起業の科学流、「解決する課題の質」を高める経営戦略

A male surprised to hear that it is bankrupt 起業戦略
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起業直後に倒産せずに生き延びることができる会社は、どれだけ市場で顧客から必要とされるかにかかっています。

 

顧客から必要とされるためには、何に着目して経営をすればよいのかを説明していきます。

 

 

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起業の科学

「解決する課題の質」にフォーカスしよう!

起業の科学の著者である、田所雅之さんは著書の中で以下のように述べています。

 

”オフィスを飛び出して顧客のいるところを訪れ、対話をすることももちろん重要だ。ただし、その前にスタートアップがまずすべきことがある。自分たちのビジネスアイデアが市場から求められているものなのかを検証することだ。”

 

”スタートアップにおいて最も重要なアイデアは何か。それは、課題の質にフォーカスすることである。”

 

起業の科学 P.17、P18より引用

Bitly

 

そして起業を成功させるためには、解決する課題の質」と、「解決方法の質」の両方を兼ね備えたものが、良いアイデアであると田所さんは説明しています。

 

補足

ここでいう「解決する課題の質」とは、YahooでCSO(最高戦略責任者)を務める安宅和人さんの大ベストセラー著書「イシューからはじめよ」の中で使われている言葉を借りると、「イシュー度」(=論ずるべき度合い)というものです。

 

安宅和人さんは、価値の高い仕事をしたければ、イシュー度と解の質を高めましょうと著書の中で主張されています。

 

「解決する課題の質」=イシュー度のことを詳しく知りたい方は、安宅和人さんの著書をご参照ください。

Bitly

 

具体例

「解決方法の質」にばかり目がいってしまい、「解決する課題の質」が疎かになっていたために失敗した例

話をもとに戻すと、著書「起業の科学」の中で田所さんは、さらに具体例として失敗してしまった過去の事例として、Google Glass やアップルウォッチ1・2を例に挙げて説明しています。(アップルウォッチ3は売り上げが好調なので除外)

 

これら二つの事例は、「解決方法の質」にばかり目がいってしまい、「解決する課題の質」が疎かになっていたために失敗したといえます。

 

「解決する課題の質」を疎かにすれば、グーグルやアップルなどの大企業ですら失敗したのに、ましてやゼロから起業したての新興企業は、「解決する課題の質」を高めなければ失敗するのは目に見えています。

 

 

私なりに考えた具体例

「解決する課題の質」が低いのに、「解決方法の質」だけを高めようとして失敗した例

かぼちゃの馬車

「解決する課題の質」を高めるための方法が、起業の科学を読んだだけでは私はいまいちピンと来ませんでした。

 

そこで「解決する課題の質」が低いのにも関わらず、「解決方法の質」を高めようとして失敗した例を私なりに考えてみたいと思います。

 

近年問題となったか「かぼちゃの馬車」の倒産劇が、その具体例だと思われます。

(株)スマートデイズの破産手続開始決定に係る情報について | 消費者庁

 

スルガ銀行は個人投資家の不適切融資をしてまで、売上が拡大することに注力してしまい、かぼちゃの馬車を運営している会社(スマートデイズ)も倒産してしまいました。

 

お金がない上京した大学生にターゲットを絞り、安い家賃で質の高い生活を提供するというのは、シェアハウスの「解決する課題の質」にあたると思われます。

 

もっとニーズのある解決する課題の質を探すべきだったのに、それを怠ったから「解決する課題の質」が低くなってしまいました。

 

「解決方法の質」だけを高めようとした

創業後当初は運営会社スマートデイズは売上が急拡大していたようです。

 

当初は「解決する課題の質」が高くて、なおかつ解決方法の質も高かったから、人気を博した可能性があります。

 

しかし途中から経費がかかりすぎていたり、顧客への説明をないがしろにしてしまったり、様々な面でスマートデイズの経営者は「解決する課題の質」が低いということに気づいていたはずです。

 

それにもかかわらず、「解決方法の質」を追求してしまい、顧客への説明をないがしろにしてでも、スルガ銀行の融資を通すための方法をとっていたはずです。

 

その結果、かぼちゃの馬車のシェアハウスのオーナーになった人たちは、運営会社スマートデイズの営業マンから聞いていた話とは異なり、収益が全く上がらないということに繋がってしまいました。

 

ここでいう「解決方法の質」を追求したというのは、「シェアハウスのオーナーになりませんか?きっと儲かりますよ!」、というゴリ押しの営業であったり、重要事項説明を怠ってでも「解決方法の質」を高めること、つまり売り上げを高めようとしたという点です。

 

経営がうまくいかない状態なので、「解決する課題の質」を高める行動が必要であったと言えます。

 

例えばシェアハウスの内装や外装に無駄がないのかの洗い出しを再度行ったり、設備費用の削減や営業マンの育成に注力したりして、「解決する課題の質」を高めることはできたはずです。

 

 

まとめ

あなたがもし起業するのであれば、顧客が求めているものを提供する方法(「解決する課題の質」を高める)に注力すべきであり、単に売り上げを伸ばすことだけ(「解決方法の質」を高める)に注力してはいけません。

 

GoogleやAppleなどの超大企業ですら、「解決する課題の質」を高めることを怠ったせいで事業が上手くいきませんでした。

 

ましてや、起業したての零細企業が同じように怠るならば、事業が頓挫して即倒産するであろうことは火を見るより明らかです。

 

しかし、「解決する課題の質」と、「解決方法の質」の両方を高めることに注力すれば、あなたの事業はきっと市場で顧客から愛されるはずです。

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