森岡毅氏の統計学マーケティングについて知りたいですか?
森岡毅氏は、
- 統計学に基づいた定量分析結果と
- 定性分析結果
を組み合わせることで、精度の高い予測や計画を立てることに成功したといえます。
その具体的な方法を説明します。
戦略立案に携わるマーケティング関係者や、経営者は必見です。
森岡毅の統計学マーケティング
森岡毅の統計学マーケティングについて説明します。
統計学に基づく定量分析と定性分析を組み合わせる
森岡毅氏が主張する中で強調している点は、複数の統計データが指し示す定量分析結果と定量分析結果を組み合わせるべきだということです。
これこそが、USJをV字回復させた森岡毅氏の勝因だと思われます。
たしかに1つの統計データから言える事は精度が低く、誤っている可能性があります。
そこで、複数の定量分析結果から言えるものを、さらに定性分析と組み合わせて予測を立てるのです。
これを行うことで、実践に基づいた数字のデータを生かすことができます。
数字に基づいたマーケティングについて、詳しくは森岡毅氏の著書「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」をご参照ください。
森岡毅氏が実際に用いた定量分析手法について、数式を使って具体的に説明されています。
統計学の定量分析結果における、相関関係と因果関係は異なることに注意
統計学の定量分析結果における、
- 相関関係と
- 因果関係
は異なることに注意すべき、ということについて説明します。
実は統計データを定量分析しただけでは、導き出された結論は単なる相関であって、因果関係がない場合が多いです。
なぜなら、定量分析結果は、たまたまの分析結果だった可能性があるからです。
一方で、もしかしたら、それが本来の根本的な原因である可能性もあります。
しかしその違いは、根拠が乏しいために、誰にもわからないことなので注意が必要です。
そして、結局は予測は外れてしまうというのが大概の失敗例です。
このことは、グロービス経営大学院の鈴木健一氏の著書「定量分析の教科書―ビジネス数字力養成講座」で事例をもとに分かりやすく説明されています。
定量分析について理解されたい方は、一読されることをオススメします。
なお、森岡毅氏のマーケティングは、
- 複数の統計学に基づいた定量分析結果を、
- さらに定性分析と組み合わせて分析を行う
ことにより、精度を上げることに成功しています。
MECEフレームワークを用いる定性分析について、詳細はこちらの記事をご覧ください。
客観的・主観的な情報に基づく、定量分析と定性分析
森岡毅氏は、客観的・主観的な情報に基づき定量分析と定性分析を行う、ということについて説明します。
森岡毅氏は、まず定性分析を行い、加えて定量分析を行うことで最終的な予測を導き出します。
その際に見習うべきは、自分の足でUSJ内の現場を見て回り、別部門の意見を聞き、アイデアを探したということです。
常に
- 客観的
- 主観的
の両方の視点に基づく情報を集めた上で、定量分析と定性分析を行っています。
複数の視点に基づく分析結果は、1つの視点から作り上げる予測よりも、精度が上がっていきます。
ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド ~バックドロップを後ろ向きに走らせるアイデアを考える際にも、森岡毅氏は技術部門から得た声も、1つの分析データとして取り込むことにより、予測精度をさらに増すことに成功しています。
あなたも、客観的・主観的な情報に基づき、様々な切り口から定量分析と定性分析を行うことで、より精度の高い予測を実践していきましょう。
定量分析と定性分析を組み合わせ、実践で活かす方法についての詳細はこちらの記事をご覧ください。
消費者視点で根本情報に触れる事の重要性
消費者視点で根本情報に触れる事の重要性について説明します。
森岡毅氏の著作の中では言及されていませんでしたが、モンスターハンターのアトラクションは、モンスターハンターの細やかな時代背景まで加味して制作されているはずです。
原作に忠実だからこそ、アトラクションは多数の顧客を集めることができたはずです。
というのも、数字だけ組み合わせて、統計学に基づいたマーケティングを行ったとしても、大した成果は残せないはずだからです。
そうではなく、森岡毅氏が現場のアトラクションに足を運び顧客の反応を見て回りました。
また、さらに森岡毅氏はそのアトラクションの元となる、原作のモンスターハンターのゲームソフトを400時間もプレイしまくりました。
これらの地道な積み重ねが、根本的な情報に触れるという戦略でもあると思います。
その結果、ゲームの中で描かれていた、
- 微妙なニュアンスや
- 演出
などを反映させられることに繋がっているのだろうと感じます。
森岡毅氏の消費者視点に立った分析については、こちらの記事をどうぞ。
森岡毅の書籍の欠点
森岡毅の書籍の欠点について説明します。
森岡毅氏がどこで手を抜いたのかを記載していない
森岡毅氏の書籍は確かに役に立ちますが、一点だけ欠けているものがあります。
それは、森岡毅氏がどこで手を抜いたのかを記載していないという点です。
大きな成果を出す場面では、必ず手を抜いている場面が存在するはずです。
それにもかかわらず、手抜きの場面は記載していないので、ニュアンスは伝わってきますが、結局のところ核心部分が伝わってきません。
そのため、森岡毅氏の著書を読んだ方は、マーケティング全体の方向性は掴めただけであり、何となく分かった気で終わりにしてはいけません。
森岡毅氏の真似をするだけでは、成功することは難しい
誰かが大きな成果をあげたとき、結果だけ見てしまうと達成した人が、まるで優秀な人物のように見えてきます。
しかし森岡毅氏が著書で言っていることが事実であれば、必ず大敗している場面があるはずです。
その場面を森岡毅氏から教えてもらわない限り、具体的にどこに資源を集中しないべきかが分かりません。
そのため、森岡毅氏の真似をするだけでは、成功することは難しいと思われます。
しかし選択と集中の重要性について、森岡毅氏は著書「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」において、「戦略とはどこで手抜きをするかを決めること」と述べられていますが、正に名言です。
森岡毅氏はきっと特殊な手抜きの仕方をしたので、重要な影響力の多いポイントで差をつけることができているはずです。
手抜きをするということは、マーケティングにおいて弱い競争相手を探すことです。
詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
まとめ
森岡毅氏のの統計学マーケティングは、統計学に基づく定量分析と定性分析を組み合わせることで、高い精度で予測や計画を立てることができます。
その際に、相関関係と因果関係を混同しないように注意するようにしましょう。
客観的・主観的な情報に基づく、定量分析と定性分析を行うことで、予測精度を増すことができます。
そのためには、例えば自分の足で現場を回り、別部門からも意見を聞くことが重要になります。
さらに、消費者視点で根本情報に触れるように地道な努力を積み重ねることで、顧客の満足度は高まるはずです。
また、森岡毅氏の書籍に関しては、森岡毅氏がどこで手抜きをしていたのかの記載がない点が欠点であると言えます。
そのため森岡毅氏の真似をするだけでは、同様の成功を手にすることはできないので注意しましょう。
コメント