日本の全ての中小企業が抱えている問題点をご存じですか?
それは、人口減少に伴う市場の縮小です。
日本の中小企業は、長期的な視野で、次の打ち手を考えなければいけない時期に差し掛かっています。
中小企業経営者や、将来独立する予定のビジネスパーソンは必見です。
中小企業の問題点
日本の中小企業は20年前と比較して低迷してきています。
この原因はバブル絶頂期の日本から転落してきたということが主な原因です。
具体的に説明していきます。
少子高齢化により人口減少が加速している
しかし今後20年もさらに衰退していくことが予想できます。
なぜなら、少子高齢化が加速してきており、今後はより一層の人口減少をしてしまう可能性が高いからです。
そのような経済情勢において、中小企業は今までと同じように経営していたのではうまくいくはずがありません。
つまり、ここで中小企業は攻めに転じる必要があります。
というのも中小企業は攻め続けなければ、むしろ衰退してしまうからです。
その具体的な理由を説明していきます。
中小企業は攻め続けなければ衰退してしまう理由
少子高齢化が加速しているため
日本は少子高齢化が加速しています。
もし日本の人口が今後も減少し続ければ、あらゆる日本の業界における収益が減少します。
もちろん日本だけではなく、世界の先進諸国で少子高齢化が加速し、人口は減少していますが、日本は特にそれが顕著です。
そのため、もし今後も今までと同じペースで人口が減少していった場合、最も大きなダメージを受けるのは中小企業なのです。
というのも、大企業は従業員を減らすなどをして、人口減少に対処することが可能ですが、中小企業はただでさえ売上が少ない事業をを、さらに縮小することは難しいからです。
そのため、少しでも規模の経済を働かせるために、事業を拡大していく必要があります。
少子化と高齢化の現状について、詳細はこちらの2つの記事をご覧下さい。


外資系企業が新規参入してくるため
低賃金で働く、中国人やベトナム人が、日本人の仕事を奪っていく図式が出来上がっています。
例えば、日本ではファーストリテイリング(ユニクロ)の服を製造しているのは、中国やベトナムです。
アジア諸国では、
- 安価な人件費で、
- 質の高い製品
を作ることができるようになってきたので、海外と日本国内の境目がなくなってきています。
そのため、今まで日本経済の土台を支えてきた中小企業に仕事を割り振るのではなく、中国やベトナムなどの低賃金で働いてくれる労働者を雇った方が、企業は利益を出すことができます。
それゆえ、日本の中小企業は、中国人やベトナム人に負けないようにするために、
- 製品や業務の質を高めたり
- 規模を拡大する
ことで、低賃金で働く海外の労働者を打ち負かさねばなりません。
中小企業が行うべき対策
中小企業は税制の面で、大企業と比較して有利な立場にいるので、それを利用しない手はありません。
中小企業投資促進税制
中小企業がまず利用すべき税制対策としては投資促進税制が挙げられます。
この制度は、2020年度末までに、中小企業が機械装置等に投資を行なった場合に、税率が低くなるというものです。
つまり、将来に向けて投資をし続けることで、中小企業は大企業と同等の土俵で戦うことができるのです。
中小企業投資促進税制について、以下により詳細に説明していきます。
中小企業投資促進税制の概要
この税制の概要は以下の通りです。
機械装置等の対象設備を取得や製作等をした場合に、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除(※税額控除は、個人事業主、資本金3,000万円以下法人が対象)が選択適用できるというものです。
出典
中小企業庁HP
例えば、機械の部品を製造する町工場であれば、業務で用いる機械装置を新たに導入する際に、
- 価格の30%を特別償却、又は
- 税金を7%控除
してもらえるというものです。
2019年6月26日に報じられた日本の数字で見てみると、2018年の国の一般会計税収が60兆円超を越えます。
これはバブル期の1990年度を28年ぶりに上回り、過去最高の数値です。

そのため、この中小企業投資促進税制を活用することで、中小企業は税金の面で優遇され、さらに有利な経営を行うことができるはずです。
中小企業庁が公表している投資促進税制について、さらに詳細な情報はこちらをご覧ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2019/190401uwanose.pdf
森岡毅がUSJで攻めに転じた理由
USJをV字回復させた森岡毅さんは著書「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」の中で、売上2000億円もないような中小企業は、守りに入って変革を怠ることで、倒産してしまう可能性があると述べています。
「中小企業や業界で2位以下のような会社は、生き残るためには攻め続けて勝ち続けるしかないということです。
USJはやや大きめの中堅企業だと思いますが、売上で1000億円もないような企業は十分に小さいと私は考えています。
守りに入って変革を怠ればすぐに潰れるのに十分な規模だと思っています。
」
出典
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはなぜ攻め続けるのか?」の項参照。
たしかに前述の通り、日本はこれから人口が減少していくことが予測できています。
そのため、改革することを怠ると衰退の一途を辿る可能性があるので、人口が減少することで、企業の利益も縮小していくということが予想できます。
森岡さんは、USJはエンターテインメント企業なので、世の中の消費者ニーズの移り変わりに常に敏感に反応して新しいアイデアを生み出し続けていかないと、いつか倒産してしまう可能性があるとも主張しています。
もちろん、エンターテインメント業界は流行に振り回される業界なので、特に自己改革が必要だと思われます。
言い換えると、エンターテインメント企業だからこそ、アイデアがより求められるとも言うことができると思われます。
中小企業だからこそ、変革を恐れずに常に攻めに転ずるべき
また、森岡さんは著書の中で、「違うことをやるか、同じことを違うようにやるか、この二つしかより良い結果を出す方法がない」と主張しています。
常に変化し続けなければ生き残れないのに、変化を起こすことを避けていたら倒産してしまうということです。
確かに中小企業だからこそ、変革を恐れずに常に攻めに転ずることで大きく売上を伸ばすか、それとも、人口減少により規模が縮小して売上と利益を上げることができずに倒産するかの二択です。
つまり、中小企業は危機管理意識を持って、組織改革に取り組む必要があると言えます。
また、中小企業は経営資源が少ないので、一つの計画がコケただけで、企業全体がコケてしまうというリスクを背負っています。
中小企業が大企業を打ち負かすためには、
- より戦略的で、
- アイデアの質とスピードが大企業より優れている
必要があります。
資源で劣るならば、せめて知恵で優れていないと勝つことは不可能なので、中小企業はアイデアで勝てるように戦略を立てましょう。
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