新型コロナウイルスの初期症状「味覚・嗅覚障害」について知りたいですか?
- 味覚・嗅覚障害が現れたらコロナ感染を疑うべき理由や
- WHOが認定しない訳、
- 世界や日本で報告される味覚・嗅覚障害の事例
等をご紹介!
体調が悪く、もしやコロナウイルス?と不安に感じている人必見!
「味覚・嗅覚障害」以外の新型コロナウイルスの初期症状についてはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「味覚・嗅覚障害」世界
新型コロナウイルスの初期症状として、味覚障害や嗅覚障害が現れる場合もあります。(出典:厚生労働省)
しかし現時点で味覚障害は、症例が少ないため、新型コロナウイルスの初期症状の一つとして公式に認定されてはいません。
ここで言う「公式認定されていない」とは、具体的に言うと、
- WHOが認定していなかったり(出典)、
- 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き2020 第1版に記載がない
ということを示しています。
しかし実際に、新型コロナウイルスの感染が広がる中、感染者が嗅覚や味覚を失ったとの報告が世界各地で相次いでいます。
例えば、新型コロナウイルスが流行しているイタリアでは、2020年3月28日の時点の報告によれば、全体の3割の患者が味覚障害を訴えているといいます。(出典)
また日本でも嗅覚や味覚の異常を訴えた
が感染検査で陽性と診断されたりしています。
感染との因果関係は証明されていないことは事実ですが、米英の専門家からは感染予防のためにもウイルス検査の対象に加えるべきだとの声が出ています。(出典)
例えば英国の耳鼻咽喉科学会は声明で、
- 韓国や
- 中国、
- イタリア
などで新型コロナウイルス感染者の多くが嗅覚障害を訴え、ドイツでは感染確認者の三分の二以上に症状が出ていると指摘しています。(出典)風邪など他の症状を伴わない例も多く、味覚・嗅覚障害は
- 英国や
- イラン、
- 米国
等でも報告が増えているといいます。(出典)
それを受けてか2020年3月30日には日本においても、一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会も以下のような声明を出しています。
新型コロナウイルス感染症は、発熱やせき・たん、のどの痛み、体のだるさが主な症状ですが、嗅覚(におい)や味覚(あじ)も低下することが分かり、新聞やニュースで報道されています。しかし、嗅覚や味覚の障害はインフルエンザや一般の「かぜ」でも生じることがあり、必ずしも新型コロナウイルスだけが原因ではありません。また、新型コロナウイルス感染症による嗅覚や味覚の障害は自然に治ることが多く、特効薬もありません。
これらのことから、新型コロナウイルスの初期症状として、味覚・嗅覚障害は他の病気と同様に症状が現れる可能性が懸念されていることがわかります。ここに併記されている痰の症状について、詳しくは「【コロナ初期症状「痰がらみ」】痰が絡むだけの時は?【具体的事例】」の記事をご覧ください。
しかしここでの注意点として、 日本では味覚や嗅覚に異常があるからといって、すぐさま、感染の有無を調べるための検査をする必要がないほど症例が少ないということです。そのため、まずは自宅で経過を見て、必要に応じて、国や自治体が設置した電話相談の窓口などに連絡し指示を仰ぐことが大切です。
新型コロナウイルスの初期症状の一つである「喉の痛み」を感じたら、医療機関受診の目安をこちらの記事でご確認ください。
コロナ初期症状「味覚障害」
WHO=世界保健機関は、各国からも同様の報告が相次いでいるとしていて、新型コロナウイルスの初期症状の1つなのかどうか、調査を進めている最中です。(出典)
実際に新型コロナウイルスにかかって、味覚症状が現れた人の例として、新型コロナウイルスに2020年3月に感染した札幌市の女性は、発症の初期に
- 食べ物の味や
- 化粧品のにおい
がわからなくなり、この状態が数日間、続いていたといいます。(出典)
味覚を感じないという症状を経験したことがない人も多いので、一見すると軽視しがちな症状です。しかしながら味覚が感じられないと、
- 食べることも、
- 飲み込むことも
不快に感じるようになってしまうので、おいしい食べ物を楽しんで食べることができません。その結果、症状が改善するまでの間、人生の大きな楽しみを失ってしまうことになります。
また、
- 腐った食べ物や
- 毒をもつ食べ物
の味がわからないと、生命にとっても危険が及びます。
しかし2020年3月の時点では、味覚障害は新型コロナウイルスの初期症状として特徴的な症状だとするには報告されている数が少なく、慎重に判断する必要があると専門家は指摘しています。(出典)
新型コロナウイルスの初期症状「下痢」についてはこちらの記事をどうぞ。
コロナ初期症状「嗅覚障害」
嗅覚障害も味覚障害と同様に生命を脅かすことがほとんどないために、あまり入念に医学的な処置が行われないことがあります。しかし、味覚障害や嗅覚障害は食べものや飲みもの、よい香りを楽しむ能力に影響を及ぼすことがあるため、ときに苛立たしいものです。また、有害となりうる
- 化学物質や
- ガス
などに気づく能力が阻害され、深刻な結果につながる可能性もあります。(出典)
嗅覚は味覚にも影響を及ぼすため、かぜを引いていると食べものの味が正しく分からないことがよくあります。インフルエンザウイルスにより嗅覚受容器に一時的な障害が起こることがあります。具体例を挙げると、インフルエンザの後、数日から数週間にもわたって、匂いや味が分からなくなることがあり、まれに嗅覚や味覚の消失が永続的なものになることもあります。(出典)したがって、新型コロナウイルスの症状からくる嗅覚障害が発生している可能性もあるはずです。
しかし前述の通り、WHOは2020年3月の時点では
- 味覚障害や
- 嗅覚障害
が確認された件数が少ないため、新型コロナウイルスの初期症状であると断定するには至っていないのが現状です。(出典)
新型コロナウイルスの初期症状の一つである「頭痛症状」の場合、頭痛薬を服用するべきかどうかについて詳細はこちらの記事をご覧下さい。
コロナ初期症状「味覚・嗅覚障害」日本
日本で報告されている新型コロナウイルスの初期症状として、
- 味覚障害や
- 嗅覚障害
が現れた患者の事例を具体的に見ていきましょう。
まずは大分県の患者の例からです。
この患者の事例の概要と経過は以下の通りです。
- 概要
- 年 代:10 代
- 性 別:女性
- 国 籍:日本
- 居住地:別府市
- 職 業:無職
- 経過
- 3月17日 頭痛、倦怠感あり
- 3月20日 鼻閉、味覚障害出現
- 3月25日 米国から帰国
- 3月27日 症状が継続するため、保健所へ相談し、帰国者・接触者外来受診 CTで所見なし、衛生環境研究センターでPCR検査実施、陽性反応
当初は頭痛と倦怠感しかなかったようですが後に味覚障害が出現したようです。このように最初から味覚障害が現れるというわけではないので、味覚障害がないからと言って新型コロナウイルスに感染していないと断定できるわけではないという点にも注意が必要です。
新型コロナウイルス初期症状「倦怠感」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
また、これと同様に大分市でも新型コロナウイルスの初期症状として味覚障害が現れた患者が出現しています。その事例が以下の通りです。
- 概要
- 年 代:40 代
- 性 別:男性
- 国 籍:日本
- 居住地:大分市
- 職 業:自営業
- 経過
- 3月16日 倦怠感あり
- 3月17日 咳、鼻汁、下痢症状
- 3月18日 A医療機関受診
- 3月19日 頭痛出現
- 3月20日 味覚障害出現
- 3月27日 症状が継続するため、保健所へ相談し、帰国者・接触者外来受診
CTにて肺炎像あり
大分市保健所でPCR検査実施、陽性反応
この患者も当初は味覚障害がなかったにも関わらず時間が経過するにつれて味覚障害が出現したということです。
この患者にも現れた新型コロナウイルスの初期症状「鼻汁(鼻水)」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
さらに、神奈川県の事例を見ていきましょう。
神奈川県の事例は当初から味覚障害が現れました。その事例の詳細は以下の通りです。
- 概要
- 年代:50 代
- 性別:女性 ※2月 28 日(金)に発表した 70 代女性患者の濃厚接触者(同居親族)
- 居住地:神奈川県鎌倉保健福祉事務所管内(鎌倉市、逗子市、三浦市、三浦郡葉山町)
- 職業:無職
- 症状、経過
- 2月14日(金) 頭痛、味覚障害で県内医療機関A受診
- 2月27日(木) 濃厚接触者としてPCR検査を実施
- 2月28日(金) 夜、PCR検査結果陽性が判明
- 2月29日(土) 県内医療機関Bに入院
- (現在の体調:体温36.7℃ 咳、肺炎、味覚・嗅覚障害)
この患者は新型コロナウイルスの初期症状として味覚障害が2月14日の時点で現れましたが、それから15日が経過した後も、まだ味覚障害が継続するという病状でした。しかも味覚障害に加えて嗅覚障害まで発生するという流れです。
このようなことから、新型コロナウイルスの初期症状としての味覚障害や嗅覚障害が長期間にわたり継続する恐れもあるということがわかります。
次に愛知県で発生した新型コロナウイルスの初期症状としての事例を共有していきます。
その患者の概要と経過は以下の通りです。
- 概要
- 年代 20歳代(日本国籍)
- 性別 男性
- 居住地 春日井市
- 主な症状等 発熱、味覚・嗅覚異常【軽症】
- 経過
- 3月1日~4日 アメリカ(グアム)旅行、帰国
- 3月7日 発熱(38.0度)
- 3月9日 県内医療機関を受診し、その後解熱。味覚・嗅覚異常
- 3月30日 味覚・嗅覚異常が継続したため県内医療機関を受診
- 4月1日 県内医療機関を受診
- 4月2日 遺伝子検査の結果、新型コロナウイルス陽性と判明。県内医療機関に入院予定
- ※行動歴、濃厚接触者については調査中です。
この患者は当初、新型コロナウイルスの初期症状として発熱の症状だけみられましたが、熱が下がった後に
- 味覚障害と
- 嗅覚障害
が同時に現れたという症例です。
新型コロナウイルスに感染した場合に、最もよく見られる初期症状「発熱」についてはこちらの記事をどうぞ。
この患者は20代であり、若者に該当する年齢であるにも関わらず新型コロナウイルスに感染していますが、決して珍しいことでは有りません。
次に新型コロナウイルスの初期症状として嗅覚と味覚異常が出現した患者の例として、千葉県の事例を見ていきます。この患者の事例の概要と経過は以下の通りです。
- 概要
- 年齢:20代
- 性別:男性
- 居住地:松戸市
- 症状、経過:
- 3月23日:味覚・嗅覚異常が出現。
- 3月30日:県内医療機関Cを受診。検体採取(鼻咽頭ぬぐい液)
- 検査の結果、陽性と判明。
- 行動歴:3月2日~16日ドイツ、チェコ、スイス、フランスに渡航。肺炎患者との明確な接触は確認されていない。
- 職業:学生
- 濃厚接触者への対応:他自治体を含む保健所による健康観察を実施予定。
この患者の特徴も20代という若い年齢であり、なおかつ新型コロナウイルスに感染した初期の頃から
- 味覚障害と
- 嗅覚障害
が同時に出現したという症状がみられました。
このように新型コロナウイルスに対し、若者も高齢者と同様に感染するということについて、詳細はこちらの記事をご参照ください。
これらのことから
- 味覚障害や
- 嗅覚障害
は、
- 年齢や
- 職業や
- タイミング
- 症状が持続する期間
など様々であるということがわかります。
新型コロナウイルスへの感染リスクを増大させないため、正しいマスクの付け方について、こちらの記事で説明していますのでご参照ください。
コロナ初期症状「味覚・嗅覚障害」まとめ
新型コロナウイルスの初期症状として、味覚障害と嗅覚障害が出現するタイミングはバラバラであり、年齢によっても様々です。
時として、新型コロナウイルスの初期症状として味覚障害と嗅覚障害が現れないこともあり、また症状が現れたとしても片方だけの場合もあります。さらに、
- 若い人であれ
- 年齢が上の人であれ、
同様に味覚障害や嗅覚障害は出現するということも分かります。
しかし、新型コロナウイルスの初期症状として、味覚障害や嗅覚障害は報告されている件数が少数であるため
- WHOや
- 厚生労働省
などに正式には認められてはいません。
したがって味覚障害や嗅覚障害を感じたら、まずは自宅で経過をみるようにし、すぐに医療機関で受診する必要はありません。しかし新型コロナウイルスに感染している可能性はゼロではないので、他の症状がないかどうかを入念に観察するようにしましょう。そうすることで、新型コロナウイルスの初期症状であると早急に気がつくことにつながるはずです。
咳をすることで発生する飛沫感染や、コロナ予防策についてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるかについてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルスの初期症状の中でも、特に緊急性の高い13症についてはこちらの記事をご覧ください。
新型コロナウイルスの致死率についてはこちらの記事をご覧ください。
新型コロナウイルス治療薬について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
新型コロナウイルスの潜伏期間についてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルス初期症状「息苦しい(肺炎)」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コメント