【障害年金とは】受給条件・障害状態の程度・金額【就業不能保険】

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障害年金について知りたいですか?

病気や怪我により障害状態となってしまった場合、

  • 国民年金や
  • 厚生年金

から障害年金を受給できます。

障害年金の受給条件を踏まえ、障害年金の各等級ごとの障害状態をご紹介。

障害年金の受給金額を知りたい人は必見です。

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障害年金とは

障害年金とはどのようなものなのかを説明します。

障害年金とは、公的保険の一種です。例えば、

  • 国民年金保険や
  • 厚生年金保険

などの加入者が、所定の障害状態になった場合に支給される年金です。

障害年金は、病気やケガによって障害状態になり、医師による治療を受けたときに、加入している公的年金から支給されます。

例えば

  • 脳梗塞
  • ガン
  • 心筋梗塞
  • 糖尿病

などの成人病はもちろんのこと、

  • うつ病や
  • 統合失調症

などの精神病、あるいは交通事故による怪我、などが原因で障害状態になってしまったとしても、障害年金の支給対象になる可能性があります。

障害基礎年金と障害厚生年金の違い

障害基礎年金と障害厚生年金の違いを説明します。

国民年金に加入していれば「障害基礎年金」が支給されます。一般的に、国民年金に加入しているのは自営業者が多いです。

一方で、厚生年金の加入者であれば、障害基礎年金に加えて「障害厚生年金」も支給されます。一般的に、厚生年金の加入者は会社員が多いです。

障害厚生年金は、障害基礎年金よりも障害年金が支払われる障害状態の範囲が広くなっています。さらに障害厚生年金は、一定の障害等級に該当しないような軽い障害が残った場合にも、一時金として「障害手当金」が支給されます。要するに、国民年金よりも厚生年金の方が、病気やケガで働けなくなったとしても、手厚い障害年金による恩恵を受けられるということです。

特別障害給付金

特別障害給付金は、国民年金に任意加入していなかった人が障害者になってしまった場合に支給されます。これは国民年金制度の発展過程における例外的な事情として、また福祉的措置として「特別障害給付金制度」に基づき支給されます。

特別障害給付金の対象者は、以下2つの要件に該当する人です。

  • 平成3年3月以前に国民年金任意加入対象者であった学生
  • 昭和61年3月以前に国民年金任意加入対象であった被用者等の配偶者であり、当時、任意加入していなかった期間内に初診日があり、現在、障害基礎年金の1級、2級相当の障害の状態にある人。

なお、65歳に達する日の前日までに当該障害状態に該当した人だけが対象となります。

また、

  • 障害基礎年金
  • 障害厚生年金
  • 障害共済年金

などの受給者は対象外です。つまり、既に受給している人は対象外ということであり、当然のことであるとも言えます。

なお、特別障害給付金の対象となるためには、厚生労働大臣の認定が必要です。

 

障害年金の受給条件

障害年金の受給条件について説明します。

障害年金を受給するための3要件

障害年金を受給するための3要件を説明します。

障害年金を受給するためには、以下の3つの要件を満たしている必要があります。

それぞれについて詳しくみていきましょう。

障害状態該当要件

まず障害年金の受給条件として、障害状態該当要件について説明します。

障害年金は全ての障害状態が対象になるわけではなく、障害等級に該当しなければ障害年金は支給されません。

具体的な障害状態が記載されている表があります。

  • 国民年金と
  • 厚生年金

のそれぞれの表は以下の通りになります。

国民年金法施行令別表

国民年金法施行令別表

出典

厚生労働省HP

厚生年金保険法施行令別表第1

厚生年金保険法施行令別表第1

出典

厚生労働省HP

ここに記載されている障害状態等に該当すれば、障害年金を受給できます。

保険料納付要件

次に障害年金の受給要件の二つ目として、保険料納付要件について説明します。

障害年金を受けるためには、初診日の前日において、以下に挙げるいずれかの要件を満たしている必要があります。

  • 初診日において65歳未満である。なおかつ、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない
  • 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の67%以上の期間について、保険料が納付または免除されている

なお、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はなく、支給対象となります。

初診日要件

最後に、障害年金受給条件として、初診日要件について説明します。

障害年金を受給するためには、障害の原因となる病気や怪我の初診日において

  • 国民年金保険か
  • 厚生年金保険

の被保険者期間中である必要があります。つまり該当する病気や怪我で初めて医者に診てもらった日に、国民年金や厚生年金未加入者である場合は対象外となります。

ここで言う初診日というのは怪我や病気で最初に医療機関で受診した日のことです。この日にちが確定しないと障害年金は受給されません。なお、医療機関にて確定診断を受けた日ではありませんのでご注意ください。

初診日の具体例

初診日の具体例を2つ挙げて説明します。初診日と診断確定した日は勘違いしやすいですので、それを区別して説明していきます。

具体例1

手が痛いので整形外科に行ったが、皮膚科に行った方がいいと勧められ、皮膚科で検査をした結果、皮膚癌であると診断され、その後障害者となった。

コメント

この例においては、 皮膚科に行った日ではなく、整形外科に行った日が初診日です。つまり診断確定した日は初診日とはならないということです。

具体例2

脳梗塞でX病院に通院していたが、急に体調が悪化し、日常生活で転倒してしまい Y 病院で足の骨を骨折していると診断され、その後障害者となった。

コメント

この事例においても、初診日は、足の骨を骨折しているとY 病院で診断された日ではなく、脳梗塞の治療をしていた X 病院で、初めて診察してもらった日が初診日となります。

障害年金の対象となる障害の状態

障害年金の対象となる障害の状態について説明します。

前述の通り、障害年金の対象となるためには、あらかじめ定められた障害状態に該当する必要があります。しかし実際のところはどのような状態が該当するのかいまいちピンとこないという人も多いでしょう。そこで、どのような状態が障害年金の障害状態を指すのかを、例を挙げて具体的に説明していきます。

障害年金には、障害の程度に応じた等級があり、この等級は、障害基礎年金では1級と2級だけです。しかし障害厚生年金では、1級と2級に加え、さらに3級もあります。そこで、

  • 1~3級の定義と
  • 具体的な障害の程度の例

を以下の表に示します。

障害年金1~3級の障害の程度と例

障害年金1~3級の障害の程度と例について説明します。

障害年金1級

まずは、障害年金1級から説明します。

障害年金一級の障害の程度を短く述べると、「他の人による介護なしでは、生活することが極めて困難である状態」です。障害年金一級は、障害年金の等級の中でも最も重い状態です。そこで具体的な障害状態の具体例をあげると、

    • 両眼の視力の合計が0.04以下である
    • 両下肢の機能に著しい障害がある
    • または足関節以上の両下肢がない
    • 両上肢の機能に著しい障害がある
    • または両上肢のすべての指がない

というような状態のことを指します。具体的に言うと、両方の手の指が全てなかったりすれば、確かに一人で生活していくことに支障をきたすということがわかります。

障害年金2級

次に障害年金2級の障害の程度を言葉にすると、

  • 「仕事をして収入を得ることが難しい。」
  • 「必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難である」

状態であると言えます。

身体的な具体例を用いて説明すると、

    • 両眼の視力の合計が0.05以上0.08以下
    • 足関節以上の一下肢がない
    • 一下肢の機能に著しい障害がある
    • 両下肢のすべての指がない、など
    • 一上肢の機能に著しい障害がある
    • 両上肢の親指または人差し指、あるいは中指がない、など

という状態を指します。障害年金2級は障害年金1級の状態と似ています。しかし多少は障害状態が軽いとは言えるかもしれませんが、障害状態の程度としては障害年金1級の障害状態と同様に、身体的な障害の程度はかなり重い状況であると言えます。具体的に言うと、

  • 両方の手の親指以外の指が全てある状態の方が、
  • 両方の手の指がすべてない状態

よりも軽いかもしれません。しかし依然として、生活に支障をきたすことは間違いない身体的状態です。

障害年金3級

障害年金3級の程度を言葉にすると、仕事をする時に

  • 著しい制限を受けてしまう、
  • あるいは制限が必要である

という状態です。

身体的な障害の例を挙げると、以下のようになります。

    • 両眼の視力が0.1以下
    • 一下肢の3大関節のうち2関節が使えない、
    • 一上肢の3大関節のうち2関節が使えない
    • 上肢の親指および人差し指がない、など

障害年金3級となれば、片方の手は全ての指がある状態なので、障害年金2級の身体状態と比較すれば、生活に支障をきたす状態が多少緩和されているでしょう。しかし社会人としての仕事をするとなれば、親指がないことにより様々な面で支障をきたしかねません。

このように、障害年金1級から障害年金3級までの身体的状態の程度を説明してきましたが、体の部位ごとに障害の程度が定められています。

ここでは障害状態の一部を記載しましたが、ここまで説明してきたのは一部分だけであり、これだけに限りません。

例えば、

  • 内部障害
    • がん
    • 血液・造血器疾患
    • 心疾患
    • 呼吸器疾患
    • 腎疾患
    • 糖尿病
    • 肝疾患
  • 精神障害
    • 知的障害
    • 発達障害
    • うつ病
    • 統合失調症
    • てんかん
    • 認知障害

などについても前述の障害状態の程度が定められています。例えば腎疾患によって人工透析が必要になる場合は、障害年金1級の程度と認められることもあるでしょう。また知的障害があり、正常に会話することができない場合も、障害年金1級と認められる可能性もあります。

障害年金の有期認定と永久認定

障害年金の有期認定と永久認定について説明します。

障害年金が有機認定である場合は、障害年金の対象となる障害状態が改善された場合は、支給停止となる可能性もあります。

一方で永久認定は、その後永久に支給を受けられます。

有期認定では、1~5年ごとに更新を行います。もしも、その更新時期に障害の程度が軽くなり改善されていた場合は、障害年金の等級が下がったり支給停止になったりする可能性があります。ひとたび支給停止になってしまったとしても、その後、障害状態が重くなれば、再度支給対象となる場合があります。

有期認定の更新時に医師の診断書をもとに、更新するべきかどうかを判断されます。その際にもし「障害状態確認届」を提出し忘れてしまうと支給が停止されてしまうので注意が必要です。

また、「年金受給権者現況届」の提出を怠った場合にも障害年金の支給が停止されます。

なお障害年金を遡って請求することはできませんのでご注意ください。

障害年金の等級の認定日

障害年金の等級の認定日について説明します。

障害年金の等級の認定日が、障害年金の各等級の障害状態に該当すると客観的に判断された場合、障害年金の等級の認定が行われる日を障害認定日と言います。障害認定日は障害年金の受給権取得日でもあります。原則として、

  • 初診日から1年6か月を経過した日
  • またはそれ初診日から1年6ヶ月までに傷病が治った(症状や障害が固定した)日

になります。

後者の、傷病が治った日には、様々な治療を行ったが、それ以上の治療による効果が期待できなくなったと判断された日でもあります。

言い換えると、

  • 初診日から1年6ヶ月が経過した日か、
  • 症状が固定された日

のいずれか早い方が障害年金の受給権取得日となります 。

 

障害年金の受給金額(2018年度)

障害年金の受給金額について説明します。

今回説明するのは、2018年度の障害年金額です。

障害基礎年金の受給金額

障害基礎年金の受給金額は以下の通りです。

  • 1級
    • 974,125円 (月額 81,177円)+ 子の加算
  • 2級
    • 779,300円 (月額 64,941円)+ 子の加算

障害年金の受給額としては、障害の程度が上がれば受給金額も増えます。具体的に言うと、障害年金1級と2級の受給金額の差としては、1級の年金額は2級の1.25倍です。

受け取る障害年金は非課税であり、所得税・住民税が課税されることはありません。

ここに出てくる子の加算という点について詳しく述べると以下のようになります。

  • 1人目、2人目の子
    • 1人につき、224,300円 (月額 18,691円)
  • 3人目以降の子
    • 1人につき、 74,800円 (月額  6,233円)

ここで言う子というのは

  • 18歳到達年度の年度末までの子供
  • あるいは二十歳未満で障害等級1級又は2級の子供

であり、なおかつ親が一定の年収基準を満たしている場合が該当します。要するに親の年収が高すぎると障害年金の子の加算がされなくなってしまうということです。

障害厚生年金の受給金額

次に障害厚生年金の受給金額について説明します。

障害厚生年金は会社員などが受給できる障害年金の形式です。受給金額は障害基礎年金に加えて報酬比例の年金や子の加算、または配偶者加給年金などを受け取れます。障害厚生年金の受給金額は人によって受給金額が異なります。なぜなら、報酬に比例して受給金額が異なるためです。具体的な受給金額は以下の通りになります。

  • 1級
    • 障害基礎年金(974,125円+子の加算)+報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金
  • 2級
    • 障害基礎年金(779,300円+子の加算)+報酬比例の年金+配偶者加給年金
  • 3級
    • 報酬比例の年金(最低保証 584,500円(月額48,708円))
    • 障害手当金(一時金) 報酬比例の年金の2年分(最低保証 1,169,000円)

それぞれ具体的にみていきましょう。

配偶者加給年金

配偶者加給年金としては、障害者となった本人が、一級又は二級の障害状態に該当する場合で、生計を維持している関係にある65歳未満の配偶者がいる場合に支給されるものです。しかし配偶者の年収基準が定められており、配偶者の前年度の年収が850万円未満である必要があります。なおここでいう配偶者とは事実婚である場合も対象となります。しかし、 配偶者が、20年以上の加入期間のある

  • 老齢厚生年金
  • 退職共済年金
  • あるいは障害基礎年金や
  • 障害厚生年金

などを受給している場合は、配偶者加給年金を受け取ることができません。要するに、夫婦で障害状態になってしまった場合は、夫婦で障害年金を受給し、なおかつ配偶者加給年金を受給するということは不可能であるということです。

障害厚生年金の3級と障害手当金の場合の受給金額

障害厚生年金の3級と障害手当金の場合の受給金額について説明します。

なお障害年金3級、あるいは障害年金の対象とならなかった場合の障害手当金の場合は、障害基礎年金は支給されませんので、障害厚生年金のみ支給対象となります 。 加入期間が短すぎるなどの理由により金額が少なくなりすぎない様に、最低保証金額が定められています。なお、障害年金1級と1級は同時に障害基礎年金が支給されるので、最低保証金額はありません。

受給金額としては、障害年金3級の場合は、最低で584,500円を年金として受給することができます。またそれよりも症状が軽い場合の障害手当金としては、一時金として最低1,169,000円を受け取ることができますが、年金として継続して受け取ることができませんので長期的には受給金額が相対的に低くなります。

障害年金の平均受給額

障害年金の平均受給額について説明します。

障害年金の種類と同級ごとの平均月額は以下の通りになります。

  • 厚生年金
    • 1級
      • 153,399円
    • 2級
      • 115,651円
    • 3級
      • 56,289円
  • 国民年金
    • 1級
      • 80,844円
    • 2級
      • 65,491円

出典

自営業者などは国民年金加入者です。もし自営業の人が両目を失明し、障害年金一級の対象となった場合に毎月約8万円が支給されます。しかし両目が見えない状態で、月8万円で生活するのは困難です。なぜなら食費と家賃だけで支給金額である8万円は超えるからです。ヘルパーなどに依頼して何らかの介護が必要な状態にもかかわらず、収入が途絶えてしまうのであれば、どのように生活するのか途方に暮れてしまうことでしょう。そこで、生命保険に加入することにより、何らかの備えをしておく必要があると言えます。

 

生命保険で障害状態に備える

生命保険で障害状態に備えるということについて説明します。生命保険で障害状態に備える方法としては2種類の方法があります。それぞれについて見ていきましょう。

生命保険の高度障害保険金で備える

生命保険の高度障害保険金で備えるという方法について説明します。

障害状態に備える方法として、まず1つめの方法は定期保険や終身保険などの生命保険で、死亡保険に加入していた時に受け取ることができる、高度障害保険金です。

死亡保険に加入する事で、特約などを付加すること無く、死亡時以外にも、高度障害状態の時に保険金を受け取ることができるようになります。

なお、生命保険でいう高度障害状態というのは、障害年金で定められている障害状態とは異なります。

たとえば、病気や怪我により両目を失明してしまった場合などに、生命保険による高度障害状態と認定される可能性があります。障害の程度に関する詳細は各保険会社の約款によって定められています。

受け取る高度障害保険金額は、死亡保険金と同額です。つまり高度障害状態というのは、極めて重度な状態であり、死亡時と同様に、多額のお金が必要になる場面であるとも言えます。

就業不能保険で備える

生命保険で障害状態に備えるという方法の二つ目として、就業不能保険で備えるという方法を説明します。

就業不能保険は、もし被保険者が病気やケガによって働けなくなった場合、一定期間、年金形式の給付金が支払われるという生命保険です。

就業不能保険による

  • 支給開始時期や
  • 支給期間

などを申込時に選択することができます。また、就業不能保険の対象となる障害状態の要件は、各保険会社の保険商品によって様々です。例えば、一般的に就業不能保険の給付の条件としての障害の程度が

軽い場合でも給付される方が、

重い場合にしか給付されないよりも

保険料は高額になります。

就業不能保険について詳細はこちらの記事をご覧ください。

404 NOT FOUND | 経営戦略の武器
戦略とは、何をやらないのか(=資源配分)を選択すること

 

まとめ

  • 障害年金は公的年金であり、国民年金または厚生年金の加入者が受給でき、それぞれ障害基礎年金と障害厚生年金がある。
  • 障害厚生年金のほうが障害状態が軽い状態でも支給対象となるし、受給金額も多い。
  • 障害年金額は、障害等級で決まり、障害状態の程度が定められている。
  • 一定の条件を満たせば、子供や配偶者がいると障害年金額が加算される。
  • 障害年金だけで障害を負う前と同様の生活をすることが困難である場合は、就業不能保険などにより備えておく必要がある。

 

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