新型コロナウイルスの初期症状「めまい」について知りたいですか?
めまい症状は新型コロナ以外の病気とも関連している可能性を踏まえ、
- めまい症状や
- 無症状
の患者にPCR検査を行えない問題をご紹介!
めまいを感じ、もしやコロナウイルス?などと不安に感じている人必見!
「めまい」以外の新型コロナウイルスの初期症状については、こちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「めまい」他の病気の可能性
新型コロナウイルスの初期症状として、「めまい」症状は厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き第2020第1版」には記載がありません。
したがって、ある日突然めまいの症状が現れた場合、新型コロナウイルスの初期症状である可能性は低く、むしろ
- 突発性難聴や
- メニエール病
などの病気と関連している可能性があります。(出典)
突発性難聴は、突然、左右の耳の一方(ごくまれに両方)の聞こえが悪くなる疾患です。音をうまく感じ取れない難聴(感音難聴)のうち原因がはっきりしないものの総称で、幅広い年代に起こりますが、特に働き盛りの40~60歳代に多くみられます。(出典:厚生労働省)
またメニエール病は、日常生活に支障をきたすほどの回転性めまい(自分や周囲が動いたり回転したりしているような感覚)の発作が繰り返し起こり、
- 変動のある低周波の難聴、
- 耳鳴り(耳鳴)
を特徴とする病気です。(出典)
これらのめまいの症状と合致するようであれば、それは新型コロナウイルスの初期症状ではない可能性があります。
コロナ初期症状「めまい」問題点
しかし新型コロナウイルスはまだ解明されていない部分が多く(出典:厚生労働省)、感染した患者の中には、めまいの初期症状が伴う患者が存在するのも事実です。(出典)
その結果引き起こされる問題としては、新型コロナウイルスに感染しているにもかかわらず、「めまいの症状は新型コロナウイルスで現れるはずがないから大丈夫だろう」などと勘違いしてしまい、
- 症状を悪化させてしまったり
- 他の人にうつしてしまったり
するという問題です。
コロナ初期症状「めまい」問題点 PCR検査
例えば、新型コロナウイルスの初期症状として「めまい症状」が現れた患者の例を挙げると、2020年4月3日にコロナ感染が確認された、静岡県長泉町の70代女性の例があります。(出典)
この女性は、めまいの症状が新型コロナウイルスの初期症状と結びつかなかったせいで、PCR検査が遅れてしまいました。
PCR検査で新型コロナ陽性が出るまでの経過としては、まずその女性は2020年3月16日に北欧ツアーから日本に帰国し、ツアー参加者の中に新型コロナ感染者がいたことから3月30日まで静岡県の保健所がこの女性を健康観察をしていました。 (出典)
そしてその女性は2020年3月27日から
- めまいや
- 食欲不振
の症状を感じていましたが、それら症状は新型コロナウイルスの初期症状とは結びつかなかったため、報告されていませんでした。しかし2020年4月1日、めまいのため救急車で病院に運ばれ、咳の症状があったことから検査したところ、新型コロナウイルス陽性と判明しました。(出典)
ここでの問題点は、3月30日の時点で発熱などの症状は見られなかったため、保健所は健康観察を終了していたという点です。 (出典)新型コロナウイルス初期症状「発熱」について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
つまり、4月1日に救急車で運ばれた時に咳の症状があったからPCR検査をしたから良かったものの、もしこの女性が
- 救急車で運ばれたり、
- 咳の症状がなかっり
したら新型コロナウイルスへの感染が不明なまま放置されていた可能性もあります。咳をすることで発生する飛沫感染や、コロナ予防策についてはこちらの記事をどうぞ。
ではなぜ、3月16日に北欧ツアーから帰国し、ツアー内に感染者がいたということが判明していた時点で、保健所は PCR検査を行わなかったのでしょうか?
その疑問への答えは、厚生労働省によると以下の通りです。
PCR検査は、現状では、新型コロナウイルスを検出できる唯一の検査法であり、必要とされる場合に適切に実施する必要があります。
国内で感染が進行している現在、感染症を予防する政策の観点からは、全ての人にPCR検査をすることは、このウイルスの対策として有効ではありません。また、既に産官学が懸命に努力していますが、設備や人員の制約のため、全ての人にPCR検査をすることはできません。急激な感染拡大に備え、限られたPCR検査の資源を、重症化のおそれがある方の検査のために集中させる必要があると考えます。
つまりこの女性は、
- 発熱や
- 咳
等の新型コロナウイルスの主な症状が見られなかったので、 PCR 検査をしなかったということです。
ではもし PCR 検査を新型コロナウイルスへの感染が疑われる全ての患者に行ってさえいれば、問題は全て解決されるのでしょうか?実は、そうはうまくいかないのです。なぜなら、新型コロナウイルスにかかったからといって、必ずしも
- 発熱や
- 咳
の症状が現れるとは限らないからです。
コロナ初期症状「めまい」問題点 PCR検査と無症状患者
つまり中には、PCR 検査結果が陽性であり、すでに感染しているにも関わらず、新型コロナウイルスの初期症状が現れない人もいるのです。このような患者のことを「無症状病原体保有者」と呼びます。
たとえ無症状や軽症の人であっても、他の人に感染を広げる例があります。
またもし
- 無症状や
- 軽症
の患者が他の人に感染させてしまったとしても、
- 感染力と
- 重症度
は必ずしも相関しないということが判明しています。(出典:厚生労働省)
つまり新型コロナウイルスに感染した無症状病原体保有者が、死亡リスクの高い
- 高齢者や
- 基礎疾患がある人
などに感染させてしまうことにより、重症化させてしまう恐れがあるのです。(出典:厚生労働省)そしてこのことが、新型コロナウイルス感染症への対応を極めて難しくしているのです。
また、
- 手術
- 分娩
- 内視鏡検査
などを通じ、
- 医師
- 看護師
- 周囲の患者
らがウイルスに感染するリスクも指摘されています。(出典)
そのため、
- 京都大学病院や
- 京都府立医科大学病院
は2020年4月15日、新型コロナウイルスについて、無症状の感染者でもPCR検査を公的保険で受けられるよう求める要望書をまとめるという動きもみられました。というのも、感染を調べるPCR検査は、肺炎の兆候など症状がある場合は保険が適用されますが、新型コロナウイルスの主な初期症状がないと、2万円ほどかかる検査費用は自己負担になるためです。(出典)
新型コロナウイルスの無症状患者について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
コロナ初期症状「めまい」問題点 未解明部分が多い
また、もしこの女性が保健所からの健康観察が終了しているため、「新型コロナウイルスに感染していなくてよかった」などと安心し、外出をしていたら、新型コロナウイルスが拡散されていた可能性があるとも考えられます。
このウイルスが拡散されるリスクを払拭できなかった理由としては、めまいの症状は新型コロナウイルスの初期症状ではないと一般的には考えられているためです。
例えば静岡県の担当者は今回の事例を踏まえ、「めまいや食欲不振は新型コロナウイルス感染者の症状としてあまり報告されていない。今後の健康観察に生かしていく」とも言及しています。そのことからも、めまいの症状が新型コロナウイルスの初期症状と結びついていないことが分かります。 (出典)
したがって前述の通り、新型コロナウイルスは未だ解明されていない部分が多いので、もし新型コロナウイルスの典型の初期症状である
- 発熱や
- 咳
などの症状に関わらず、体調が悪ければ外出は自粛するよう心がけましょう。
もっと知りたい
新型コロナウイルスの初期症状についてもっと詳しく知りたい方向けにおすすめ記事を紹介します。
新型コロナウイルスに感染した場合、
- 痰が絡む症状が現れる割合や、
- 一般的な風邪との見分け方
等について知りたい方はこちらの記事をご参照ください。
新型コロナウイルス初期症状「味覚・嗅覚障害」についてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルスの潜伏期間についてはこちらの記事をどうぞ。
新型コロナウイルスの初期症状の中でも、特に緊急性の高い13症についてはこちらの記事をご覧ください。
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