新型コロナウイルス感染拡大により、Go To キャンペーンにおいて東京発着だけが対象外となりました。
なぜ東京都だけが対象外となるのかという点を踏まえ、Go To eat キャンペーンの委託先公募延期や、大阪府も対象外となる可能性等について説明します。
米国と日本のコロナ感染状況にを把握したい方は「【米国と日本コロナ感染状況】倒産・BCG・日本医師会【東京・大阪】」の記事も併せてご参照ください。
【Go Toキャンペーン】なぜ東京は除外となるのか?
2020年7月22日からスタートする予定のGo Toキャンペーンについて、東京の発着は対象外となったと以下のように報じられています。
菅義偉官房長官は17日の記者会見で、国内旅行代金の一部を補助する「Go To トラベル」キャンペーンで東京発着を対象外と決めたことについて、「直前になって東京都の(新型コロナウイルス)感染が拡大している現実の中で判断したわけであり、そこは大変申し訳ない」と陳謝した。
東京発着というのは東京都に住む人が神奈川県に旅行に出かけた場合や、それとは反対に神奈川県に住む人が東京都に旅行に出かけた場合が対象外となったという意味です。
7月22日スタートであるにも関わらず7月16日に急遽東京が対象外になった主な理由としては、2020年7月に入ってから新型コロナウイルスの感染者数が急増していることが挙げられます。具体的に、2020年2月22日から2020年7月16日までの新型コロナウイルスの新規感染者数の推移は以下の通りです。
このグラフを見ると、7月以降にコロナ新規感染者数が急増していることがわかります。そして、2020年7月16日の都道府県別の新規感染者数は以下の通りです。
7月16日 新たに確認された感染者数(NHKまとめ)
7月16日23:30時点
北海道
6
東京都
286
青森県
1
神奈川県
47
岩手県
埼玉県
49
宮城県
14
千葉県
32
秋田県
茨城県
2
山形県
1
栃木県
5
福島県
群馬県
3
新潟県
愛知県
21
山梨県
1
岐阜県
2
長野県
1
静岡県
2
三重県
2
富山県
石川県
福井県
大阪府
66
福岡県
16
京都府
13
佐賀県
兵庫県
16
長崎県
滋賀県
1
熊本県
1
奈良県
7
大分県
和歌山県
宮崎県
鳥取県
鹿児島県
4
島根県
沖縄県
1
岡山県
2
徳島県
広島県
5
香川県
10
山口県
1
愛媛県
高知県
1
空港検疫など
4
全国合計
623
この7月16日のコロナ新規感染者数の表を見ると、日本全国では623人の新型コロナウイルスの新規感染者が確認されていますが、東京都の286人という数字は全体の約46%を占めています。 この数字を見る限り、確かに東京都で新型コロナウイルスの感染拡大が蔓延してきていることがわかり、Go To キャンペーンを実施することによって、旅行者が他の県に新型コロナウイルスを運んでしまい、医療体制が整っていない地方の医療状況を圧迫する可能性があるから東京を対象外にしたという判断も頷けます。
なぜ7月以降に新型コロナウイルスの感染者数が増加したのかについてはこちらの記事をどうぞ。
感染者数が増加傾向にあるのに Go To キャンペーンを実施することについて、市長や知事から批判を受けていました。詳細はこちらの記事をどうぞ。
赤羽一嘉国土交通相もGo To キャンペーンで東京だけ対象外となる事について、以下のように言及しています。
赤羽一嘉国土交通相は17日、記者会見し、新型コロナウイルスの拡大に伴い打撃を受けた観光業界を支援する「Go Toトラベル」事業について、7月22日から開始するものの、東京都を発着する旅行が当面の間、支援の対象外となることを説明した。赤羽国交相は、都内の観光関連事業者、都民から「大きな期待があった」と指摘。その上で「このような形になったことは私として断腸の思いだ」と述べた。
国土交通大臣も東京都民から Go To キャンペーンに対して大いに期待を受けており、まさに一週間後にGo To キャンペーンを実施すると考えていたところ、急遽対象外となってしまったことは非常に残念に思っているとのことです。
しかしながら Go To キャンペーンが東京都だけ対象外とされるのは一時的なものである可能性もあります。もし今後東京都の感染者数が減少すれば東京も Go To キャンペーンの対象となる可能性があると菅義偉官房長官は以下のように言及しています。
東京発着を対象に含める時期に関しては、「(政府のコロナ分科会からは)東京の感染が落ち着いてきた際には実施しても差し支えないという提言を頂いている」と述べた。
Go To キャンペーンがいつからいつまで行われるのかについてはこちらの記事をご覧ください。
Go To Travelキャンペーンを活用して家族旅行に行くべき人はどんな人かについてはこちらの記事をどうぞ。
Go To eat キャンペーンも委託先の公募を延期
また Go To キャンペーンにおける Go To eat キャンペーンも委託先の公募を延期すると以下のように報じられています。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って売り上げが落ち込んだ飲食店を支援する「Go To イート」について、農林水産省は17日に始める予定だった事業委託先の公募を延期すると発表した。
江藤農相は同日の閣議後記者会見で、「ここ数日間、東京都や地方都市で感染の勢いが増している。緊張すべきレベルまで上がってきている」と延期の理由を説明した。公募の実施要項は既に完成しており、来週以降に発表するという。
Go To eat キャンペーンというのは予約した店から顧客に対して
- ポイントを付与する
- 食事券を配布する
等というもので、新型コロナウイルスの影響で売上が激減してしまった飲食店を救済するための施策です。
Go To eat キャンペーンとはどのようなものかについて、詳細はこちらの記事をどうぞ。
【Go Toキャンペーン】大阪は対象外にならない?
しかしながら Go To キャンペーンは東京都発着だけが対象外となるだけであり、新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にある大阪などはキャンペーンの対象となります。 大阪府の感染情報については、例えば直近の2020年7月16日でも、大阪から名張に帰省の20代女性が、新型コロナに感染したと以下のように報じられています。
三重県は7月16日、名張市内の実家に帰省していた大阪府在住の20代飲食店店員の女性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内53例目。 【新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)】
発表によると、女性は11日夜に大阪府から公共交通機関と自家用車で帰省後、12日に倦怠感と発熱があり、13日に39度台に上昇。14日に医療機関を受診し検体採取したところ、15日に陽性が確認された。
女性は7日まで府内のカラオケ併設の居酒屋で勤務。実家の家族2人が濃厚接触者として特定されており、県は他に濃厚接触者がいるか調査を進めている。
20代の飲食店勤務の大阪府在住の女性が、三重県の名張市の実家に電車やバスなどの公共交通機関と車で帰省した後に、新型コロナウイルスの発症が確認されたとのことです。言い換えると大阪府から三重県に新型コロナウイルスを運んでしまった可能性があるということです。もしこのような事例がGo Toキャンペーンで頻発してしまえば、新型コロナウイルス感染拡大がさらに加速してしまうことでしょう。したがって今後の感染状況によっては、東京に引き続き他県も Go To キャンペーンの対象外となる可能性があるかもしれません。
なお、この20代女性の症状としては倦怠感と発熱であるとのことですが、この二つの症状は新型コロナウイルスの初期症状でよく見られる症状のトップ1位と3位でもあります。新型コロナウイルスの初期症状「発熱」や「倦怠感」について、詳細はこちらの記事をご参照ください。
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