「数撃ちゃ当たる」が現代では通用しない理由を知りたいですか?
以前は「数撃ちゃ当たる」を実践してさえいれば、物事が上手くいっていました。
しかし、現代の世の中では通用しなくなりつつあります。
なぜならば世界がグローバル化し、ライバルが増えてきたからです。
今や日本人のライバルは日本人同士ではありません。
中国やベトナムなどの新興国や、アメリカ・フランスなどの先進国もライバルです。
具体的に説明していきます。
「数撃ちゃ当たる」が現代では通用しない
「数撃ちゃ当たる」が現代では通用しない理由について説明します。
ここでいう「数」とは量のことを指します。
つまり、現代では量を増やすだけでは不十分であり、質を高める必要性があるという点を論じていきます。
日本は大量生産で競ってはいけないから
日本は大量生産で競ってはいけないから、「数撃ちゃ当たる」が通用しないという点を説明します。
日本で販売しているものは、食べ物に関してはほとんどが輸入品です。
アメリカ産の牛肉やフィリピンのバナナなど、私たちは多くの食べ物を輸入品に頼っています。
より安価で質の高い食べ物を輸入できるので、国内で作った野菜や果物よりも、外国産食品を選ぶ人もたくさんいます。
そのためより多く作ろうと考えれば、アメリカやオーストラリアなどの広大な土地を持つ国々に比べれば、日本はコスト面で勝つことができません。
そのため、日本は大量生産で競ってはいけないのです。
日本の人口は少子高齢化が進行していくにつれて、どんどん減少していっています。
高齢社会白書によれば、2055年には日本の総人口が1億人を切ってしまいます。
出典
1 高齢化の現状と将来像 P.4
令和元年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) - 内閣府内閣府の令和元年版高齢社会白書(全体版)(PDF形式)を掲載しています。
その状況で「数撃ちゃ当たる」という言葉通りに大量生産で競っていれば、人口の多いインドやアメリカ、中国に勝つことはできないでしょう。
そこで、量よりも質を高める必要がでてきます。
保有資格や学歴は、知識を活かすことの方が重要
昔はより偏差値の高い大学に進学しさえすれば、一生安泰した人生を送れる可能性が高かったです。
なぜなら大学に進学する人自体が少なかったです。
しかし今は大学進学率は上昇してきており大学に進学しない人の方が少ないです。
出典
また今はどれだけ高い偏差値の大学に進学したとしても、一生安泰ではなくなってしまいました。
なぜならば人の寿命よりも、会社の寿命の方が短くなってきたからです。
現時点における一流の企業に就職できたとしても10年後には、就職した会社自体が存続していない可能性すらあります。
つまり、偏差値の高い大学に進学するだけでは不十分な世の中になったのです。
では偏差値の高い大学以外に、何を目標にすれば一生安泰した人生を送る可能性が高まるのでしょうか。
その答えは、目的や目標を持って自分の進路を決めるという方法です。
専門学校であれ、大学であれ就職であれ、目的を持って進路を選びさえすれば、キャリアで困らない人生を送る可能性が高まります。
なぜかと言えば中長期的な目標を持つことによって、努力が2倍にも3倍にも価値が膨れ上がるからです。
例えば資格勉強をする場合、資格に合格することだけを目標に勉強をするべきではありません。
なぜならば資格を保有していたとしても、その資格の価値が低くなってしまえば飯を食っていくことができなくなるからです。
例えば以前までは、弁護士資格さえ持っていれば一生安泰でした。
しかし今は弁護士資格保有者が溢れかえり、昔ほどの価値がなくなってしまいました。
詳しくはこちらの記事で説明していますので、ご覧ください。
そのため、自分だけが持つ目的や目標に沿って、資格合格ではなく、実践で活かすためには様々な知識を学ぶべきです。
例えば弁護士資格の勉強をするにあたって、法律に関する知識は、司法試験に合格しなくとも後の人生で役立ちます。
弁護士資格で必要とされる、論理的思考能力やリーガルマインドの考え方は、後に自分に起こる様々な問題を解決するための武器になります。
勉強を資格合格のためにするということは、大変もったいないことです。
なぜならば、その資格勉強で得た知識を実践で活かすことによって、人生をより豊かにできるからです。
例えば宅地建物取引主任者の資格勉強で学ぶ民法に関する知識は、自分の身に降りかかる何らかの問題を切り抜ける手掛かりになる可能性もあります。
資格オタクは仕事で成果を出すことができない
「数撃ちゃ当たる」という考えのもとで様々な資格を取得しようと努力する人がいます。
学生はもちろんのこと、就職をした後も資格勉強ばかり専念して本業がおろそかになっている人もいます。
そのような人達は、資格は仕事の成果に繋がらない事が多いということを理解するべきです。
もちろん多くの資格を取得することによって、知識は身につくかもしれません。
しかしその知識を活かすことができるスキルというのは、実践を通し、失敗を積み重ねることでしか伸びることはありません。
そのため資格オタクになるだけでは仕事で成果を出すことができないので、「数撃ちゃ当たる」という考えは資格取得場面においては不要であると言えます。
長時間労働から短時間労働へ
昭和の時代は、「長時間労働をする人は素晴らしい」という風習がまかり通っていました。
残業すると上司に褒められ、やる気があると見なされてきたのです。
しかし今やワークライフバランスを整えることによって、仕事の業績が長期的に見れば上昇することは明らかです。
長時間働くことによって、1時的には成果が上がったとしても
- 長期で見たら体調を崩してしまったり、
- ストレスが溜まり仕事が嫌になり退職してしまったり、
するなど、デメリットの方が多くなってしまうはずです。
そのため、長時間労働をすること、つまり「数撃ちゃ当たる」という考えは、時代では通用しなくなってきたことを意味します。
どれだけ長く働いて多くの仕事をこなそうとするよりも、どれだけ短く、どれだけ無駄を省いた仕事をすることができるかによって、評価される時代になってきたと言えます。
PDCAサイクルを、人間の力でやろうとしないことが重要
「数撃ちゃ当たる」という考えで営業マンが新規顧客開拓をするとします。
その場合、ストレスを感じることにより離職率が高まります。
また疲労がたまるにつれてマナーもおろそかになり、顧客に対して失礼な態度をとり、苦情に繋がる可能性もあります。
そのため「数撃ちゃ当たる」というのは研修の間だけ有効な手段であり、時間が経過するにつれて、数から質に転化していく必要があるのです。
確かに営業で成果を出すためには、分母となる数や量が重要であることは確かです。
しかし量をこなす事により、何も学ぶことがない人はいつまでたっても成長しないでしょう。
それを避けるためにPDCAサイクルを回し、何が問題でどう改善するべきかということを改善していく必要があります。
もちろんPDCAサイクルを回し続けたところで、短期的には成果は高が知れているかもしれません。
しかし長期的にそれを継続することによって、ライバルとの大きな差に繋がるはずです。
そこで重要なことは、PDCAサイクルを人間の力でやろうとしないことです。
今は便利なITツールがたくさん販売されています。
それらツールを使いこなして、自分にとっての問題点を明らかにしましょう。
そうすることで、どこに力を注ぐべきかが見えてくるはずです。
つまり、IT機器にアウトソーシングすることによって、「数撃ちゃ当たる」という大量の行動が初めて活きてくるのです。
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