世界的ベストセラー本、ジェームズ・クリアー式複利で伸びる1つの習慣がどんな内容か知りたいですか?
必要最低限の要点だけをまとめ、私の言葉で例を付け加えました。
この記事を読むだけで、本の全体像を容易に把握できます。
なお、原書の「Atomic Habits」は、2021年1月26日の時点で、Amazonの評価数が23,767件もあるのに、星5つ中の4.8の極めて高い評価となっています。
こんなに優れた書籍がせっかく日本語訳されているのに、読まないのは大変もったいないことです。だからせめて、この記事を読んで、本の内容を暗記されることをおすすめします。
なぜなら習慣形成のための知識や技術は、どんな人にとっても役立つ情報であり、大きな成果を出すための鍵になるはずだからです。
最小習慣(アトミックハビッツ)とは
最小習慣(アトミックハビッツ)= 小さな習慣が大きな変化をもたらすこと
毎日1%ずつ良くなったら一年後には、37倍良くなる。
毎日1%ずつ悪くなったら一年後には、ほぼゼロになる。
今良いかどうかではなく、習慣によって良くなっているかが重要
習慣形成の目的はアイデンティティーの変化
アイデンティティーとは、「個性」や「独自性」を意味する言葉。
変化の3つの段階
- 結果の変化
- プロセスの変化
- アイデンティティーの変化
この3つの中で、良い習慣を形成するという行為の最終目的は、アイデンティティーの変化である。
シンプルな四つのステップで良い習慣を身につける
習慣形成のプロセス
- 行動を変化させるための4つのステップ
- 例
- 法則(良い習慣の身につけ方)
- 例
- きっかけ
- 自宅近くの商店街を歩いていると、焼き鳥の匂いがする。
- 第一法則 はっきりさせる
- 自宅近くの商店街を歩いていると、焼き鳥の匂いがする。
- 欲求
- 焼き鳥を食べたくなる。
- 第二法則 魅力的にする
- 焼き鳥を食べたくなる。
- 反応
- 焼き鳥を買って食べる。
- 第三法則 容易にできるようにする
- 焼き鳥を買って食べる。
- 報酬
- 焼き鳥を食べたいという欲求が満たされ、焼き鳥を食べることが自宅近くの商店街を歩くことと結びつく。
- 第四法則 満足できるようにする
- 焼き鳥を食べたいという欲求が満たされ、焼き鳥を食べることが自宅近くの商店街を歩くことと結びつく。
上記の法則は、以下の書籍を参考にして考えられたものとの記載あり。
書籍「習慣の力」の原書であるThe Power of Habitは、2021年1月26日の時点でAmazonの評価数が12,433件もあるのに、星5つ中の4.6と高評価なので、ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣の理解を深めたいのであれば、次に読むべき本。
第一の法則 はっきりさせる
行動を習慣化するための4つの法則がある中で、まず第一の法則は、「はっきりさせる」。
行動習慣を列挙し点数をつけて自覚する
行動変化のプロセスは、まず自覚することから始まる。
すべての行動習慣を列挙し、良い習慣か悪い習慣かを点数付けすることで、自己分析ができる
良い習慣は1
悪い習慣は-1
どちらでもない習慣は0
夕方に仕事が終わる。 |
0 |
会社を出る。 |
0 |
オフィス街を通る。 |
0 |
電車に乗る。 |
0 |
商店街を通る。 |
0 |
焼き鳥を食べる |
-1 |
自宅に到着。 |
0 |
スーツを脱ぐ。 |
0 |
食事をとる。 |
0 |
入浴する。 |
0 |
洗濯物を洗う。 |
0 |
歯磨きをする。 |
0 |
PCを立ち上げる。 |
-1 |
洗濯物を干す。 |
0 |
読書をする。 |
1 |
就寝。 |
0 |
新しい習慣を始めるコツ
新しい習慣を形成するためのきっかけは、時間と場所に注目する
いつ・どこで・何をするかを明確にする
きっかけが具体的で、すぐ実行できることが習慣化しやすい
例えば、入浴後に髪の毛を乾かし、自分の部屋に入り椅子に座ったら、10分間読書をするなど。
習慣を組み合わせる
例えば、ウォーキングをしたら、筋トレをする。筋トレが終わったら、読書をする。読書が終わったら瞑想をする等、複数の小さな良い習慣が連続するようにすれば、複数の習慣化を同時に成功しやすくなる。
おすすめ記事
モチベーションを過大評価せず、環境を重視する
モチベーションを過大評価せず、環境を重視する
環境を変えれば習慣も変わる
例えば、勉強習慣を身につけるために、新しいコーヒーショップで勉強する。
きっかけを目立つようにする。
例えば、
読書習慣を身につけたいなら、机の上に本を開いて(Aamazon Kindleのページを開いて)置いておく。
悪い習慣を断つためのコツ
悪い習慣をなくしたい場合は、目に見えないところに対象物を置くべき。
- 例
- 仕事に集中したいのであれば、スマートフォンを隣の部屋に置く
- ダイエットする場合は、見えるところにお菓子を置かず、戸棚にしまっておくか買わないようにする。
悪い習慣を断つためにはその習慣を引き起こすきっかけを避けるべきである
- 例
- タバコをやめたい場合はストレスが多い環境を避ける
- 過食を辞めたい場合は美味しいものがある空間を避ける
第二の法則 魅力的にする
行動を習慣化するための4つの法則がある中で、第二の法則は、魅力的にする。
定着させたい習慣がつまらないものだと定着しない。そこで、自らやりたくなるように魅力的にする必要がある。
習慣を魅力的にする方法
「したい行動」と「する必要のある行動」を組み合わせることで習慣化する。
例えばゲームばかりしていて辞められない人は、スクワットをしている間だけゲームをできるようにすれば良い。
つい癖でSNSを頻繁に見てしまう人は、ポケットからスマートフォンを出したら、腹筋をする。腹筋をしたら腕立て伏せを10回する。
習慣作りにおける家族と友人の役割
育った環境や属する組織や仲間によって、どの習慣が魅力的なのかが決まる。
例えば、野球大好き家族の中で育てられた子供は、野球をすることが魅力的で自分にとって価値ある習慣だと思うようになる。
また、仲の良い友達が太ると、自分も太りやすくなる。
不動産会社の飛び込み営業の企業の営業部門に配属されると、積極的で失敗を恐れないことが魅力的であると感じるようになる。
つまり、自分が身につけたい習慣を好ましいと考えている集団に加わることで、習慣化できる可能性が高まる。
悪い習慣を見つけて直す方法
悪い習慣をやめるには、その習慣をつまらない、または不快なものにする必要があります。
例えば、喫煙をすることで、どれだけのお金を失っているのか、健康を失ってしまうリスクが高まるのかを考えることで、喫煙習慣をつまらないものにする。
一方で、気分を変えたい時、例えば営業職の人が接客中にストレスを感じたら、3回深呼吸をして微笑むという癖をつけることで、イライラするという悪い習慣を緩和してくれる。
第三の法則 容易にできるようにする
行動を習慣化するための4つの法則がある中で、第三の法則は「容易にできるようにする」。
一つの行動を繰り返す
新しい習慣を形成するためには、一つの行動を繰り返す必要があり、繰り返すことで自動化される。どんなに綿密な計画を立てても、実行しなければ習慣は形成されない。つまり、実行する頻度によって、習慣形成は左右される。
最少努力の法則
最少努力の法則とは、必要な仕事量が最も少ない方法を自然と選択しようとする傾向がある。
だから、ランニングを習慣化するために、作業を開始するためのステップを減らすことが有効な対策になる。例えば、
- ランニングウェアを着て寝る。
- ランニングシューズを事前に用意してから寝る。
等により、目的とするランニングの運動に取りかかれるようになるため、習慣化しやすくなる。
他にも、土日はコンビニ弁当ではなく、自炊をする習慣を定着させたいのであれば、材料を購入しておく。材料の購入をAmazonフレッシュやAmazon 食品スーパーライフ、イトーヨーカドーネットスーパーで事前に注文しておく。
読書を習慣化したい場合は、PCを起動したらAmazon Kindleが起動するように設定しておく。移動中はオーディオブックを聴いて読書できるようにするため、iPhoneのショートカットアプリを利用して、該当のオーディオブックを瞬時に聴けるように設定しておく。
二分間ルールで先延ばしをやめる方法
就寝前に読書をする習慣を定着させたい場合、2分間で読み終えることができる1ページだけに留めておく。
筋トレを習慣化したい場合、腕立て伏せを5回、腹筋5回、背筋5回、スクワット5回など、複数の項目を関連付けて短い時間で終えるようにする。
瞑想を習慣化するため、午後15時に瞑想を2分間だけする。
背水の陣を敷いたり・テクノロジーを活用し自動化する
背水の陣を敷いたり・テクノロジーを活用し自動化することで、習慣化しやすくする。
強制的に貯蓄できるような環境を作り出す。
例えば、
経済的に将来に備えるため、
- 投資信託の自動積立に申し込む。
- 格安SIMでデータ量が低いプランに変更する
自炊をするため、
- ホットクックなどの自動調理器具を買う
- 買い物はAmazon 食品スーパーライフやイトーヨーカドー等ですませる
浪費の時間を減らすため、
- SNSサイトを閲覧制限ソフトを導入し、閲覧できなくしてしまう。
- SNSサイトのログインパスワードを定期的に変更し、ログインする時の手間を増やす
集中力を維持するため、
- スマホの通知をオフに設定変更する
- 食べ過ぎぬよう小さな茶碗を使うようにする
考える手間を減らすため、
- Aamazonで日用品を定期注文で購入する
第四の法則 満足できるものにする
行動を習慣化するための4つの法則がある中で、第四の法則は、「満足できるようにする」。
行動変化の大原則
行動変化の大原則は、すぐに報われる行動は繰り返す。
すぐに罰せられる行動は避ける。
即時報酬と遅延報酬にはズレがあるから、遅延報酬に楽しみを加えるようにする
- 即時報酬
- すぐに楽しみを得られる行動
- 遅延報酬
- 3年後に楽しみを得られる行動
- 遅延報酬に楽しみを加える
- この本の著者が主張したいポイント
- お金
- 即時報酬 欲しいものを買う→すぐに楽しみを得られる行動
- 遅延報酬 貯蓄→3年後に楽しみを得られる行動
- 遅延報酬に楽しみを加える 欲しいものを我慢し貯蓄する→口座にお金を貯める(可視化する)
- 食事
-
- 即時報酬 アイスクリームを食べる。→すぐに楽しみを得られる行動
- 遅延報酬 運動をする→3年後に楽しみを得られる行動
- 遅延報酬に楽しみを加える アイスクリームを我慢して運動する→リラクゼーションサロンに行く
- 自己投資
-
- 即時報酬 ゲームで遊ぶ→すぐに楽しみを得られる行動
- 遅延報酬 ビジネス書を読む→3年後に楽しみを得られる行動
- 遅延報酬に楽しみを加える ゲームを我慢し読書をする→アイスクリームを食べる
ここでの注意点は、自分が目指す目標像と異なるものを楽しみに据えてはいけない。例えば、アイスクリームのご褒美は、健康目標やダイエットをしている人はNG。
良い習慣を継続するテクニック
良い習慣を継続するテクニック
カレンダーに丸やバツを付ける等により記録する→習慣を満足出来るものにしてくれ、モチベーションを維持することに繋がる。
習慣を全くしない日をつくないよう、わずかでも構わないので習慣を毎日実行する。
目標達成を優先して、目的を見失わないようにする。例えば、毎日8000歩をウォーキングしようと決めたはいいが、暴飲暴食をしてしまい健康を害す。あるいは仕事で営業目標を達成しようとしても、長時間労働をして仕事をすること自体が嫌いになってしまったら元も子もない。このことはグッドハートの法則と呼ばれる→「測定が目標になれば、それはもう良い測定ではなくなる」
ルールを破ったら自分にペナルティを課す
悪い習慣をしてしまった場合に、自分にペナルティを課すようにする。
家族やコーチなどとルールを破ったらペナルティを自らに課すと、契約書を通じて約束する。
もし体重を毎日欠かさず計測するというルールを破ったら、妻に1万円をペナルティとして支払う。
習慣を身につけるための戦略
せっかく習慣を身につけるなら、戦略的に習慣を選択するようにしましょう。
才能や性格、好きな事を活かすことができること習慣にする
生まれつきの才能や性格、好きなこと等を活かすことができる習慣を選択するべき。
例えば、筋トレよりサッカーが好きなのであれば、好きな方を選択したほうが苦労せず習慣化させることができる。
自分の性格等に合っていない習慣を選択すると、なかなか上手くいかなかったり、不快な気持ちになってしまう可能性がある。
だから、自分が得意な分野や、自分の周囲の環境に合った習慣を選択するべき。
難しくも簡単でもない仕事をすべき(=ゴルディロックスの原理)
現在の自分の能力にあった仕事をする時に最も高いパフォーマンスを出せるし、モチベーションも維持しやすくなるという原理。例えば、難しすぎず、しかし簡単すぎないような仕事をするべきである。
習慣化の弊害
習慣化すると無意識で行動できるようになるが、細部を気にかけなくなってしまう。
ウォーキングの方法は細部を気にかける必要はないが、例えば、営業職でお客様との接客の際のトークなど、細部に注意を払い、改善し続ける必要性がある。
良い習慣を身に着けた結果、プライドが邪魔して別の習慣化の妨げになる場合もある。例えば、経営者としての良い習慣を身に着けた後、下っ端の従業員や専業主婦の話に耳を傾けなくなる。
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