科学的な適職というベストセラー本を要約し、本書で紹介されている「仕事選びにおける7つの大罪」を説明します。
「自分の好きなこと」や「給料の多い少ない」で仕事を選ぶべきでない点を踏まえ、適職探しの際に犯しがちな7つのポイントをご紹介!
業界や職種、楽かどうか、性格テストや直感、自分の適性や強み等で仕事を選ぶべきでない訳を学びたい方必見!
【要約】科学的な適職の探し方【個人の経験に基づくアドバイスはダメ】
今回紹介するのは「科学的な適職」というベストセラー本です。この本で著者である鈴木祐氏が一貫して主張しているのは、今までの、よくあるキャリアに関するアドバイスが問題である理由は、その大半が個人的な考えに基づいたものであり、科学的ではないから参考にはならないということです。
つまり、単なる自分の経験や趣向などにで人にアドバイスをしても、相手には当てはまらないことが多いという点を著者は主張しています。
例えばYouTube で、「好きなことで仕事をする」というキャッチコピーでユーチューバーが活躍して数億円稼いでいるのを見ると、「自分がしている退屈な仕事と比べてなんて楽しそうなんだ」と羨ましくなってしまうことがあります。
YouTuberたちは、口を揃えて、好きな事を仕事にしろといいます。しかしその考え方は誤っていると著者は主張しています。
ではどのように自分の適職を選ぶべきかと言うと、自分の価値観やライフスタイルに基づいた、自分だけの適職の探し方をするべきであり、そのための科学的な仕事の選び方、探し方があるといいます。
この記事では、本書で紹介されている「仕事選びにおける7つの大罪」を、適職探しをするための誤っている「よくあるアドバイス」7つとして紹介します。
つまり、ダメなアドバイスであり、そのやり方に従うと、適職にはつくことができないということです。
では以降の章で、具体的にどのような方法をすると、適職から遠ざかってしまうのかについて詳しく説明していきます。
【要約】科学的な適職の探し方【「好きなこと」を仕事にすべきではない】
まず自分に合った仕事を探す前に、やるべきことがあります。それは「好きなこと」を仕事にすべきという幻想から目を覚ますことです。
言い換えると、科学的な適職の探し方の1つ目は、「好きなこと」を仕事にすべきではないということです。
スティーブジョブズの「好きなことを仕事にしてください」のアドバイスは誤り
スティーブジョブズが生前に語ったスピーチとしては、「好きなことを仕事にしてください」という有名なスピーチがあります。
具体的には、以下YouTube「アップル CEO スティーブ・ジョブス 演説 スピーチ ノーカット版
」の8:01のところです。
このスピーチを聞くと、まるで自分の好きなことを仕事にすることによって、スティーブジョブズのようになれるんだと勘違いする人がたくさんいます。
しかしこのスピーチは大きな欠点があります。それは、スティーブジョブズ本人も、実は好きなことを仕事にしてアップルを創業したわけではなかったからです。
スティーブジョブズが望んでいたものは、楽して金儲けができる仕事をしたかったのであって、テクノロジー業界が好きだから仕事を始めたわけではないのです。
スティーブ・ジョブズがスティーブ・ウォズニアックと手を組んで悪巧みの仕事をしたことに関する詳細は「【スティーブ・ウォズニアック】少年・青年時代【天才いたずら伝説】」の記事をご覧ください。
つまり、スティーブ・ジョブズの誤ったアドバイスを自分に当てはめてもうまくいかない可能性があるため、自分の好きな事を仕事にすることによって、適職を探すことができるという考え方は誤りであるということです。
前述の通り、スティーブジョブズも自分の好きなことを仕事にせず成功したのだから、あなたが自分の好きなことを仕事にすると、仕事で成功しないかもしれません。
【調査】好きなことを仕事にする人は本当に幸せか?【適合派・成長派】
また様々な研究によって自分の好きなことを仕事にしたからといって、幸福度が上がるとは限らないという研究結果も出ているようです。
2015年、ミシガン大学の研究チームは二つのチームを作って被験者の仕事観を調査しました。テーマは好きなことを仕事にする人は本当に幸せなのかどうかです。
まず一つ目のチームは適合派です。適合派は、好きなこと仕事するのが幸せだと考えたタイプの人達です。このタイプの人たちは、たとえ給料が安くても、満足できる仕事をしたいと答える傾向が強いです。
もう一方のチームは成長派です。仕事は続けるうちに好きなものになるものだと考えるタイプの人達です。そんなに仕事が楽しくなくてもいいけど、給料は欲しいと答える傾向が強いです。
一見すると、前者の適合の方が幸せになれそうに感じられます。しかし実際のところ、最初だけは適合派の方が幸福度が高まるのですが、1年から5年の長い期間で比較した場合、それぞれのチームの幸福度は後者の成長派の方が高かったようです。
この研究結果から言えることは、自分の好きなことを仕事にする場合、理想ばかりが高くなって現実の仕事に対するギャップを感じて幸福度が下がってしまうリスクがあるということです。
一方で、割り切って自分の仕事を好きではないが、お金を得るためにやっているなどと割り切って考える人の方が、自分の仕事に対する思い入れがない代わりに、たとえ不満やトラブルが生じても「仕事をするというのはこういうものだ」と割り切って処理できるので、結果的に幸福度は前者の適合派より成長派の方が高まるということです。
確かにこれは、あなたも思い当たるものがありませんか?例えば、ユーチューバーは毎日好きなことばかりやって、楽して金儲けができると勘違いしてる人がたくさんいます。しかし実際は、孤独な作業と地味な作業が連発しており、必ずしも華やかな世界ではないというのが現実でしょう。休みなく連続で動画を動画を投稿し続けるのがどれだけ大変なことか…。つまりあなたも、華やかな幻想に惑わされてしまうことにより、「好きなことを仕事にしよう」と安易に転職することは避けるべきです。
好きなことを仕事にすると、技術が伸びないというデメリットがある
また、好きなことを仕事にすると、技術が伸びないというデメリットもあるようです。
オックスフォード大学が行なった研究によると、好きなことを仕事にした人は、その仕事が長続きしないという研究結果が出ているようです。
まずこの研究は、三つのチームに分けて調査しました。
一つ目は好きなことを仕事にしたチームであり、自分はこの仕事が大好きだと感じつつ仕事に取り組むチームです。
二つ目は情熱派です。この仕事で社会貢献したいと感じつつ仕事をするチームです。
そして三つ目は割り切り派です。仕事は仕事だからと一見冷めた感じで割り切って日々の業務に取り組むチームです。
この三つのチームで、最もスキルと仕事の継続率が高かったのは割り切り派のチームであると言うから驚きです!つまり仕事に多くを期待するのではなく、仕事は仕事であると割り切って仕事を淡々をこなしした方が、仕事が長続きするということです。
仕事に対する情熱は、自分が注いだ努力の量に比例
また、2014年のロイファナ大学が行った、企業家にアンケートを通して調査した結果、仕事に対する情熱は自分が注いだ努力の量に比例したとのことです。つまり過去に頑張っている人は、それだけ自分の仕事が好きになっているということです。
また過去に自分の仕事に注いできた努力の量が多いほど、現時点の情熱の量も増えていたということも指し示していました。
要するに、情熱を注ぐことができる仕事というのは、当初はこの世のどこにも存在しないものであり、自分で作り出していくものである、ということでもあります。言い換えると、自分が今してる仕事に情熱を持てるかどうかは、あなたが今までどれだけ今の仕事に努力を捧げてきたのかによって決まるのだから、好きなことを仕事にするのではなく、とにかく与えられた仕事を割り切って考えて努力して、今の仕事を好きになるしかないということです。
でも、「実際にやってみたら楽しかった」ということも多数あるはずです。最初はつまらなかった仕事も、あと少し続ければ楽しくなるかもしれないというように考えることで、ちょっとやそっとの問題が生じてもめげなくなるかもしれません。
試しにやってみて、実際にやったら楽しかったというやり方は、一見すると受動的なやり方のように思います。が、自分にはもっとふさわしい転職が存在しているだろうと考える人の方が、よっぽど消極的な人であると言えるかもしれません。
【要約】科学的な適職の探し方【給料が多いか少ないかで仕事を選ぶべきではない】
そして科学的な適職の探し方の2つ目は、給料が多いか少ないかで選ぶべきではなぽというものです。
結論から先に言うと、給料が多いか少ないのかというのは、私たちの幸福度や、仕事の満足度には、ほとんど関係していないから、そこを起点に仕事を選ぶべきではないということです。
給料と仕事の満足度はほとんど相関関係がない
フロリダ大学が行った研究によると、給料と仕事の満足度はほとんど相関関係がないということです。具体的に言うと、給料と仕事の満足度は、 R =0.15の相関関係しかないということが判明したようです。もう少しわかりやすく説明すると、仲がいい結婚相手から得られる幸福度の上昇率は、収入が上がることによって得られる幸福度よりも767%も大きいとのことです。
また健康状態が、「普通レベル」から「ちょっと体調がいいレベル」にわずかに改善した時の幸福度の上昇率は、収入アップから得られる幸福度よりも6531パーセントも大きいとのことです。
また離婚や失業による幸福度の低下率は、年収が2/3も減ってしまった時の幸福度の低下に匹敵するとのことです。言い換えると、離婚や失業は多額のお金を失うことと似ているとも言えるでしょう。
これらのことから、どれだけお金を稼げる仕事に就いたとしても、プライベートが充実していなかったり健康状態が悪かったりすると、それだけで年収アップによる幸福度の効果は打ち消されてしまうということです。
給料がアップしたことによって幸福を感じたとしても、平均で1年しか続かない
また給料がアップしたことによって幸福を感じたとしても、平均で1年しか続かないようです。
1年後には給料アップによる幸福度は下がり始めて、3年も経過するとほぼ以前と同様のレベルの幸福度に戻ってしまうようです。つまり給料から得られる喜びは短期間で終了してしまうため、給料が多いか少ないかで仕事を選ぶべきではないということです。
【要約】科学的な適職の探し方【業界や職種で仕事を選ぶべきではない】
科学的な適職の探し方の3つ目は、業界や職種で仕事を選ぶべきではないということです。
プロの投資家ですら経済予測はできない
プロの投資家ですら経済予測はできないのにも関わらず、一個人が業界予測をすることは不可能です。ましてや素人が経済予測しても当たるはず有りません。
そもそも、もしこれから経済が伸びるであろう業界に転職しようと考えているのであれば、転職ではなくその業界にある企業の株式を購入した方がよっぽど儲かります。
つまり、この世の誰一人として経済の行く末を読むことは絶対にできないため、これから伸びるであろう業界に転職したいと考えるのであれば、その考え捨てるべきです。
自分の価値観や好みというものも、時間とともに移り変わりゆくもの
また自分の価値観や好みというものも、時間とともに移り変わりゆくものです。そのため、今好きなことを10年後に好きなままでい続けることは難しいといえます。
例えば子供の頃に、野球選手になりたいと言って野球選手になろうと努力し続けられる人は、ほんの一握りです。それと同様に現在居酒屋を開業して何十年も経営したいと考えたとしても、10年後には居酒屋の経営が嫌になってしまうこともあるでしょう。
つまり多くの人にとって、現在の価値観や好みは正しいと思い込んで、過去に起きた変化が、今後も継続していくと思い込んでしまう傾向があるということです。言い換えると業界や職種で仕事選びをする方法はふさわしくないのです。
【要約】科学的な適職の探し方【楽かどうかで仕事を選ぶべきではない】
次に科学的な適職の探し方の4つ目は、仕事が楽かどうかという点で選択すべきでないというものです。
自分にとって楽な仕事は、死ぬ確率が2倍になるようです。なぜなら楽すぎる仕事は、ストレスが少なすぎるので健康にも悪くなるようだからです。楽な仕事の例として、例えば年収1500万円以上稼ぐビジネスパーソンが、駅前の駐輪場の管理人のバイトをしたとしたら、過剰に楽な仕事であるため逆にストレスになるかも知れません。
一方で、休みもなく過労死するレベルの困難な仕事も同様に死亡率が上がります。つまり程々のストレスを得られる仕事が、自分に対して健康のレベルや幸福度を高めてくれる仕事であるということです。
つまり、自分に適した仕事を検討するのであれば、仕事が楽かどうかという点で選択すべきでないと言えるでしょう。
【要約】科学的な適職の探し方【性格テストで仕事を選ぶべきではない】
次に、科学的な適職の探し方の5つ目は、性格テストで仕事を選ぶべきではないということです。
つまり、性格テストは間違ってる可能性が高いから、参考にするべきではないということです。
どのぐらい間違ってる可能性が高いのかと言うと そもそもその性格テストはその会社が独自に作り出した基準によって作成しているものであって、国民全体に適用するような性格テストは存在しないのです。SPIテストで適職を探すのは愚の骨頂です。だからこそ性格テストで職業を選ぶべきではないということです。
一部が重複し、詳しくは後述しますが、例えばさあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0という有名な本があります。しかし、その本で紹介されている性格テストも、その会社内で作成したものであって、国民的大規模調査で統計に基づいて作成しているわけではないので、それを根拠に適職を探すというのは必ずしも正しくないということです。
【要約】科学的な適職の探し方【直感で仕事を選ぶべきではない】
次に科学的な適職の探し方の6つ目は、直感で仕事を選ぶべきではないということです。
結局のところ、直感で仕事選ぶ場合は、自分が「こうであって欲しい」との考えに対する自己の正当化にすぎないということです。それよりも、論理的に他人のアドバイスをもとに、複数の選択肢の中から時間をかけて選択することの方が重要であるということです。実際に論理的に考える人の方が、人生の満足度が高いし、日常のストレスレベルも低いという研究も一貫して確認されているようです。つまり感覚に頼らず、合理的に自分の適職を判断すべきです。
【要約】科学的な適職の探し方【自分の適性に合った仕事を探すべき】
最後に科学的な適職の探し方の7つ目は、自分の適性に合った仕事を探すべきではないという考え方です。
面接等の採用プロセスは、採用に関して役立たず
驚くべきことに、様々な調査結果によると、例えば面接やインターンシップや前職の経験などによる適性判断は、採用に関して役立たずであったということです。
例えば、 IQ テスト、職業知識テスト、あるいは普通の面接や、前職の経歴や学歴など踏まえたうえで判断して、実際に仕事をして結果を残すことができるかは、全然比例しないということです。
つまりこれらのデータを基に適職を探すことによって、大半の就職は失敗に終わってしまう可能性が高いということです。言い換えると、これらの既存の適正判断が役に立たない理由は、私たちの仕事を実際にした際の、結果に作用する変数が非常に多いからです。つまり様々な面で、数回の面接やテストで、将来その人が仕事で活躍できるのかどうかを判断することは、ほぼ不可能であるということだからです。
「自分の強み」を活かせる仕事を探すべきではない
また私も驚きましたが、前述の通り、さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0という本について、この本は自分の強みを活かして仕事をしようという点で大ベストセラーになった本です。
しかしこの本で導き出された結果は、統計的手法によって導き出されたものではなく、この本を作成してるギャラップ社が独自に行った調査に基づいて判定しているため、正式な自分の適職を探す際の根拠としては採用すべきではないということです。また、そもそも強みを生かすことによって必ずしも仕事がうまくいくとは限らないと言う考え方もできるため、強みを過剰に意識して適職探しをするのも、ふさわしくないということです。
この、自分の適性にあった仕事を探すべきかという点についての結論は2つです。
1つ目は強みと仕事の満足度には確かに統計的に有意と言えるぐらいの相関はあるけれども、その相関性は非常に小さいものであるということです。
2つ目は、ある組織の中で、自分と同じ強みを持った同僚が少ない場合には、仕事の満足度が上がるという点も見逃せません。
後者の、自分と同じ強みを持った同僚が少ない場合については、自分があらかじめコントロールすることはできません。そのため、自分の強みを意識して適職を探したにも関わらず、環境に左右されて仕事の満足度が減少するということもあるため、強みを念頭に適職を探すことはするべきではないのです。
ここまでは、やってはいけない、科学的に「ダメな適職の探し方」は何かという観点から説明してきました。
では今度は、どのように適職を探すべきなのかについて、詳しくはこちらの記事で紹介しますのでご参照ください。
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