【コロナ感染拡大・減衰予測】K値とは【第4波の原因究明の必要性】

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コロナ感染拡大予測を知りたいですか?

大阪大学の中野教授が考案したK値の計算に基づく新型コロナ感染拡大・減衰時期予測を踏まえ、日本国内のコロナ感染拡大の第1波から第4波までの状況をご紹介!

なぜ地方の感染拡大を防ぐにはコロナ第4波の原因究明が必要か学びたい方必見!

 

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【コロナ感染拡大・減衰予測】K値とは

「週刊新潮」2020年7月30日号に掲載された記事をもとに、新型コロナウイルスの感染拡大予測について見ていきましょう。 この記事の元となるのは大阪大学核物理研究センター長、中野貴志教授が考案した「K値」の計算にもとづいた、新型コロナウイルスの感染拡大予測です。

具体的な予測方法は以下の通りです。

「K値は感染の拡大と収束のスピードを測るメーター。ボールを投げた瞬間の速度がわかれば、いつ頂点に達し、いつ落ちてくるかわかるのと同じ理屈です。新型コロナの感染でも、投げたボールと同様に減衰するとの仮定にもとづきK値で分析した結果、どの国や地域でも一定の速度で減衰していくのがわかりました。K値で感染初期の拡大率の変化速度を測れば、その後の新規感染者数、ピークや収束時期を予想できます」

出典 デイリー新潮

なるほど、「K値」というのは数学的な分析手法であり、ボールを投げた瞬間の速度を測定すれば、

  • ボールがいつ頂点に達し、
  • いつ地面に落ちてくるのか

などが分かることと同様に、新型コロナウイルスの初期の感染拡大スピードを把握することができれば、新型コロナ感染の

  • ピークの時期や、
  • 減衰する時期

が予測可能になるとのことです。

中野教授が提唱する「K値」について詳しく学びたい方は、以下の「K値とは何か?」という大阪大学のホームページ内にある中野教授の 「K値」の論文に関する資料で説明されているのでこちらをご参照ください。

 

【コロナ感染拡大・減衰予測】K値とは【第4波】

まず中野貴志教授は、2020年7月23日までの実際の新型コロナウイルスの日本国内の感染状況について、以下のように解説しています。

「これまで日本には中国由来の第1波と、欧米由来の第2波が到来し、第2波の収束後、感染者数ベースで6月22日ごろ、第3波が始まりました。“震源地”は新宿の可能性が高い。先週(※7月第3週)、その感染者数のピークを7月9日ごろと予測しましたが、その前に新しい波が始まっていた。大阪モデルの黄信号到来を機にK値をモニターし、その推移から第4波の到来を確信しました。立ち上がりは7月6日ごろで、第3波との違いは感染拡大規模と地域。感染者数は掲載の表の8府県で4倍です。ただし、首都圏中心だった第3波に対し、第4波は全国に散らばっている。ピークは7月末にきます」

出典 デイリー新潮

中野貴志教授は新型コロナウイルスの感染拡大期間を、第1波から第4波まで4つに分類して説明しています。まず、

  • 第一波の中国由来のものと、
  • 第二波の欧米由来のもの

があると解説しています。そして6月22日頃に新型コロナウイルスの第三波が始まったと言います。第三波の震源地は新宿とありますが、さらに詳しく言うと新宿歌舞伎町の水商売系の店です。具体的には、

  • ホストや
  • キャバクラ

などの接待を伴う店舗が、新型コロナウイルス感染拡大の中心となっていました。 さらにこの第三波のピーク時期について中野貴志教授は、当初は7月9日頃だろうと予測していました。しかし、残念ながら7月9日より前に第4波が来てしまったことに、K値に基づいて予測することで判明したとのことです。具体的に言うと、第4波の立ち上がり時期は7月6日頃であり、第三波が首都圏中心だったにもかかわらず、第4波は全国に拡散してしまっており、新型コロナウイルス新規感染者数のピークは、K値予測によると7月末に来るとのことです。

実際に、2020年2月23日から2020年7月29日までの約5ヶ月間における、日本全国の新型コロナウイルスの新規感染者数の推移グラフを見てみると以下の通りです。

日本全国 新型コロナウイルスの新規感染者数の推移 (期間:2020年2月23日~2020年7月29日)

日本全国 新型コロナウイルスの新規感染者数の推移 (期間:2020年2月23日~2020年7月29日)

このグラフを見ると、7月に入ってから新型コロナウイルスの新規感染者数が急増していることがわかります。その理由について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

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しかし中野教授が言うには、日本の新型コロナウイルスの新規感染者数の拡大は、8月以降は減少していくと予測しており、指数関数的に増えることはないとのことです。日本は1日あたりの新規感染者数が約1000人もいると言われると、誰しもかなり多いという印象を受けるかもしれませんが、実は米国の新型コロナ新規感染者数は1日あたり6万人を超すペースで増加しており、日本と比べると桁違いに感染者数が多いです。2020年7月の米国の新型コロナ感染状況についてはこちらの記事をどうぞ。

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【コロナ感染拡大・減衰予測】K値とは【第4波の原因究明の必要性】

ここまでの説明で、中野教授は新型コロナウイルスの第4波の感染拡大は、K値に基づき分析した結果、7月末で一旦収束するとの予測を立てています。しかし、地方の新型コロナウイルス感染拡大を防止するためには、東京都で感染拡大してしまった第4波の原因を究明するべきだと以下のように主張しています。

 ただし、波は必ず減衰するので、「指数関数的に増えることはない」と、中野教授は強調するが、東京都には苦言を呈する。

「第4波の発生で、第3波の震源地である東京都が原因を究明しなければ、ほかの都市は防ぎきれないことが示されました。単なる感染者数などのマクロな数字だけでなく、だれがいつどこでどう感染した可能性が高いか、という時系列の情報や、リンク不明の追跡結果といった情報を出さなければ、どこでどう広がったかわかりません」

出典 デイリー新潮

上記の内容を要約すると、どれだけ東京都以外の地方行政が新型コロナウイルス対策を講じたとしても、東京都で

  • 第3波や
  • 第4波

の感染拡大の原因を究明しなければ、地方は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぎきれないと言うことが分かった、とのことです。

確かに第三波は、新宿区歌舞伎町の夜の繁華街で集中していたことから、原因を突き止めることができています。しかし第4波は全国各地に感染拡大者が急増していることから、地方は感染拡大を防ぎきるのは難しいと言えそうです。

つまり、今後の東京都の対策によって地方の新型コロナ感染者数は左右されてしまうから、東京都はただ単にコロナ新規感染者数を分析するだけではなく、コロナ感染者が

  • いつ
  • どこで
  • どうやって

感染した可能性が高いのかを明確にするべきであるとのことです。また、感染経路不明をそのままにするのではなく、新型コロナ患者の追跡結果に関する情報を東京都が公開しなければ、どこでどう新型コロナウイルスが広がったのかわからないから、東京都は地方都市に対してもっとオープンにした上で原因究明を急ぎなさい!ということです。

実際、東京都と大阪府だけで、日本全国の新型コロナウイルス新規感染者数の約6割を占めています。2020年7月28日までの、各都道府県の上位の新規感染者数はどこかという点についてはこちらの記事をどうぞ。

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またここで言う、新型コロナウイルスの「第4波」の原因について考察すると、もしかしたらこれはGo To キャンペーンを利用して国内旅行に出かける観光客によって、感染者数の多い首都圏から地方へと、新型コロナウイルスを運んでしまっている可能性もあります。確かに東京発着を Go To キャンペーンの対象から除外したことで、新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大は防げたかもしれません。しかし2020年7月28日時点において、他の首都圏などは Go To キャンペーンの対象であり、新型コロナ新規感染者数全国2位の大阪府も対象となっています。したがってもしかしたら、 Go To キャンペーンで東京都発着を対象外とするだけでは、まだ新型コロナ感染拡大防止策としては不十分である可能性もあります。Go Toキャンペーンで東京を除外した理由についてはこちらの記事をご参照ください。

これまでに叫ばれていた、Go To キャンペーンへの批判についてはこちらの記事をご覧ください。

また、そもそもGo To キャンペーンとはどのようなものか詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

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