なぜ日本の感染者が急増しているか知りたいですか?
2020年7月に入ってから、新型コロナウイルス感染者数が急増しています。
6月までは一旦コロナが収束したかのように思えましたが、なぜこのような事態に至っているのかを解説していきます。
感染経路不明がなぜ問題なのか学びたい人必見!
新型コロナウイルスの初期症状については、こちらの記事をご参照ください。
【コロナと日本】なぜ感染者急増?
2020年7月、新型コロナウイルスの感染症は日本で急増しており、以下のようにメディアでも多分に取り上げられています。
2020年7月10日、東京都の新型コロナウイルス感染者は243人と、9日を上回り過去最多となりました。
出典
2020年7月10日も引き続き感染者数が上昇し続けています。そこで、どのぐらい感染者数が上昇しているのかを、日本全国の感染者数の推移を確認してみましょう。具体的には、2020年2月22日から2020年7月10日までの約5ヶ月間の新型コロナウイルス感染者数推移のグラフは以下の通りです。
2020年7月10日の全国の新規感染者数が348人ということは、緊急事態宣言が発令されていた4月26日の感染者数353人と同レベルの高さです。7月に入ってから、なぜこれほどまでにコロナ感染者数が急増しているのかについて詳しく見てみましょう。
日本で発令された緊急事態宣言の内容やその影響についてはこれらの記事をご参照ください。
- 【日本コロナ関連倒産件数】2020年8月時点【帝国データバンク】
- 【コロナ緊急事態宣言】発令と内容【休業しない事業者の問題と対策】
- 【コロナ関連倒産件数・業種別】緊急事態宣言の影響【ホテル・旅館】
- 【ロイヤルホスト閉店】コロナ業績悪化【UberEATS送料比較】
【コロナと日本】なぜ感染者急増?【PCR検査数を増やしたから】
このように感染者数が急増してしまっている現状について、小池都知事は会見で次のように述べています。
「検査を、おかしいなと思った方が受けられるようになった。その整備もこれまでと比べてかなりできたということで、むしろ自らの健康状況を知った上で感染しないさせないが広がっていくということは、むしろ是として受け止めるべきではないかと思います」
出典
体調が悪いと感じた人が、以前と比較すればPCR 検査を受診できるようになったとのことです。これは以前は医療崩壊を防ぐためにPCR検査を受けたくても受けられなかったのが、2020年7月の時点ではそれまでに比べて容易に受けられるように変わったから、新型コロナウイルス感染者数が急増しているという意味でしょう。
たしかにPCR 検査数が増加するほど、新型コロナウイルス感染者数も増加すると言えます。なぜなら、実は新型コロナウイルスに感染しているにも関わらず、
- 症状が軽度であったり
- 無症状患者であったり
するためにPCR 検査を受けそびれることにより、コロナ感染者数にカウントされないからです。PCR検査数を増やせばコロナ感染者も増える理由について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
では実際にどのぐらい7月以降のPCR 検査数が変化したのかと言うと、2020年2月5日から2020年7月11日までの PCR 検査実施人数の推移は以下の通りです。
このグラフを見ると、確かにPCR 検査数は全体的に微増傾向にあるものの、劇的な増加とは言いがたいと言えるでしょう。
ではPCR検査をした結果、コロナ陽性と判明した人数の推移は以下の通りです。
このグラフを見ると、7月に入ってからの新型コロナウイルス感染者数の急激な増加は、PCR 検査数の増加に比例して陽性者数が増えているとは言い切れないかもしれません。
確かに PCR 検査をするには
- 人的労力や
- 検査コスト
等もかかります。従って4月の時点では、少し体調が悪いぐらいではPCR検査を受けさせてもらえず、
- 三十七度五分以上の熱があったり、
- 咳の症状があったり
- 強い倦怠感を感じていたり
- 息苦しかったり
しなければ検査を受けることは難しかったということは間違いありません。
しかし7月以降も気軽にPCR検査を受けられないという状況は同様です。つまり、以前と比べれば多少は改善されてきたかもしれませんが、未だに PCR 検査は誰でも受けられるというものでもありません。
新型コロナウイルスのPCR検査拒否問題や上記のコロナ初期症状について、詳細はこちらの記事を参照下さい。
- 【コロナPCR検査拒否問題事例】日本と他国の検査件数比較【なぜ】
- 【コロナ初期症状「発熱」】割合・対処法・感染力・外来・危険性
- 【飛沫感染】コロナ咳予防策・飛沫感染する距離【マスクで防げる?】
- 【コロナ初期症状「倦怠感」とは】どんな感じ?【だるい・疲労】
- 【コロナ初期症状「息苦しい」肺炎】どの程度?熱は?【人工呼吸器】
【コロナと日本】なぜ感染者急増?【感染経路不明】
しかし問題は「感染経路不明」が増えているという点です。感染経路不明というのは家族で新型コロナウイルスに感染している人もいない場合が該当します。他にも、「私と同じ職場で感染しているも人もいない、だからきっと
- 電車や
- バス
などの公共交通機関や、
- スーパーや
- コンビニ
など、特定多数の人が出入りする場所で感染した可能性がある」、などというものです。感染経路不明については以下のように専門家も問題性を指摘しています。
9日の感染者224人のうち、感染経路不明が104人です。推移を見ても、増えてきています。
専門家のなかには「すでに市中感染がおきていて感染が増える要因しかない。危機感を持っている」という人もいます。
出典
2020年7月9日の感染者数224人中104人にものぼる約46%が感染経路不明とのことです。では感染経路不明の場合は、どのような問題が発生するのか詳しく見ていきましょう。
感染経路不明の方が感染経路が明確であるよりも問題とされている理由としては、感染経路不明の場合は、ウイルスを不特定多数の人にばらまいてしまい、政府が有効な新型コロナウイルス対策を取れなくなってしまうからです。このような感染経路不明と言うのは、無症状患者によって新型コロナウイルスが拡散されている可能性もあります。新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるかという点や
- 新型コロナ初期症状「なし」と診断される割合や、
- 感染封じ込めが困難になる問題、
- 無症状者でもうつる可能性
について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
また新型コロナウイルスの潜伏期間についてはこちらの記事をどうぞ。
そして感染経路不明ということは、コロナ感染拡大防止を難しくする点も厄介です。例えばもし同じ職場でコロナ感染者が出たということが分かれば、同一の勤務地で働いている人を
- 出勤停止にする
- PCR検査を受けさせる
- 感染者の家族を重点的に調査を行う
など、何らかの対策をとることができます。しかしどこで感染したのか分からないというのは誰に対して対策をすべきかも分からず、放っておくと感染がますます拡大してしまいます。例えば、新型コロナウイルスに感染しているにも関わらず
- 仕事をしてしまったり
- 友人と食事会などで接触してしまったり
するので、職場の同僚や友人などの周りの人にウイルスをばらまいてしまい、追跡しきれなくなりコロナ感染が拡大してしまいます。
クラスター
職場や友人間などで新型コロナウイルスの濃厚接触をしてしまうと、クラスターが発生してしまう可能性があります。例えば2020年7月11日にも、千葉県松戸市の特別養護老人ホームで14名のコロナ感染者が確認され、クラスターが発生したと千葉県庁により発表されています。
県は11日、新型コロナウイルスに職員と入所者計4人が感染した松戸市の特別養護老人ホーム「松戸陽だまり館」で、新たに30代の男性職員の感染が確認され、クラスター(感染者集団)が発生したと発表した。県内では同日、14人の感染者が確認された。
出典
また京都市でもクラスターが発生しており、
- 食事会の参加者や
- 飲食店の従業員
などを含めた合計20名の新型コロナウイルス感染が判明しています。
京都市は11日、20~70代の男女9人が新型コロナウイルスに新たに感染したと発表した。いずれも軽症もしくは無症状という。
市によると、感染者のうち20代女性2人は、クラスターが発生した6月30日の食事会の参加者が2、3次会で訪れた京都市内の飲食店の従業員と、参加者の同僚の知人で愛生会山科病院(山科区)の看護師。食事会関連で計20人の感染が判明した。
出典
京都新聞「食事会クラスター関連で看護師ら感染 京都・新型コロナ、11日夜発表」
クラスターとはどのようなものか詳しく学びたい方は、こちらの記事をご参照ください。
外出自粛
このような新型コロナウイルス感染拡大を防止するためには、少しでも早い段階に、外出自粛などの対応を取る必要があります。
具体例を挙げて説明します。ある日突然、あなたに咳が出る症状が現れたとします。もしその時に感染経路不明の場合は、「今日は咳が出るけどどうせただの風邪だから仕事に行こう」などと考えてしまう可能性はあるかもしれません。しかしもし、あなたが働いている職場で新型コロナウイルス感染者が出てしまった場合、「新型コロナは自分に移り自分も咳が出るのではないか」などと自分への感染を疑うことにつながります。だからこそ、新型コロナウイルスの感染経路不明は、感染経路が明確であるよりも問題とされているのです。
外出自粛についてはこちらの記事をご参照ください。
夜の繁華街
しかし感染経路不明が増えている要因の一つは夜の繁華街で新型コロナウイルス感染者が拡大し続けているからでもあります。プライバシーの問題からどの顧客が店に来店したのかを経営者が把握していないということも問題です。
しかし任意の調査のため、実態解明に「プライバシー」の壁が立ちはだかる。都内では、夜の繁華街をめぐる調査が難航。関係者によると、感染経路の不明者の中で、世代を問わず一定数の感染者が夜の繁華街の飲食店で食事をしていることを把握した。ただ、店名や同席者の名前に関して、当事者らは「相手の迷惑になるから」などと口が重たくなるという。
出典
このようなプライバシーに関する様々な問題から新型コロナウイルスの感染が拡大している可能性もあるため、以下の通り、夜の繁華街への保健所の体制を強化し、集中的な検査規制を行うよう推進することになりました。
都内で新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新するなか、西村経済再生担当大臣と小池知事が会談して「夜の街」の対策を取りまとめました。
西村経済再生担当大臣:「この3つの対策をまさに国・自治体・専門家がワンチームで迅速に実行していきたい」
会談には繁華街を抱える東京・新宿区と東京・豊島区の区長も同席しました。新たに取りまとめた対策ではPCR検査を「夜の街」など感染の可能性が高い場所で集中的に実施し、幅広く受診を呼び掛けるとしています。また、保健所の体制を強化するために国や近隣の県から人的な支援をするほか、既存の保健所を補完する「夜の街」対策の新たな拠点を設けるとしています。
なぜこのような取り組みをしているのかと言うと、以下の通り、夜の繁華街を中心としたコロナ感染拡大によって、保健所への人手不足への懸念があるからです。
新型コロナウイルスの新規感染者が大きく増えている東京都内で、保健所の人手不足への懸念が再び高まっている。夜の繁華街を担当する新宿の保健所は既に人手が足りず、都から保健師などの応援派遣を受けている。パンク状態となった第1波の反省から業務の外注も進めるが、一段の運営効率化が急務だ。
出典
新宿区や豊島区は、
- ホストや
- キャバクラ
などの風俗店や飲み屋が多数ある地域です。 国や近隣の県から人的支援を要請するということや、既存の保健所を補完する夜の街対策の新たな拠点を設けるということ等に対し、新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みがされています。
新型コロナウイルスへの感染リスクを増大させないため、正しいマスクの付け方について、こちらの記事で説明していますのでご参照ください。
新型コロナウイルスの症状の中でも緊急性の高い13の症状について、詳しくはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルスの初期症状について、詳しく学びたい方は以下に挙げる各記事をご覧ください。
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