新型コロナウイルス初期症状「息苦しい(肺炎)」について知りたいですか?
新型コロナへの感染が疑われる「息苦しい症状」が現れたら注意すべき点を踏まえ、 どの程度の息苦しさなら新型コロナウイルスの初期症状を疑うべきなのかをご紹介!
人工呼吸器不足問題を学びたい方必見!
「息苦しさ」以外の新型コロナウイルスの初期症状についてはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「息苦しい」肺炎
息苦しい症状が現れたら要注意です。なぜなら、新型コロナウイルスへの感染が疑われるためです。
日本プライマリ・ケア連合学会が2020年3⽉11⽇に公開した、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の⼿引き」には、以下のように記載があります。
新型コロナウイルス感染症に合併した肺炎では,
- 強い湿性咳嗽
- 息苦しさ,呼吸困難
- 軽微な乾性咳嗽
- ほとんど呼吸器症状を呈さない
などの多彩な臨床像を呈します.
つまり、もし「息苦しい」と感じるならば、新型コロナウイルスによる肺炎の症状が現れている可能性があるということです。
新型コロナウイルス感染症であっても発症7⽇以内の早いタイミングで肺炎に⾄ることもあるため、慎重に経過を追う必要があります。特に、
- ⾼齢者や
- 基礎疾患を有する患者
- ⼜は妊娠中の⼥性
では、発症直後に肺炎に⾄ることもあるため要注意です。(出典)
なお、ここに併記されている「湿性咳嗽」とは、痰を伴う湿った咳のことです。(出典)
新型コロナウイルスの初期症状「痰がらみ」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「息苦しい」どの程度?
では具体的に、どの程度「息苦しい」と感じたら、新型コロナウイルスの初期症状を疑うべきなのでしょうか?
というのも、今は世界的に新型コロナウイルスが大流行していますが、実は発熱などのかぜ症状について、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気による場合が圧倒的に多い状況だからです。(出典:厚生労働省)
そもそも「息苦しい」とは、
- 「呼吸がしづらい」
- 「息が詰まる感じ」
- 「空気を吸い込めない感じ」
などの自覚的な症状を指しますが、呼吸困難は客観的に表現するのがむずかしいです。
例えば、
- 「胸がドキドキする」
- 「息が切れる」
- 「胸が締めつけられる感じがする」
- 「胸が痛い」
- 「だるい」
など、人によってもその表現の仕方はちがってきます。(出典)
もちろん風邪やインフルエンザにかかり、咳の症状が現れれば、誰しも「息苦しい」と感じることでしょう。そのため、単に咳が出るからといって、必ずしも新型コロナウイルスに感染しているわけではありません。
しかし他の諸症状(発熱・頭痛・味嗅覚障害など)と組み合わさっている場合は、新型コロナウイルスの初期症状であることを疑うべきです。これらの新型コロナウイルスの初期症状については以下の関連ページをご参照ください。
しかしながら新型コロナウイルスであるかどうかは、最終的には検査をしてみない限り分かりません。少しでも不安に感じるようであれば自己判断するのではなく、医師の診断を仰ぐ必要があります。
風邪やインフルエンザ等の心配があるときには、これまでと同様に、かかりつけ医等に相談すればよいでしょう。一方で、新型コロナウイルスへの感染が心配である場合には、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。
特に、「帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安」として厚生労働省より公表されている以下の条件に当てはまる方は、同センターに早急に相談するようにしましょう。
帰国者・接触者相談センター等にご相談いただく際の目安
☆ 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
☆ 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
※高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)など)がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方
☆ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)(出典:厚生労働省)
上記目安に出てくる新型コロナウイルス初期症状「倦怠感」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「息苦しい」人工呼吸器
新型コロナウイルス初期症状により「息苦しい」と感じる状態が続き、重症肺炎となった場合は、人工呼吸器等を使用することがあります。しかし日本において人工呼吸器は海外からの輸入が9割以上を占めていて、国内での不足が懸念されています。(出典)
もしこのまま人工呼吸器が不足すれば、イタリアのようにトリアージすることにより、若く、助かる見込みの高い患者を優先して治療しなければならなくなってしまいます。(出典)
アメリカのニューヨーク州では一時期、人工呼吸器が不足してしまうギリギリのところまで到達しました。
しかし2020年4月13日時点では、新型コロナウイルス患者の
- 入院数も
- 人工呼吸器の装着件数も
減少傾向にあるようです。 (出典)
そこで2020年4月13日厚生労働省は、国内での増産をはかる必要があるとして、トヨタ自動車などの異業種の企業が、製品の組み立てなどを医療機器メーカーから請け負いやすくなるよう、必要な審査手続きを迅速化する方針を決めました。 (出典)
したがって新型コロナウイルスが流行している日本は、人工呼吸器が不足するかしないかの瀬戸際に立たされていると言っても過言ではありません。
しかし、もし新型コロナウイルス患者が十分な数の人工呼吸器を医療機関で使用することができたとしても、医療従事者たちが人工呼吸器を使う時に大きな問題が生じます。それは大量のエアロゾルが発生しやすい状況になり、N95マスクが不足するという問題です。(出典)
エアロゾルというのは、微小な空気中で浮遊できる粒子のことです。くしゃみや咳をすると新型コロナウイルスはエアロゾルとなって空気中に漂います。(出典)
インフルエンザウイルスを含む多くのウイルスは、乾燥して感染性を失います。したがって、新型コロナウイルスはインフルエンザ同様、エアロゾルが乾燥する距離である2メートル以上離れれば感染しないと考えられています。(出典)
「なんだ、2メートル離れれば感染しなくなるのか。それのどこが問題なの?」と疑問を感じる人もいるかもしれません。しかし、新型コロナウイルスが感染しなくなるというのは、空気が乾燥していたらの話です。
一方で、湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため、驚くことに、秒単位から1分間ではなく、数分から30分程度も感染性を保持してしまうのです。(出典)
したがって、人工呼吸器装着の措置に当たる医療従事者はN95マスクが必須となります。そこで厚生労働省は新型コロナウイルス対策として、N95マスクは滅菌により2回まで再利用を可能とする例外的取扱いを指示しました。(出典) つまり日本の医療崩壊が間近に迫っており、それを回避するために、あらゆる手段が講じられているということです。
他にも、2020年4月14日大阪府の医療現場では防護服が不足しているので、雨合羽が一般家庭で余っていたら買い取らせて欲しいとも言っています。これは、現状ではゴミ袋をかぶって新型コロナウイルス患者への対応をしているので、雨合羽ならまだマシという考えです。(出典)
このようなことから、新型コロナウイルスの感染拡大による医療崩壊を防ぐために、
- 外出自粛や
- 手洗いの徹底、
- マスクの装着
など、個々人が出来る限りの感染予防を行うよう心がけましょう。
マスクの正しい使い方についてはこちらの記事をご参照ください。
もっと知りたい
新型コロナウイルスについてもっと詳しく知りたい方向けのおすすめ記事を紹介します。
新型コロナウイルスの初期症状の中でも、特に緊急性の高い13症についてはこちらの記事をご覧ください。
新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるかについてはこちらの記事をご覧ください。
新型コロナウイルスの潜伏期間についてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルスの致死率についてはこちらの記事をご覧ください。
コメント