新型コロナウイルスの初期症状の中でも、特に緊急性の高い13症をご存知ですか?
厚生労働省がなぜこのようなリストを作成したのかや、その経緯をご紹介!
このリストにより、万が一新型コロナウイルスに感染し、体調が急変した時に少しでも助かる可能性を高めましょう!
【コロナ初期症状】緊急性高い13症チェックリスト
厚生労働省は2020年4月27日、新型コロナウイルス感染症の
- 軽症者や
- 無症状原体保有者
の感染者が、ホテルなどの宿泊施設や自宅で療養する際、注意すべき緊急性の高い13個の症状を公表しました。(出典)
これは、新型コロナウイルス感染症の軽症者や無症状原体保有者
は、
- 宿泊療養
- 自宅療養
においては、軽症者等の状態が急変する可能性もあることから、軽症者等の患者本人が自らの経過観察(セルフチェック)を行う際に
- 留意すべき「緊急性の高い症状」と
- 当該項目に該当したときの対応
を整理したものです。(出典:厚生労働省)
無症状患者について詳しくは「【コロナ初期症状「なし」】無症状の割合と感染【うつる・医療崩壊】」の記事をご覧ください。
具体的に、緊急性の高い症状とは以下の13項目の症状です。
表【緊急性の高い症状】 ※は家族等が以下の項目を確認した場合
- 〔表情・外見〕
- 顔色が明らかに悪い ※
- 唇が紫色になっている
- いつもと違う、様子がおかしい ※
- [息苦しさ等]
- 息が荒くなった(呼吸数が多くなった)
- 急に息苦しくなった
- 生活をしていて少し動くと息苦しい
- 胸の痛みがある
- 横になれない。座らないと息ができない
- 肩で息をしている
- 突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた
- 〔意識障害等〕
- ぼんやりしている(反応が弱い) ※
- もうろうとしている(返事がない)※
- 脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする
(出典:厚生労働省)
上記の症状のうち、もし一つでも患者の状態が当てはまれば、看護師等からの定期的な連絡を待つことなく、
- 自宅療養の場合には、各都道府県等の連絡・相談窓口
- 宿泊療養の場合には、宿泊施設に配置された看護師等
にすぐに連絡するよう厚生労働省は呼びかけています。(出典:厚生労働省)
また、上記の[息苦しさ等]の症状について、日本プライマリ・ケア連合学会が2020年3⽉11⽇に公開した、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の⼿引き」には、以下のように記載があります。
新型コロナウイルス感染症に合併した肺炎では,
- 強い湿性咳嗽
- 息苦しさ,呼吸困難
- 軽微な乾性咳嗽
- ほとんど呼吸器症状を呈さない
などの多彩な臨床像を呈します.
つまり、もし「息苦しい」と感じるならば、新型コロナウイルスによる肺炎の症状が現れている可能性があるということです。
新型コロナウイルス感染症であっても発症7⽇以内の早いタイミングで肺炎に⾄ることもあるため、慎重に経過を追う必要があります。特に、
- ⾼齢者や
- 基礎疾患を有する患者
- ⼜は妊娠中の⼥性
では、発症直後に肺炎に⾄ることもあるため要注意です。(出典)
新型コロナウイルス初期症状「息苦しい(肺炎)」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
なお、外来患者でそのまま宿泊療養等へ移行する方については、一度入院して治療等を受けた後、宿泊療養等へ移行する方と比較して、これからウイルス量が増加する可能性があること等から、軽症者等の
- 症状や
- 状態
等に応じ、
- セルフチェックする回数(原則1日2回)を増やし、1日3回(朝・昼・夜)又は4回(朝・昼・夕・寝る前等)を目安として設定
- 健康状態の聴取のために連絡する回数を1日2回に増加する
など、より症状の変化に留意して健康観察し、必要に応じて速やかに医師に相談することとしています。(出典:厚生労働省)
【コロナ初期症状】緊急性高い13症チェックリストを作成した経緯
厚生労働省が、新型コロナウイルスの「緊急性の高い13症チェックリスト」を作成した経緯を説明します。
そもそも、なぜ厚生労働省がこのようなチェックリスト作成に着手したのかのかというと、2020年4月21日に埼玉県で新型コロナウイルスに感染した自宅療養中の男性が死亡する事案が発生し、自宅療養のリスクが指摘されたことも一つの要因です。(出典)
埼玉県庁によると、この男性が死亡するまでの経緯としては、まず2020年4月16日にPCR検査で新型コロナウイルスへの感染が判明しました。しかし当初は医師から軽症と判断されたため、この男性は入院先の病院が見つかるまで「自宅待機」の措置をとりました。そして発症から1週間以上経過した20日に保健師が状況を確認したところ、患者は発熱しており、21日から入院予定だったといいます。しかし、20日夜に容体が急変し、21日に病院に救急搬送され、死亡が確認されました。(出典)
この男性は新型コロナウイルスの感染判明から5日後に死亡してしまったことから、たとえ当初医師から軽症と判断されたとしても、その後の急激な症状悪化に対し十分な警戒が必要であるということが分かります。この男性にも現れた「発熱」は、新型コロナウイルスに感染した場合に最もよく見られる初期症状です。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
また、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、厚生労働省は2020年4月23日、軽症者も自宅ではなく、ホテルなど宿泊施設での療養を基本とすると方針を転換したこともあり、このたびの「緊急性の高い13個の症状チェックリスト」の作成に着手したのでしょう。(出典)
つまり、
- 宿泊療養
- 自宅療養
においてこの13症チェックリストを活用することで、体調の急変時に少しでも助かる可能性を高めることができるようになるということです。
しかしながら、そもそも新型コロナウイルスに感染した後のことよりも、感染する前に未然に防ぐことの方が重要であるとも言えるので、
- 咳をすることで発生する飛沫感染や、
- コロナ予防策
についてこちらの記事をどうぞ。
また、正しいマスクの付け方についてはこちらの記事をご参照ください。
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