平均への回帰と錯覚~行動経済学を経営に活かす戦略~

行動経済学戦略
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平均への回帰と錯覚

平均への回帰という現象は、ダニエルカーネマンの著書ファスト&スローで説明されています。

Bitly

 

具体的に言うと、例えばプロゴルファーが初回で高いスコアを出した後は、平均への回帰が起こり、後半では低いスコアが出てしまう確率が高くなるということです。

 

これは経営にも当てはまります。

 

一時的に売上は上がり、伸び盛りの会社があったとします。

 

しかし、平均への回帰が発生することを考えると、その後に売上が下がってしまうということを予測するべきであって、そのまま順調にいくとは予測するべきではありません。

 

人は必ず何か原因があるから、事象が発生すると思い込みやすいです。

 

しかし、実際はただ単に平均への回帰が起こっているだけであって、理由など存在しない錯覚であったということが実際に多々起こります。

 

具体例をあげて説明していきます。

 

 

経営は錯覚に注意しよう

例えば経営においては、不確実性が高い状況で多くの判断を下さなければいけません。

 

もちろん、今まで下してきた判断が正しかったから、今まで成功してきたのかどうかを正しく証明するためには、定性分析と定量分析に基づいて判断しなければいけません。

 

しかし、それに加えてさらに平気への回帰という現象が起こるのであれば、確かなものなど存在しないのではないのかとすら疑いたくなってしまうのもうなずけます。

 

しかし、ただでさえ不確実性が高い状況で、根拠のない判断を下していったら、間違いなく誤った方向に進んでしまいかねません。

 

そのために定性分析や定量分析に基づいて、論理的に判断を下していく必要があります。

 

言い換えると、勘と経験に頼って判断を下す経営者は、落とし穴にはまります。

 

それを避けるためには、具体的にこちらの記事で説明しているような判断を下しましょう。

【Googleに勝つ方法】定量分析と定性分析【森岡毅】
Googleに勝つ方法を考えるべきです。 なぜなら、ほとんどのビジネスはGoogleの統計に勝つことができないので、これから近い将来、多くの仕事がGoogleに奪われることが予想できるからです。 Googleとは統計を武器にして、情報を整理...

 

 

メディアの錯覚に惑わされるな

そこで救世主となるのが、前述のダニエルカーネマンの記したファスト&スローです。

 

この本を読むことによって、客観的な判断を下すことができるようになります。

 

この本を読むことで、テレビのニュースなどで見かける政治家や経済学者が、いかに誤った発言をしているのかということに気づきます。

 

例えば、平均株価やニューヨークダウ平均株価が下落した理由が、本当にトランプ大統領の政策によって下落したのかどうかなんて、この世の誰1人としてわからないはずです。

 

それにもかかわらず、なぜトランプ大統領の政策が原因で、株価が下落したと新聞には見出しがあるのでしょうか。

 

株価が下落した原因は、もしかしたら平均への回帰が起こり、株価が上がった直後に下がった可能性だってあります。

 

 

錯覚を減らせば人生は豊かになる

能動的に行動しよう

そのように錯覚が起こりやすい状況で、深く物事を考えずにただ単に新聞やテレビの偏った情報に惑わされる一般人は、損をしてるはずです。

 

あなたが気付かないうちに、誰か他の人に操られているものです。

 

例えば会社の上司が言った発言はあなたにとって損になるにも関わらず、まるであなたにとって、得をするかのように嘘の上塗りの上で語りかけてきます。

 

テレビコマーシャルはまるでその商品を購入することによって、あなたの私生活が大きく変わるであろうと、あなたに訴えかけてきます。

 

しかしテレビコマーシャルを見て、あなたがもしその製品が魅力的だと感じてしまうのであれば、それは錯覚です。

 

なぜならば魅力的だと感じた場面が、明らかに受動的だからです。

 

そうではなく、能動的にあなたが自分が必要とするものを探すようにしましょう。

 

そうすればきっとあなたの生活が豊かになるはずです。

 

受動的に商品を買うことで、あなたの生活はおそらく貧しくなっていくはずです。

 

言い換えると、人生は錯覚の連続です。

 

もし錯覚を減らすことができれば、あなたの人生はきっと今よりもより豊かになるはずです。

 

なぜならば世の中には誤った情報が氾濫しているので、錯覚して得する可能性よりも、損をする可能性の方が圧倒的に高いからです。

 

他にも具体例を挙げて説明していきます。

 

過剰な性能の商品を購入していませんか?

あなたは無意識のうちにコマーシャルに惑わされて過剰な性能の商品を購入していませんか?きっと心当たりがはるはずです。

 

例えば携帯電話をあまり使わないにも関わらず、新発売されたばかりの最新式iPhoneを購入したとします。

 

最近は iPhone が高額になりつつあるので最新式の iPhoneを購入することによって、あなたの家計が苦しくなるはずです。

 

本来我慢する必要がなかった、おいしい料理や家財などを諦めて、使用頻度が少ないスマートフォンを購入してしまうのです。

 

もしあなたがコマーシャルに惑わされないように、どのような場面で錯覚を起こしやすいのかを把握しておきさえすれば、あなたにとってふさわしい携帯電話は機能を最小限に抑えた安価なスマートフォンであったり、ガラケーであると判断することができたはずです。

 

しかし、あなたに錯覚する場面や傾向を事前に把握していなかったがために、過剰な機能がついた最新式 iPhoneを購入するという、誤った判断にたどり着いてしまったのです。

 

あなたがもし若いうちにどのような場面で錯覚しやすいのかさえ理解しておけば、一生その知識を応用して問題を切り抜けることができます。

 

教科書に載っている、日本史や数学だけを勉強すれば、いい大学に進学できてより幸福になるというのは日本教育における誤りと言えます。

 

そんなことよりも、どのような場面で人間は錯覚を起こしてしまうのかを、若いうちに勉強した方が、あなたの長い人生にとってきっとプラスになるでしょう。

 

それ以外にも、錯覚を防ぐために「ミスが起こりやすい状況」をこちらの記事で説明していますので、参考にされてください。

【認知的錯覚の例】ミスが起こりやすい状況と原因【注意散漫】
認知的錯覚の例を知りたいですか? 人間は必ずミスをする生き物です。 ミスをしない人間はこの世に存在しません。 そのため「ミスは必ず発生する」という前提で計画を立てるべきです。 そこで、ミスが誘発されやすい場面や状況を特定して覚えておけば、ミ...

 

参考文献

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