新型コロナウイルスの初期症状として、若者は軽症で済むか知りたいですか?
新型コロナによる若者の致死率を踏まえ、
- 若者の死亡事例や
- 若者が重症化しない理由、
- 若者に対する厚生労働省からのメッセージ
等をご紹介!
体調が悪く、もしやコロナウイルス?などと不安に感じている若者必見!
新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるかについてはこちらの記事をどうぞ。
コロナ初期症状「若者は軽症で済むのは本当か?」
新型コロナウイルスの初期症状として、若者は軽症で済むことが多いとの説は本当なのかどうか?という点について説明します。
まずここでいう「若者」の定義ですが、若者とは39歳以下の人を指します。
厚生労働省の新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引きによると、 以下のように記載があります。
40 歳代までは重症化は少なく,50 歳代から年齢が高くなるに従って致死率も高くなる
つまり39歳以下の若者は重症化せずに、軽症で済む可能性が高いということですが、これは絶対に正しい情報であると断定できるのでしょうか?
世界では若者でも重症化してしまう事例が多数報告されています。例えば、アメリカの新型コロナウイルスの震源地である
- ニューヨーク州や
- ニュージャージー州
では、感染症にかかって入院してくる患者さんが20~40代ばかりです。
以前までは、
- 65歳以上の高齢者や
- 心臓や肺に疾患を持っている人
などが中心でしたが、今はそうではなくなっています。(出典:日経ビジネス)
以下の表は、2020年3月25日付ビジネス・インサイダーの記事に掲載された、ニューヨーク市における
- 年齢別新型コロナ感染者数や
- 死亡者数
などを示しており、表の数字は3月30日に更新されています。
この表をみてみると、感染者が最も多いのは実は18~44歳の「若者」に該当する年齢層であり、死者も41人に上ります。
これらのことから考察すると、若者は新型コロナウイルスに感染することを、「どうせ軽い病状で済むだろう」などと安易に考えてしまったとしたら、以下に挙げる二つのリスクも考えられます。
まず一つ目のリスクとして若者は、「たとえ感染したとしても、高が知れている」などと高を括って体調管理が甘くなり、新型コロナウイルスに感染してしまう恐れがあります。つまり、どんなに健康な若者であれ、
- 仕事などで無理をしたり、
- 夜更かしをして睡眠不足が続いたり
すれば免疫力が落ち、新型コロナウイルスに感染しやすくなるので注意が必要です。
実際のところ、3月20日にWHO(世界保健機関)は世界中の若者に対し、新型コロナウイルスの
- 危険性を理解し
- 行動を選択する
よう、以下3つの呼び掛けを行っています。(出典)
- 「あなた方は無敵ではない。このウイルスはあなたを殺すことさえできる」
- 感染予防のためには適度な運動やアルコールを控えることも重要である
- 喫煙はウイルスに感染した際に重篤な症状を引き起こすリスクがある
WHOが発信するこれらの警告から、若者は新型コロナウイルスに対して油断している可能性があるとも考えられます。
新型コロナウイルスの初期症状「味覚・嗅覚障害」についてはこちらの記事をご参照ください。
そして二つ目のリスクとして、若者が新型コロナウイルスに感染したにも関わらず、
- 「ただの風邪だろう」
- 「新型コロナに感染しても、どうせ若者は重症化しないんでしょ?」
などと安易に考え、ウイルスを40歳代以降の人達に移してしまうことも懸念されます。
この根拠として、サーベイリサーチセンターが2020年4月2日に行なった全国47都道府県に住む20歳以上の男女に対するインターネットリサーチモニターによると、20代の21.1%は新型コロナウイルスに感染することに対し、不安を感じていないということです。
自分が新型コロナウイルス感染症に感染する不安について、強い不安を感じているのは30代が31.6%、60代以上が18.7%と、若い年代が多い。ただし、20代の21.1%は不安を感じておらず、60代以上の16.0%に比べ5%程度ではあるが懸念度が低いという結果となった。
上記のグラフをみると「まったく不安を感じない」と回答している人は、2.5%~6.4%存在し、どの年代であれ新型コロナウイルスへの感染に危機感を感じていない人はいるようです。
おそらく新型コロナウイルスは、たとえ日本国民の大部分が外出自粛等をすることで感染拡大を抑えようと努力したとしても、一部の油断しがちな人たちがウイルスを拡散させてしまえば、ウイルスは拡大し続けるでしょう。したがってこの調査結果は、日本と新型コロナウイルスとの長期戦になる可能性を示唆しているとも言えます。
新型コロナウイルスの
- 飛沫感染予防策や
- 飛沫感染する距離
等についてはこちらの記事をどうぞ。
コロナ初期症状「若者の致死率」
では実際に新型コロナウイルスにかかったとして、若者の致死率や、もし高齢者の人に移してしまった場合はどうなるのでしょうか?
若者や高齢者を含めた、年齢別の新型コロナウイルスの致死率は以下のグラフの通りです。
画像出典
ここから分かることとしては、
- 乳児や幼児
- 小学生
- 20代
- 30代
等の若者の致死率は、たったの0.2%だということです。
つまりこの情報が本当に正しければ、新型コロナウイルスによって若者が死亡する確率はほぼないと言っていいでしょう。
しかし、根拠となるデータが中国のものであるという点は注意が必要です。
なぜなら、中国がこれまで新型コロナウイルスの
- 感染例や
- 死者数
をいずれも過少報告し、感染の広がりの実態を隠蔽していたと報じられてもいるからです。(出典)
また、疑惑がかけられている中国のデータですら、若者の死者数もゼロではありません。したがって、「コロナによる若者の致死率は低いから大丈夫」などという過度な楽観視は禁物です。
一方で80歳以上の高齢者の致死率は、14.8%にものぼります。
これらのことから、新型コロナウイルスに感染した場合は約74倍の確率で、若者よりも高齢者の方が、死に至る可能性が高いということがわかります。新型コロナウイルスの致死率について、詳細はこちらをどうぞ。
したがって、若者は「自分は大丈夫」と安易に考えるのではなく、「他人を殺す可能性がある」との自覚を持ち、
- マスクの装着や
- 手洗い
などの予防を徹底するべきです。
マスクの裏表の見分け方や、マスクの裏表を意識せず逆に付け替えてしまった場合のデメリットについてこちらの記事で紹介していますのでご参照ください。
コロナ初期症状「若者の死亡事例」
新型コロナウイルスの初期症状について、若者は重症化しない傾向があると言われていますが、死亡事例も存在します。
新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう中、欧米で注目が集まるのは、高齢者だけでなく若年層の感染や死亡の報告が増えていることです。
米国においては、
- 2020年3月24日にロサンゼルスで17歳の男性が
- 2020年3月25日にはサンディエゴの自宅で自主隔離中だった25歳の男性が
- 2020年3月28日にはイリノイ州で0歳児が
新型コロナウイルスにより死亡しました。(出典)
また、英国やフランスにおいては、
- 2020年3月21日にい21歳の女性が
- 2020年3月30日にも13歳の少年が
- 2020年3月26日に16歳の少女が
新型コロナウイルスで死亡しています。
さらに、ベルギーでは、2020年3月30日に新型コロナウイルスに感染した12歳の少女が死亡しました。(出典)
これらのことから、専門家は「日本でも若者が死亡する可能性がある」と警鐘を鳴らしています。(出典)
たしかに若者の死亡事例があるということは事実ですが、新型コロナウイルスが世界的な猛威を振るう中、若者の死者が少ないことは事実です。
例えば、中国の研究で目立つのは、子どもの感染者がほぼいないことです。
- 10~19歳の感染者は1%にとどまっており死者はゼロ、
- 10歳未満では感染者は1%に届かず、十代と同様に死亡例の報告はゼロ
というのは驚きです。(出典)
しかし前述の通り、中国がこれまで新型コロナウイルスの
- 感染例や
- 死者数
をいずれも過少報告し、感染の広がりの実態を隠蔽していたとも報じられてもいるので、情報が正しくない可能性もあるので注意が必要です。(出典)
また、2002~03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)でも、若者の感染率は低い割合にとどまりました。さらに、中東呼吸器症候群(MERS)でも感染が確認された子供の大半は無症状でした。(出典)
そのため、若者であるにもかかわらず下痢や軟便になったら、まずこちらの記事を参考に、原因を明確化するようにしましょう。
コロナ初期症状「若者が重症化しない理由」
そもそも、なぜ若者は新型コロナウイルスに感染しても初期症状が軽く、重症化しない傾向があると言われているのでしょうか?
その理由としては子供よりも大人の方が、
- 糖尿病
- 高血圧
- 心臓病
- 呼吸器疾患(COPD 等)
- 透析
- 免疫抑制剤
- 抗がん剤
などの基礎疾患を持っている可能性が高いからだと考えられています。これらの基礎疾患は感染に対する抵抗力を弱めてしまいます。(出典)
しかし、若者が重症化しない傾向があるという明確な理由は、まだ完全には解明されていません。(出典)言い換えると、年齢が高くなるにつれて重症化しやすくなる原因は謎なのです。
しかしよく考えてみれば、ウイルス性疾患に子供が感染した場合はごく軽症でも、大人がかかった際はより重症になるのは珍しいことではありません。たとえば水疱瘡を例に考えてみましょう。水疱瘡に子供がかかってもたいしたことはない場合が多いが、大人は重症化しやすいです。(出典)
しかし若者も新型コロナウイルスが重症化する可能性は存在するので、新型コロナウイルスの初期症状の一つである「喉の痛み」を感じたら、医療機関受診の目安をこちらの記事でご確認ください。
コロナ初期症状「若者に対する厚生労働省からのメッセージ」
厚生労働省も新型コロナウイルスのことについて、若者に対し以下のようなメッセージを発信しています。
若者の皆様へ
新型コロナウイルス感染症は、罹患しても約8割は軽症で経過し、治癒する例が多いことが報告されている一方、高齢者や基礎疾患をお持ちの方は、重症化するリスクが高いことが報告されています。皆さまご自身を守るため、そして、大切な人を守るため、感染症の予防策の徹底を引き続きお願いします。
(出典:厚生労働省)
つまり厚生労働省も新型コロナウイルスに若者が感染したとしても重症化しないということ認め、若者が自分自身のためではなく、高齢者や基礎疾患を持っている人に対して配慮しなさいと主張しているのです。
また、新型コロナウイルスが世界的な猛威を振るう中、2020年03月31日に厚生労働省は新型コロナウイルスに関する若者向け啓発動画として、以下のような動画も公開しています。
この動画の中には若い世代から絶大な支持を得る、東京ガールズコレクション出演モデルたちがメッセージを発しています。しかしこの動画の最後の方(動画0:54の箇所)に、以下のようなメッセージが記載されています。
重症化リスクが低いと言われていますが重症化するリスクの高い人に感染を広めてしまう可能性があります。1日でも早くみんなで会えるようにひとりひとりが意識し行動しましょう!
これらのことからも、厚生労働省は若者は新型コロナウイルスが重症化するリスクが低いということを認めており、若者は高齢者や基礎疾患がある人に配慮し、感染を広めないよう心がけるべきであるというメッセージを発信していることが分かります。
しかし繰り返しになりますが、若者でも死亡する可能性はゼロではありませんし、中国の報告されたデータが誤っている可能性もあります。(出典)
従って、若者でも死亡する可能性があるということを肝に銘じ、体調が優れない場合は早めに専門家に相談するように心がけるようにしましょう。そうすることで新型コロナウイルスによる若者の死亡率を、減少させることに繋がるはずです。
体調不良として、例えば新型コロナウイルスの初期症状「頭痛」を感じている人は、こちらの記事をご参照ください。
新型コロナウイルスの初期症状の中でも、特に緊急性の高い13症についてはこちらの記事をご覧ください。
また、新型コロナウイルスに感染した場合に、最もよく見られる初期症状「発熱」についてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルス初期症状「息苦しい(肺炎)」について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
新型コロナウイルスに感染した場合、
- 痰が絡む症状が現れる割合や、
- 一般的な風邪との見分け方
等については以下の記事をご覧ください。
新型コロナウイルスの潜伏期間についてはこちらの記事をどうぞ。
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