マーケティング精鋭集団「刀」の代表を務める森岡毅氏の著書「苦しかったときの話をしようか」について知りたいですか?
彼が考えるキャリア論とはどんなものかを踏まえ、出版した経緯、前著との共通点をご紹介!
彼が娘に関する本を執筆した別の理由・目的を学びたい方必見!
森岡毅氏が手がけた他の本についてはこちらの記事をご参照ください。
【森岡毅】苦しかったときの話をしようか【キャリア論】
森岡毅氏が「苦しかったときの話をしようか」という本を執筆した理由について説明します。
この本は、森岡毅氏が考える「キャリア論」について書かれた書籍です。
そもそも、キャリアという言葉の意味は、三省堂 大辞林 第三版によると以下の通りです。
キャリア [1]【career】
①経歴。経験。 「豊富な-の選手」
②職業。特に、専門的な知識や技術を要する職業。また、それに就いている人。
③日本の中央官庁で、国家公務員試験Ⅰ種合格者の俗称。 「 -組」
ここで言うキャリアという言葉の意味は①の
- 経歴。
- 経験。
という意味で用いられています。つまりこの書籍は、森岡毅氏が個人的に考える
- 経歴や
- 経験
に関する考え方をまとめ上げた内容の本であると言えます。
森岡毅氏がUSJを成功に導いた経緯やMBAの理論、MECEについて記されているベストセラー書籍「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」とは全く異なる本の構成となっています。
ダイエットの成功経験として、森岡毅氏が痩せた理由についてはこちらの記事をご覧ください。
また、森岡毅氏の高校時代についてはこちらの記事をどうぞ。
【森岡毅】苦しかったときの話をしようか【出版した経緯】
さらに具体的に言うと、森岡毅氏のベストセラー書籍「苦しかったときの話をしようか」は、森岡毅氏の長女が、今後の長い人生を生きていく上で必要となる情報が記載されています。実はこの本は、もともと一般大衆向けに執筆したのではなく、個人的に自分の娘に対して執筆したものでした。というのも森岡毅氏の、大学生である娘に対し、就職活動についてアドバイスしたいという思いから森岡毅氏が個人的に書き記したという経緯があるからです。
森岡毅氏はお世話になっている編集者が森岡毅氏の元を訪問してきた時に、新しい書籍の執筆は進んでいるか?と尋ねられ、森岡毅氏が苦し紛れに「こんなものだったら書いているんですけれどもね」、などと娘への手紙に言及したことがきっかけで、編集者がその手紙を読み、編集者は大変感動し、これを出版すべきですと言われたのが「娘への手紙」が世に出るきっかけでした。
しかし一般的に言って、キャリア論に関しての考え方は千差万別であるため、全ての人が必ず共感することはありません。従って「自分はこう考えている」などと強く主張することによって、一部の読者の中で批判が起こる可能性もあります。ましてや、ベストセラー書籍を連発している森岡毅氏による、個人的なの家庭内で用いることを前提とした文章を世に出すことによって、反発が起きる可能性も懸念していました。
周囲の反発を上手くコントロールし、USJを成功に導いた森岡毅氏の戦略的フレームワークについてはこちらの記事をご参照ください。
また、森岡毅氏による「グリーンピア再生劇」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
しかし彼はそのようなリスクを顧みずに、家庭内の個人的な表現や、マニアックな表現を修正することなく出版しました。というのも、多くの人が読むことを前提として修正されたキャリア論の場合、本の面白みが半減してしまうことを回避するためです。具体的には、以下のような記載があります。
学者でもなく、評論家でもなく、マーケターでもなく、私は父親としてそれらの原稿を書いた。ビジネスの最前線で生きてきた実務家としての私ならではの視点を、子供の成功を願う父親の執念で書き出したのだ。
この本で彼が伝えたいことの主たるものは、人生は全て確率論で成り立っており、とても残酷だという点を踏まえ、自分の強みを活かすことによって、より良い選択をする確率を上げるべきだ、ということです。
森岡毅の確率思考を用いた戦略を学びたい方はこちらの書籍をどうぞ。
2020年現在、森岡毅氏は確率思考、つまり定量分析を用いて沖縄テーマパークの開発にも挑んでいます。沖縄テーマパークの地理的戦略について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【森岡毅】苦しかったときの話をしようか【前著との共通点】
この本を読んでいて思うこととしては、実は彼は別の本の中でもキャリアに関する言及を度々行っています。 例えば森岡毅氏の大ベストセラー書籍「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 (角川書店単行本)」 では、「キャリアはどうやって作るのか?」という題名で、まるまる一章を割いて、自身が考えるキャリア論の説明を行っています。
この章において私が大変印象深かったのは、とにかく年収の高い仕事を選べと言いたいのではない、という言葉であり、その箇所を引用させていただくと以下の通りです。
とにかく年収の高い仕事を選べと言いたいのではないのです。それぞれの職業の収入の期待値を知っておくことは、後々の納得感のために必要だと言っているだけです。私は年収の期待値よりももっと大事なことがあると考えています。
森岡毅.USJを劇的に変えた、たった1つの考え方成功を引き寄せるマーケティング入門(角川書店単行本)(Kindleの位置No.2934-2936)..Kindle版.
この本の中で述べているキャリア論について、森岡毅氏が言いたいことをまとめると、外資系金融機関などのハイリスク・ハイリターンな仕事を選んだとしても、必ずしも高収入になるということではなく、それだけ失敗する確率も高いので、結局は自分の好きなことでなければ成功しないよ、ということでした。例えば外資系投資銀行の仕事に就けば年収2千万円も夢ではない、という甘い言葉に釣られて、自分にとって成功する可能性が低い職業につかないように気をつけるべきだということです。苦しかったときの話をしようかにおいても、これと同様のことが詳細に書かれており、自分の強みを活かしつつ、成功する確率を高めなさい、ということを同様に主張しています。
森岡毅氏が、西武園ゆうえんちとの協業を行うに至った経緯や、西武園ゆうえんちはなぜリニューアルが必要なのかという点を踏まえて学びたい方はこちらの記事をどうぞ。
【森岡毅】苦しかったときの話をしようか【執筆した別の理由・目的】
なぜ森岡毅氏は苦しかったときの話をしようかにおいて、キャリアについて語ったのかについては別の理由・目的もあります。それは森岡毅氏の子供が四人もいて、多子世帯であるという点に基づいて、自分のイメージを印象付けた上で、本の出版のマーケティングを行いたかったからでもあります。森岡毅氏が複数の著書の中で主張していることとして、自分or自社の強みであるUSP(ユニーク・セリング・プロポジション) を用いてマーケティングを行いなさいという点です。
森岡毅が協業した丸亀製麺の強みを活用し、業績を向上させた経緯についてはこちらの記事をご覧ください。
森岡毅氏を特徴づけることは、子供がたくさんいるという点です。例えば直感的に考えても、四人も子供がいる家庭は非常に少数派ではないでしょうか。彼はそれと同時に、自分自身が「親バカ」であるほど家族を大切にしているという USP も最大限活用して、自らが手がけた本のマーケティングも行っているのです。
森岡毅氏の娘や彼自身のUSPについて、詳しくはこちらの記事を参照下さい。
森岡毅についてもっと知りたい
森岡毅についてもっと詳しく知りたい方向けに、おすすめ記事をご紹介します。
森岡毅氏のマーケティング戦略の全体像を把握したい方は、こちらの記事をご参照ください。
森岡毅氏が率いるマーケティング精鋭集団「刀」に所属する堀要子さんは、元P&Gのマーケターであり、現在は
- 森岡毅さん率いる株式会社刀の顧問と、
- 新田ゼラチン株式会社の社外取締役
を務めています。
堀要子さんという人物は何者なのか?
「マーケティングの女神」と呼ぶ理由を、過去の経歴を元に知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
- 森岡毅氏が率いるマーケティング精鋭集団「刀」と
- 大和証券グループ
の資本提携が、2020年1月30日に発表されました。
これにより刀は投資企業に生まれ変わりましたが、刀と大和証券のプレスリリースを踏まえ、両社は何を目指すのかをご紹介!
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