ベストセラー書籍「FIRE最強の早期リタイア術」で紹介されているサイドFIRE・パーシャルFIとは何かを説明します!
まずこの本に出てくるFIREとは、経済的自立と早期リタイアを意味しており、「Financial Independence, Retire Early」の略です。つまり、多額のお金を貯蓄した上で投資にまわし、不労所得を得ることで早期リタイアするという考え方です。
一方で、サイドFIRE・パーシャルFIとは完全FIREとまではいかないが、不労所得と勤労所得を組み合わせたものです。
サイド FIRE・パーシャルFIを具体例を踏まえて理解する前に、そもそも「FIRE」とは何かを学びたい方はこちらの記事から読まれることをおすすめします。
サイド FIRE とは
サイド FIRE というのは、投資収益+勤労所得の二つの収入源によって生活するという方法です。
大部分の収入を投資からの収益を年間100万円~200万円程度得て、それ以外の収入として、 ブログ運営や小説などの執筆などのサイドビジネスやパート・アルバイト等による収入を年収100万円~200万円ぐらい得ます。合計して年収300万~400万円で生活するので、仕事から感じるストレスが減るというのがメリットでしょう。
完全な FIRE を実現するためには、貯蓄を5000万円から1億円程度貯める必要がありますが、かなりの高給取りの仕事についている人でなければ、そこまでの高額な金融資産を蓄えるには、年齢として五十歳を超えてしまう人がほとんどでしょう。
また高給取りで仕事をするのであればかなりのストレスを感じて身体にダメージを与える人もいることでしょう。そこでサイド FIRE という選択肢が出てきます。パートアルバイトやサイドビジネスなどにより年間で100万円を25年間にわたって稼ぐことさえできれば、それだけで2500万円分の貯蓄を投資ポートフォリオから差し引くことができます。
40代で貯蓄を5千万円貯めるという目標は非現実的ですが、2500万円貯めるのであれば達成できる人は出てくるはずです。そのため副収入の年収100万円×25年間で得る2500万円を足し合わせることによって、 FIRE が可能になるのです。
そのため30代や40代で働くペースを落としたい人は、サイド FIREをすることによって、ストレスの無い日々を送ることができるようになります。
サイド FIREのメリット
サイド FIREのメリットを説明します。
痴呆症の防止や健康の維持
サイド FIREのメリットは、痴呆症の防止や健康の維持などです。
というのも完全にリタイアした後に仕事をせずに暮らしていると、痴呆症になってしまったり、運動不足で身体が弱ってしまったりする可能性があるからです。毎日休みなく働いていると、「たまには休みが欲しい、毎日が休みの人は何て幸せなんだろう!」と思うかもしれませんが、実際に毎日が休みとなり死ぬまでそれが続くとなれば別物ですよね?
なぜなら Amazon プライムビデオや Netflix などの動画をたまに見ると面白いですが、死ぬまでそれを見続けるとなると、抵抗を覚える人がほとんどだと思われるからです。誰しも人生に多少の張りは必要ですよね…
ここまで聞けば、サイド FIREという選択肢が、完全なFIREよりも魅力的に見えてくるはずです。また、多くの日本人にとって、私個人の視点から見ても、サイド FIREが最適な選択肢であるかと思われます。
誰でも子供の頃に夢見た憧れの職業を、一度はやってみたいと言ってる人も多いはずです。例えば、将来お菓子屋さんになりたいと子供の頃に願っていたのであれば、実際にケーキ屋さんでアルバイトするとひとつの夢が叶うことになります。また子供の頃に学校の先生になりたいと願っていた人であれば塾講師のアルバイトをするなども良いでしょう。更には個人事業主として、小説家やブロガーを目指すのも良いでしょう。
例えば、ケーキ屋さんや塾の講師の仕事を正社員で毎日12時間して年収450万円を得ていたら、誰だって仕事が嫌になってしまう可能性があります。そこで週3日間程度で1日あたり4時間~6時間程度働いて年間で100万円~200万円程度の収入を得るのです。 もちろんアルバイト収入だけでは生活するのは難しいので、メインとなる収入を投資収益から200万円程度受け取り、パートや副業等の収入と合算して合計年収400万円程度にするという計算です。
税率区分が下がる
サイド FIREのメリットは、痴呆症の防止や健康の維持だけではなく、税金が減るという点も見逃せません。 具体的に言うと所得税は累進課税なので年収が上がるほど、手取り収入から差し引かれる税金の率の上がってしまいます。
また健康保険料などの社会保険料の金額も上がります。その結果死に物狂いで働くほど、貯蓄することが難しくなっていきます。
そのため5千万円から1億円の貯蓄を貯める完全なFIREを実現するためには相当の金額の税金を支払う必要があるのです。
一方でサイドFIREであれば年収100万円か200万円程度の収入を25年間継続することになるので、所得税や住民税、あるいは社会保険料が減少します。つまり体に優しいだけではなく税金面でも優しくなるのがサイド FIRE なのです。
パーシャルFIとは
「FIRE最強の早期リタイア術」の著者クリスティー・シェンは、もうひとつのFIREに似た方法として、パーシャルFIという働き方を提唱しています。パーシャル(partial) とは、「一部分の、部分的な」というの意味の形容詞です。またFIとは、前述の通り、Financial Independenceの頭文字をとった略です。
つまり、サイドFIREと比較してパーシャルFIは勤労所得の割合が高いが、メインは投資収益で生活するということです。
イメージとしては、例えばメインの投資収益が年間150万円に対し、勤労所得が250万円程度といったところでしょうか。つまりパーシャルFIは合計年収400万程度という点は完全FIREと同じですが、勤労所得の比率が高いということです。
さらに具体的に言うと、投資からの収入に加えて、パートやアルバイトなどの仕事を週4日で1日あたり6時間や、正社員の仕事を長期間休んでその後職場復帰したりするなどのミニリタイアを繰り返す、というかなり柔軟な働き方を組み合わせるのです。
つまり投資元本が完全 FIRE のように5000万円も必要ないし、サイド FIREの 投資元本3000万に達していなくても、パートを週に4日間、1日あたり6時間働くことで、投資元本が2千万円あればパーシャルFIが達成できるというものです。
パーシャルFIはサイドFIREと同様に税率が低くなるし、長時間労働を回避でき、なおかつ老後も働くことができるから痴呆症にもならないという点で健康面でも好ましいでしょう。
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