エッセンシャル思考をすると危険な人について説明します。エッセンシャル思考というのは、本質を見抜いて最小限の行動で、最大の結果を出すと言う考え方です。しかしこの考え方をすることによって、不利益を招いてしまう人も中にはいます。それはどんな人か、特徴を踏まえ具体的にご紹介します!
エッセンシャル思考の概要を学びたい人は、「エッセンシャル思考【量を減らし質を高める/やらない事を選択する】」の記事から先に読まれることをお勧めします。

【エッセンシャル思考をすると危険な人】活動量が少ない初心者
エッセンシャル思考をすると危険な人は、まず活動量が少ない初心者です。
初心者は活動量を増やすことによって初めて成長します。というのも、初心者であれば何をするべきかが明確になっていないので、とにかく活動量を増やすしかないからです。
例えば泳げない人がスイミングスクールに通って、水泳を覚えようと試みたとします。
その場合どのように泳ぐのかという方法論は確かに大事ですが、とにかくやってみて体で覚える方が重要でしょう。もし理論を重視して実際に一度も泳いでもいないのに、スイミングスクールでずっと本を読んでいたり、人の話を聞いてばかりいるということを繰り返していたら、いつまでたっても泳げるようにはならないはずです。
それと同様に、例えば就職したての新卒社員が仕事の内容を覚える際にも、エッセンシャル思考に基づいて最小限の活動量で、最大の結果を出そうとすると、なかなか成長しません。なぜなら、新入社員が右も左も分からない状態で、どうすれば最大の結果を出すことができるのかなんて、分かっていないはずだからです。
煩雑なパスワード管理を円滑化すれば、活動量も上がる可能性があります。ビジネスパーソンであれば必須アイテムと言える1Passwordの購入を検討中の方は、「1Password買い切り版のデメリット【値段・期間・機能・同期・手間】」の記事も併せてご覧ください。

例えば接客の仕事を覚えようとして1日1時間しか働かない人と、1日10時間働く人とでは、絶対に後者の方が業務内容を覚えるはずです。というのも、たった1時間しか働かずに全ての業務内容をマスターすることは不可能であると思えるからです。もし1時間で全ての業務をマスターできるとすれば、それはその人が天才なのであり、エッセンシャル思考を実行したからマスターできたというわけではないはずです。

つまりエッセンシャル思考をすると危険な人は、初心者によく当てはまり、また活動量が少ない人であると言えるでしょう。初心者はとにかく活動量を増やして、質ではなく量で勝負する以外ないのです。量を増やすことによって初めて質がついてくるというのが初心者段階です。それを十分踏まえた上でエッセンシャル思考を活かす場を選びましょう。
しかし、活動量を増やしたとしても、マルチタスク、マルチフォーカスを行うべきではありません。マルチタスクとは、複数のことを同時に行うこと、マルチフォーカスとは複数のことに集中することを意味します。
なお、エッセンシャル思考では、マルチタスクは別にいいけど、マルチフォーカスはダメだと主張しています。例えば、ウォーキングをしながらオーディオブックを聴くマルチタスクはいいけど、複数のオーディオブックを同時に聴くというマルチフォーカスをしたら集中力が分散してしまうからダメといっているのです。Kindle本をICレコーダーでオーディオブック化する方法は「Kindle読み上げ音声をICレコーダーで録音しオーディオブック化」の記事をどうぞ。

つまり、一点集中することで成果は高まります。初心者は活動量を増やすべきなのですが、一度に複数のことを同時に行うべきでは無いという点には注意しましょう!
マルチタスク、マルチフォーカスを避けて、シングルタスクを実行し一点集中する重要性について、こちらの書籍が参考になりますのでおすすめです。
SINGLE TASK 一点集中術という本は、シングルタスクがいかにストレスを減らし、生産性を高め、
質の高い結果を生み出すかを説明している世界的なベストセラー本です。
この本はエッセンシャル思考と相通じるものがあります。例えば、
- 最もタスクを変えない人が、最も能率が高い
- 「同時進行」をやめるだけで成果が上がる
などの点を深く学びたい方はこちらの書籍をご覧ください。
【エッセンシャル思考をすると危険な人】失敗をした数が少ない人
次にエッセンシャル思考をすると危険な人は、失敗をした数が少ない人です。
失敗した数が少ない人というのは、例えば途中で挫折してしまうことが多く、最後までやり遂げる経験を持ち合わせていない人です。
そのような人は途中で諦めてしまうことが多いので、エッセンシャル思考をしたからといって、「本質的に自分はこの仕事が向いてるわけではない」などと自分に言い訳をしてしまい、挫折してしまう可能性があります。エッセンシャル思考ではサンクコストバイアスに惑わされず、「途中でやめること」は、つまり損切りは重要だと主張していますが、必ずしも諦める行為が正しいと言っているわけではないので勘違いすべきでは有りません。
物事をすぐ諦めてしまい、挫折しがちな人は「やり抜く人の9つの習慣 コロンビア大学の成功の科学」の書籍もおすすめです。
多くの心理学者たちの数々の実験と、コロンビア大学の社会心理学者である著者自身の研究成果によって証明ずみの「心理学的に正しい目標達成の方法」を学ぶことができます。この本の要約はこちらをご参照ください。

つまり、エッセンシャル思考に基づき何もかも損切りをするのではなく、まずは失敗をしてみて、その失敗をもとに次にチャレンジをする必要があるのです。それにも関わらず失敗を避けて、はなからエッセンシャル思考で最小限の努力で最大の効果を出そうと思っても甘いと言わざるを得ません。
もしエッセンシャル思考をもとに失敗を繰り返すことが出来れば、人一倍成長するスピードが速くなるでしょう。しかしながら失敗を避けるためにエッセンシャル思考を用いるということは、本末転倒です。
自分にとって何が必要なのかどうかをエッセンシャル思考を通じて分析し、失敗を積極的に克服していく姿勢が必要になってきます。つまりエッセンシャル思考をすると危険な人は、失敗をした数が少ない人であると言えるでしょう。
【エッセンシャル思考をすると危険な人】無駄の定義を誤っている人
次にエッセンシャル思考をすると危険な人は、「無駄な物事」の定義を誤っている人です。
人生100年時代と言われる長寿の時代において、若い頃の経験で無駄といえるものはほとんどありません。
若いうちに無駄だと思ってるものは、大人になってから、高齢になってから、貴重な経験あるいは財産となる日が来るはずです。それにもかかわらず無駄な物事とみなして、エッセンシャル思考を用いて「無駄だと思いこんでいる物事」を避けているようであれば、その人が成長する見込みをわざわざ失ってしまうようなものです。従って、エッセンシャル思考を通じて自分にとって何が価値があるのかを考えるのではなく、「無駄だと思っている物事」を「無駄ではない物事」であると再定義する必要があります。
例えば人間関係で嫌になって仕事を辞めてしまって、仕事を転々としている人がいたとします。そのような人は、人間関係は無駄だと言って仕事を辞めてしまうのですが、その無駄という定義の仕方は誤りです。なぜならその人にとって無駄だと思ったものは、実は人間社会において必要不可欠なものである可能性も高いからです。
つまり人間関係を無駄ととらえるのではなく、自分にとっての教材の一つである、つまり「貴重な物事」であると再定義することで、成長へのきっかけをつかめる可能性があります。エッセンシャル思考は無駄を回避する考え方ではなく、無駄な物事を再定義した上で、失敗に向かって挑戦していくものであるべきです。
従って、エッセンシャル思考をすると危険な人は「無駄な物事」の定義が誤っている人であると言えるでしょう。
【エッセンシャル思考をすると危険な人】バッファを取りすぎる人
エッセンシャル思考すると危険な人はバッファを取りすぎる人、いわばニートな人です。
バッファを取るとは、ゆとりを持つという意味です。
バッファというのは車間距離のようなもので、余裕を持って車を走行させておくことによって、問題が発生した時に回避することができるようになるというものです。誰も高速道路で時速100kmで走行中に、前の車との距離が1m未満で走行する人はいませんよね?というのも、前の車がブレーキを踏んだ途端に、後ろの車はぶつかってしまうことになるためです。
それと同様に、日常生活でも様々な場面でバッファが必要であるということが、エッセンシャル思考の考え方です。
もちろん毎日努力をして、必死に仕事やプライベートを頑張っているのであれば、バッファが必要であると言えるでしょう。しかしながら、もし極端な話ニートの人にとっては、バッファをとりすぎることにより、努力が不足しているとみなされる可能性もあります。
エッセンシャル思考ではバッファをとれと主張していますが、全ての人が一流のビジネスマンであるというわけでありませんよね?したがって一流のビジネスマンであれば、バッファを取らないことにより失敗してしまうことがあるでしょう。例えばあるセールスマンが商談を1時間で終わると考えてスタートしたはいいものの、実際は一時間半かかってしまい、次のアポイントに遅れてしまうような場面ではバッファが不足していると言えるでしょう。たしかにバッファを取ったほうが良いでしょう。しかしこれは、あくまでもビジネスの現場で必死に努力しているセールスマンの話です。
一方で、多くの人は生来怠け者です。従って予定を詰め込みすぎて失敗してしまうよりも、そもそも予定を詰め込む努力を怠っている、あるいは努力が足りない人の方が多いでしょう。
そのため、計画を立てる段階で余裕を持って時間設定するのではなく、あえて自分にとって難しいと言えるほど予定を詰め込むことで、人一倍自分を成長させることも可能なはずです。

Apple、Google、Facebook、Twitterのアドバイザーを務める、エッセンシャル思考の著者、エリック・マキューン
例えば朝ジムに行ってスポーツに取り組み、仕事が終わった後は家族と食事をとり、団欒のひとときを過ごす、という予定を立てたとします。この人は確かにバッファが少ないかもしれませんが、本来必要不可欠である運動に取り組み、なおかつ自分にとって大切な家族とのひとときを大事にするという予定を詰め込んでいます。
たとえ予定が狂ってしまったとしても重要な取り組みを予定に組み込んでいるわけなので、これ以上削るところはさほどないとも言えます。一方で、何の予定も入れず仕事もせずに朝は布団の中で昼過ぎまで寝ていて、なおかつ夜は家族とも触れ合わず、深夜まで一人ゲームをして過ごすというスケジューリングをすれば、もしかしたらバッファがあると言えるかもしれません。しかしそれはエッセンシャル思考の考え方を誤解している人だとも言えるでしょう。つまりエッセンシャル思考をすると危険な人は、バッファを取りすぎる人であると言えます。
【エッセンシャル思考をすると危険な人】妥協のメリットを理解していない人
エッセンシャル思考をすると危険な人は、妥協することによるメリットを理解していない人です。
エッセンシャル思考を仕組み化するために、90点ルールを取り入れろという方法があります。
90点ルールというのは、物事に重要度の点数をつけて、もし90点以上でなければ、その物事を断るというマイルールを設けるというものです。90点ルールによって、自分にとって重要でない物事や自分にとって重要ではあるが最重要ではないと言えるような曖昧な物事を、バッサリ切り捨てられるようになります。
90点ルールに基づき、自分にとって何が重要かを考えることは本質を見抜くことでもあり、こちらの書籍が役立つのでおすすめです。
しかし90点ルールを勘違いしてる人がいます。それはわがままになることが90点ルールであると勘違いする人です。
90点ルールは一見すると物事の判断に苦しみ、判別を付け難いという場合に90点ルールを当てはめて物事を振り分けるためのものです。それにもかかわらず、90点ルールをわがままになるべきものと誤って解釈することで、全てにおいて選択できずに機会を逃したり、どっちつかずで終わる可能性もあります。
例えば婚活を例にとって考えてみましょう。
婚活は自分にとって許容できる範囲を厳しくもうけすぎることで、いつまでたっても成功する可能性は低くなります。
例えば年収も高く顔も良く性格もいい人が、自分にとってのふさわしい人だと考えた場合、90点ルールに基づいて90点以上を達成できる人というのはほとんどいません。なぜならば自分の理想は常に高すぎるものであって、90点以上を満たしたからといって、必ずしも自分は幸せになれるというわけではないからです。
90点ルールを勘違いせず、妥協することも重要であると心に留めましょう。従ってエッセンシャル思考をすると危険な人は、単にワガママで頑固になり、妥協することによるメリットを理解していない人であると言えるでしょう。
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【エッセンシャル思考をすると危険な人】口だけの人
エッセンシャル思考すると危険な人は、口だけの人です。
理論ばかりを述べて実際には行動しない人が、エッセンシャル思考を実践するべきでありません。というのも、口だけが達者で行動が伴わない人は、考えるよりまず行動が必要であると言えるからです。
例えば現代は、起業したければ、お金がなくても今すぐ起業することもできる時代です。もし良いアイデアがあれば、すぐに実践することができる時代とも言えるでしょう。例えばお笑いコンビのキングコングの西野亮廣さんのように、クラウドファンディングなどを用いることにより、お金がなくてもビジネスをスタートすることが可能になります。
西野亮廣さんの、クラウドファンディングやフリーミアムを用いた新たなマーケティング手法について学びたい方はこちらの記事をどうぞ。

昔と異なり、現代は社会の変化が著しいです。そのため、お金が貯まってから夢を叶えるのでは、もしかしたら遅すぎる可能性もあります。従って「本質を見抜いてから最小の行動で最大の成果を出すことが重要だから、まずは考えてみよう」などと理論ばかりが先行してしまう人は、エッセンシャル思考を実践すると危険であると言えるでしょう。そのような人は、理論よりも行動することの方が自分にとって必要であると考えを改めるべきです。
【エッセンシャル思考をすると危険な人】断ることで楽をしようとする人
エッセンシャル思考をすると危険な人は、断ることで楽をしようとする人です。
誰しも人間は楽な方へ、楽な方へと流れていく性質があります。もし誰かから何かの物事を頼まれた時に、断れば一時的には楽ができるかもしれません。しかし長い目で見て、自分を成長させてくれるきっかけになるやもしれない依頼を断るのは愚の骨頂です。
例えば、自分にとって相性が合うお客さんばかりを選んで仕事することだってできます。そちらの方が楽ができるのかもしれませんが、自分とって相性が合わないお客さんと接することも、一つの勉強になります。
自分と考えが合わない人、性格が合わない人とどうやったら上手く付き合っていけるのかを学ぶきっかけを放棄することは、もったいないと言えます。
エッセンシャル思考としては、何をやらないのかを選択することが重要との主張がされていますが、時として困難なことに立ち向かう選択をすることも重要です。特に20代・30代は何をやるのか、何をやりたいのかを明確にした上で、断るようにすべきです。つまり、断ってばかりいるだけではダメということです。
だからエッセンシャル思考をすると危険な人は、断ることで楽をしようとする人であると言えるでしょう。
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