少子化について知りたいですか?
少子化は日本だけでなく世界で進行しており、特に先進国で顕著です。
2020少子化社会対策大綱を踏まえ、少子化の原因や海外の成功失敗例、大綱を作成した経緯をご紹介!
少子化問題と対策について、全体像と具体例をわかりやすく学びたい方必見!
【2020少子化社会対策大綱】少子化の原因と結論
令和の時代になっても、日本では少子化が加速しています。
そこで日本政府は、2020年5月29日に少子化社会対策大綱を作成しました。
少子化社会対策大綱をもとに、日本の少子化はどのような状況にあるのかをわかりやすく解説します!
まず少子化社会対策大綱では以下のような記載があります。
Ⅰ はじめに
(深刻さを増す少子化)
我が国の少子化の進行、人口減少は深刻さを増している。第2次ベビーブーム世代(いわゆる団塊ジュニア)が 40 代後半になる中、2019 年の出生数(推計)は 86万 4,000 人と過去最少を記録し、いわば「86 万ショック」とも呼ぶべき状況となった。出生数の減少は予想を上回るペースで進んでおり、一旦は 1.45 まで回復した合計特殊出生率もここ数年微減傾向にある。出生数の減少と死亡数の増加を背景に、我が国の総人口は、2008 年をピークに減少局面に入っている。
(出典:内閣府HP 「少子化社会対策大綱-令和2年5月29日閣議決定」)
なんとなく人口減少ということはテレビのニュースでも知っていたが、具体的にはよくわからないという人が大多数であると思われます。そこで具体的に、2019年の出生数は過去最少の86万4000人を記録したと記載があります。そしてこれは「86万ショック」であると、とても大きな問題であると主張しています。またこの出生数の少なさは、当初予想していた減少幅を上回っており、一旦は合計特殊出生率が回復したかのように思えたが、ここ数年は減少しているとのことです。生まれてくる人が減って死亡する人が増えているので2008年に人口のピークを迎え、それ以降は人口が減っているとのことです。
少子化の原因と結論について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
【2020少子化社会対策大綱】海外の成功失敗事例と日本
日本政府は、長期的な視野に立って、少子化対策を今すぐ取り組むべき理由を、少子化社会対策大綱において以下のように説明しています。
(長期的な展望に立って、総合的な少子化対策を大胆に進める)
少子化は今この瞬間も進行し続けており、少子化への対応は遅くなればなるほど、将来への影響が大きくなる。したがって、早急に取組を進めることが必要である。一方で、少子化対策は、その効果が表れるまでに一定の時間を要する。少子化の進展に歯止めをかけるため、長期的な展望に立って、必要な安定財源を確保しながら、総合的な少子化対策を大胆に進めていくことが必要である。
(出典:内閣府HP 「少子化社会対策大綱-令和2年5月29日閣議決定」)
つまり、 少子化は現在進行形で悪化してきているから、少子化対策を早く実行しないと将来はもっと悪化してしまいますよ!だから早く取り組みましょう!ということ言っています。つまり少子化が、それだけ既に進行してきてしまっているから、今すぐ始めないと後になって取り返しのつかないことになるということを指しています。
少子化対策に日本が今すぐ取り組むべき理由や、海外の成功・失敗事例について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
【2020少子化社会対策大綱】経緯として2015大綱を理解しよう
政府は2020少子化社会対策大綱を作成した経緯として、以下のように説明しています。
(大綱の検討経緯)
2015 年3月の少子化社会対策大綱の策定から5年目となる 2019 年3月以降、内閣府特命担当大臣(少子化対策)の下、有識者から構成される「第4次少子化社会対策大綱策定のための検討会」を開催し、新たな大綱の策定に向けた議論を行ってきた。検討会は、7回にわたる幅広い関係者からの意見聴取や議論を経て、2019年 12 月に「第4次少子化社会対策大綱の策定に向けた提言」を取りまとめた。
(出典:内閣府HP 「少子化社会対策大綱-令和2年5月29日閣議決定」)
補足すると、ここに出てくる、2019年 12 月に政府が作成した「第4次少子化社会対策大綱の策定に向けた提言の概要」はこちらになります。
(出典:内閣府HP 「第4次少子化社会対策大綱の策定に向けた提言(概要)」)
これを見てみると、「第4次少子化社会対策大綱の策定に向けた提言」において、政府は出生率1.8という目標を掲げていました。しかし2018年の日本の出生率は1.42で未達だったので、さらに「国民が一致団結して改善する必要がありますよ!」というものです。2020少子化社会対策大綱を作成した経緯について詳しくはこちらの記事を参照下さい。
【2020少子化社会対策大綱】少子化対策の目標
2020年少子化社会対策大綱には、少子化対策の目標について以下のような記載があります。
少子化対策における基本的な目標
一人でも多くの若い世代の結婚や出産の希望をかなえる「希望出生率 1.8」の実現に向け、令和の時代にふさわしい環境を整備し、国民が結婚、妊娠・出産、子育てに希望を見出せるとともに、男女が互いの生き方を尊重しつつ、主体的な選択により、希望する時期に結婚でき、かつ、希望するタイミングで希望する数の子供を持てる社会をつくることを、少子化対策における基本的な目標とする。
(出典:内閣府HP 「少子化社会対策大綱-令和2年5月29日閣議決定」)
今の若い世代の人達は結婚や出産の希望を実現しているとは言えません。なぜなら、若い世代が希望している出生率は1.8ですが、2018年の日本の出生率は1.42だったからです。(出典:厚生労働省「第1表 人口動態総覧」)つまり日本政府は、出生率を0.38ポイント上昇させることを目標としています。2018年までの出生数、合計特殊出生率の推移を示した表はこちらです。
(出典:内閣府HP)
なお、2020年少子化社会対策大綱で言っている「出生率」という用語は、合計特殊出生率のことを指しています。合計特殊出生率とは、15歳から49歳までの年齢別出生率を合計したものをいいます。具体的には、1人の女性が一生の間に何人の子を産むかを表しています。(出典:コトバンク)政府の少子化対策の基本目標について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
【2020少子化社会対策大綱】政府の考え方
日本の少子化対策について学びたければ、まず政府が作成した2020少子化社会対策大綱における「少子化対策の基本的な考え方」を理解する必要があります。
2020少子化社会対策大綱では、少子化対策の基本的な考え方を以下のように説明しています。
Ⅲ 基本的な考え方 ~新しい令和の時代にふさわしい少子化対策へ~
若い世代が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくり、「希望出生率1.8」を実現するため、以下の基本的な考え方に基づき、社会情勢の変化等を踏まえた、令和の時代にふさわしい当事者目線の少子化対策を進めていく。本大綱の推進に当たっては、将来の子供たちに負担を先送りすることのないよう、安定的な財源を確保しつつ、有効性や優先順位を踏まえ、できることから速やかに着手することとする。
(出典:内閣府HP 「少子化社会対策大綱-令和2年5月29日閣議決定」)
これを見てみると、政府は若い世代の希望(2人は子供が欲しい)を実現できる社会をつくるために、
- お金を貯めつつ
- 優先順位を決めて、
- できることから即開始していきます、
と公言しています。また、ここでいう希望出生率1.8を達成するというのは、現在の出生率(2018年の日本の出生率1.42)から0.38ポイント上昇させるということを指しています。 (出典:厚生労働省「第1表 人口動態総覧」)
そして、「令和の時代にふさわしい当事者目線の少子化対策」というのは、具体的には後述する、
- 親と離れて暮らす核家族化における子育てのサポートや、
- 夫婦で共働きをする際に男性の育児参加をするため男性も育児休業の取得することを推奨する、
などを指しています。
2020少子化社会対策大綱における政府の考え方について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
【2020少子化社会対策大綱】政府の考え方【子育て家庭のニーズ】
日本は核家族化が進展したことによって、夫婦共働き家庭が増加しています。具体的にどのぐらいの世帯なのかと言うと、共働き家庭の比率の推移は以下の通りです。
まずこのグラフの見方としては赤い線が夫婦共働き世帯であり、青色の線が夫が仕事をしていて妻は専業主婦世帯であることを示しています。このグラフを見ると、夫婦共働き世帯である赤い線が昭和55年の600万世帯から平成26年には1114万世代へと約2倍に増加していることがわかります。この通り夫婦共働き世帯が増加していることを、少子化社会対策大綱の中では「多様化する子育て家庭の様々なニーズ」と言う言葉で、以下のように言い換えています。
(2)多様化する子育て家庭の様々なニーズに応える
核家族化の進展、共働き家庭の増加、地域のつながりの希薄化など、家族の在り方や家族を取り巻く環境が多様化している。
つまり核家族や共働き家庭等の子育て家庭の様々なニーズに応えることによって、少子化対策につながる可能性があるということです。
ここに出てくる「多様化する子育て家庭の様々なニーズ」とは具体的にどのようなものかについて、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
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