完全歩合制の営業職のメリット・デメリット【成果・解雇・収入・税】

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完全歩合制の営業職は、外資系金融機関でよく見られる雇用形態です。

日本は終身雇用が一般的なので、完全歩合制の営業職は少ないです。

そのため完全歩合制の営業職について、身近な人から正しい回答を得られません。

そこで完全歩合制の営業職のメリット・デメリットを紹介します!

 

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プロフィットセンターとコストセンターの違い

完全歩合制の営業職の特徴を理解するためには、プロフィットセンターとコストセンターの違いを理解しておく必要があります。

プロフィットセンターというのは、営業部門のことです。

どれだけ会社の売り上げを上げることができるのか、ということに注力します。

一方でコストセンターというのは、総務や経理などのコストを管理することを目的とした部門のことです。

これらの部門は会社の売り上げとは、直接的には関係がありません。

しかし、会社を維持していく上で不可欠な従業員の給料や備品を安く仕入れるなどのコストを管理する部門になります。

どちらの部門が優れているというわけではありませんが一般的にプロフィットセンターの方が給料は高く設定されています、なぜならば能力によって差が出やすい部門だからです。

もし営業の成果を出すことができなければ、精神的にも肉体的にも、プロフィットセンターの方が辛い業務が多いといえるので、必然的に離職率も高くなる傾向があります。

 

完全歩合制の営業職に就くデメリット

完全歩合制の営業職に就くデメリットを説明します。

成果を出せなければ解雇される

完全歩合制の営業職に限った話ではありませんが、売り上げの成果を出せなければ解雇されます。

もし売上の成果をなかなかあげられない状態が続くと、上司からパワハラなどの嫌がらせを受ける可能性があります。

なぜならば、上司も同様に完全歩合制で働いているから、部下が成果を出せなければ上司も降格、または解雇されてしまうからです。

それは日系企業よりも、外資系企業に顕著にその傾向が見られます。

外資系企業の場合であれ、日経企業であれ、パワーハラスメントは存在しますので、パワハラを受けた挙句に解雇されてしまったとしたら、まさに踏んだり蹴ったりです。

そこで、パワハラを受けた時の適切な対処法はこちらの記事で説明していますので参考にされてください。

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戦略とは、何をやらないのか(=資源配分)を選択すること

以上の傾向から、完全歩合制の営業職は、より実力がある人向けの職業だと言えるでしょう。

収入が不安定である

完全歩合制の営業職は、収入が上がったり下がったりします。

なぜなら一定の営業活動量を維持してさえいれば、顧客からの契約はいただくことは可能です。

しかし、中には契約に至るまで検討をしたいという顧客が現れるので契約に至るまでの期間がバラバラになってしまいます。

そのため契約と収入は直結しているので、収入が一時期は大幅下落したのにも関わらず、翌月には10倍の収入になることすらあります。

そのため一定の収入を望むのであれば、完全歩合制の営業職に就くべきではありません。

収入例

  • 固定給 
    • 1-12月まで月収25万
    • 合計 年収300万円
  • 歩合制
    • 1-11月は月収15万
    • 12月は135万
    • 合計 年収300万円

年間の総収入額は実は同じ

完全歩合制の営業職に就く場合必ず知っておく必要があることとして、実は完全歩合制の営業職も固定給の営業職も、年間の総収入額はほとんど同じであるという点です。

これを知らないと、新しく転職してきた時に、多額の経費を湯水のように使ってしまい、使った経費を回収できなくなることで、借金まみれになってしまうこともあるからです。

前述の例のように給料は年間、あるいは複数年間のトータルで見た場合に、固定給も完全歩合制も収入額はほぼ同等になります。

 これは、多くの人は完全歩合制の方がリスクを取っている分、収入が高くなるだろうと感覚的に勘違いしやすい点なので注意が必要です。

 

完全歩合制の営業職に就くメリット

完全歩合制の営業職に就くメリットを説明します。

完全歩合制の営業職は、個人事業主として税金対策がしやすい

完全歩合制の営業職は個人事業主として働いているのが一般的です。

そのため会社に雇われて働いているにもかかわらず、給与所得ではなく事業所得を給料としています。

給料を受け取る時に、会社から一定金額の所得税や社会保険料を源泉徴収された上で口座に振り込まれます。

その後、自分の得た給料を確定申告することによって、人によっては税務署から還付金を受け取れることもあります。

個人事業主は税負担割合が低い

そこで唐突ですが、「トーゴーサンピン」という言葉は知っていますか?

これはそれぞれの職業ごとの、所得税負担の不公平さを表している言葉です。

最も高い税金を納めているのが、給与所得者であるサラリーマンです。

サラリーマンの税負担の重さを10とした場合に、5は自営業者、3は農家、1が国会議員なのです。

これは脱税をしているというわけではなく、サラリーマン以外の職業には様々な税金対策を取ることができるので、実質的な税負担割合が少なくなるという意味です。

実質的な税負担割合   サラリーマン>自営業>農家>国会議員

ここで言う完全歩合制の営業職は、サラリーマンと自営業の間のようなポジションが当てはまります。

例えば完全歩合制の営業職は、厚生年金保険や健康保険、また雇用保険などの社会保険料は、会社と折半しています。

それにもかかわらず確定申告を行うので、税金対策もできるという、いいとこどりのポジションが完全歩合制の営業職なのです。

なぜ、サラリーマンは実質的な税負担割合が高いのか?

仕事をしている人の80%程度は、サラリーマンだと言われています。

そのため、サラリーマンすべてが確定申告をしたとしたら、税務署は人手が足りずにパンクしてしまうでしょう。

そこで効率的に処理するために、サラリーマンの税務処理方法は源泉徴収という方法がとられています。

源泉徴収のメリットとしては、勤務先に税金の事務作業を任せることができるという点です。

一方で、源泉徴収のデメリットは、税金対策を行えないという点です。

ちなみに、完全歩合制の営業職として働いている従業員は、源泉徴収をされるサラリーマンであるのにも関わらず自営業として働いています。

 源泉徴収は一旦されますが、後に税務処理を自ら行わなければいけないのですが、税金対策は行うことができます。

税金対策の例

税金対策の例を説明します。

自己投資のための書籍代などを経費で落とせる

税金対策としては、例えば自己投資のために購入した、ビジネス書などを経費で落とすことができることがあげられます。

サラリーマンは自分のために、ビジネス書を購入したところで、経費として落とすことがてきません。

そのため自己投資をているにもかかわらず、実質的に所得税や住民税が高くなってしまいます。

一方で完全歩合制の営業職は、ビジネス書を購入し、自己投資をしたお金を経費として処理することができます。

確かに税金対策としては一年単位では、そこまで大きな差はつかないかもしれません。

しかしこれを10年・20年継続していくにつれて、大きな差へとつながります。

高い年収を得られる可能性がある

前述の通り、完全歩合制の営業職の給料は上がったり下がったりします。

このことを不安定であるとも言えますが、裏を返せば1時短期間で高い年収を得ることができる可能性があるということを示しています。

もし実力が高く、運にも恵まれていれば、短期間で莫大な富を築くことも可能です、しかしそれはほんの一握りのせいぜい全体の5%程度の人に限った話であり、残りの95%の人は長期間を経ても、ごく僅かな収入しか得られないリスクを背負ってみます。

収入をある程度は意図的に増減できる

何らかの意図がある場合、収入を一時期に極端に上げることも可能だと思われます。

なぜなら契約に比例して給料が上がるからです。

引き取によっては一定期間の中で高い金額を上げさえすれば他の機関は低い金額の収入でも構わないと考えている人もいます。

そのため収入をコントロールできる点はメリットであると言えます。

自由度が高い

完全歩合制の営業職は、どこを新規開拓しても構いません。

また、世間一般常識に基づいた午前9時から午後8時ぐらいまでの時間帯であれば、土日祝日関係なく営業活動を行うことも可能です。

そのため、営業活動を行う場所や時間に関しては、自由度が高い職業であると言えます。

プライベートで仕事以外に行わなければいけない作業がある場合は、完全歩合制の営業職は自由度が高いので効率的に行えると思われます。

もし固定給の営業職の場合んで、あれば営業活動を行う場所や時間は会社が指定したものしか行えません。

しかし、人によっては、あまりに自由度が高すぎて、どこをいつ新規開拓するべきかで迷った挙げ句に、途方に暮れてしまう人もいます。

そのため、完全歩合制の営業職は、より営業に関して上級者向けの職業であり、営業初心者は向いていません

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