新型コロナウイルスによる頭痛症状について知りたいですか?
頭が痛いと感じるのはコロナウイルスの初期症状の一つです。
- 他の症状はなく頭痛だけの時はどうするべきか、
- 頭痛薬を服用すべきか
等について説明します。
新型コロナウイルスについて学びたい方は必見です。
コロナ「頭痛」を感じる人の割合は13.6%
新型コロナウイルスによる頭痛症状について説明します。
5万例を超える「WHOと中国を含む25か国専門家による報告(2020年2月25日)」によると、新型コロナウイルスの主な初期症状として頭痛を感じた人は13.6%いたようです。
Symptoms of COVID-19 are non-specific and the disease presentation can range from no symptoms (asymptomatic) to severe pneumonia and death. As of 20 February 2020 and 12 based on 55924 laboratory confirmed cases, typical signs and symptoms include: fever(87.9%), dry cough (67.7%), fatigue (38.1%), sputum production (33.4%), shortness of breath(18.6%), sore throat (13.9%), headache (13.6%), myalgia or arthralgia (14.8%), chills (11.4%),
nausea or vomiting (5.0%), nasal congestion (4.8%), diarrhea (3.7%), and hemoptysis (0.9%),and conjunctival congestion (0.8%).
出典
つまり、新型コロナウイルスに感染したからと言って、必ずしも全ての人が頭痛症状を感じるわけではなく、13.6%程度の一部の人に限られるということが分かります。
また、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きによると、頭痛症状に関しては以下のように記載があります。
多くの症例で発熱,呼吸器症状(咳嗽,咽頭痛,鼻汁,鼻閉など),頭痛,倦怠感などがみられる.
下痢や嘔吐などの消化器症状の頻度は多くの報告で 10%未満であり,SARS や MERS よりも少ないと考えられる.初期症状はインフルエンザや感冒に似ており,この時期にこれらとCOVID-19 を区別することは困難である.
頭痛症状と同様に併記されている新型コロナウイルスの症状
- 「発熱」
- 「下痢」
について、以下2つの記事をそれぞれご参照ください。


このことから厚生労働省も頭痛症状を、新型コロナウイルスの初期症状の一つと認めていることが分かります。しかし注意点としては、頭痛を感じるからと言って、必ずしも新型コロナウイルスでないということは前述のとおりですが、
- インフルエンザや
- 感冒(風邪のこと)
と区別することは難しいということです。つまり、たとえ新型コロナウイルスでなかったとしても、インフルエンザウイルスに感染している可能性もあるので、病院で検査を行うことが重要であると言えます。
新型コロナウイルスによる頭痛以外の初期症状について、詳細はこちらの記事をご参照ください。

コロナ「頭痛症状」等を感じたら2-3%の確率で死亡する
さらに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きでは以下のように説明が続いています。
中国では発症から病院受診までの期間は約 5 日, 入院までの期間は約 7 日と報告されており,症例によっては発症から 1 週間程度で重症化してくるものと考えられる.さらに重症化する事例では 10 日目以降に集中治療室に入室という 経過をたどるようである(図2).
要するに、頭痛症状等を感じてから7日後には呼吸困難に陥り、入院治療が必要となる可能性があります。
さらにそれから10日後には、集中治療室(ICU)で人工呼吸器管理が必要になり、2-3%の確率で死亡する可能性があるということです。(しかし若者は軽症で済むことが多いと報告されており、詳細は「【コロナ初期症状】若者は軽症で済む?中国隠蔽?【致死率・死亡例】」の記事をご参照ください。)
したがって「なんだか頭が痛いなぁ」と感じたら、「どうせ風邪だろう」などと安易に考えるべきではなく、「2-3%の確率で死ぬ可能性がある」と重く受け止めましょう。
十分な
- 休息
- 栄養
などをとることで、死のリスクを減少させることに繋がるはずです。
新型コロナウイルスの致死率について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

また、新型コロナウイルスへの感染リスクを増大させないため、正しいマスクの付け方について、こちらの記事で説明していますのでご参照ください。

コロナ「頭痛症状だけ」という場合はあるの?
新型コロナウイルスの症状として、頭痛だけという場合はあるのでしょうか?
結論からいうと、新型コロナウイルスの症状として頭痛症状だけ現れるという事例に関する研究はありません。
もちろん、前述の通り新型コロナウイルスの初期症状として「頭痛」を感じる人は13.6%にのぼりますが、
- 87.9%の発熱や
- 67.7%の咳
などには遠く及ばない数字です。(出典「WHOと中国を含む25か国専門家による報告(2020年2月25日)」)咳をすることで発生する飛沫感染についてはこちらの記事をどうぞ。

したがって「頭痛」を感じるというだけでは、新型コロナウイルス感染症にかかっていることを示す手がかりとしては弱いと言えるでしょう。
新型コロナウイルスの症状として、頭痛だけという場合はあるのかどうかを、新型コロナウイルス陽性と判定された実際の事例4つをみていきましょう。
厚生労働省の令和 2 年 2 月 22 日付の資料によると、名古屋市の新型コロナウイルスに関連した患者の発生について、以下のように公表されています。
患者Aについて
(1)概要
60 歳代 女性 市内在住 日本国籍
主な症状:発熱、鼻汁、頭痛
ここから分かることとして、患者Aの場合は、新型コロナウイルスに感染した際の主な症状として頭痛だけではなく、
- 発熱
- 鼻汁
も感じていたということです。
新型コロナウイルスの初期症状「鼻水(鼻汁)」についてはこちらの記事をどうぞ。

次に患者Bはどうでしょうか?
患者Bについて
(1)概要
40 歳代 女性 市内在住 日本国籍
主な症状:発熱
患者Bも同様に、頭痛だけの症状はないどころか、むしろ発熱の症状しかありません。新型コロナウイルスに感染した場合に、最もよく見られる初期症状「発熱」についてはこちらの記事をどうぞ。

では、患者Cの場合は、以下のように記載があります。
患者Cについて
(1)概要
60 歳代 男性 市内在住 日本国籍
主な症状:発熱、咳、倦怠感
患者Cも患者Bと同様に頭痛症状はありません。
では最後に患者Dは以下の通りです。
患者Dについて
(1)概要
60 歳代 男性 市内在住 日本国籍
主な症状:発熱
患者Dも患者B・Cと同様に、頭痛症状はないようです。
ここから分かることとして、「頭痛症状だけ」を感じたとしても、新型コロナウイルス感染症に掛かっていることを示す手がかりとしては弱いと言えるでしょう。
しかし前述の通り、新型コロナウイルスの初期症状として13.6%は頭痛症状が現れるので、「ただ頭が痛いだけ」などと安易に捉えるのではなく、症状が急激に悪化しないかどうかを慎重に見極め、十分な休息等をとるようにしましょう。
頭痛と同様に、
- 新型コロナウイルスの初期症状の一つである「喉の痛み」や、
- 医療機関受診の目安
等について学びたい方はこちらの記事をご参照ください。

コロナ「頭痛薬」
新型コロナウイルスの初期症状の一つである頭痛を感じた場合、頭痛薬を服用してもよいのかどうかを、市販で販売されている頭痛薬の例を挙げて説明します。
まず、頭痛薬といっても、様々な種類がありますが、新型コロナウイルスと頭痛薬に関してWHOが言及しているのは
- イブプロフェン
- アセトアミノフェン
の2つです。(出典)
イブプロフェンというのは、発熱時や痛みがあるときに、日常的に誰もが使う可能性がある一般医薬品として身近な薬です。(出典)
Amazonでも以下のようなイブプロフェンが配合される商品を販売しています。
さらに具体的にいうと、世界保健機関(WHO)は新型コロナに感染している疑いがある場合、頭痛治療に用いられる抗炎症薬「イブプロフェン」の使用について、「控えることを求める勧告はしない」と主張しています。(出典:東洋経済)
またWHOは、イブプロフェンよりもアセトアミノフェンを勧めていますが、まだ調査を進めている段階であると以下のように主張しています。
フランスのベラン保健相は14日、新型ウイルス感染時、イブプロフェンなど抗炎症薬服用は「悪化させ得る」とツイッターに書き込んでいた。これについて聞かれたWHO報道官は、危険性を証明する研究結果はまだなく「調査を進めている段階だ」と強調した。しかし「家で服用するならアセトアミノフェンを勧める。イブプロフェンではない」と述べた。また「専門家の処方がある時は別だ」とも指摘した。
当然のことですが、医師から頭痛薬を処方された場合は安心して頭痛薬を服用できますが、薬局などで購入するのであれば、WHOに従ってアセトアミノフェン主剤の薬の一例として、こちらの頭痛薬を服用するのがよいでしょう。
しかし、アセトアミノフェンと同様に、熱さましや痛み止めとして使用することが多いイブプロフェンなどにも、
- 空腹時の服用を避けたり、
- 飲む人の年齢
など、副作用が発生してしまう落とし穴が存在します。
そこで、併用薬がある人や、服用に際して不明なことや不安がある場合は、ドラッグストアや薬局にいる身近な医療従事者である薬剤師に遠慮なく相談するようにしましょう。(出典)
新型コロナウイルス治療薬についてはこちらの記事をご参照ください。

新型コロナウイルス初期症状「息苦しい(肺炎)」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるかについてはこちらの記事をご覧ください。

新型コロナウイルスの潜伏期間についてはこちらの記事をどうぞ。

新型コロナウイルスの初期症状「味覚・嗅覚障害」についてはこちらの記事をご参照ください。

新型コロナウイルス初期症状「倦怠感」については以下の記事をご覧ください。

新型コロナウイルスの初期症状「痰がらみ」についてはこちらの記事をどうぞ。

新型コロナウイルスの初期症状の中でも、特に緊急性の高い13症についてはこちらの記事をご覧ください。

コメント