森岡毅氏の娘について知りたいですか?
マーケティング精鋭集団「刀」の代表を務める森岡毅氏が、自身の娘に宛てた手紙を本にしたものが書籍「苦しかったときの話をしようか」です。
- 森岡毅氏が自分の娘に関する書籍を執筆した理由
- 娘に対する愛情や
- 彼の本当の目的である「自身のUSP」と「ブランド戦略」
を知りたい人は必見です。
なぜ、森岡毅は自分の娘に関する書籍を出版したのか?
なぜ、森岡毅氏は自分の娘に関する書籍を出版したのかについて説明します。
まず森岡毅氏の子供は4人いますが、そのうち3人が女の子です。
そして、森岡毅氏は2019年4月に書籍「苦しかったときの話をしようか」を出版しました。
この書籍は、大学を卒業する自分の娘に宛てた手紙を本にしたものです。
しかし、そもそも森岡毅氏が自分の娘を意識して本を執筆することは、実はこれが初めてではありません。
例えば書籍「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」によると、以下のように述べられています。
この本の目的は、実戦経験者の視点で、次の2つのニーズにできるだけわかりやすく答えることです。高校生の娘にもわかるように書きます。
森岡毅.USJを劇的に変えた、たった1つの考え方成功を引き寄せるマーケティング入門(角川書店単行本)(Kindleの位置No.101-102)..Kindle版.
本書は私の娘にも理解してもらうつもりで、できるだけ平易な表現で戦略の最も大事な部分に焦点を当てていこうと思います。
森岡毅.USJを劇的に変えた、たった1つの考え方成功を引き寄せるマーケティング入門(角川書店単行本)(Kindleの位置No.1159-1161)..Kindle版.
つまり、以前手掛けた書籍でも、娘を意識して執筆した本があったということです。ここから、森岡毅氏は自身の娘に対し、書籍で言及するほど愛情を注いで育てており、 愛娘に対して
- キャリア構築の重要性や
- マーケティングの重要性
を学んでほしいという想いが伝わってきます。
森岡毅氏が手掛けた5冊の書籍について、詳細は「 【森岡毅のオススメ本5冊】USJマーケティング施策と書籍の要約」をご参照ください。
森岡毅の強みは娘
森岡毅氏の強みは娘であり、子供が4人もいる多子世帯である、ということについて説明します。
森岡毅氏が常に念頭に置く戦略的な考え方として、今手元にある資源を最大限に活用するという点が挙げられます。
このことについては、森岡毅氏の著書「確率思考の戦略論」でも以下のように主張されています。
衝くべきビジネス・ドライバーを見極め、そこへ経営資源を集中することで「確率」を有利に操作するのです。そうすることで、勝てる戦いを選んで戦えるようになります。あるいは勝てそうにない戦いを、勝てる戦に変えることができます。企業ならもっと成長しますし、個人ならもっと成功するでしょう。
森岡毅;今西聖貴.確率思考の戦略論USJでも実証された数学マーケティングの力(角川書店単行本)(Kindleの位置No.72-74)..Kindle版.
ここで出てくる「ビジネス・ドライバー」とは、企業が達成しようとする目標(指標)のことを指します。
つまり、森岡毅氏は
- 自分の特徴や強みを正しく捉え、
- 「◯◯万部以上売れるベストセラー書籍を執筆するぞ!」という目標(ビジネス・ドライバー)に対し、
- 多子世帯であるという自身の特徴・強みに経営資源を集中させる(本のテーマにする)ことで、
- 勝つ「確率」を有利に操作しようとしている
のです。
森岡毅氏はマーケティング精鋭集団「刀」を創業して、まだ間もない時期です。起業したての頃は、どの会社であれとにかくお金が必要であり、資金繰りに苦慮する時期でもあります。そこで森岡毅氏が目を付けたのが、自身が持つ資本であり、「USP(Unique Selling Proposition)」です。USP とは、自分だけが持つ強みとも言い換えることができます。
森岡毅と言えば、真っ先に思いつくのはテーマパークのマーケターですが、彼の書籍には度々自身の家族のことが出てきます。
例えば 書籍「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」では、森岡毅氏の家族6人(本人+妻+子供4人)で USJに行き、アトラクション「JAWS」に乗った時、4歳の末っ子がサメが怖くて大泣きしてしまいました。その結果、低年齢の子供を持つ家族層向けのアトラクションが少ないため、開業以来顧客を取りこぼしてきたというUSJ の弱点に気付くことができたというシーンがあります。
マーケティングの基本は、自分の強みを最大限に活かすことです。
令和の世の中で、森岡毅氏のように4人もの子供を持つ親は、かなりの少数派です。
実際、厚生労働省の「令和元年(2019)人口動態統計の年間推計」によると、2018年度の日本の合計特殊出生率は、1.42にすぎません。(合計特殊出生率とは、一人の女性が出産可能とされる15歳から49歳までに産む子供の数の平均のことです。)
つまり、大部分の世帯の子供数は、せいぜい一人か二人でしょう。
それにも関わらず、4人もの子供を抱える森岡毅氏は、それが自分の USP であるということに気づいていたはずです。
森岡毅氏の著書「苦しかったときの話をしようか」では以下のような記述があります。
自分のユニークな特徴さえ認識できれば、一人一人が特別な価値を生む可能性があるということに他ならない。別の言い方をすれば、一人一人が違うから、一人一人が面白いし、一人一人に価値があるということだ。繰り返すが、最も大切なのは、自分の特徴をより早くより明瞭に認識することだ。それさえできれば、その特徴が活きる文脈を探して泳いでいくだけで、君はこの世界でユニークな価値を生み出すことができるだろう。
君がコントロールできる変数は、①己の特徴の理解と、②それを磨く努力と、③環境の選択、最初からこの3つしかないのである。
つまり、他の人がもたない自己の強みである「4人も子供がいる」という点を最大限活用するべきである、ということは伝わってきます。
森岡毅氏が、書籍「苦しかったときの話をしようか」で若者のキャリアについても言及することで、
- 10代・20代・30代の若者や
- 子を持つファミリー層
からの共感も呼ぶことができます。
森岡毅氏がこの本を通じキャリア論を執筆した理由について、詳しくはこちらの記事をどうぞ。
つまり森岡毅氏は、自身の書籍を販売するターゲット層を、ビジネスパーソンや経営者だけではなく、一般層にまで広げるために、自身の「多子世帯である」というUSPを活用するに至ったのです。
だからこそ、森岡毅氏の娘に関する書籍を出版したり、書籍の中で自身の家族のことを言及しているのです。
その結果、森岡毅という男のブランドを、
- テーマパークのマーケターという肩書きだけではなく、
- 四人の子供の父親であると言う肩書きにまで
広げようとしているのです。
これは彼自身のブランド戦略であり、自分の家族構成まで活用しようと思い至った動機であるはずです。
森岡毅氏のブランド戦略について、詳しくは「森岡毅が丸亀製麺のブランドを差別化する【MBAマーケティングで解説】」をご覧ください。
森岡毅が消費者視点から分析できたのは娘のおかげ
森岡毅氏が消費者視点から分析できたのは娘のおかげである、という点について説明します。
森岡毅氏はUSJ に転職した直後の2010年12月に、PSP版ゲーム「モンスター・ハンター ポータブル2nd G」を400時間プレイし消費者視点で分析を行いました。そのことが、「モンスターハンター・ザ・リアル」のアトラクション導入に繋げるきっかけになりました。
しかしゲームを400時間もプレイするということは、学生ならまだしも社会人でそれだけの時間を費やすと言うのは尋常ではありません。
もちろん森岡毅氏がゲームが元々好きだった、ということもあるかもしれません。しかし彼がそこまで長時間ゲームに熱中することができたのは、当時年齢が12歳ぐらいでゲームに熱中する年頃であった、長女や次女たちのおかげであると言えます。
森岡毅氏が一人で孤独にゲームをプレイすることもあったはずですが、大部分の時間は子供達とコミュニケーションを取りながら、楽しくゲームに熱中できていたはずです。もしこの400時間という長時間に及ぶ消費者視点での分析がなかったならば、現在のUSJ のモンスターハンターのアトラクションは、存在しなかった可能性もあります。したがって、森岡毅氏の強みは娘(家族)であるとも言えます。
森岡毅氏の、消費者視点から戦略地図を作成する方法について、詳しくは「【森岡毅の高校時代】消費者視点から経営の戦略地図を作成する方法」をご参照ください。
森岡毅の娘とCM
書籍「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」によると、娘がいたからこそテレビ CM で効果的なマーケティングを行うことができた、とも考えられます。
具体的に言うと、森岡毅氏が2010年のUSJ のクリスマスのテレビ CM を検討する際に、自分の娘がいるがゆえに、「父親と娘が、二人でクリスマスのパークをデートしているストーリー」を考えついた可能性があります。
この CM では娘が女になる、という親の恐れを掻き立てることが狙いでした。
例えば、
- 娘が無邪気にパパの二の腕を掴み、斜め45度の目線で笑う親父殺しショットや、
- 無邪気な娘の女の顔を彷彿させるアングルや仕草
等を徹底的に計算して盛り込むことに成功したのは、森岡毅氏の自身の娘への感情が反映していたからであるとも言えます。
なお、「自分の娘もあっという間に大人になっちゃう」という大人にとっては切ないインサイトを衝くことにより、この CM は大成功を収めました。
USJで森岡毅氏が実際に手掛けた3つの2010年度TVCMとしては、こちらの動画の0:35から1:31の部分をご覧ください。
この動画において特に注目すべき点としては、2010年度の3つ目のCMである1:02から1:31までの部分で、以下のようなナレーターのセリフです。
「ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで、君と一緒のクリスマス。本物のサンタに大はしゃぎして、天使の奇跡に目を見張る。いつか君が大きくなって、クリスマスの魔法が解けてしまう前に、あと何回こんなクリスマスが過ごせるかな。」
このセリフを分かりやすく翻訳すると、以下のようになります。
「あなたの未だあどけなくて可愛い娘はすぐに大きくなって、クリスマスなんてあなたと一緒に過ごしたがらなくなります。すぐにクリスマスイブは帰ってこなくなって、彼氏と過ごすようになりますよ。だって、お母さん、お父さん、あなた達にも身に覚えがあるでしょう?」
このように、「娘が成長し女になる!」という親の恐れを掻き立て、いつかは自分の手を離れてしまう、親にとっての切ない心を衝く消費者インサイトのことを、森岡毅氏はハート・オープニング・インサイトと呼んでいます。
そして森岡毅氏は、この顧客とのコミュニケーションを軸に、TVCMやWEBによるマーケティング・プログラムを制作しました。その結果、2010年のUSJのクリスマスシーズンの集客効果を、前年に対して倍増させることに成功しました。
このテレビ CMについての詳細や経緯については、書籍「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」をご参照ください。
また森岡毅氏の業績について、詳しくは「森岡毅の経歴と業績~プロフィールやUSJ施策を時系列にご紹介~」をご参照ください。
森岡毅の娘とサイコパス
また、森岡毅氏の著書「確率思考の戦略論」でも、サイコパスに関する話で森岡毅氏の娘について言及しています。
森岡毅氏がP&Gに在職中にアメリカに住んでいた時、森岡毅氏の小さかった娘は、現地の小学校で大多数のアメリカ人の子供達の中では少数派の日本人でした。
そのような森岡毅氏の娘の友人の中には、親しかった白人の男の子であるボビーくんがいました。しかしボビーくんは自分が負けそうになると、いつもルールを変えてしまうことにより、森岡毅氏の娘はボビーくんと遊ばなくなってしまいました。
このことを例に、欧米人に多いサイコパスは、ビジネスの世界で、
- 強みを封殺するような業界のルール変更や
- ゲームの軸をひっくり返すような戦略的ゲームチェンジの機会
を常に狙っていると説明しています。
サイコパスについて詳しくは「森岡毅が「プロフェッショナル 仕事の流儀」で伝えたかった真意」をご覧ください。
森岡毅と娘の関係
森岡毅氏と娘の関係はかなり良好です。
例えば、娘とキャリアについて、日頃から会話ができている家族はそう多くはないでしょう。
また、マーケティングとは何かということについても、親子で話し合いまで行っています。
したがって、娘との家族の絆をより強固なものにするために、娘に関する本を執筆したとも言えます。
また、森岡毅氏は自分の娘から、かなり褒められています。
そのことは、森岡毅氏がダイエットに成功したことからも分かりますので、詳細は「【森岡毅が痩せた理由】ダイエット成功要因は病気?まるでライザップ」をご参照ください。
森岡毅についてもっと知りたい
森岡毅氏が手掛けている沖縄テーマパーク構想について、もっと詳しく知りたい方は「【刀森岡毅の沖縄テーマパーク計画】地理的戦略とハワイを超える資源」をご参照ください。
森岡毅氏は西武園ゆうえんちの大改革にも携わっています。詳細は、「森岡毅が西武園ゆうえんちと協業【なぜ、リニューアルが必要なの?】」をご覧ください。
近年、レゴランドが集客に苦心しているようです。
そこで、つい考えてしまうのが、USJをV字回復させた森岡毅さんだったら、レゴランドをどのように変えるのだろうか?という点です。
私の視点から見て、「森岡毅さんなら、きっとこのようにレゴランドを改革するだろうな」ということについて、詳細は「森岡毅ならレゴランドをどう変えるのか【消費者視点とプライシング】」をご覧ください。
森岡毅氏によるセミナーについて興味がある方は、「【森岡毅のセミナー2020】講演料と講演会の目的【イベント情報】」をご参照ください。
森岡毅氏による定性分析やMECEの考え方について、詳しくは「【森岡毅】定性分析でマーケティングをするコツ【MECEフレームワーク】」をご覧ください。
森岡毅氏のマーケティング戦略の全体像を把握したい方は、「【森岡毅のマーケティング戦略】定性×定量×戦況分析【刀や本情報】」をご覧ください。
コメント