新型コロナウイルスとパチンコについて知りたいですか?
自治体の休業要請を無視し、パチンコ店営業再開により
- 通う人や
- 店主
- 店員
の各心理を踏まえ、倒産件数データや集団感染リスクをご紹介!
ギャンブル依存症や、パチンコ営業再開問題をどうすれば改善できるかを学びたい方必見!
【コロナとパチンコ】営業店 休業要請無視
2020年5月4日に発表された新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の延長を受け、東京都はパチンコ店に対して引き続き休業を要請しています。
しかし複数のパチンコ店で、2020年5月6日まではおとなしく休業していたにもかかわらず、2020年5月7日から休業要請を無視して営業を再開するという動きが現れています。
そして東京都は2020年5月9日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため要請していた休業に応じなかったとして、パチンコ店の店舗名を初めて公表しました。(出典)
パチンコ店舗名を公表したのは、
- 台東区
- 板橋区
- 八王子市
など7区2市にある15店です。
都は繰り返し休業を求めてきたのですが、営業を継続したため改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づいて店名の公表に踏み切った次第です。(出典)休業要請に応じないことにより東京都が公表した店舗名は、こちらの東京都防災ホームページに掲載されています。
事例
例えば、東京都のJR駅前にある複数のパチンコ店は、2020年5月6日までは休業していましたが、5月7日は休業要請を無視し、午前10時に店を開け、日中は店内に数十人の客がいました。東京都では救急要請に応じていなかった都内の4つのパチンコ店の12店舗が2020年4月29日に休業を決め、残る2店舗も4月30日から休業していました。それにもかかわらず休業要請を無視し、営業再開をしました。(出典)
神奈川県は2020年5月7日、新型コロナウイルス特措法に基づく休業要請や指示に応じていた県内のパチンコ店のうち、少なくとも33店舗の営業再開を確認したと明らかにしました。今後も営業を続ければ、週明けに店名を公表する方針です。(出典)
千葉県内で休業要請が続く中、県は2020年5月4日、一度は要請に応じて休業したが、最近になって営業を再開した東金市のパチンコ店1店があることを発表しました。(出典)
また大阪府でも、休業要請に応じていたパチンコ店のうち一部の店が5月7日、休業要請を無視して営業を再開しました。府は、改めて休業を要請します。(出典)そもそも大阪府は2020年4月24日、休業の要請に応じない店の名前を、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき全国で初めて公表しました。その後、それでも応じない7店に対し、より重い措置の「休業指示」を出す方針を示したが、全店が休業したため、実施を見送っていました。
2020年5月7日から営業を再開したのは
- 大阪市や
- 堺、
- 高槻両市
などのパチンコ店です。府が休業指示を検討していた堺市堺区の店には、午前10時の開店前から300人以上の客が訪れ、入り口には行列ができていたといいます。(出典)
他にも、兵庫県では、3店が名前の公表後も最終的に要請に応じなかったため、1日に休業指示に踏み切りました。兵庫県によると、2020年5月7日時点で3店とも休業しているといいますが、もしかしたら他のパチンコ店の様子をみて、休業要請を無視して営業を再開してしまう可能性も懸念されます。(出典)
北海道では、パチンコ24店舗が休業要請を無視し営業を再開しました。
鈴木知事は5月7日、道の休業要請に応じず営業を再開したパチンコ店が24店舗あるとして休業を求める「事前通知」を出しました。休業に応じない場合、法律に基づいて店舗名を公表する方針です。そもそも道は2020年5月4日の緊急事態宣言の延長を受け、知事の権限としてパチンコ店を含む事業者への休業要請を5月15日まで継続しました。そして道は5月7日、道内のパチンコ店482店舗のうち24店舗が休業要請を無視して営業を再開していることを確認した、という流れです。
北海道の鈴木知事は、2020年5月1日にも休業要請を無視した16店舗を対象に、事前通知を出していましたが、その後道はすべての店舗の休業を確認していました。それにも関わらず、また休業要請無視が繰り返された、という流れです。
しかし結局24店は、北海道からの休業要請を受け入れ、再び休業に踏み切りました。
それを受け、鈴木北海道知事はパチンコ店の経営者に対し、「大変厳しい経営環境にある中、新型コロナウイルス感染症のまん延防止に向け、多大なご協力をいただき心より感謝申し上げます」とコメントを発表しています。
【コロナとパチンコ】営業店
新型コロナウイルス拡大防止のために休業要請しているにもかかわらず、
- パチンコ店に行く人・通う人の問題と
- パチンコ店の営業を継続する店側の問題
との二つにそれぞれ分類することができます。
コロナでもパチンコ店に行く人(遠征)・通う人の心理
コロナでもパチンコ店に行く人(遠征)・通う人の心理から考えてみましょう。
新型コロナウイルスにより「不要不急の外出を自粛してください」と言われてるにも関わらず、なぜパチンコ店に行ってしまうのでしょうか?(出典)
原因の一つとして考えられるのは、ギャンブル依存症という病気のためです。
厚生労働省によると、依存症について以下のような記載があります。
アルコールや薬物、ギャンブルなどを“一度始めると自分の意思ではやめられない”、“毎回、やめようと思っているのに、気が付けばやり続けてしまう”それは「依存症」という「病気」かもしれません。
依存症は、一般的なイメージでは、“本人の心が弱いから”依存症になったんだ、と思われがちですが、依存症の発症は、ドーパミンという脳内にある快楽物質が重要な役割を担っています。アルコールや薬物、ギャンブルなどの物質や行動によって快楽が、得られます。そして、物質や行動が、繰り返されるうちに脳がその刺激に慣れてしまい、より強い刺激を求めるようになります。その結果、物質や行動が、コントロールできなくなってしまう病気なのです。
また、依存症は、「孤独の病気」とも言われています。例えば、「学校や職場、家庭などとうまくなじめない」といった孤独感や「常にプレッシャーを感じて生きている」、「自分に自信が持てない」などの不安や焦りからアルコールや薬物、ギャンブルなどに頼るようになってしまい、そこから依存症が始まる場合もあります。
さらに、依存症は「否認の病気」とも言われており、「自ら問題を認めない」ため、本人が病気と認識することは困難です。一方、家族はアルコールによる暴力やギャンブルによる借金の尻ぬぐいになどに翻弄され、本人以上に疲弊するケースが多くみられます。
(出典:厚生労働省)
つまり、コロナでもパチンコ店に行く人の心が弱いから、パチンコ店に行ってしまうのではなく、依存症という病気のせいで、パチンコ店に通ってしまっている可能性があるということがわかります。
また、ひとり10万円の給付金をめぐり、ギャンブル依存の問題に取り組む団体は依存症の人が給付金をギャンブルにつぎ込み、症状を悪化させるおそれがあるとして、使いみちを家族で事前に話し合うなど対策を呼びかけています。10万円給付金についてはこちらの記事をどうぞ。
したがって、
- 家族や
- 知人
が心理的な依存症かもしれないと思ったら、
- 1人で抱えこまず、
- また1人で解決しようとせずに、
まずは最寄りの
- 「保健所」や
- 「精神保健福祉センター」
などに相談するようにしましょう。
【コロナとパチンコ】店員・店主
次に、新型コロナウイルスにより休業要請されているにもかかわらず、パチンコ店の営業を再開する店側の問題について考えてみましょう。
パチンコ業者の主張としては、「店を閉めれば会社がなくなる」 との理由です。(出典)確かにパチンコ店を休業することにより、倒産する会社が出ているのも事実です。例えば1964年に創業した老舗中の老舗である群馬県沼田市にあるパチンコ運営会社の「有楽商事」もそのひとつです。(出典)56年間も続いていたパチンコの会社がコロナの影響で倒産するのですから、新規で出店した多くのパチンコ会社も倒産の危機に瀕している可能性は高いでしょう。
しかしながら、新型コロナウイルスの影響により倒産しているのはパチンコ業界だけでありません。帝国データバンクの調査によると、2020年5月7日15時の時点において「新型コロナウイルス関連倒産」は、全国に119件判明しており、各倒産時期のグラフは以下の通りです。
つまりパチンコ業界だけではなく、
- 飲食業界
- メーカー
- 商社
- 小売
- 金融
- サービス
- ソフトウェア
- 広告・出版・マスコミ
などのほぼすべての業界が休業要請に応じることにより倒産しているにも関わらず、休業要請を無視し、営業再開していることは事実でしょう。
しかしながら、パチンコ業界の店主や店員は決して悪い事をしていると決めつけるのは時期尚早です。
例えばパチンコ店は三密に該当しないとの主張もあります。具体的に言うと、
3月9日、政府の新型コロナウイルス対策に関する専門家会議は、集団感染が確認された場所に共通する以下の「3つの条件の重なり」を公表しました。
厚生労働省によると以下のように記載があります
「3密」を避けてください
集団感染が生じた場の共通点を踏まえると、特に
1.密閉空間(換気の悪い密閉空間である)、
2.密集場所(多くの人が密集している)、
3.密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)
という3つの条件が同時に重なる場では、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。(出典:厚生労働省)
つまり、この3つの条件が重なった場所は、感染のリスクが高まるということであり、日常生活の中で避ける行動をとるよう、国民に呼びかけています。
しかしながら、この3密にパチンコ店は該当しないというのは、オオキ建築事務所代表の1級建築士の大木啓幹さんです。大木啓幹さんは以下のように説明しています。
さて、この3つの条件ですが、誤解を恐れずに言うとそのすべてが該当しない施設がパチンコホールです。以下に、その理由を説明させて頂きます
①換気の悪い密閉空間
パチンコをしない人からすると、パチンコホールはタバコの煙などで空気が汚く、環境が悪いというイメージがあるかもしれません。しかし、喫煙ができる環境(ただし4月1日からは原則禁煙)であるが故に、実は「商業施設のなかで最も換気が行われている空間」といっても過言ではありません。
一般報道での専門家の発言では、換気は1時間あたり1回以上が望ましいとされています。それ以下は密閉空間と定義されることになりますが、パチンコホールの換気回数は1時間あたり6~7回。私の設計するパチンコホールでは、来店客すべてが喫煙者と仮定し、1時間あたり7.5回で計算して空調機器を設定しています。これは、日本だけでなく世界的にみても際立って換気回数が多い施設であると言えます。
②多くの人が密集
専門家会議の見解のなかで、集団感染が確認された場所として挙げられているライブハウスや展示商談会などと比較して、人口密度はパチンコホールの方が明らかに低いと言えます。遊技機1台に対して1人が着席して遊技するのがパチンコホールであり、人同士が密着することはないからです。また、郊外型の店舗は天井高もあり、体積からみても1人あたり広く確保されています。
③近距離での会話や発声
これも②同様、遊技機に対面して1人で遊技するのがパチンコです。
人同士が対面して会話する場面は極めて少なく、他の商業施設と比較しても該当しないことは明白です。店舗によっては台間パーテーションを設置しており、さらに感染リスクは低くなります。
(出典)
以上のことから、屋内の商業施設として考えたときに、パチンコホールは環境的に他の施設と比べて集団感染のリスクはむしろ低い可能性があるということが分かります。
また2020年3月10日に菅義偉官房長官はパチンコ業界への対応について、
「警察庁が、遊技機のハンドルなど不特定多数の人が触れる場所を消毒するなど感染防止措置を業界に要請している。業界の自主的な取り組みとして、集客目的の広告宣伝の自粛を各営業所に求めたほか、感染拡大を受けて休業日を設けた営業所もあると聞いている」(出典)
とも言及しています。
なるほど、集団感染のリスクはゼロにはならないものの、思っていたよりも集団感染リスクが低い可能性もありそうです。しかし、いくら集団感染リスクが低いとしても、ゼロではないことは事実でしょう。また一つの店舗が再開すると他の店舗も追随する可能性もあります。
例えば休業中のパチンコ店の中では「抜け駆けはやめて」と批判する声も上がってます。
先月から休業を続けているパチンコチェーン店の幹部は「われわれは要請に応じ、売り上げが一切ゼロの状態で我慢しているので、抜け駆けのようなことはやめてほしい。要請を無視して一部の店が営業すると、ほかの店も追従して再開するのではないかと懸念している」と話していました。
これらのことから、パチンコ店の店主は心理的には、社会の方針に反しているという自覚はあり、批判を受けることは妥当である可能性もあります。しかしながら、パチンコ店の店主は決して犯罪を犯しているというわけではなく、逮捕すべき事由に該当する理由ではありません。例えばパチンコ店が経営しなくても済むように休業補償を充実させる必要性があるとも考えられます。
またパチンコ店で働く店員も心理的には、休業要請に応じて店舗運営をすることに対し、社会の方針に反しているという自覚はあるはずです。しかし経営者側の判断に逆らうことは難しいので、パチンコ店で働く店員を批判するのは、行き過ぎた行為であるとも言えます。
以上のことから、休業要請に応じずに経営を行う店舗への、罰則ルールを明確化する必要性があると言えるでしょう。現時点では休業要請に応じずに店舗運営を続けることに対する罰則ありません。
したがって、どこからどこまでが罰則を伴う犯罪なのかを明確化すれば、このような事案は減ることが予想できます。
コメント