森岡毅ならレゴランドをどう変えるのか知りたいですか?
現在、レゴランドが集客に苦心しているようです。
そこで、つい考えてしまうのが、USJをV字回復させた森岡毅さんだったら、レゴランドをどのように変えるのだろうか?という点です。
私の視点から見て、「森岡毅さんなら、きっとこのようにレゴランドを改革するだろうな」ということについて説明していきます。
森岡毅がレゴランドの経営に関わらない理由
まず、先に触れておくと、森岡毅さんはレゴランドの運営に関わることはありません。
なぜならば森岡毅さんが東洋経済の取材において、以前勤めていたUSJに対し、悪影響を与えてしまうような競合他社の手伝いをすることはない、とも言及されているからです。
自分自身の作品として思い入れがあるUSJに直接的にダメージを与える地元競合のお手伝いは、しばらくは遠慮したいと思います。
出典
USJ再生の森岡氏が新会社「刀」を作った理由――なぜ会社設立に至ったのですか。背景も含めお聞かせください。実は、P&Gを退社してUSJに入社したときと、動機は太いところではつながっています。もともと私は通常の仕事の傍ら、日本の「P&Gマーケティング大…
丸亀製麺の改革に着手したように、森岡毅さん率いるマーケティング精鋭集団「刀」が、どのようにレゴランドを改革していくのかを目の当たりにしたいと私は個人的に思います。
しかし、さすが森岡さん、武士の作法といいましょうか、今まで世話になったUSJの足を引っ張るようなことはしたくないとの思いから、残念ながらそのことは実現しないでしょう。
森岡毅さんが代表を勤める、株式会社刀の正体に関してはこちらの記事をどうぞ。
消費者視点
おそらく森岡毅さんであれば消費者視点に立って、レゴランドの集客を行うはずです。
またその際に、定性分析と定量分析を組み合わせて戦略を構築するはずです。
USJを抜本的に改革する際には、消費者視点に立って数々のマーケティング施策を実行し、成功へと導いたことを「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 (角川書店単行本)」で述べられています。J
さらに、長期的な視野に立って巨額の投資を行うことを経営層に提案するでしょう。
具体的にどのような巨額投資を行ったかについて、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
プライシング
レゴランドとプライシングについて説明します。
チケット価格
レゴランドでは、2017年4月設立当初は、以下の高価格帯の入園チケットの設定を行ないました。
- レゴランドジャパン 1DAYパスポート価格
- 13歳以上
- 6,900円
- 3歳以上12歳以下
- 5,300円
- 13歳以上
出典
レゴランド・ジャパン - Wikipedia
しかし、レゴランドはその後、入園チケットの実質的な値下げを行っており、現在のレゴランドの入園チケット価格は以下の通りです。
- レゴランドジャパン 1DAYパスポート
- オフピーク時
- こども (3歳~12歳)
- 3,300円
- おとな (13歳以上)
- 4,500円
- こども (3歳~12歳)
- ピーク時
- こども (3歳~12歳)
- 3,400円
- おとな (13歳以上)
- 5,200円
- こども (3歳~12歳)
- オフピーク時
出典
【公式】オンライン販売チケット | レゴランド・ジャパン・リゾート1DAYパスポート、コンボ1DAYパスポートや年間パスポートをご購入いただけます。
レゴランドはなぜ入園チケットを提示した後に、実質的な値下げを行ったのでしょうか?
それは、戦略がうまく構築できていなかったことの表れでもあります。
もし戦略的に、強気の価格設定を行ったのであれば、その後の値下げをすぐに行うことはあり得ません。
つまり、明確な戦略不在の状態で、高価格のチケットを導入したはずです。
きっとその理由は、USJが高価格帯のチケット価格を設定したことで、往復ビンタで収益を伸ばすことに成功したという、USJのアイデアを拝借しようと思ったのでしょう。
森岡毅さんはUSJにおいて、価格弾力性を分析して、徐々にチケット価格の値上げを行っていきました。詳しくは「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 (角川書店単行本)」をご参照ください。
以下に示すとおり、森岡毅さんがUSJに在籍していた2016年までの5年間で、チケット価格の値上げは2割以上でした。
- USJ 1DAYパスポート価格
- 5,800円→7,400円
そのため、USJは、レゴランドとは異なり、最初からチケット価格を高額に設定した訳ではないのです。
プライシングの具体例に関して、詳細はこちらの記事をご覧ください。
ペットボトル飲料の価格
入園料に引き続き、ペットボトル飲料の価格は以下の通りです。
- 500ml ペットボトル飲料価格
- アクエリアス
- 220円
- コカ・コーラ
- 220円
- い・ろ・は・す
- 200円
- アクエリアス
- 280ml ペットボトル飲料価格
- ファンタ
- 180円
- Qoo
- 180円
- ファンタ
まず飲み物に関しては、適正な価格を設定するべきです。
私個人の感覚としては、もし100円で買えるペットボトルの水が、200円で売られていたら、高額と感じ購入を躊躇してしまいます。
私と同様に価格が高すぎるとインターネット上では批判されているようです。
自動販売機で売られているペットボトル飲料の価格だ。
当初、レゴランドは水筒の持ち込みが禁止されていたが、現在は可能となっている。
自動販売機に行ってみると、500ミリリットル入りの「アクエリアス」や「コカ・コーラ」が220円で売られていた。
ミネラルウオーターは「い・ろ・は・す」が200円、容量がやや小さめの「ファンタ」と「Qoo」は180円だった。
ネット上ではこの価格が「高い」と批判されていたが、現在も変わっていない。
出典
レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。
このような批判を浴びる点に関しては、レゴランドは消費者視点に立って、価格設定変更を行うべきであると感じます。
もし森岡毅さんがレゴランドの運営に携わっているなら、このような自社批判を放って置くことはないと思われます。
なぜなら森岡毅さんは、「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」でも述べられている通り、顧客から批判すらされていない点を分析し、マーケティング面の改革を行ったのですから、批判されている点は言わずもがなだからです。
定性分析で問題点をあぶり出すための、MECEのフレームワークについてはこちらの記事をご覧ください。
森岡毅さんのマーケティング戦略に関して、詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
森岡毅氏が2019年に出版したベストセラー書籍「苦しかったときの話をしようか」において、キャリア論を執筆した理由を知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
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