起業する方法を知りたいですか?
起業する方法は二種類があり、個人事業主と法人設立とでは税制面で大きく異なってきます。
もし起業する方法を誤ってしまうことで、金銭的にも損をしてしまう可能性があります。
副業を始める方や事業を始めたい方は必見です。
起業するには、個人事業主と法人設立はどちらにするべき?
あなたがこれから起業するのであれば、法人としてではなく、個人事業主から始めるのがいいと思います。
起業すると言っても、以下2つの方法があります。
- 個人事業主として届出をする
- 法人を設立し、その会社の役員に就任する
それぞれの特徴を説明していきます。
「個人事業主として届出をする」とは
個人事業主として届け出をするということは、
- 起業をする
- 副業をする
ということと同じ意味です。
2018年1月には厚生労働省より、副業・兼業の促進に関するガイドラインが公表されたことにより、副業解禁元年などとも呼ばれています。
そのため、今後は個人事業主として働きたいという人が増えていくことでしょう。
個人事業主の届け出をする条件は?
個人事業主として届け出をする条件はありません。
誰でも無条件に届け出をすることができます。
- 届け出をする条件を気にするよりも、
- 届け出をしなければいけない条件を気にした方が良い
と思われるので、説明しておきます。
確定申告をしなければいけない条件は?
確定申告をしなければいけない条件を説明します。
年間で20万円以上の収入を得るのであれば、個人事業主として確定申告をして、税務署に届け出をする必要があります。
例えば、ブログを運営して、年間の収入が20万円以上になった時点で構いませんので、個人事業主として届け出を行い、税務署で確定申告を行うようにしましょう。
起業時は、法人ではなく個人事業主がオススメな理由
起業時は、法人ではなく個人事業主がオススメな理由を説明します。
個人事業主と法人の二つの内で、よりお金がかからない方は、個人事業主です。
その理由を具体的に紹介していきます。
個人事業主のメリット
個人事業主のメリットは
- 手軽であり、
- 費用が少ない
という点です。
例えば、個人事業主になるためには、役所に書類を届け出るだけで済みます。
しかも、郵送で送付するだけでOKなので手軽に行うことができます。
しかし一方で、法人を設立するためには様々なお金がかかり、費用合計は約30万です。
その内訳は、
- 公証役場で約5万円、
- 法務局で約15万円、
- 税理士などへの代行依頼手数料で約10万円、
などの費用が掛かります。
そのため、初期費用の面では法人よりも個人事業主の方が安く済ませることができます。
個人事業主は住民税の負担が少ない
また法人設立後は、住民税を毎年払い続けなければいけないので、個人事業主よりも維持コストがかかります。
そのため、もし個人事業主として経営してみて、
- 経営が上手くいき、
- 利益が出るようになった
後に、法人を設立することをオススメします。
利益が出てもいないのに法人を設立すると、住民税分を多く支払うことになってしまうので、法人設立の方が負担が多くなってしまいます。
法人設立のメリット
法人設立のメリットを紹介します。
個人事業主は法人設立と比較して「良いこと尽くし」というわけではありません。
前述の項目以外の税金の面では、法人の方が優遇されています。
節税対策がしやすい
法人設立のメリットは、なんと言っても節税対策がしやすい点です。
具体的に紹介します。
法人の方が長い期間をさかのぼって赤字と相殺できる
例えば、経営で赤字を出した場合、個人事業主の場合で青色申告の届け出をしている場合は、3年間分までしか遡って繰越控除できません。
それに対し、法人の場合は、9年間分遡って赤字決算を繰り越すことができます。
確定申告書を提出する法人の各事業年度開始の日前9年(注1)以内に開始した事業年度で青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金額は、その各事業年度の所得金額の計算上損金の額に算入されます。
出典
国税庁HPより引用
No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除
No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除|国税庁
この制度のために、赤字決算の法人が大部分を占めているといえます。
そもそも9年間も存続する法人の方が、存続せず倒産してしまう法人よりも少ないです。
つまり、9年間も遡ることが出来るので、日本全国の大部分の法人は赤字として申告しているということになります。
しかし繰り越すことができる時間は今後変更される可能性もあるので、最新情報は国税庁HPをご自身で確認するようにしてください。
所得分散効果があるので妻を役員にしよう
法人は個人事業主と違って、役員報酬を欠損金として処理できるという点がメリットです。
例えば、役員として夫と妻の二人に設定した場合、給与所得控除枠の分だけ節税することができます。
そのため、妻が専業主婦だった場合を例に説明します。
夫の給料から家族の生活費9万円を妻に渡すよりも、法人を通じて給与として生活費9万円を渡した方が、給与所得控除枠の部分だけ節税対策になります。
夫が一人で年収700万円を得るよりも、妻を役員にすることで、
- 妻の年収が200万
- 夫の年収が500万円
に所得を分散させた方が所得税率を低くすることができます。
しかし夫の年収が300万円程度であれば妻と二人で200万円と100万円の所得に分散したところで、節税できる金額はたかがしれています。
つまり累進課税により年収は上昇していくので、年収がある程度高い人向けの方法であると言えます。
そのため、年収が600万円以上ある人は、節税のためには妻が専業主婦である場合は妻を役員にすることで、所得税を低く抑えることを検討するべきです。
銀行融資の審査は、個人事業主より法人が有利とは限らない理由
銀行からお金を融資してもらうときに、法人の方が有利かといえば、実はそうでもありません。
というのも銀行融資の審査は、保有資産や経営状況によって多面的に評価されるものなので、法人だから有利であるとは一概には言えないからです。
経営状態が良い方が融資の審査に通りやすい
そのため、もし個人事業主が銀行の融資を受けたいのであれば、無理に法人を設立するよりも、
- キャッシュフロー状況を整えたり
- 利益を上げる
などして経営状態を良くすることの方が重要です。
例えば、売上をあげている事業であったとしても、利益が伴っていないと銀行も融資してくれません。
そのため、まずは経営効率を向上させることに専念するべきです。
お金や担保がある方が審査に通りやすい
銀行の融資の審査を突破したいならば、お金や担保となる不動産などがあった方が審査に通りやすいです。
なぜなら、事業で失敗しても、銀行はお金や担保となる不動産を手に入れることができるからです。
例えば、土地と新築の住宅をローンも組まずに購入した人がいたとします。
その人は個人事業主であり、銀行から100万円借りたいと申し出たところで、銀行はすぐに融資してくれるでしょう。
なぜなら、担保となる不動産があるからです。
一方で、
- 法人の経営が上手くいっておらず、
- 法人経営者の銀行残高も底をつきそうで、ほぼ無一文
- 自宅も賃貸暮らし
の法人の経営者が、銀行に融資をお願いしたところで、審査に通る可能性は低いでしょう。
お金も担保も無いからです。
銀行の融資の審査は、
- 個人事業主より法人の方が有利というわけではなく、
- お金や担保がある方が有利
ということなのです。
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