ヒューリスティックによる、バイアスの具体例を知りたいですか?
ヒューリスティックは大きな効果を発揮するので、主にセールスで用いられています。
ヒューリスティックを活用したり、回避出来るようになるために、具体例をあげて説明します。
営業パーソン、不要な買い物を避けたい消費者の両者ともに必見です。
ヒューリスティックとは
ヒューリスティックとは、人間が何らかの意思決定を行う時に、
- 明確な根拠をもって判断を下すのではなく、
- 直感に基づいて判断を下す
傾向のことを言います。
ヒューリスティックが働いて、直感に基づいて判断を下す時には、バイアスがかかって誤った判断を下してしまう可能性があります。
バイアスというのは先入観や偏った考え方のことです。
ヒューリスティックをセールスで活用する方法
ヒューリスティックをセールスで活用する方法を説明していきます。
例えば、高額商品を扱う営業員は、見た目に気を遣うべきです。
なぜなら、人は判断ヒューリスティックにより、第一印象と、商品とを感情的に結びつけてしまう傾向があるからです。
もちろんお客様の中には、見た目ではなく、その人の中身を重視する人もたくさんいると思います。
それにもかかわらず、なぜ営業員は見た目に気を遣っている人ばかりなのかという点を踏まえて具体例をあげます。
ヒューリスティックの具体例
例えば、セールスパーソンはヒューリスティックを活用する為に、身なりを整えているのです。
もし、「仕立ての良い高級スーツを身に着けた営業員」に金融商品を勧められた場合は、その人の発言も信頼度が増します。
一方で、「短パンにTシャツ姿のラフな格好をした営業員」に勧められた場合は、顧客は一つ一つの発言を疑ってかかるでしょう。
それぞれで契約締結に至る可能性が全く異なってくる理由が、ヒューリスティックによるバイアスが働くためであると言えます。
ヒューリスティックの具体例を、銀行と住宅販売の2種類の職業に当てはめて説明していきます。
銀行員が見た目を重視する理由
銀行員の営業において見た目は非常に重要です。
特に難しい商品の説明をする人であるほど、見た目が重要性を増していきます。
心理学の用語で判断ヒューリスティックという言葉があります。
この言葉の意味は、「人は難しい説明をされた時は、無意識のうちに、簡単に答えられる別の回答を探してしまう」という心理的傾向があるというものです。
例えば、あなたが銀行員で窓口で金融商品を販売する営業員だとします。
そこで来店された75歳のお客様に対し、投資信託を販売しようとしています。
そして、顧客側は、難しい金融の話をされてもさっぱり理解できなかったとします。
そんな時に、顧客は何を判断の根拠として購入するかしないかを決めるのかといえば、判断ヒューリスティックが働いて、
- セールスをする銀行員の見た目であったり、
- 感情の良し悪し
などをもとに、判断を下してしまいます。
例えば、もし営業員の身なりが汚い格好していたとすれば、「営業員が話したことも何か欠陥があるに違いない」と疑り始めるでしょう。
一方で、営業員の身なりが清潔感が漂う身なりをしていた場合は、「営業員が話す内容も信頼に値する」と他に根拠もなく判断してしまいます。
難しい話を聞いた時に、今目の前にある他の情報と結びつけて考えてしまう傾向を、判断ヒューリスティックと呼びます。
住宅販売業者がマナーを遵守する理由
あなたが不動産の住宅販売の営業員だとします。
そしてお客様に何度も説明しても、お客様が腑に落ちず決断できない状況に陥っているとします。
お客様は、AとBのどちらの物件にするべきかを悩んでいます。
それぞれの物件担当者である営業員を見てみると、Aの営業員はとても言葉が雑で不快に感じる、マナー違反も時々見受けられます。
Bの営業員は礼儀正しく何を説明するにも言葉遣いも綺麗だし、不快な感情を抱いたこともありません。
AとBどちらの物件でも、同じぐらい気に入っていて甲乙つけがたい状態だったとします。
そんな時に最終的にどこで比較するかといえば、営業員のマナーによって優劣を付ける事になります。
人間は答えられない質問をされると、悩んでいる事柄とは別次元であっても即座に答えることができる思いついたことを結び付けてしまい、最終的な判断をしてしまう傾向があります。
それが、高額な商品を扱う住宅販売員が、マナーをしっかりと身に着けている理由です。
つまり住宅販売員は、住宅物件の優劣ではなく、お客さんが感じている感情と住宅物件とを結びつけて購入してくれるのを促すために、マナーに気を遣っているのです。
ヒューリスティックによる影響を消費者側が回避するには
ここまでは、セールスをする側がヒューリスティックを活用する方法を説明してきました。
今度は逆の立場に立って説明します。
つまり、商品やサービスを販売される側の、消費者側が、ヒューリスティックによる影響をどうすれば回避できるかについて説明していきます。
ヒューリスティックで医者の誤診を見落とす可能性
あなたが体調が悪い時に医者にみてもらうために通院する時は、あなたが
- 精神的にも
- 肉体的にも
参っている時なのでしょう。
その様な時はヒューリスティックにより、あなたの意思決定に悪影響を及ぼす場面でもあります。
それゆえ、医師がどのような診断を下すかを、ヒューリスティックを念頭に注意するようにしましょう。
例えば、医者が「念のため」といって過剰な薬を処方するケースは多々起こりうります。
もちろんあなたには「そんなにたくさんのお薬は不要です」と言って断る権利もあります。
しかし、もしヒューリスティックによる大きな効果を知らなければ、断ることができないかもしれません。
というのも、疲弊しているときには、普段よりもヒューリスティックが作用してしまい、相手が言ったことを信じやすくなる傾向があるからです。
もしヒューリスティックの効果を事前に知っていたら、医師の誤診を見破るきっかけにできるはずです。
ヒューリスティックを念頭に、医師の見た目は要注意
例えば、医師が着ている白衣は、患者に対して安心感を与える効果があります。
というのも過去に、
- 痛み止め薬を処方してもらうことで苦痛が和らいだり、
- 病気の治療のアドバイスをもらうたびに安心感を得ていた
ためです。
そのような過去の経験に惑わされて、医師の誤診を見落としてしまう可能性もあるということを理解しておきましょう。
医者の誤診を防ぐための対策
「ヒューリスティックによる医師の誤診」を見逃すことを防ぐために有効な対策は、セカンドオピニオンやサードオピニオンを依頼するということです。
例えば、ある医師が誤った診断を行っている可能性があると感じたら、別の医者に相談しましょう。
というのも医学的な問題を自己判断では解決できないからです。
自分自身でおかしいと感じたところで、自らでは判断できないことは往々にしてあります。
というのも、医学の分野は複雑かつ深い洞察が求められるので、自己判断で対処してしまうと病気が悪化してしまうリスクがあるからです。
そのため、「この医者は言っていることがおかしい」などと違和感を感じた場合は、別の病院に行き、セカンドオピニオンとして医師の判断を仰ぎましょう。
そこでセカンドオピニオンをもらえれば、前回の医者との比較をすることができるので、誤診を回避することができるでしょう。
それでも納得できなければサードオピニオンを貰いに行けば良いのです。
しかし、ただでさえ体調不良の時に、セカンドオピニオンやサードオピニオンを仰ぐことは現実的には難しいと感じるかもしれません。
しかし裏を返すと、それほど医師による誤診を覆すためには多大な労力が必要とされるのです。
それゆえ、普段からかかりつけ医を決めた上で、自分が信頼できる医師のもとで診療を依頼するように心がけるべきです。
まとめ
お客様は難しい説明をされた時は、判断ヒューリスティックにより、無意識的に商品と感情を結びつけて考えてしまう傾向があります。
そのため、服装や言葉遣いなどには十分に注意して、常にお客様にはプラスの感情を抱かせるように接するようにしましょう。
そうすれば、あなたが扱っている商品をお客様は好意的に受け止め、あなたから購入してくれる可能性を上げることができます。
また逆の立場として消費者の視点では、ヒューリスティックにより誤った判断を下さないように注意するようにしましょう。
例えば、精神的にも肉体的にも疲れている時に、医者が行う診療は誤っている可能性も十分あるのに、鵜呑みにしてしまう傾向が増します。
そのため、見た目や過去の経験から医者の判断を安易に受け入れないように心がけましょう。
そうすることで医者の誤診を回避できるきっかけになるでしょう。
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