新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOAについて知りたいですか?
COCOAとはどのようなものかを踏まえ、名称はどこから来ているのか、仕組み等をご紹介!
COCOAによるコロナ感染者との「近接」の定義や、通知する流れ、新型コロナ初期症状毎の受診案内を学びたい方必見!
新型コロナウイルスの初期症状についてはこちらの記事をご参照ください。
【COCOAとは】
新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOAとは、どのようなものかを説明します。
まずCOCOAというのは、厚生労働省が新型コロナウイルスの感染拡大防止に役立つために、「新型コロナウイルス感染症対策テックチーム」と連携して開発したスマートフォン用のアプリです。
安倍首相は2020年6月18日の会見において、オックスフォード大の研究によればCOCOAアプリを日本人の6割の人が使用することによって、効果的に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言(都市封鎖)を防止することができると以下のように主張しています。
オックスフォード大学の研究によれば、人口の6割近くにアプリが普及し、濃厚接触者を早期の隔離につなげることができれば、ロックダウンを避けることが可能となります。
日本人の人口は、総務省統計局の調べによると2020年7月において1億2596万人です。日本人の人口の6割といえば、7,557万人がCOCOAアプリを利用する必要があります。したがって2020年8月6日時点のCOCOAアプリダウンロード数は1181万件(出典:厚生労働省)であることから、未だ目標値の7,557万人に対して15%ほどしか達成できておらず、目標人数達成までさらに時間がかかることが予想できます。
COCOAアプリを利用するメリットやBluetooth接続方法、通信費用等について、詳細は「【COCOAよくある質問】コロナ接触確認アプリとは【厚生労働省Q&A】」の記事をご覧ください。
【COCOAとは】開発者
前述のCOCOAアプリの開発者である「新型コロナウイルス感染症対策テックチーム」というのは、西村康稔 新型コロナウイルス感染症対策担当大臣をトップに据えたチームを指します。このチームのメンバーとしては、
- ヤフー
- マイクロソフト
- 楽天
- LINE
- NTT ドコモ
- KDDI
などの名だたる有名な民間IT企業の役員たち等で構成されており、具体的なメンバーの氏名・所属組織名・役職は以下の通りです。
新型コロナウイルス感染症対策テックチーム キックオフ会合
- 出席者リスト
- チーム 長
- 西村 康稔 新型コロナウイルス感染症対策担当大臣
- 竹本 直一 情報通信技術(IT)政策担当大臣
- 北村 誠吾 規制改革担当大臣
- 副チーム長
- 宮下 一郎 内閣府副大臣(主査)
- 平 将明 内閣府副大臣(主査代理:事務局長)
- 大塚 拓 内閣府副大臣
- 寺田 稔 総務副大臣
- 橋本 岳 厚生労働副大臣
- 中野 洋昌 経済産業大臣政務官
- 民間企業
- 佐々木 潔 ヤフー株式会社執行役員 CDO データ統括本部長
- マシューズ真里 グーグル合同会社公共政策部 執行役員
- Khanh LeViet グーグル合同会社デベロッパーアドボケイト
- 山口奈々子 グーグル合同会社公共政策部 シニアアナリスト
- 木村 靖 日本マイクロソフト株式会社デジタルガバメント統括業務執行役員
- 太田 哲也 日本マイクロソフト株式会社クラウド&ソリューション事業本部モダンワークプレイス統括本部 統括業務執行役員
- 手島 主税 日本マイクロソフト株式会社クラウド&ソリューション事業本部長執行役員常務
- 江口 清貴 LINE 株式会社執行役員公共政策・CSR 担当
- 北川 拓也 楽天株式会社常務執行役員テクノロジーディビジョン
- 藤原 道朗 株式会社 NTT ドコモ取締役常務執行役員 経営企画部長
- 佐藤 隆明 株式会社 NTT ドコモR&Dイノベーション本部サービスイノベーション部長
- 古賀 靖広 KDDI 株式会社執行役員渉外・広報本部長
- 山本 隆広 KDDI 株式会社パートナービジネス開発部長
- 松井 敏彦 ソフトバンク株式会社渉外本部本部長渉外担当役員代理
- 村田 俊樹 ソフトバンク株式会社テクノロジーユニットモバイル技術統括 IT-OT イノベーション本部サービス基盤統括部データサービス基盤開発部データソリューション課長
- 関 治之 一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事
- 赤浦 徹 一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会会長
- 郷治 友孝 一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会常務理事
- 正木 義久 一般社団法人日本経済団体連合会ソーシャル・コミュニケーション本部長
- 関 聡司 一般社団法人新経済連盟事務局長
- 荻原 紀男 一般社団法人日本 IT 団体連盟幹事長
- 中谷 昇 一般社団法人日本 IT 団体連盟専務理事
- 坂下 哲也 一般財団法人日本情報経済社会推進協会常務理事
このメンバーを見る限り、優秀な人材が力を合わせ、日本最先端の IT 技術力を駆使することによってCOCOAというアプリケーションを作り上げていることがわかります。
【COCOAとは】名称
COCOAという名称はどこから来ているかと言うと、Contact Confirming Applicationの各単語の頭文字を取ったものであり、略してCOCOAと名付けられています。(出典:厚生労働省)
このアプリは全ての日本国民に配布されるというものではなくスマートフォンアプリを任意でダウンロードして、利用者本人の同意を前提にスマートフォンの Bluetooth 接続を活用し、利用者が互いに分からないようにプライバシーを確保しつつ新型コロナウイルスの陽性者と接触した場合に、「コロナ感染者と接触した可能性があります!」などという通知を受け取ることができるアプリです。(出典:厚生労働省)
COCOAを利用する人は新型コロナウイルス陽性者と接触した可能性を把握できるようになることにより、 PCR 検査の受診をするなどの保健所のサポートを迅速に受けることができるようになります。COCOAのアプリ利用者が増えれば新型コロナウイルス感染拡大防止につながることが期待されています。(出典:厚生労働省)
【COCOAとは】動作可能なスマートフォンの機種・OSバージョン
COCOAアプリを利用するにあたって、動作可能なスマートフォンの機種・OSバージョンを説明します。
まずCOCOAアプリは、今後も更新される場合があり、もし今後COCOAアプリのバージョンが更新されている場合には、最新のバージョンにアップデートする必要があります。アプリを更新する際は、App Store / Google Playでアップデートの操作をしましょう。
しかし覚えておくべき重要な注意点として、COCOAアプリを削除して再度インストールした場合、それまでの接触履歴も削除されてしまいますので気をつけましょう。(出典:厚生労働省)
動作可能なスマートフォンのOSバージョンは、
- iPhone端末ではiOS 13.5以上、
- Android端末ではAndroid 6.0以上
となっています。また、iOS 13.5がインストールできるiPhone機種は以下の一覧表の通りです。
なお、
- iPad OS 、
- watch OS
には対応していませんので、
- iPadや
- Apple Watch
しか持っていない人は、COCOAアプリを利用することはできません。
また以下のAndroid機種とOS(組合せ)においては、作動することが確認されています(一部の機種によっては動作しない可能性があります)。
【COCOAとは】仕組み【インストール】
では次に、コロナ接触確認アプリCOCOAの仕組みについて詳しく説明します。
COCOAとは前述の通り、接触確認アプリ利用者が互いにわからない形で、コロナ感染者と接触した可能性について、通知を受け取ることができる仕組みです。まずこちらの
- Google Play か
- App Store
のURLかQRコードを読み取ることでアプリをインストールしますが、その際に厚生労働省はCOCOAアプリの利用者に同意を取ります。(出典:厚生労働省)
Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.go.mhlw.covid19radar
App Store
App Storeに接続していますApple Musicに接続しています
アプリ利用者がCOCOAアプリをインストールし、アプリの利用に同意するまでの流れは以下のようなイメージです。
【COCOAとは】仕組み【個人情報】
COCOAアプリの仕組みとしては、前述の通りBluetooth 接続を活用して他のスマートフォンと近接した場合に、ランダムな識別子を交換して記録するものです。
COCOAアプリは、
- 電話番号や
- 位置情報
など個人が特定される情報は記録しない(出典:厚生労働省)のでご安心ください。
近接に関する情報は、14日経過後に自動で無効となりますので、永久に個人情報が危険にさらされるという代物ではありません。またCOCOAアプリ利用の同意はいつでも撤回してCOCOAアプリを削除して記録を消去できます。したがってCOCOAアプリを利用することにより、個人情報の面で大きな不利益を被ってしまう可能性は低いと言えるでしょう。
【COCOAとは】仕組み【「近接」の定義】
ここで言う、COCOAアプリのBluetooth 接続を活用した「近接」の定義について詳しく説明すると、新型コロナウイルス陽性者と、
- 1メートル 以内で
- 15分以上
接触した可能性がある場合に通知を受け取ることができるというものです。そのイメージ図としては以下の通りです。
「新型コロナウイルス陽性者と接触した可能性」についてのイメージ図
近接情報はスマートフォンの端末でランダムな識別子を生成して記録しますが、前述の通り近接に関する情報は14日経過後に自動で無効となります。
また、
- いつ
- どこで
- 誰と
近接した状態だったのかという点については、COCOAアプリ利用者は互いにわからないようになっています。さらに、COCOAアプリは
- 連絡先や
- 位置情報
など個人を特定する情報は記録しません。
しかしCOCOAアプリを利用するにあたっての注意点として、 Bluetooth 接続をオフにすると、近接したという情報が記録されなくなってしまうので注意が必要です。つまり、COCOAアプリを利用するのであれば、Bluetooth 接続を常にオンにしておく必要があるということです。(出典:厚生労働省)
【COCOAとは】仕組み【「近接」を通知する流れ】
COCOAアプリが、COCOAアプリ利用者に対し、新型コロナウイルス陽性者と「近接」した可能性を通知する、一連の流れを詳しく説明します。
この一連の流れを示すイメージ図は以下の通りです。
このイメージ図の見方としては4者が存在しており、
- 上
- 厚生労働省の通知サーバー
- 左
- COCOAアプリを利用していて、なおかつ新型コロナウイルスの PCR 検査をした結果、陽性判定が出た人
- 下
- 保健所の新型コロナウイルス感染者等情報把握管理支援システム(HER-SYS)
- 右
- COCOAアプリに利用していて、なおかつ新型コロナウイルス陽性患者と「近接」した可能性がある人
となっています。
まず①の、保健所の新型コロナウイルス感染者等情報把握管理支援システム(HER-SYS)は、 PCR 検査の結果、新型コロナウイルスの陽性反応が出た陽性者に対して、陽性者の把握・健康観察等の処理番号をスマートフォンのCOCOAアプリを通じて送付します。
次に②の、COCOAアプリは厚生労働省の通知サーバーに、新型コロナウイルス陽性確定の事実と処理番号を登録します。
そして③の、厚生労働省の通知サーバーは、保健所の新型コロナウイルス感染者等情報把握管理支援システム(HER-SYS)に対し、新型コロナウイルス陽性者からの通知である旨を処理番号で照会します。
そして④の、処理番号の確認結果を、保健所の新型コロナウイルス感染者等情報把握管理支援システム(HER-SYS)から厚生労働省の通知サーバーに回答します。
なお、前述の通り厚生労働省の通知サーバーでは、個人情報や新型コロナウイルス陽性者と接触者の関係が分かる情報は管理しませんので、個人情報の面では心配する必要はなさそうです。
さらに⑤の、新型コロナウイルス陽性者と近接した可能性のあるCOCOAアプリ利用者に対し、「あなたは新型コロナウイルス陽性者と近接した可能性があります」などと通知してくれます。この際に、もし
- 発熱や
- 咳、
- 倦怠感、
- 息苦しい(呼吸困難・肺炎)
等の初期症状を感じているのであれば、帰国者・接触者外来等の受診を行うための手続きを
- COCOAアプリ
- またはコールセンター
が案内してくれます。
最後に⑥の、新型コロナウイルス陽性者と近接した可能性のある人たちは、新型コロナウイルスの初期症状に応じて、案内された帰国者・接触者外来等に予約・受診を行います。
【COCOAとは】仕組み【「近接」を通知する流れの詳細情報】
ここまで説明してきたCOCOAアプリで「近接」を通知する一連の流れですが、さらに詳細な情報を補足説明します。
新型コロナウイルスのPCR 検査の陽性患者がCOCOAアプリに登録しないように、保健所の新型コロナウイルス感染者等情報把握管理支援システム(HER-SYS)の処理番号をCOCOAアプリ利用者に対して発行し、COCOAアプリ利用者本人がアプリで入力します。(出典:厚生労働省)そしてCOCOAアプリ利用者本人が、同システムに登録した
- 携帯電話の SMS
- またはメールアドレス
宛に、「あなたは新型コロナウイルス陽性者と近接した可能性があります」などと通知が送付されます。このような通知を受けた方には、新型コロナウイルスの初期症状に応じて、帰国者・接触者外来等の受診までの手続きを、
- アプリ
- またはコールセンター
が案内してくれます。厚生労働省の通知サーバーは、新型コロナウイルス陽性者の暗号化情報のみ保持し通知後に削除します。新型コロナウイルス陽性者と接触者(「近接」した人)との対応関係は、国・自治体では分からないようになっています。
【COCOAとは】仕組み【コロナ初期症状がある場合の検査等の受診案内】
COCOAアプリの仕組みとして、医療機関の PCR 検査を受診するまでの流れを説明します。
COCOAアプリを通じて、「あなたは新型コロナウイルス陽性者と近接した可能性がある」等の通知を受け取った方に、もし新型コロナウイルスの初期症状がある場合、早急に PCR 検査等の対処する必要があります。そこでCOCOAアプリで
- 新型コロナウイルスの初期症状の有無や
- 身近な人の状況
等を入力することにより帰国者・接触者外来棟での受診までを案内してくれます。
具体的にアプリの画面で入力する場合の流れとしては、まず新型コロナウイルス初期症状の有無を選択します。以下のどれかに該当する場合は「該当する症状あり」を選択します。
- 息苦しさ(呼吸困難・肺炎)や強いだるさ(倦怠感)または発熱などの強い症状のいずれかがある。
- 重症しやすい方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状がある。
なお、ここで言う重症しやすい方というのは、
- 高齢者
- 糖尿病
- 心不全
- 呼吸器疾患 COPD
などの
- 基礎疾患がある方や、
- 透析を受けている方、
- 免疫抑制剤や抗がん剤を用いている方
などが該当します。
これらの持病がある方は、新型コロナウイルスによる致死率が高いと言われています。詳しくは「【コロナウイルス致死率】インフル・年齢・基礎疾患・人種・大気汚染」の記事をご参照ください。
上記以外の方で、
など、比較的軽い風邪の症状が続いている方は「該当する症状あり」を選択します。
これらの項目に該当しない健康な人は「該当する症状なし」を選択します。
「該当する症状あり」を選択した場合、帰国者・接触者外来等の速やかな予約と受診が必要であるため、COCOAアプリが帰国者・接触者外来等の連絡先を表示することによって自動的に案内してくれるようになっています。
もし新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合は、身近な人に新型コロナウイルス陽性患者などがいるかどうかを確認してくださいと促されます。
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具体的に質問される文章としては以下の通りです。
「あなたは陽性者との接触の可能性が確認されていますが、家族や友人、職場の人など2週間以内に身近に接した人で以下のような方に心当たりはありますか?」
- 新型コロナウイルス感染症の感染者がいる
- 新型コロナウイルス感染症が疑われる症状がある人がいる
(厳密でなくても大体そう思われれば「はい」と回答してください。)
疑われる症状:
- 息苦しさ(呼吸困難・肺炎)・強いだるさ(倦怠感)・高熱等の強い症状、
- 重症化しやすい方で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状
- これら以外の方で、発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く
新型コロナウイルスの初期症状がなしの場合であっても、身近な人の中に新型コロナウイルス感染者等がいたり、体調不良を訴える人がいるなどの場合は以下のフローに進み、「はい」か「いいえ」のどちらかを選択します。
「はい」の場合
COCOAアプリが帰国者・接触者外来等の速やかな予約と受診を案内してくれます。
具体的なメッセージとしては
- 速やかに最寄りの帰国者接触者外来等を予約し、マスク着用で受診してください。
- 14日間は自宅で待機をお願いします
等というメッセージと共に、帰国者・接触者外来等の連絡先を表示してくれます。
「いいえ」の場合
体調変化への注意を呼びかけ
- 14日間は体調の変化に気をつけてください
- 体調に変化があった場合は以下を選択してください「症状の有無を入力ください」
と表示されます。
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