少子化について知りたいですか?
少子化対策を理解するには、日本政府が掲げる「少子化対策の目標」がどのようなものか把握する必要があります。
2020少子化社会対策大綱をもとに、結婚支援や多子世帯の負担軽減等、政府が少子化問題にどう対処しているのかをご紹介!
少子化問題と対策について、全体像と具体例をわかりやすく学びたい方はこちらの記事も併せてご参照ください。

【2020少子化社会対策大綱】少子化対策の目標
2020年少子化社会対策大綱には、少子化対策の目標について以下のような記載があります。
少子化対策における基本的な目標
一人でも多くの若い世代の結婚や出産の希望をかなえる「希望出生率 1.8」の実現に向け、令和の時代にふさわしい環境を整備し、国民が結婚、妊娠・出産、子育てに希望を見出せるとともに、男女が互いの生き方を尊重しつつ、主体的な選択により、希望する時期に結婚でき、かつ、希望するタイミングで希望する数の子供を持てる社会をつくることを、少子化対策における基本的な目標とする。
(出典:内閣府HP 「少子化社会対策大綱-令和2年5月29日閣議決定」)
今の若い世代の人達は結婚や出産の希望を実現しているとは言えません。なぜなら、若い世代が希望している出生率は1.8ですが、2018年の日本の出生率は1.42だったからです。(出典:厚生労働省「第1表 人口動態総覧」)つまり日本政府は、出生率を0.38ポイント上昇させることを目標としています。2018年までの出生数、合計特殊出生率の推移を示した表はこちらです。
(出典:内閣府HP)
なお、2020年少子化社会対策大綱で言っている「出生率」という用語は、合計特殊出生率のことを指しています。合計特殊出生率とは、15歳から49歳までの年齢別出生率を合計したものをいいます。具体的には、1人の女性が一生の間に何人の子を産むかを表しています。(出典:コトバンク)
このまま日本の人口が減少し続けたらどうなるかについて、詳細はこちらのベストセラー書籍をご覧ください。
また2020少子化社会対策大綱では、出生率を0.38ポイント上昇させるために、令和の時代に適した環境を整備することで、
- 男女が互いの生き方を尊重し合うことができ、
- 自分の意思で結婚や妊娠・出産を選択し、
- なおかつ希望する時期に結婚でき、
- 希望するタイミングで希望する数の子供を出産できる社会を実現する
ということを、政府は少子化対策の目標としていますよ、と言っています。
ここで出てくる「互いの生き方を尊重し合う」という言葉ですが、男女差別によって雇用の機会が奪われてしまうことがないようにすることで、出生率を高めることにつながるという意味です。具体的には、
- 男性は仕事をして
- 女性は家庭のことをするべきだ
という固定観念を取り払って、女性の労働参加を図るべきだと言っているのです。詳しくは「【2020少子化社会対策大綱】少子化の原因」をご参照ください。
また、人口減少と高齢化について詳しく学びたい方はこちらのベストセラー書籍をご参照ください。
【2020少子化社会対策大綱】雇用や結婚・子育て支援
そして、雇用や結婚・子育て支援について補足するように、2020少子化社会対策大綱は、以下のような説明が続きます。
このため、若い世代が将来に展望を持てるような雇用環境の整備、結婚支援、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備、地域・社会による子育て支援、多子世帯の負担軽減など、「希望出生率 1.8」の実現を阻む隘路の打破に取り組む。
(出典:内閣府HP 「少子化社会対策大綱-令和2年5月29日閣議決定」)
子供自分が望む時に、望む数だけ出産できる社会を作るためには、 若い人たちが将来に希望を見出すことができるような、
- 雇用環境
- 結婚支援
- 男女共に育児と仕事を両立できる環境
- 地域と社会全体からの子育てバックアップ
- 多子世帯の負担軽減
が必要であり、改善するべきである、と政府は主張しています。次の章では、これらの取組の中で、
- 結婚支援
- 多子世帯の負担軽減
という2点について、具体例を挙げて詳しく見てみましょう。
もし今後も日本の少子化が改善されなかった場合、2050年の日本は持続可能なのかどうかという疑問に対し、AIが導き出した未来シナリオについて学びたい方はこちらの書籍をどうぞ。
結婚支援
2020少子化社会対策大綱にでてくる「結婚支援」とは、例えば、都道府県の結婚支援の取り組みをさしています。
例えば、東京都は東京都結婚支援事業を運営しています。これは東京都が、結婚を希望しながらも一歩を踏み出せないでいる方への後押しをするため、結婚に向けた気運醸成に取り組んでいるというものです。 具体的には
- 婚活パーティーや
- お見合い講座
などを指導しています。
詳細は、東京都結婚支援ポータルサイト「TOKYOふたりSTORY」をご参照ください。
次に神奈川県は結婚支援について、以下のような事業を行なっています。
恋カナ!プロジェクト ―『かながわで恋する』×『かながわに恋する』―
全国的に未婚率が高まる中、神奈川県は、結婚に関する個人の考えや価値観を尊重しつつ、結婚を希望する人が各人のライフキャリアに即して、その希望を叶えられるよう、かながわの魅力を活かした取組「恋カナ!プロジェクト―『かながわで恋する』×『かながわに恋する』―」を進めています。
官民連携の緩やかなネットワーク「恋カナ!プラットフォーム」を基盤とし、市町村や企業・団体等の皆様による結婚支援の取組を促進するとともに、結婚に向けた機運の醸成を図っていきます。
神奈川県の結婚支援について、詳細は結婚支援情報の総合ウェブサイト「恋カナ!サイト」(神奈川県)をご参照ください。
千葉県は人口減少・少子化に関するセミナーを、千葉県内の大学で積極的に行っています。このセミナーに関する説明は以下の通りです。
人口減少・少子高齢社会を迎え、地域の活力低下が懸念される中、県では、主に若い世代を対象に、自らの希望をかなえるためのライフデザインを考えるきっかけを提供するため、人口減少等に対する意識啓発を行うセミナーを開催しています。
他にも例えば大阪府は、婚活イベントとして、 企業や市町村との連携により「出会いの創出」に努め、社会全体として結婚を応援する機運の醸成を行なっています。
詳しくは大阪府婚活子育て応援サイト「ふぁみなび」をご覧ください。
これらのことから、国だけではなく地方自治体も、積極的に結婚支援を行っていることがわかります。
2020少子化社会対策大綱における、海外の成功・失敗事例についてはこちらの記事をご参照ください。

多子世帯の負担軽減
また2020少子化社会対策大綱に出てくる「多子世帯の負担軽減」として、現在進行中の施策は以下の通りです。
(出典:内閣府)
具体的に言うと、多子世帯の保険料負担軽減策として、年収約360万円未満の世帯に対し、保育料を減額するというものです。
また、新型コロナウイルスの影響による補助金として、児童手当が国から一律で1万円加算されて支給されたことも、この「基本的な目標」方針によるものだと言えるでしょう。
【2020年少子化社会対策大綱】結婚・妊娠の強制禁止
そして2020年少子化社会対策大綱は、あくまでも結婚や妊娠を強制してはいけませんよ!と以下のように補足で説明しています。
もとより、結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであり、個々人の決定に特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりすることがあってはならないことに十分留意する。
(出典:内閣府HP 「少子化社会対策大綱-令和2年5月29日閣議決定」)
確かに結婚や妊娠は個人の意思で決めるべきものです。周りの人がとやかく言うべきものでありません。しかし結果的には、大多数の若者が結婚や妊娠を避けてしまっている現状があります。昔は三十歳を超えて結婚をしない女性がいれば、周りから変な目で見られていたという時代がありました。独身の男女に対して「いつになったら結婚するの?」とプレッシャーをかければ少子化問題が解決するというものでは決してなく、個々人の人権も尊重するべきです。だからこそ、自発的に「たくさんの子供を授かりたい」と若者が望めるような、よりよい社会を実現する必要があると言えるでしょう。
2020少子化社会対策大綱を作成した経緯についてはこちらの記事をどうぞ。

コメント
女性ホルモン(ビタミンーE)について
ビタミンーE(女性ホルモン)は女性ホルモンとして製造され、世界で5万トン、人の年間必要量の500億人分が生産され、主に治療他抗酸化物質として食品に使われています。日本では特に、肉、魚、卵等を生産するときのエサや加工食品等に添加されています。従って、日本男性の精子能力に悪影響がないか危惧しています。そこで、食事と精子活力の関係があるかどうか精査することが必要と考えていますが如何でしょうか。さらに、ビタミン―Eは強還元性物質です。従って、免疫バランスの崩壊が懸念されます。免疫バランスと受胎率の関係調査も重要だと思います。
女性ホルモン(ビタミンーE)について
ビタミンーE(女性ホルモン)は女性ホルモンとして製造され、世界で5万トン、人の年間必要量の500億人分が生産され、主に治療他抗酸化物質として食品に使われています。日本では特に、肉、魚、卵等を生産するときのエサや加工食品等に添加されています。従って、日本男性の精子能力に悪影響がないか危惧しています。そこで、食事と精子活力の関係があるかどうか精査することが必要と考えていますが如何でしょうか。さらに、ビタミン―Eは強還元性物質です。従って、免疫バランスの崩壊が懸念されます。免疫バランスと受胎率の関係調査も重要だと思います。
そうですね、以下の引用させていただいた記事によると、食事と精子活力の何らかの関係がある可能性も考えられるとのことです。
新しい報告では、乳製品の摂取について、低脂肪乳製品の摂取をした男性で精子濃度の改善が見られたと報告するもの、低脂肪の有無にかかわらず乳製品の摂取は精液の質へ影響がないことを報告するものがあるそうです。このことに関してはこれからもより多くのデータでの検証が必要とされています。
出典
https://ivf-kyono.com/column/post-700/
また、以下の記事によると、免疫力も妊娠と関連がありそうです。
1954年に初めて米国の研究者が「ストレスと不育症」の密接な関係を発表して以来、ストレスの低下が不育症治療の成功率を有意に上昇したとする臨床研究が複数の国から報告されています。
また、1995年に動物実験においても、精神的なストレスにより免疫異常が発生して流産率が増加することが言われており、厚生労働省不育症研究班の報告でも精神的なサポートが流産に有効であると報告しています。
(東京大学医学部附属病院 女性診療・産科 藤井知行 不育症女性のメンタルヘルスと免疫機能調整異常についての研究)
出典
https://ivf-kyono-morioka.jp/2019/06/27/%E7%AC%91%E3%81%84%E3%81%A8%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%80%81%E4%B8%8D%E5%A6%8A%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/