新型コロナウイルスの潜伏期間について知りたいですか?
新型コロナウイルスに感染してから初期症状が発症するまでの
- 最短
- 平均
- 最長
期間に関する調査結果を踏まえ、潜伏期間の異論をご紹介!
濃厚接触者を判断する基準や、潜伏期間中でも感染するのか疑問を感じている方必見!
新型コロナウイルスの初期症状について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

新型コロナウイルスの潜伏期間
新型コロナウイルスの潜伏期間について説明します。
まず潜伏期間という用語の意味としては、病原体に感染してから初発症状が発現するまでの期間を言います。(出典)
世界保健機構(WHO)によると、潜伏期間の
- 最短は1日
- 平均は5~6日
- 最長は14日
であるとしています。
How long does it take after exposure to COVID-19 to develop symptoms?
The time between exposure to COVID-19 and the moment when symptoms start is commonly around five to six days but can range from 1 – 14 days.(出典:世界保健機構)
また2020年3月9日にアメリカ内科学会の医学誌に掲載された米ジョンズホプキンズ大学の調査によると、新型コロナウイルスの潜伏期間は
- 最短は2日
- 平均は5日
- 最長は14日
であるとのことです。
Our current understanding of the incubation period for COVID-19 is limited. An early analysis based on 88 confirmed cases in Chinese provinces outside Wuhan, using data on known travel to and from Wuhan to estimate the exposure interval, indicated a mean incubation period of 6.4 days (95% CI, 5.6 to 7.7 days), with a range of 2.1 to 11.1 days (7). Another analysis based on 158 confirmed cases outside Wuhan estimated a median incubation period of 5.0 days (CI, 4.4 to 5.6 days), with a range of 2 to 14 days (8).(出典)
つまり潜伏期間については、WHOも米ジョンズホプキンズ大学の調査も、ほぼ一致していると言えます。
これらのことから、新型コロナウイルスの潜伏期間についてまとめると以下の通りです。
新型コロナウイルスの潜伏期間
- 最短
- 1~2日
- 平均
- 5~6日
- 最長
- 14日
これだけだと大雑把すぎて、いまいちピンとこないという人も多いかもしれません。そこで、上記の米ジョンズホプキンズ大学の「潜伏期間に関する調査」について詳しく見ていきましょう。
米ジョンズホプキンズ大学のジャスティン・レスラー准教授の研究チームは、新型コロナウイルス感染症の潜伏期間を推定するため、国外旅行が原因と思われる180あまりの症例について調査しました。(出典)
もちろん、症例180個程度の調査であるため、統計データとしては母数が少く、データ数が少ないことで、「全体」との誤差が生じる可能性があるでしょう。(出典)しかし、新型コロナウイルス感染拡大を防止するための潜伏期間を考える上では、大いに参考になる調査であるともいえます。
この調査は、地域社会で感染が広がるコミュニティー感染がまだ中国・武漢市に限られていた当時に実施されました。そのため調査対象者が武漢市にいた時期をウイルスに接触した時期と推定して、発症するまでの日数を調べることが可能でした。その結果、通常は感染から約5日で発症していて、12日目以降に発症するケースはほとんどないことがわかりました。(出典)
一方でレスラー氏は、「もし潜伏期間中であれば、感染した人が入国しても、症状に基づく検査では検知できない可能性がある」と指摘しています。(出典)
厚生労働省では、これまでの新型コロナウイルス感染症の情報なども踏まえて、濃厚接触者については14日間にわたり健康状態を観察することとしています。(出典:厚生労働省)たとえ濃厚接触者であったとしても、健康状態の観察が必要な期間が最大で14日程度と考えられているのは、他のコロナウイルスの状況によるためです。他のコロナウイルスについては、国立感染症研究所「コロナウイルスとは」をご覧ください。(出典)
ここで言う「濃厚接触」かどうかを判断する上で重要な要素は、
- 距離の近さと
- 時間の長さ
の2点です。(出典:厚生労働省)
例えば、
- 必要な感染予防策をせずに手で触れる、
- 対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度)で15分以上接触する
などの場合に濃厚接触者と考えられます。(出典:厚生労働省)
ちなみに、この濃厚接触の定義は2020年4月20日に変更されました。従来は
- 患者の「発病した日」以降で
- 距離は「2m程度」
とされていましたが、該当範囲を変更し、新たに「15分以上」という時間の基準も設けられました。(出典)この定義変更の経緯としては、新型コロナウイルスの患者が症状の出る前に他人にうつしているケースが判明してきたためです。世界保健機関(WHO)も、発症二日前から感染する可能性を指摘し、日本の国立感染症研究所も4月20日に定義を変更しました。(出典)
なお、「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」では、対面で人と人との距離が近い接触が、会話などで一定時間以上続き、多くの人々との間で交わされる環境は感染を拡大させるリスクが高いとされています。(出典)「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」とは、日本政府による新型コロナウイルス感染症対策本部の下、新型コロナウイルス感染症の対策について医学的な見地から助言等を行うための会議を指します。(出典)
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の意見についてはこちらをご覧ください。
新型コロナウイルスの潜伏期間 異論
しかし新型コロナウイルスの潜伏期間については異論もあります。
例えば2020年02月10日、中国の武漢などで現地調査を行っている専門家チームの医師は、これまでのデータをまとめて各国の関係者に送付しました。そのなかで、新型コロナウイルスの潜伏期間について
- 平均で3日間、
- 最長では24日間
になるとしました。(出典)また感染者の大半は初期の段階では、発熱の初期症状がないと説明しており、この調査は感染者1099人を対象に行われました。(出典)
しかしこの調査結果「潜伏期間は最長24日間」という点は、前述の米ジョンズホプキンズ大学による「12日目以降に発症するケースはほとんどない」という調査結果とは異なっています。
厚生労働省では新型コロナウイルスの潜伏期間は14日程度と考えられているにもかかわらず、もし実際のところ中国の調査結果の通り、24日もの潜伏期間があるとすれば問題が生じてしまう恐れがあります。具体的に言うと、新型コロナウイルスの潜伏期間中に、感染者本人が意図せずにウイルスをばら撒いている危険性があるということになります。
例えば、濃厚接触者が14日間自宅待機をし、その後15日目に外出した際に不特定多数の人に新型コロナウイルスを感染させてしまうということです。
この新型コロナウイルスの潜伏期間に関する問題を回避するためには、濃厚接触者は少し長めに外出自粛の期間をとるように心がけるべきです。具体的に言うと、実際問題としてできるかどうかは別とすれば、外出自粛期間を14日間ではなく、24日間とすることにより、感染拡大リスクはほぼゼロになるでしょう。
新型コロナウイルスは潜伏期間中でも感染するの?
新型コロナウイルスは潜伏期間中でも感染するのか?という点について説明します。
2020年4月28日時点では、新型コロナウイルスによって、症状のない潜伏期間中の感染者(無症状病原体保有者)から、他者へウイルスがうつる可能性について、100%確実なことは分かっていません。(出典)
しかし、従来のインフルエンザなどの肺炎を伴うようなウイルス感染症の例からみると、潜伏期間中の感染者からうつる確率は低く、症状が強く現れている感染者からうつることのほうが多いといわれています。そのため、新型コロナウイルスにも同じような傾向があるのではないかと考えられています。(出典)
例えば新型コロナウイルスを調べるための PCR 検査を行い陽性反応が出た患者の場合に、
無症状患者からよりも、
- 38.5度の発熱
- 咳
- 肺炎
などの症状が組み合わさっている患者からの方が、
新型コロナウイルスをうつされてしまう可能性が高いと考えられているということです。したがって、新型コロナウイルスの潜伏期間中の感染力は弱いといえる可能性もあるため、何らかの症状が強く現れている人との接触をした場合は、その後の自分の体調変化に対し、より一層の注意を払うようにしましょう。
- 新型コロナ初期症状「なし」と診断される割合や、
- 感染封じ込めが困難になる問題、
- 無症状者でもうつる可能性
等について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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