【やりがい搾取とは】意味をわかりやすく【企業の利益と紙一重】

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搾取とは
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搾取とはどのような意味か知りたいですか?

搾取について、ストーリーを元にわかりやすくご紹介!

さらに、やりがい搾取という言葉の意味や具体例を、

  • 企業の利益と紙一重であること
  • 大企業はやりがい搾取に満ちているということ

等を踏まえて説明します。

 

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搾取とは

まず、 Wikipedia によると、搾取の意味は以下のように説明されています。

搾取(さくしゅ)とは、第一義的には動物の乳や草木、果実の汁などをしぼりとることを意味する言葉である。しかしその意味から転じて第二義的に、「性的搾取」や「中間搾取」などの慣用的な例に見られるように、他人に帰属すべき権利や利得を不正に侵害したり取得することや、優越的立場を乱用し他人を使役して不当な利益を得ることを表すためにも日常的に用いられる。一般的には、人を自分本位に、または非倫理的に利用することを言う。

出典

搾取 - Wikipedia

少し難しい言葉が並んでいるので、次の章でもう少し詳しく見ていきましょう。

搾取をわかりやすく言うと

搾取の意味を、子供でも理解できるようにわかりやすく言うと、「有利な立場にある人によって、不利な立場にある人が利用されること」を指します。

搾取の例

搾取の具体例を、架空のストーリーで説明します。

ここでの登場人物は、悪者役の店主と、気の弱い高校2年生の女の子です

例えば、ある高校2年生の女の子が夏休み中に、自宅近くの個人商店でアルバイトをしようと考えていると仮定します。その高校生は、令和元年10月1日から東京都の最低賃金が時給1,013円に改訂されたことを知りません。それにもかかわらず、店の店主は以下のように発言します。

「君と面接をした結果、君は大変優秀な人物であると感じたので、是非君を採用したいと考えている。でも、今回は20代・30代の社会人も含めて、たくさんの人がアルバイトに応募してきたんだ!採用枠は1人だけだから、どの人を採用するかで今迷っているんだよね。もし君が時給800円で働いてくれるならば、君を採用するけど、どうかな?」

そして、気の弱い高校2年生の女の子は、 少しでも早く働き始めたいと考えているのでこの条件を承諾してしまいます。

最低賃金を無視して人を雇用することは違法です。それにもかかわらず、情報が乏しい学生(未成年・子供)から、お金をむしり取ろうとする行為こそ、まさに搾取であると言えます。

やりがい搾取とは

やりがい搾取とは、どのようなものかを説明します。

まず Wikipedia によると、やりがい搾取という言葉の意味は、以下のように説明されています。

やりがい搾取(やりがいさくしゅ)とは、経営者が支払うべき賃金や手当の代わりに、労働者に「やりがい」を強く意識させることにより、本来支払うべき賃金(および割増賃金)の支払いを免れる行為をいう[1][2][3]東京大学教授で教育社会学者の本田由紀により名付けられた[1][3]

出典

やりがい搾取 - Wikipedia

つまり、やりがい搾取とは、ブラック企業で行われていることと、密接に関係しているとも言えます。

やりがい搾取の例

やりがい搾取を具体例を挙げて説明します。

例えば以下のような事例が、やりがい搾取に当てはまります。

ここで分かりやすく説明するために、

前述の

  • 悪者役の店主と
  • 気の弱い女子高生

に再度登場してもらいましょう。

店主は女子高生に対してこう言います。

「この店で販売しているものは、お酒やおつまみではないんだ。お客様に対して、夢を売っているんだ。深夜に来るお客さんは、仕事が終わってお酒を飲むの楽しみに来てくれるんだ。だから、もしよかったら時給800円で、毎日深夜0時まで働いてもらえないかな? 他の店では、高校2年生と言う若い年齢で、ここまで大きな仕事を任せられることはないんだよ。ここで得た経験は、君の人生にとって貴重な経験となるはずだよ。」

まず、高校生を深夜まで働かせることは、労働基準関連法令違反です。 ここで注目するべきことは、店主が口たくみに女子高生のやりがいを喚起することによって、利益を得ようとしている点です。 もちろん一生懸命仕事をすることによって、自己成長を遂げられることは間違いありません。しかし法律違反してまで仕事を押し付けることは、やりがい搾取であると言えます。

これ以外に、社会人においても当てはまります。上司が部下に対してやる気を起こさせることはとても良いことです。しかし、上司が部下にやりがいを起こさせることにより、長時間労働を押し付けているのであれば、それは「やりがい搾取」であると言えます。

問題点 やりがい搾取は企業の利益と紙一重

しかし、そこで問題点が浮上します。

それは、やりがい搾取というのは、企業の利益と紙一重であるという点です。

この問題点を理解するために、部下の立場ではなく、上司の立場に立って架空のストーリーで考えてみましょう。

あなたは今回やっと昇進することができ、新しく入社してきた新人たち3人を管理する係長の役割に抜擢されました。あなたは様々なビジネス書を読む習慣があり、部下がやる気を起こすためには、目標を掲げてリーダーシップを発揮することであると認識しています。しかし、なかなか思うように仕事がうまくいかずに、チームの士気が低下してきました。今月中に終わらせなければいけない仕事が山積みになり、部下たちはやる気を失っています。そのような場合に、部下のやる気を起こすためにどのようなことが考えられるでしょうか?

もし「この仕事を成し遂げることさえできれば、きっと人一倍成長することができる。」などと言って長時間労働を部下に強いるのであれば、もしかしたらやりがい搾取と言えるかもしれません。なぜならば、企業が

  • 低コストで
  • 大きな利益を生む

ためには、ある程度の部下のやりがいを活用(悪用)せざるを得ない状況があるためです。実を言うと、これは難しい問題でもあります。なぜならば、違法と合法の線引きを判断することが難しいからです。言い換えると、部下を持つ管理職は、常にグレーゾーンで戦わざるを得ません。例えば、部下のやる気を引き出すためには、仕事のやりがいをアピールする必要があります。この仕事を達成することで得られるものはどのようなものなのかを明確化しなければ、部下の本領発揮することは難しいでしょう。しかしそれも行き過ぎてしまえば違法となり、ましてや部下がストレス過剰で自殺でもしようものならば、懲戒処分になってしまう可能性もあります。

このように、やりがい搾取は、企業の利益と紙一重の関係にあると言えるのです。

大企業はやりがい搾取に満ちている

大企業で働くということは、やりがい搾取に満ちているということについて説明します。

2015年12月25日、電通の社員だった高橋まつりさんは自殺しました。(詳細はウィキペディアの「電通」の記事にある「新人女性社員の過労自殺」の章をご参照ください)電通で勤務していた高橋まつりさんが自殺した件でも、世間では大いに批判が巻き起こりました。一見すると、電通は最大手広告代理店であり、すべての従業員にとってやりがいに満ち溢れているかのように思われます。しかし大企業で働くということは、大きな歯車の一つとして働くことを意味します。

裁量権が少ない

大企業で働くということは、大きな歯車の一つにすぎず、各個人が与えられる裁量権が少ないため、自分が行った行為が、会社全体に対してどのくらい貢献しているのかがわかりにくくなってしまいます。

それにもかかわらず口達者の上司は、部下に対して過剰な仕事を割り当てます。それらの仕事を成し遂げることにより、最も利益を得るのは上司です。

さらに、それにもかかわらず、いかに部下にとってプラスになるのかという面を口達者にアピールし、目標を達成しようと試みるのです。もし目標を達成できなければ上司に罵倒されてしまうので、必死に努力したにも関わらずうまくいかないという劣等感と相まって精神的に追い込まれ、うつ病などの病気を発症してしまう人も少なくありません。

もし今あなたが、仕事をすることで精神的にうつ状態になると感じるのであれば、すぐに転職を検討しましょう。転職をすることにより、あなたにとって失うものは、今の仕事を続けることで得られるものよりも、多くを得られる可能性だってあるからです。退職しづらい等の悩みがあるならば、法律相談のプロに「退職代行」を依頼するというのも一つの手です。詳細はこちらをご覧ください。

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戦略とは、何をやらないのか(=資源配分)を選択すること

また、うまくいかない時の対処法を学びたい方は、「【うまくいかない時の対処法】仕事・彼氏彼女・英語勉強【休息優先】」をご参照ください。

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