選択肢過多効果について知りたいですか?
- 「取扱商品の種類を増やしたのに店の売上が下がった」
- 「自由度が高すぎて、どこに就職したらいいか分からない」
- 「出会いが多すぎて結婚相手を決められない」
このように選択肢が多いことがマイナスにつながるという点を、
- セールス
- 職業選択
- 婚活
の点から説明します。
行動経済学について学びたい人は必見です。
選択肢過多効果とは
選択肢過多効果は心理学の用語であり、「自由度が高くなるほど選択に迷い、結局行動しなくなってしまう」傾向を指します。
人間が頭の中で処理可能な情報量は有限であり、情報量が増えるほど脳が疲れてしまいます。
選択肢を増やすべきではない理由を、
- セールス
- 職業選択
- 婚活
の3つの場面を例に説明していきます。
出典
選択肢過多効果
https://faculty.washington.edu/jdb/345/345%20Articles/Iyengar%20%26%20Lepper%20(2000).pdf
セールスにおける選択肢過多効果
時として、営業員が顧客に多数の選択肢を提示することは必要だと思います。
しかしその選択肢が多ければ多いほど顧客は悩んでしまうので、結局は購入しなくなる可能性も高まります。
つまり選択肢を数多く用意するよりも、顧客にあった少数の選択肢に絞り、その選択肢をより具体的に詳細に説明した方が、顧客は購入する可能性が高まります。
セールスにおける選択肢過多効果の例
セールスにおける選択肢過多効果の例を挙げて説明します。
花子さんという架空の人物が、新しい携帯電話に買い換えるために携帯電話ショップに訪れる場面を元に、説明していきます。
花子さんは新しい携帯電話に買い換えようと考えています。
家の近所にはA店と B店の二つの携帯電話ショップがあったとします。
A店では30種類もの携帯電話の機種を取り扱っていて、販売員は来店してきた顧客に全商品を丁寧に説明しています。
花子さんは様々な場面で自分にあった商品を選択したいので、当初は担当者の説明に耳を傾けていました。
しかし、あまりの選択肢の多さに花子さんは考える事に疲れてしまいました。
そして結局どれが自分に合う商品なのかが分からなくなってしまい、混乱したので購入することを保留にしました。
そこで、次にB店を訪れると、B店ではたった3つしか携帯電話の機種を取り扱っていないようです。
販売員は来店してきた花子さんに、A店と同様に丁寧に商品説明をしてくれました。
その結果、選択肢が少ないおかげで販売員の説明がシンプルなので、花子さんは短時間で自分に合う商品を選択し購入することができました。
セールスにおける選択肢過多効果の例の解説
営業員は顧客に提示する選択肢を増やすほど、顧客が商品を購入する可能性が下がるということ理解しましょう。
営業員が提案する商品の種類を増やす行為は、顧客を混乱させてしまうことに繋がります。
そこで、営業員は顧客が何を求めているのかを最初にヒアリングした上で、営業員が顧客に適した商品を絞り込み、顧客に少数の商品を提示すべきです。
そうすることで、商品を購入してもらう可能性を上げることができます。
つまりセールスの現場では、顧客に提示する選択肢を増やすことは、必ずしも顧客の為にはならないのです。
たしかにマニアックな商品知識を求めている一部の顧客に対しては、多数の選択肢を提示した方が満足度が上がる可能性はあります。
しかしそれはごく一握りの顧客であって、一般的な顧客に対しては選択肢を減らしてあげた方が選択しやすくなるはずです。
そのため、売上を上げることが目標なのであれば、特定のニーズを持った顧客に的を絞って営業店を経営するか、あるいは一般的な顧客を相手にするのかを事前に選択することが必要です。
職業選択における選択肢過多効果
職業選択における選択肢過多効果について説明します。
江戸時代には、職業は生まれつき決められていたこともありました。
しかしその後、職業選択の自由が保障されるようになり、自由度は増しました。
しかし自由度が高すぎて、自分が今何をしたらいいのかわからなくなってしまう大学生などは多数存在します。
つまり、選択肢が多すぎることにより、弊害が生じていると言えます。
職業選択における選択肢過多効果への対策
職業選択における選択肢過多効果への対策を説明します。
自分の進路選択をする場合は、ある程度選択肢を絞り込んでから考えるようにしましょう。
そうでなければ、逆説的に聞こえるかもしれませんが、選択肢が多ければ多いほど無駄に多くの自分の可能性を考えてしまいます。
その結果、逆に自分の可能性を狭めてしまうことに繋がるからです。
そこで、親がある程度子供の可能性やセンス・才能を見抜いてあげて、ある程度の方向性を導いてあげることは必要かも知れません。
しかし、あくまでも最終的に判断を下すのは子供の権利であり、親が口を挟むべきではありません。
婚活における選択肢過多効果
婚活における選択肢過多効果について説明します。
「自由度が高すぎて、結婚できない」という選択肢過多効果の例
「自由度が高すぎて、結婚できない」という選択肢過多効果の例を説明します。
現代は以前よりも結婚できない人が増えてきています。
以下は1970年から2040年までの生涯未婚率の予測推移のグラフです。
出典
内閣府HP「平成30年版 少子化社会対策白書 第1章 少子化をめぐる現状」より引用
404 Not Found - 内閣府404 Not Found :指定されたページまたはファイルは存在しません。
しかし、結婚できない人に共通している点としては、出会いが多すぎて結婚する相手を決めることができないという点です。
例えば結婚相談所に登録したのはいいけれども、あまりに選択肢が多すぎて何を優先するべきかで悩んでしまっている人は多いはずです。
また、プライベートでも出会いを探そうとすればいくらでもあるので、選択肢が多すぎて途方に暮れている人もいるはずです。
江戸時代の婚活は、選択肢過多効果が現代より少なかった理由
昔は親が自分の子供を知人に紹介し、お見合い結婚をさせることが主流でしたが、現代ではその風習が廃れてきています。
たしかに、江戸時代は身分や家柄にそぐわない相手であれば、結婚できなかったかもしれません。
しかし、今は結婚相手の身分も性別すらも関係なく、自由に結婚できる世の中になりつつあります。
しかしその自由度が高すぎるせいで、結婚できない人が増えてきているといえます。
婚活における選択肢過多効果への対策
婚活における選択肢過多効果への対策を説明します。
一つの解決方法としては婚活を始める前に、結婚する相手を選ぶ条件で、何を優先するかを自分の中で決めます。
その優先順位に沿った選択肢以外は、恋人あるいは結婚相手に指定しないという絶対条件を自分に課すことが必要だと思います。
自分の中で結婚相手の条件を設定し、選択肢を減らすことで選択しやすくなります。
その結果、自分に合った結婚相手を見つける可能性を高めることができます。
まとめ
選択肢が増えるほど脳が疲れ、最終的にどれを選択すべきかわからず混乱することを選択肢過多効果と言います。
この現象は、
- セールス
- 職業選択
- 婚活
など様々な場面で見られることなので、自由度が高いほど選択肢を減らすことが有効な対策になると言えます。
選択肢過多効果は、一種の心理的錯覚です。
錯覚に関して、こちらの記事を読めば理解が深まりますので併せてご覧ください。

コメント