新型コロナウイルスの初期症状「鼻水」について知りたいですか?
新型コロナに感染したら鼻水が出る点を踏まえ、
- 重症化する場合の経過や
- コロナ感染で鼻水症状は出ないという誤情報、
- 治癒した状態や
- 治療薬
をご紹介!
体調が悪く、もしやコロナウイルス?と不安に感じている人必見!
鼻水以外の新型コロナウイルスの初期症状についてはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「鼻水」出たら注意
新型コロナウイルスの初期症状は鼻水が出るという点が挙げられます。
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き第2020第1版」によると、新型コロナウイルスの症状に関して以下のように記載があります
多くの症例で発熱,呼吸器症状(咳嗽,咽頭痛,鼻汁,鼻閉など),頭痛,倦怠感などがみられる.
もちろん、気温が低くなれば誰でも鼻水(鼻汁)が出るはずです。そのため、単に鼻水が出るからといって、新型コロナウイルスに感染しているわけではありません。
しかし他の諸症状(発熱・咳・頭痛・味覚や嗅覚障害など)と組み合わさっている場合は、新型コロナウイルスの初期症状であることを疑うべきです。
新型コロナウイルスに感染した場合に、最もよく見られる初期症状「発熱」についてはこちらの記事をご覧ください。
また、咳をすることで発生する飛沫感染や、コロナ予防策についてはこちらの記事をどうぞ。
コロナ初期症状「鼻水」重症化
その際に特に注目するべきなのは、新型コロナウイルスの症状の一つである「鼻水の症状」が重症化するかどうかです。
新型コロナウイルスの重症化の経過が分かりやすい画像として、メディカルノートの画像を引用させていただきます。
一般的に、鼻水を伴う通常の風邪は、発症してから一週間も経過すれば回復に向かいます。一方で新型コロナウイルスの場合、鼻水を伴う初期症状が発症してから一週間が経過しても未だ回復せず、さらに症状が悪化する可能性があります。ひどい症状の場合は入院し、
- 集中治療室や
- 人工呼吸器
も必要となります。(出典:厚生労働省)
その際の重症化する割合の大体の目安ですが、新型コロナウイルスへの感染が確認された症状のある人の
- 80%が軽症
- 14%が重症
- 6%が重篤
となっています。
しかし、重症化した人も、約半数は回復していますので、重症化してしまったからと言っても必ずしも死亡するわけではありません。(出典:厚生労働省)
新型コロナウイルスの致死率について、詳細はこちらの記事をご覧ください。
なお、重症と重篤の言葉の意味が似ているので、参考までにそれぞれの意味を挙げると
- 重症とは、症状が非常に重い状態、
- 重篤とは、症状が非常に重く、このままの状態では死に至ってしまう状態
を指します。(出典)
つまり新型コロナウイルスの初期症状として鼻水が見られた場合、20%の確率で重症化・重篤化してしまう可能性があるということです。
したがって、鼻水の症状が見られた場合、「ただの鼻水だろう」などと安易に考えるのではなく、「もしかしたら入院が必要となる可能性がある」と重く捉え、注意深く経過を観察するようにしましょう。そうすることで、新型コロナウイルスの初期症状に早期に気がつくことにつながるはずです。
新型コロナウイルスへの感染リスクを増大させないため、正しいマスクの付け方について、こちらの記事で説明していますのでご参照ください。
コロナ初期症状「鼻水」誤情報(デマ)
しかしここでの注意点としては、新型コロナウイルスの初期症状として、絶対に鼻水が含まれると断定できるわけではないという点です。というのも、新型コロナウイルスについてはまだ解明されていないことが多いので、厚生労働省が公表している情報が誤っている可能性もあるためです。
その結果、誤情報(デマ)が拡散される可能性が出てきます。
例えば、「新型コロナウイルスによる肺炎は乾いたせきが特徴であり、鼻水は出ないものなので、もし鼻水やたんが出るならそれは普通の風邪だ」などという情報が拡散したことがありますが、この情報は誤りです。(出典)新型コロナウイルスの初期症状「痰がらみ」について詳しくは【コロナ初期症状「痰がらみ」】痰が絡むだけの時は?【具体的事例】の記事をどうぞ。
この新型コロナウイルスの鼻水症状に関するデマに対し、米ベイラー医科大学の専門家、ロバート・レグリー・アトマー博士は以下のように主張しています。
乾いたせきが出る感染者は確かに多いとしたうえで、たんの出る湿ったせきをする症例もみられると強調した。(出典)
つまり、鼻水が出たからといって新型コロナウイルスの初期症状であると断定するのは避けた方が良いのですが、だからといって鼻水症状を安易に捉えるべきではないということです。
その代わり、前述の通り
- 発熱
- 咳
- 頭痛
- 味覚や嗅覚障害
などの症状が組み合わさっていないかどうかを確認するべきです。
新型コロナウイルスの初期症状の一つである「頭痛症状」の場合、頭痛薬を服用するべきかどうかについてはこちらの記事をご覧下さい。
新型コロナウイルスの初期症状「味覚・嗅覚障害」についてはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「鼻水」治癒した状態と薬
前述の通り、厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き第2020第1版」では多くの新型コロナウイルスに感染した患者に鼻汁(鼻水)の症状がみられるとの記載がありますが、新型コロナウイルスについては未だ多くの部分が謎に包まれた状態であり、すべてが解明されているとわけではありません。それは新型コロナウイルスに感染した場合もそうですが、治癒した状態についても同様のことが言えます。
例えば厚生労働省は、
- 発熱や
- 咳
等の呼吸器症状が消失し、
- 鼻腔や
- 気管
などからウイルスを検出できなくなった状況を「治癒した」と判断しています。また、この新型コロナウイルスそのものに効く抗ウイルス薬はまだ確立しておらず、ウイルスが
- 上気道や
- 肺
で増えることで生じる
- 発熱や
- 咳
などの症状を緩和する目的の治療(対症療法)として、
- 解熱剤や
- 鎮咳薬
を投与したり、点滴等が実施されています。対症療法により、全身状態をサポートすることで、この間ウイルスに対する抗体が作られるようになり、ウイルスが排除されて治癒に至ると考えられます。 (出典)
ここで出てくる「対症療法」というのは、疾病の原因に対してではなく、
- 主要な症状を軽減するための治療を行い、
- 自然治癒能力を高め、
- かつ治癒を促進する
療法を指します。つまり新型コロナウイルスの初期症状に対する特効薬は存在せず、自然治癒力に頼らざる得ないのが現状です。
しかし治療薬の有力候補として、
- アビガン
- レムデシビル
- カレトラ
- オルベスコ
が注目されているというのも事実です。
例えば2020年3月28日に安倍晋三首相は、アビガン(一般名:ファビピラビル)について「正式承認に向け治験プロセスを開始する」と表明しました。(出典)
新型コロナウイルス治療薬について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「鼻水」まとめ
新型コロナウイルスの初期症状の一つとして鼻水が挙げられます。
鼻水は体温が下がれば誰でも出るものであり、鼻水が出たからといって新型コロナウイルスへの感染を断定するのは時期尚早です。したがって、他の発熱や咳などの諸症状と組み合わさっているのかどうかで、新型コロナウイルスへの感染の有無を第1次的に判断すると良いでしょう。しかし新型コロナウイルスに感染した場合、20%の確率で重症化してしまうので、鼻水の症状が現れた場合は安易に捉えるのではなく、注意深く経過を観察するようにしましょう。
しかし新型コロナウイルスはまだ解明されていないことが多いので、誤情報があることにも注意しましょう。例えば鼻水の症状が出たからといって、必ずしも新型コロナウイルスに感染したわけではありませんが、新型コロナ感染を否定できるわけでもありません。
実際に新型コロナウイルスに感染したかどうかは、最終的には検査をしてみない限り分かりません。少しでも不安に感じるようであれば自己判断するのではなく、専門家の判断を仰ぐ必要があります。
具体的に言うと、風邪やインフルエンザ等の心配があるときには、これまでと同様に、かかりつけ医等に相談すればよいでしょう。一方で、新型コロナウイルスへの感染が心配である場合には、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。
特に、「帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安」として厚生労働省より公表されている以下の条件に当てはまる方は、同センターに早急に相談するようにしましょう。
帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安
☆ 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
☆ 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
※高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)など)がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
☆ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)(出典:厚生労働省)
上記目安に出てくる新型コロナウイルス初期症状「倦怠感」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
もっと知りたい
新型コロナウイルス初期症状についてさらに詳しく知りたい方向けに、おすすめ記事を紹介します。
新型コロナウイルスの潜伏期間についてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルスの初期症状「下痢」についてはこちらの記事をどうぞ。
また、もし新型コロナウイルスの初期症状の一つである喉の痛みを感じたならば、以下の「医療機関受診の目安」をもとに、
- 医療機関で受診をするのか
- セルフケアで済ますのか
を判断するための一助にされてください。
新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるかについてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルス初期症状「息苦しい(肺炎)」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
新型コロナウイルスの初期症状として、若者は軽症で済むかどうかについてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルスの初期症状の中でも、特に緊急性の高い13症についてはこちらの記事をご覧ください。
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