイルスと熱中症の関係について知りたいですか?
コロナ拡大防止のために行動が変化することで、熱中症リスクも高まります。
コロナと熱中症の関係性や、その対策をご紹介!
マスク装着で体温が上昇するリスクについて学びたい方、外出自粛で運動不足を感じている方必見!
コロナを予防すると同時に、熱中症も効果的に予防したい方はこちらの記事も併せてご参照ください。
【コロナと熱中症】マスクで体温上昇
日常的にマスクを着用すると熱中症のリスクが高まります。
なぜかと言うと、マスクで顔を覆うことで放熱が妨げられるからです。もちろん毎年一定の割合で、熱中症により救急車で運ばれる患者は多数います。参考までに以下のグラフは、2013年から2019年までの夏季において、熱中症で救急搬送された人の数を示しています。
(出典:総務省消防庁「2019 年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」)
2019年の夏季だけで71317人もの人が救急搬送されているのは驚きです。しかし2020年の夏は、新型コロナウイルス拡大防止のためのマスク装着により、昨年度よりもさらに体温が上昇する可能性があるので特に危険なのです。
具体的に説明しましょう。
人は夏になって気温が高くなり体内に熱がこもるようになると、
- 汗をかいたり、
- 呼吸をして冷えた空気を体内に取り込んだり
することで熱を発散していき、体温調節を行います。しかし、新型コロナウイルス対策でマスクをしていると、自分の呼吸によって温かい空気しか入ってこなくなります。そのため、呼吸で身体を冷やすことが難しく、むしろ体温を上昇させてしまいます。また、顔の半分ほどがマスクで覆われることによって、熱がこもりやすくなります。
さらに、熱がこもりやすく発散しにくくなっているのに加えて、マスクによる加湿で口の渇きを感じにくくなるため、熱中症に気づくのが遅くなり、マスクなしで過ごしていた時よりも熱中症になるリスクは高まると考えられています。(出典)
そこで隠れ脱水や、熱中症発生から死亡までの時間を踏まえ、どうすれば熱中症を回避できるかについて、詳細はこちらの記事をご参照ください。
また、夏用マスクは熱中症リスクを効果的に減少させます。ユニクロのエアリズムマスクの3つの特徴についてはこちらの記事をどうぞ。
【コロナと熱中症】中国 体育でマスクを装着し死亡
例えば、中国ではマスクをしながら体育の授業で長距離走を行っていたところ、死亡してしまった生徒が3人もいます。(出典)死亡した生徒の中には、 N 95マスクという医療用マスクを装着していた人もいたようです。この件についての2020年5月12日付のNHKの記事は以下の通りです。
中国では新型コロナウイルスの感染リスクが低いとされる地域から、中学校や高校の授業が徐々に再開しています。
こうした中、4月中旬から下旬にかけて、東部の浙江省、内陸部の河南省と湖南省で、体育の授業でマスクをつけて長距離走などをしていた生徒が急死する事故が3件相次ぎ、中には「N95」と呼ばれる医療用の高性能マスクをつけていた生徒もいたということです。
事故を受けて、中国教育省は12日の記者会見で、「N95のマスクは通気性が極めて悪く、たとえ事故が起きなくても体育の授業でつけると体によくない」として、今後、体育の授業では「N95」と呼ばれるマスクをつけることを禁止する方針を示しました。(出典:NHK)
日本では、
- 文部科学省や
- スポーツ庁
はマスク着用を禁止としてはいませんが、「体育の授業での着用の必要はない」との見解を示してはいます。したがって、運動中にマスクを装着することは、熱中症の危険を伴う行為であるともいえるでしょう。
これらのことから、マスクを付けて体を動かす場合は、熱中症に大いに注意を払うべきです。
マスクを着用することで病気を予防するどころか、病気になってしまうリスクが増大すると言うのは皮肉なことです。マスクの正しい付け方についてはこちらの記事をご覧ください。
【コロナと熱中症】外出自粛で運動不足
新型コロナウイルス拡大防止のため外出自粛を続けてきました。その結果、長期間にわたり屋内で過ごすことが増えたため、熱中症のリスクが高まっています。なぜ屋内で過ごすことが増えると熱中症のリスクが高まるのかというと、運動不足に起因しています。
2020年4月7日の緊急事態宣言以降、誰しもが新型コロナウイルス拡大防止のために長期間屋内で過ごすことにより、
- テレビを見たり
- ゲームをしたり
- 漫画を読んだり
する機会が増えたはずです。
その結果体が暑さに対応できず、熱中症になるリスクが高まってしまうのです。
外出自粛をすると、日光を浴びなくなりビタミンD不足になる問題についてはこちらの記事をご覧ください。
特に高齢者は
- 暑さやのどの渇きを感じにくく、
- 汗もあまり出ない
ことから、熱中症にかかりやすいといわれています。(出典)
運動不足による熱中症を防ぐには、のどが渇いていなくても
- 「1時間ごとにコップ1杯」
- 「午前、午後に500ミリリットルのペットボトル1本分ずつを飲みきる」
などと意識して水分補給をするようにしましょう。
糖分が多いジュースなどはのどが渇きやすく、コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物は利尿作用がありますので避けたほうが良いでしょう。
そこで、
- スポーツドリンクや
- 経口補水液
を摂取すればよいかというと、そうでもなさそうです。なぜスポーツドリンクや経口補水液を摂取しなくても良いのかと言うと、以下の「熱中症に対するスポーツドリンクについて」という記事で分かりやすく説明されているので一部を引用させていただきます。
熱中症対策に糖質入りのスポーツドリンクなんて全く必要ありません。基本的にはミネラルウォーター又は麦茶で十分です。
汗をかくと、交感神経が緊張し、それにより分泌されたアドレナリンやコルチゾールの働きにより、血糖値が上昇する傾向にあります。そこにスポーツドリンクの大量の糖質が加わると、さらに血糖値を急激に上げてしまうことになります。すると、血液中の浸透圧が高くなり、電解質のバランスがくずれ、最終的に細胞内の水分は外へ流出してしまいます。これにより、水分を摂取しているのも関わらず、細胞内が脱水症状となってしまう危険性があります。
日常生活中にコップ一杯(200mlくらい)くらいの水を1日7〜8回に分けて飲むように心がけることで、体を常に水で満たし、脱水症状になりにくくします。
私たち日本人は、塩分に関しては必要量をはるかに上回る量を普段の食事で摂取しているため、日常生活でジワジワと汗をかく程度の場合には、さらに意識して塩分を補給する必要はありません。
そもそも熱中症というものは、気温や湿度の高い環境下での水分&ミネラル不足という問題以前に、睡眠不足や規則正しい生活を送っていないことで発症リスクが上がります。
しっかりと食生活の改善を行って、日頃からタンパク質をしっかりと摂るようにしましょう。そして熱中症にまけない強い身体づくりを心がけていきましょう。
なるほど日本人は塩分を過剰摂取しすぎているので、わざわざスポーツドリンクで塩分を追加摂取する必要はないということです。しかしながら、激しい運動をした後にはスポーツドリンクや経口補水液を摂取するのも良いでしょう。つまるところは、ケースバイケースであると思われます。
2020年の5月は、全国各地で
- 最高気温が25度以上の「夏日」や
- 30度以上の「真夏日」
が観測されていますが、それ以外の日は5月はまだまだ比較的涼しい時期です。したがって室内での軽い運動などを今の時期に始めて、「汗をかく練習」をしておきましょう。そうすることで、発汗で体温を下げられる体づくりにもつながるはずです。
- 良い汗と悪い汗の違いや、
- 悪い汗をかくとどうなるか、
- 良い汗をかく方法
等についてはこちらの記事をご参照ください。
2020年の夏はコロナの影響で熱中症にかかりやすいという点を踏まえ、
- フィリピンは熱中症患者が少ない理由、
- 熱中症になったらどんな症状が現れるか
等について学びたい方はこちらの記事をご参照ください。
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