【コロナと飲食店】SNSで感染対策アピールすべき訳【割れ窓理論】

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飲食店のコロナ対策
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飲食店のコロナ対策について知りたいですか?

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、飲食店は来店客数が減っています。そこでどんなコロナ防止策を講ずれば、顧客が安心して来店できるかをご紹介!

割れ窓理論に基づくSNSを活用したコロナ対策方法を学びたい方必見!

 

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【飲食店コロナ対策】

飲食店は新型コロナウイルス対策を講じる必要があります。というのも、日本全国で新型コロナウイルスの感染拡大が加速しているからです。具体的に言うと、2020年8月1日時点の全国の新型コロナウイルス新規感染者数推移は以下の通りです。

日本新型コロナウイルス新規感染者数の推移

日本全国の新型コロナウイルス新規感染者数の推移 期間:2020年2月23日~8月2日

このグラフを見ると、7月以降から新規感染者数が急増していることがわかります。これに伴って、「不特定多数が出入りする飲食店」への来店を避ける利用者が増える可能性が懸念されています。

そして新型コロナウイルスの影響による倒産件数としては、飲食業が最多の54件と以下のように報じられており、多くの飲食業経営者が経済的困難に直面しています。

 新型コロナウイルスの影響を受けた倒産(法的整理または事業停止、負債1000万円未満・個人事業者含む)が全国で400件に達した。帝国データバンクが8月3日11時までに確認した。都道府県別では「東京都」が95件、業種別では「飲食店」が54件で最多となっているほか、負債額5億円未満が79.2%を占め、中小零細企業の倒産が中心となっている。

出典 帝国データバンク

また4月・5月・6月の飲食店の売上推移については、以下のように報じられています。

予約と当日来店を合わせた1日の平均来店件数は、新型コロナウイルス感染拡大前の1月と比べて4月は86.8%減、5月は80.0%減と、壊滅的な状況に陥った。その後、6月には1月の平均来店件数に対して34.8%減

出典 ダイヤモンドオンライン

緊急事態宣言下の2020年4月・5月の飲食店の売上高は8割以上の売り上げ減となっており、壊滅的な経済被害を被っていると言えます。6月以降は飲食店の顧客は回復しつつあるとのことですがそれでも、34.8%減であり、多くの飲食店が倒産の危機に追い込まれている状況にあるということは間違いありません。コロナ関連の倒産についてはこちらの記事も併せてご覧ください。

このように大きな経済的な被害を被っている飲食店を救済するために、 Go To Eat キャンペーンが9月から実施される予定ですが、新型コロナウイルス新規感染者数の急増を受けて、さらに延期される可能性もゼロではありません。

2020年7月22日から Go To travelキャンペーンもスタートしましたが、その開始時期と相まって、首都圏や地方の新型コロナウイルス新規感染者数も増加していることから、 Go To キャンペーンが原因を作っているのではないかと批判の声も上がっています。 Go To キャンペーンへの批判についてはこちらの記事を参照下さい。

また、そもそもGo To キャンペーンとはどのようなものか詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。

飲食店は Go To Eat キャンペーンの開始を9月に控える中で、どのような新型コロナウイルス感染症対策を講ずるべきなのでしょうか?一例として、東京都の足立区は2020年8月3日から新型コロナウイルス感染対策に取り組んでいることを示すポスターを配布すると、以下のように報じられています。

 足立区は8月3日から、新型コロナウイルスの感染対策に取り組んでいることを示すポスター=写真=を飲食店に発送する。対象は区内の約4500店。

 店で掲示してもらうポスターは、従業員のマスク着用、店内の消毒など必要な対策をとっていることをアピールできる。さらに、「こまめに換気をしています」「テーブルの間を離しています」など、店独自の工夫も書き込める。

 店の感染対策の参考にするために、取り組みのポイントをまとめたガイドラインも作成し、ポスターとともに送る。

出典 東京新聞

足立区内の約4500店舗の飲食店に、行政が作成した「新型コロナウイルス対策に関するポスター」を発送するとのことです。このポスターには

  • 従業員がマスクを着用していたり
  • 店内の消毒を適切に行っていたり

することをアピールするものであり、実際のポスターはこちらです。

足立区の新型コロナウイルス対策に関する飲食店向けポスター

足立区の新型コロナウイルス対策に関する飲食店向けポスター

出典 足立区役所

確かにこのポスターを一目見れば、適切に新型コロナウイルス対策を行っている店舗であると見分けることができ、顧客にとっての安心感につながる可能性もあります。

 

【飲食店コロナ対策】割れ窓理論に基づきSNSで感染防止

足立区はさらに新型コロナウイルス対策のガイドラインを飲食店に配布するとのことですが、どのようなものかを詳しくみてみましょう。

このガイドラインに記載されているのは、新型コロナウイルス対策として、以下のような具体的な感染防止策を示しています。

足立区新型コロナウイルス感染症防止ガイドライン

足立区新型コロナウイルス感染症防止ガイドライン

出典 足立区役所

このチェック項目を見てみると、

  • 「発熱」や「咳」、「喉の痛み」などのある顧客の入店を断るようにするべきであるとのことや、
  • 店内での大声の会話を慎むよう顧客に働きかけること
  • 大皿の料理はできるだけ避け、食材を従業員が取り分けるべきであること
  • 体調不良やの濃厚接触の疑いがある従業員は、必要な検査を受けさせるべきであること
  • 食材の納品で出入りする業者にも、マスクや消毒、検温をお願いするべきであるということ
  • 新型コロナ感染拡大防止への取り組みを、自社ホームページ SNS などで発信するべきであるということ

などが示されています。

  • 発熱
  • 喉の痛み

などの新型コロナウイルスの初期症状について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

また、従業員として出勤させるべきでない「体調が悪い人」とは具体的にどのような人なのかについて、詳しくは「【職場内クラスター】体調の悪い人とは?」の記事をご参照下さい。

上記チェック項目6つの内で特に目新しいのは、「新型コロナウイルス感染拡大防止策への取り組みを、自社ホームページや SNS で発信するべきである」という点です。なぜ、

  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram

等のSNSで、

  • 従業員がマスクを着用していることや
  • 消毒をしていること

等をアピールすることが、新型コロナウイルス感染拡大につながるのでしょうか?これはおそらく、割れ窓理論に基づくものであると思われます。

割れ窓理論というのは、軽微な犯罪も徹底的に取り締まるべきであるという理論のことで、Wikipediaによると以下のような意味です。

割れ窓理論(われまどりろん、Broken Windows Theory)とは、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した。「建物のが壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名がある。破れ窓理論[1]壊れ窓理論[2]ブロークン・ウィンドウ理論などともいう。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

割れ窓理論を用いて成功した具体的な例を挙げると、以前アメリカのニューヨーク市の犯罪が横行している時期に、ニューヨーク市の地下鉄の窓が割れている点や、落書きを消すことによって犯罪件数も減少したという例があります。これと同様に、うちの飲食店は店舗を清潔に保っていると SNS で発信することによって、新型コロナウイルスの疑いがある

  • 発熱の症状がある顧客や
  • 咳の症状がある顧客

などが近寄らなくなるという影響が期待できます。顧客の中には、自分さえよければいいと考える人がいて、そのような人たちに効果がありそうです。具体的には、来店客に発熱の症状があるのかどうかという点は、実際に

  • 顧客の体温を測定してみないことには分からないし、
  • 喉の痛みに関しては、実際に来店客の喉をライト等で照らして目視して見てみる

等を実施するほかありません。

発熱があるかどうかについては、検温することで簡単に実施可能であるかもしれません。しかし、来店客の口を開けて喉の腫れをチェックするというのは難しいでしょう。そこで ホームページや SNS で感染症防止の取組内容をアピールすることによって、「もしかしたら体調が悪いと店に入れてくれないかもしれない」と体調不良でも来店しようとしている顧客に伝えることができるという効果が望めます。これこそが足立区が推奨する「新型コロナウイルス感染症防止ガイドライン」のポイントかもしれません。

新型コロナウイルスの初期症状の全体像を詳しく学びたい方は、こちらの記事をご覧ください

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さらに従業員に対する新型コロナウイルス対策として、これだけはやってほしい3つのことと題して以下のような記載があります。

足立区新型コロナウイルス感染症防止ガイドライン

足立区新型コロナウイルス感染症防止ガイドライン

出典 足立区役所

この足立区の飲食店向け新型コロナ対策ガイドラインの内容を見ると、職場内における従業員の新型コロナ対策として以下の三つを挙げています。

  • 従業員はマスク着用
  • 従業員の検温と手洗いを徹底
  • 店内をこまめに清掃消毒

まず一つ目は

  • 調理
  • 配膳
  • 接客
  • 会計時

はマスクを着用すべきだという点ですが、できればフェイスシールド着用した方が好ましいとの記載もあります。そして二つ目は仕事前に検温を行ったり、入店時や客席の清掃後、会計後には必ず石鹸で手洗い、あるいは消毒をしましょうとのことです。これは職場内クラスターを発生させないためには重要なことです。職場内クラスターを発生させないためにはどうすべきかについて、詳しくはこちらの記事をご参照下さい。

【職場内クラスター】発生させないためには?【体調の悪い人とは】
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【飲食店コロナ対策】割れ窓理論に基づきSNSで感染防止【顧客・従業員】

さらにガイドラインには、来店する顧客の安心を作り出すためにはどうすべきかについて以下のように記載があります。

出典 足立区役所

これを見ると、

  • 店内の換気を徹底すること
  • 来店顧客同士の接触を防止すること

の2点を挙げています。

まず一つ目の換気方法に関しては、

  • 二つの方向以上で窓の開放をすることや
  • 空調設備の稼働、

など店舗の造りに応じた換気をすることを推奨しています。これ要するに、窓をひとつだけ開けただけでは新型コロナウイルス対策として換気したことにはならないから、窓は二つ以上開けましょうとのことです。

さらに1時間に2回以上換気をすることで室内の空気を入れ替えるべきであると主張しています。確かに真夏や真冬は冷暖房効果が薄れてしまい光熱費がかさんでしまうかもしれません。しかし新型コロナウイルスのクラスターが発生して、

  • 店舗を休業したり、
  • 顧客の信頼を失う

ことを避けるためには致し方ありません。

最後に、個室の扉は顧客のセルフサービスで換気をしてもらうように働きかけるべきであるとのことです。 これは手軽に実施することができ、大きな効果が望めるので、全ての飲食店で実施すべき新型コロナ対策であると言えるかもしれません。

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