新型コロナウイルスの初期症状について知りたいですか?
新型コロナウイルスの初期症状を把握しておくことで、自分や周りの人の感染に、いち早く気がつくことができます。
何だか体調が悪く、もしやコロナウイルス?などと不安に感じている人は必見です!
コロナ初期症状「発熱」
5万例を超える「WHOと中国を含む25か国専門家による報告(2020年2月25日)」では、新型コロナウイルスに感染した場合に最もよく見られる初期症状は「発熱」です。
具体的に言うと、新型コロナウイルスに感染した患者のうち、87.9%に「発熱」の症状が見られました。この数値は、
- 67.7%の咳
- 38.1%の倦怠感
- 33.4%の痰
などと比較しても、比率の高さで目立ちます。新型コロナウイルスによる倦怠感と、他の病気による倦怠感の違いについては「【コロナ初期症状「倦怠感」とは】どんな感じ?【だるい・疲労】」をご覧ください。
言い換えると、もし「発熱」の症状が見られなければ、新型コロナウイルスに感染している恐れは、12.1%の確率でしかないということです。
厚生労働省の「帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安」でも、 発熱症状が見られる場合は、
- 学校や会社を休み外出を控える
- 毎日、体温を測定して記録しておく
べきであるとの記載があります。
もちろん、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判定するには、最終的にはPCR検査を行う必要があります。しかしPCR検査というのは、全ての人が気軽に受けられるというものではありません。(出典)
そこで、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを見分けるには、発熱しているかどうかに注目する必要性が出てきます。そうすることで、最も手軽に新型コロナウイルスの初期症状であるかどうかを見分けることにも繋がります。
新型コロナウイルス初期症状「発熱」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
コロナ初期症状「喉」
厚生労働省によると、新型コロナウイルスの初期症状としては、喉の痛みが現れます。(出典)
喉の痛みを感じることは誰にでもあることなので、軽視しがちな症状であると言えます。というのも、例えば新型コロナウイルスの初期症状や風邪の症状以外にも、
- 空気の乾燥
- 声の出し過ぎ
- タバコを吸っているため
- 友達とおしゃべりのしすぎ
- 激辛の食べ物を食べたため
- いびきをかいたため
などによっても、同様に喉の痛みを感じることがあるからです。
そこで新型コロナウイルスの初期症状であるかどうか判断するためには、以下のように喉の痛みの原因を細分化する必要があります。
- 「感染」
- 新型コロナウイルスや細菌のせい?
- 「のど粘膜の乾燥」
- 鼻づまりや口呼吸のせい?
- 「のどの酷使」
- 長時間しゃべり続けたせい?
- 「のどへの刺激」
- タバコや香辛料等のせい?
このうち一番上の「感染」が疑われる場合は、医師のもとに診療に行き、専門家の判断を仰ぐようにしましょう。
喉の痛みについて、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「咳」
厚生労働省の資料によると、新型コロナウイルス感染症の初期症状として、咳の症状が現れます。したがって、もし咳の症状が一週間前後長引けば、新型コロナウイルス感染症を疑うようにしましょう。
咳の症状というのは、非常に厄介なものです。なぜなら、新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染によりうつるといわれているからです。
新型コロナウイルスは飛沫感染と接触感染によりうつるといわれています。
言い換えると新型コロナウイルスは二つの感染経路があり、この二つに気をつけることで、自分の大事な家族等にコロナウイルスを移してしまう可能性を減少させることができるということです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
飛沫感染
新型コロナウイルス感染症の初期症状である咳の症状が現れたら、飛沫感染によって他の人にうつさないように気をつけましょう。 飛沫感染というのは、
- 咳
- くしゃみ
- 至近距離での会話
をした際に、新型コロナウイルスが空気中に放出されたり、つばが相手に掛かったりして感染してしまうことを指します。
飛沫感染
感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他の方がそのウイルスを口や鼻などから吸い込んで感染します。
また、新型コロナウイルス感染症の初期症状である咳をした時に、ウイルスを拡散しないように、マスクを装着する必要があります。在庫切れなどによって店頭でマスクを購入することができない場合は、手作りマスクなどで代替するようにしましょう。
- 飛沫感染予防策や
- 飛沫感染する距離
等について、詳細はこちらの記事をご参照ください。
接触感染
新型コロナウイルス感染症の初期症状である咳の症状が現れたら、接触感染によって他の人に移さぬよう、こまめに手洗いをする必要があります。
接触感染というのは、例えば咳をした際に手で口を抑え、新型コロナウイルスが付着した手でドアノブを触り、そのドアノブを触った人が口や鼻を触ることによって感染するということを指します。
接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきます。他の方がそれを触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触ると粘膜から感染します。
この接触感染というのも非常に厄介なものです。なぜなら咳をした時に、口を手で押さえなければ周りの人が迷惑してしまうからです。口を手で押さえることによって一時的にはウイルスの拡散を減少させることができます。しかし、その手を
- 洗ったり
- 消毒したり
することなしに、
- 電車のつり革や
- ドアノブ
などに触れれば、いずれにせよ新型コロナウイルスが拡散されてしまいます。
そこでマスクは装着するべきであり、マスクを装着することにより接触感染をある程度回避することができます。
しかしここでの注意点としては、マスクを手で触り、その手で他のものに触ることによって結局は新型コロナウイルスが拡散されてしまうという点です。
つまり新型コロナウイルスの初期症状である咳が出るのであれば、マスクを装着するように心がけ、さらにマスクはできるだけ手で触らないように気をつけるようにしましょう。そうすることで、接触感染をある程度妨ぐことができます。
マスクの裏表の見分け方や、マスクの裏表を意識せず逆に付け替えてしまった場合のデメリットについても、こちらの記事で紹介していますのでご参照ください。
コロナ初期症状「倦怠感」
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き」によると、倦怠感について以下のように記載があります。
多くの症例で発熱,呼吸器症状(咳嗽,咽頭痛,鼻汁,鼻閉など),頭痛,倦怠感などがみられる
このことから、倦怠感は新型コロナウイルスの主な症状であることは分かりますが、新型コロナウイルスに感染した場合、具体的にどのくらいの割合の患者に「倦怠感」の初期症状が現れるのでしょうか?
5万例を超える「WHOと中国を含む25か国専門家による報告(2020年2月25日)」によると、新型コロナウイルスにより倦怠感の症状がみられた割合は38.1%です。
As of 20 February 2020 and 12 based on 55924 laboratory confirmed cases, typical signs and symptoms include: fever(87.9%), dry cough (67.7%), fatigue (38.1%), sputum production (33.4%), shortness of breath(18.6%), sore throat (13.9%), headache (13.6%), myalgia or arthralgia (14.8%), chills (11.4%),nausea or vomiting (5.0%), nasal congestion (4.8%), diarrhea (3.7%), and hemoptysis (0.9%),and conjunctival congestion (0.8%).
つまり、倦怠感は、
- 発熱(87.9%)
- 咳(67.7%)
の症状に続き、新型コロナウイルスのトップ第三位の位置を占め、新型コロナウイルス患者全体の三分の一以上もの比率でみられるということが分かります。したがって、厚生労働省も倦怠感は新型コロナウイルスの主な症状と判断しているわけです。
しかし、倦怠感を感じるからといって、必ずしも新型コロナウイルスに感染していると決めつけるのは時期尚早です。なぜなら、他の原因から倦怠感の症状を感じている可能性もありうるからです。そこで、新型コロナウイルスのせいで倦怠感を感じているのかどうかを見極める必要があります。
新型コロナウイルス初期症状「倦怠感」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「頭痛」
新型コロナウイルスの初期症状としては、頭痛の症状があります。
出典:「新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き」厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部
新型コロナウイルスに感染しているにもかかわらず、頭痛を持病とする女性は男性に比べて多い(出典)ので、「どうせいつもの単なる頭痛だろう」などと軽視してしまう恐れもあります。言い換えると、頭痛持ちの女性は新型コロナウイルスに対して十分に警戒する必要があるということです。
新型コロナウイルスによる頭痛症状について、詳細はこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「筋肉痛・関節炎」
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」によると、新型コロナウイルスの初期症状はインフルエンザと似ており、区別することは困難であるとの記載があります。
多くの症例で発熱,呼吸器症状(咳嗽,咽頭痛,鼻汁,鼻閉など),頭痛,倦怠感などがみられる.
下痢や嘔吐などの消化器症状の頻度は多くの報告で 10%未満であり,SARS や MERS よりも少ないと考えられる.初期症状はインフルエンザや感冒に似ており,この時期にこれらとCOVID-19 を区別することは困難である.
ここで言うインフルエンザの初期症状といえば、
- 38℃以上の発熱
- 頭痛
- 関節痛
- 筋肉痛
- 全身倦怠感
等の症状が比較的急速に現れるのが特徴です。(出典:厚生労働省)
つまり、背中が痛い・肩がこるというのはインフルエンザの初期症状であり、なおかつ新型コロナウイルスの初期症状であるとも言えるのです。
では具体的に、新型コロナウイルスに感染した場合、どのぐらいの確率で
- 背中が痛い
- 肩がこる
等の症状が現れるのでしょうか?
新型コロナウイルスの初期症状「筋肉痛・関節炎」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
コロナ初期症状「悪寒」
5万例を超える「WHOと中国を含む25か国専門家による報告(2020年2月25日)」によると、新型コロナウイルスにより「悪寒」の初期症状がみられた割合は11.4%です。
しかし、
- 87.9%の発熱や
-
67.7%の咳
などには遠く及ばない数字です。
As of 20 February 2020 and 12 based on 55924 laboratory confirmed cases, typical signs and symptoms include: fever(87.9%), dry cough (67.7%), fatigue (38.1%), sputum production (33.4%), shortness of breath(18.6%), sore throat (13.9%), headache (13.6%), myalgia or arthralgia (14.8%), chills (11.4%),nausea or vomiting (5.0%), nasal congestion (4.8%), diarrhea (3.7%), and hemoptysis (0.9%),and conjunctival congestion (0.8%).
また、悪寒を感じたからといって、新型コロナウイルスに感染しているとすぐに考えるのは時期尚早であるとも言えます。
なぜなら、たとえ
- 発熱
- 倦怠感
- 息苦しさ
などの症状があったとしても、2020年4月24日時点ではインフルエンザ等の「新型コロナウイルス感染症以外の病気」の方が、圧倒的に多い状況であるからです。(出典:厚生労働省)
したがって、悪寒の症状が現れ、
- 風邪や
- インフルエンザ
等の心配がある場合には、これまでと同様、かかりつけ医等に相談するようにしましょう。
一方で、悪寒の症状が続き、以下に挙げる「帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安」に該当する症状がある方は「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。
帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安
☆ 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
☆ 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
※高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)など)がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
☆ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)(出典:厚生労働省)
しかし、「帰国者・接触者相談センター」で案内する「帰国者・接触者外来」には、新型コロナウイルス感染症が疑われる方が多く受診されます。
そのため、感染への不安から、適切な相談をせずにこれらの外来を設置している医療機関を受診することは、受診する人自身が新型コロナウイルス感染症でなかった場合に、かえって感染するリスクを招くことになるので注意しましょう。(出典:厚生労働省)
体がガタガタ震える「悪寒戦慄」の症状が現れる事例など、新型コロナウイルスの初期症状「悪寒」について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「鼻水」
新型コロナウイルスの初期症状は鼻水が出るという点が挙げられます。
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き第2020第1版」によると、新型コロナウイルスの症状に関して以下のように記載があります
多くの症例で発熱,呼吸器症状(咳嗽,咽頭痛,鼻汁,鼻閉など),頭痛,倦怠感などがみられる.
もちろん、気温が低くなれば誰でも鼻水が出るはずです。そのため、単に鼻水が出るからといって、新型コロナウイルスに感染しているわけではありません。しかし他の諸症状(発熱・咳など)と組み合わさっている場合は、新型コロナウイルスの初期症状であることを疑うべきです。
しかしながら新型コロナウイルスであるかどうかは、最終的には検査をしてみない限り分かりません。少しでも不安に感じるようであれば自己判断するのではなく、医師の診断を仰ぐ必要があります。
風邪やインフルエンザ等の心配があるときには、これまでと同様に、かかりつけ医等に相談すればよいでしょう。一方で、新型コロナウイルスへの感染が心配である場合には、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。
特に、「帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安」として厚生労働省より公表されている以下の条件に当てはまる方は、同センターに早急に相談するようにしましょう。
帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安
☆ 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
☆ 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
※高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)など)がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
☆ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)(出典:厚生労働省)
新型コロナウイルスの初期症状「鼻水」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「痰」
5万例を超える「WHOと中国を含む25か国専門家による報告(2020年2月25日)」によると、新型コロナウイルスにより「痰がらみ」の初期症状がみられた割合は33.4%です。
As of 20 February 2020 and 12 based on 55924 laboratory confirmed cases, typical signs and symptoms include: fever(87.9%), dry cough (67.7%), fatigue (38.1%), sputum production (33.4%), shortness of breath(18.6%), sore throat (13.9%), headache (13.6%), myalgia or arthralgia (14.8%), chills (11.4%),nausea or vomiting (5.0%), nasal congestion (4.8%), diarrhea (3.7%), and hemoptysis (0.9%),and conjunctival congestion (0.8%).
つまり、痰がらみ(33.4%)の症状は、
- 発熱(87.9%)
- 咳(67.7%)
- 倦怠感(38.1%)
に続き、新型コロナウイルスのトップ第4位の位置を占めるほど多く、新型コロナウイルス患者全体の三分の一の比率でみられる症状だということが分かります。
しかし、一般的な風邪を引いた場合でも「痰がらみ」の症状はよくみられます。(出典)
そのため、
- 新型コロナウイルスによる「痰がらみ」の初期症状と
- 一般的な風邪による「痰がらみ」の症状
を見分けるにはどうしたらよいのでしょうか?
詳しく知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「目」
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き」によると、新型コロナウイルスの感染経路について以下のような記載があり、コロナウイルスは結膜(=白目の部分)からも感染しうることが分かります。
COVID-19 におけるウイルスの伝播経路は,主に唾液や鼻水などの体液およびそれらで汚染された環境への接触や,くしゃみや喀痰など呼吸器飛沫が結膜や呼吸器粘膜に入ることにより感染すると考えられている
つまり新型コロナウイルスに感染した人が、
- 咳
- くしゃみ
- 会話
等をする時の唾液(つば)に含まれるウイルスが、他の人の顔にかかった場合、目の粘膜(結膜)からウイルスが体の中に入る(ウイルスに感染する)可能性があります。
また、もし新型コロナウイルスが付いた
- テーブル
- 椅子
- パソコンのキーボード
などをあなたがさわってしまい、そのまま手で目を
- こすったり
- さわったり
した場合にもコロナウイルスに感染する可能性があります。 (出典)
このことから、新型コロナウイルスによる感染を防ぐために、マスクの装着だけでは不十分である可能性が出てきます。つまりマスクの装着により、
- 口や
- 鼻
などの呼吸器ばかりを防御するだけでは不十分であり、目の粘膜を保護するための
- 眼鏡や
- ゴーグル
まで身につける必要すらあるということです。(出典)
しかし残念ながら
- 眼鏡や
- ゴーグル
などを装着することで、新型コロナウイルスの飛入をある程度は抑えることができますが、完全ではありません。
なぜなら、眼鏡の
- レンズのない側面や
- 上下の隙間
から、コロナウイルスが侵入する可能性があるからです。
さらに、
- 眼鏡や
- ゴーグル
に触れた手で目をこすってしまうと、かえってコロナウイルスへの感染リスクを高める可能性があることにも注意する必要があります。(出典)
新型コロナウイルスの初期症状として、
- 目が痛くなったり
- 目が痒くなったり
するという症状は、厚生労働省のホームページには記載されていませんが、新型コロナウイルス患者における結膜炎がおこる頻度は、だいたい1~3%程度とされています。(出典)
具体的に言うと、「WHOと中国を含む25か国専門家による報告(2020年2月25日)」によると、中国の武漢における新型コロナウイルスによる結膜炎の頻度は0.8%と報告されています。
As of 20 February 2020 and 12 based on 55924 laboratory confirmed cases, typical signs and symptoms include: fever(87.9%), dry cough (67.7%), fatigue (38.1%), sputum production (33.4%), shortness of breath(18.6%), sore throat (13.9%), headache (13.6%), myalgia or arthralgia (14.8%), chills (11.4%),nausea or vomiting (5.0%), nasal congestion (4.8%), diarrhea (3.7%), and hemoptysis (0.9%),and conjunctival congestion (0.8%).
つまり、新型コロナウイルスの初期症状が目に現れるケースは、無いわけではありませんが、決して多いとは言えません。
したがって、もし「目がかゆい」等の症状が現れた場合、新型コロナウイルスの影響ではなく、アレルギー性結膜炎などの別の疾患によるものである可能性が高いでしょう。(出典)
新型コロナウイルスによる「目」の初期症状について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「下痢・嘔吐(吐き気)」
新型コロナウイルスの初期症状として、
- 下痢
- 嘔吐(吐き気)
などの消化器症状の頻度は低いと報告されています。(出典)
それぞれ詳しくみていきましょう。
コロナ初期症状「下痢」
新型コロナウイルスの初期症状として、例えば5万例を超える「WHOと中国を含む25か国専門家による報告(2020年2月25日)」によると、新型コロナウイルスの主な症状として3.7%は下痢がみられましたが、
- 87.9%の発熱や
- 67.7%の咳
などには遠く及ばない数字です。
As of 20 February 2020 and 12 based on 55924 laboratory confirmed cases, typical signs and symptoms include: fever(87.9%), dry cough (67.7%), fatigue (38.1%), sputum production (33.4%), shortness of breath(18.6%), sore throat (13.9%), headache (13.6%), myalgia or arthralgia (14.8%), chills (11.4%),nausea or vomiting (5.0%), nasal congestion (4.8%), diarrhea (3.7%), and hemoptysis (0.9%),and conjunctival congestion (0.8%).
そのため下痢になったからといって、すぐに新型コロナウイルスであると考えるのは時期尚早です。
また、例えば精神的なストレスが原因で、下痢をすることもあります。(出典)
したがって、例えば新型コロナウイルスの初期症状である
- 発熱や
- 咳
などによってストレスを感じ、下痢につながってしまう可能性もあるでしょう。
そこで下痢や軟便になったら、まずこちらの記事を参考に、原因を明確化するようにしましょう。
コロナ初期症状「嘔吐(吐き気)」
新型コロナウイルスの初期症状として「嘔吐(吐き気)」の症状も確認されています。(出典)
例えば、厚生労働省等が日本の関係自治体等から収集したデータ(2020年3月9日時点)によると、新型コロナウイルスに感染した患者の内で、嘔気・嘔吐の症状は145例中9例(6%)でみられました。(出典)
つまり吐き気の症状は、新型コロナウイルスの患者全体において、わずか6%に過ぎません。
しかしながら、家族内に新型コロナウイルスの初期症状「吐き気」がみられる人がいる場合、新たに別の問題が発生します。
それは、嘔吐物からの感染です。
コロナ初期症状「咳」の章でも説明した通り、新型コロナウイルスの感染は主に、
- 飛沫感染や
- 接触感染
等によって広がります。
しかし、それ以外にも
- 排泄物(嘔吐物・糞便)や
- 主に臨床現場で問題となるエアロゾル(空気中を漂う微粒子)
等でも感染しうると考えられています。(出典:厚生労働省)(出典)
したがって、もし自身の家族内で「新型コロナウイルスへの感染が疑われる人」がいて、その人に吐き気の症状が現れた場合、排泄物に接触することで同居の家族まで感染してしまうリスクが高まります。
そこで嘔吐物からの感染にも、十分な注意を払う必要性が出てきます。(出典)
具体的な対処策としては、嘔吐物などの体液で汚れた
- 衣服、
- リネン
等を取り扱う場合は、
- 手袋、
- マスク
を使用し、一般的な家庭用洗剤を使用した洗濯機を使用して、洗濯し完全に乾かすようにしましょう。
(出典:厚生労働省)
そうすることで、新型コロナウイルスの初期症状「吐き気」から発生しうる「家族への感染」を防止することにつながるはずです。
コロナ初期症状「若者致死率」
新型コロナウイルスの初期症状として、若者は軽症で済むことが多いとのことですが、本当でしょうか?
厚生労働省の新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引きによると、 以下のように記載があります。
40 歳代までは重症化は少なく,50 歳代から年齢が高くなるに従って致死率も高くなる
つまり39歳以下の若者は重症化せずに、軽症で済む可能性が高いということですが、これは絶対に正しい情報であると断定できるのでしょうか?
世界では若者でも重症化してしまう事例が多数報告されています。例えば、アメリカの新型コロナウイルスの震源地である
- ニューヨーク州や
- ニュージャージー州
では、感染症にかかって入院してくる患者さんが20~40代ばかりです。
以前までは、
- 65歳以上の高齢者や
- 心臓や肺に疾患を持っている人
などが中心でしたが、今はそうではなくなっています。(出典:日経ビジネス)
言い換えると、「たとえ感染したとしても、高が知れている」などと高を括って体調管理が甘くなり、新型コロナウイルスに感染してしまう恐れがあります。つまり、どんなに健康な若者であれ、
- 仕事などで無理をしたり、
- 夜更かしをして睡眠不足が続いたり
すれば免疫力が落ち、新型コロナウイルスに感染しやすくなるので注意が必要です。
では、もし高齢者の人に移してしまった場合はどうなるのでしょうか?若者や高齢者を含めた、年齢別の新型コロナウイルスの致死率は以下のグラフの通りです。
ここから分かることとしては、
- 乳児や幼児
- 小学生
- 20代
- 30代
等の若者の致死率は、たったの0.2%だということです。
つまりこの情報が本当に正しければ、新型コロナウイルスによって若者が死亡する確率はほぼないと言っていいでしょう。
しかし、根拠となるデータが中国のものであるという点は注意が必要です。
なぜなら、中国がこれまで新型コロナウイルスの
- 感染例や
- 死者数
をいずれも過少報告し、感染の広がりの実態を隠蔽していたと報じられてもいるからです。(出典)
一方で80歳以上の高齢者の致死率は、14.8%にものぼります。
これらのことから、新型コロナウイルスに感染した場合は約74倍の確率で、若者よりも高齢者の方が、死に至る可能性が高いということがわかります。(新型コロナウイルスの致死率については「【コロナウイルス致死率】インフル・年齢・基礎疾患・人種・大気汚染」の記事で詳しく解説しています。)
したがって、若者は「自分は大丈夫」と安易に考えるのではなく、「他人を殺す可能性がある」との自覚を持ち、手洗いなどの予防を徹底するべきです。
新型コロナウイルスの初期症状として、若者は軽症で済むという事について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「味覚・嗅覚」
新型コロナウイルスの初期症状として、味覚・嗅覚異常が現れる場合もあります。(出典:厚生労働省)
WHO=世界保健機関は、各国からも同様の報告が相次いでいるとしていて、新型コロナウイルスの初期症状の1つなのかどうか、調査を進めている最中です。
実際に新型コロナウイルスにかかって、味覚症状が現れた人の例として、新型コロナウイルスに2020年3月に感染した札幌市の女性は、発症の初期に
- 食べ物の味や
- 化粧品のにおい
がわからなくなり、この状態が数日間、続いていたといいます。(出典)
味覚を感じないという症状を経験したことがない人も多いので、一見すると軽視しがちな症状です。しかしながら味覚が感じられないと、
- 食べることも、
- 飲み込むことも
不快に感じるようになってしまうので、おいしい食べ物を楽しんで食べることができません。その結果、症状が改善するまでの間、人生の大きな楽しみを失ってしまうことになります。
また、
- 腐った食べ物や
- 毒をもつ食べ物
の味がわからないと、生命にとっても危険が及びます。
しかし2020年3月の時点では、味覚障害は新型コロナウイルスの初期症状として特徴的な症状だとするには報告されている数が少なく、慎重に判断する必要があると専門家は指摘しています。 (出典)
新型コロナウイルスの初期症状「味覚・嗅覚障害」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「息苦しい(肺炎)」
息苦しい症状が現れたら要注意です。なぜなら、新型コロナウイルスへの感染が疑われるためです。
日本プライマリ・ケア連合学会が2020年3⽉11⽇に公開した、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の⼿引き」には、以下のように記載があります。
新型コロナウイルス感染症に合併した肺炎では,
- 強い湿性咳嗽
- 息苦しさ,呼吸困難
- 軽微な乾性咳嗽
- ほとんど呼吸器症状を呈さない
などの多彩な臨床像を呈します.
つまり、もし「息苦しい」と感じるならば、新型コロナウイルスによる肺炎の症状が現れている可能性があるということです。
新型コロナウイルス感染症であっても発症7⽇以内の早いタイミングで肺炎に⾄ることもあるため、慎重に経過を追う必要があります。特に、
- ⾼齢者や
- 基礎疾患を有する患者
- ⼜は妊娠中の⼥性
では、発症直後に肺炎に⾄ることもあるため要注意です。(出典)
新型コロナウイルス初期症状「息苦しい(肺炎)」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「めまい」
新型コロナウイルスの初期症状として、「めまい」症状は厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き第2020第1版」には記載がありません。
したがって、ある日突然めまいの症状が現れた場合、新型コロナウイルスの初期症状である可能性は低く、むしろ
- 突発性難聴や
- メニエール病
などの病気と関連している可能性があります。(出典)
しかし新型コロナウイルスはまだ解明されていない部分が多く(出典:厚生労働省)、感染した患者の中には、めまいの初期症状が伴う患者が存在するのも事実です。(出典)
その結果引き起こされる問題としては、新型コロナウイルスに感染しているにもかかわらず、「めまいの症状は新型コロナウイルスで現れるはずがないから大丈夫だろう」などと勘違いしてしまい、
- 症状を悪化させてしまったり
- 他の人にうつしてしまったり
するという問題です。
新型コロナウイルスの初期症状「めまい」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「川崎病」
新型コロナウイルスの感染拡大が続くアメリカ・ニューヨーク州のクオモ知事は2020年5月8日、「川崎病」に似た症状が確認された5歳の男の子が死亡したことと発表しました。(出典)
クオモ知事は以下のように述べています。
「一般的に新型コロナの感染者の多くは子どもでないことがわかっており、事例としてはまだレアなケース」としながらも、「州内で新型コロナに感染した児童の中に、川崎病に似たような症状と毒素性ショック症候群のような症状で重症になるケースが73も報告されている」(出典)
つまりニューヨーク州内では、これまでに73人の子どもに川崎病と同様の症状が確認されたということです。(出典)
そもそも、子どもは新型コロナウイルスに感染したとしても
- 軽症や
- 無症状
で済むとみられていましたが、これまで感染した子どもが複数人死亡しているため死因を調べる方針です。 (出典)
新型コロナウイルスの初期症状「川崎病」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「特に緊急性の高い13症」
厚生労働省は2020年4月27日、新型コロナウイルス感染症の
- 軽症者や
- 無症状原体保有者
の感染者が、ホテルなどの宿泊施設や自宅で療養する際、注意すべき緊急性の高い13個の症状を公表しました。(出典:厚生労働省)
これは、新型コロナウイルス感染症の軽症者や無症状原体保有者は、
- 宿泊療養
- 自宅療養
においては、軽症者等の状態が急変する可能性もあることから、軽症者等の患者本人が自らの経過観察(セルフチェック)を行う際に
- 留意すべき「緊急性の高い症状」と
- 当該項目に該当したときの対応
を整理したものです。(出典:厚生労働省)
詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「なし」
新型コロナウイルス初期症状「なし」の場合、また別の厄介な問題が生じます。
というのも、自分が新型コロナウイルスに感染していることに気が付かないため、不特定多数の人に対し、無意識のうちに感染させてしまうリスクが高まるためです。
では具体的に、新型コロナウイルス初期症状「なし」と診断される事例はどのぐらい見られるものなのでしょうか?
まず厚生労働省によると、2020年4月8日時点で、日本国内で新型コロナウイルス感染者は4,257例です。(出典)
4,257例の内訳としては、
-
新型コロナ患者
-
2,806例(66%)
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無症状病原体保有者
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360例(8%)
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症状有無確認中
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1,091例(26%)
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となっています。
ここで言う「無症状病原体保有者」とは、症状はないが、PCR検査結果が陽性だった人のことを指します。(出典)
つまり、新型コロナウイルス初期症状「なし」と診断される人が8%にものぼるため、たとえ日本経済全体でどれだけ営業自粛をしようとも、日本経済を完全に停止しない限り、感染者が増え続ける可能性があるということです。
新型コロナウイルス初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるかについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。
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