新型コロナウイルスの初期症状「なし」の場合、どのような問題が生じるか知りたいですか?
- 新型コロナ初期症状「なし」と診断される割合や、
- 感染封じ込めが困難になる問題、
- 無症状者でもうつる可能性
をご紹介!
医療崩壊を避けるため、各自が予防を徹底する必要性を学びたい方必見!
新型コロナウイルスによる様々な初期症状がある場合については、こちらの記事をご覧ください。
コロナ初期症状「なし」 割合
新型コロナウイルス初期症状「なし」の場合、厄介な問題が生じます。
というのも、自分が新型コロナウイルスに感染していることに気が付かないため、不特定多数の人に対し、無意識のうちに感染させてしまうリスクが高まるためです。
では具体的に、新型コロナウイルス初期症状「なし」と診断される割合はどのぐらい見られるものなのでしょうか?
まず厚生労働省によると、2020年4月8日時点で、日本国内で新型コロナウイルス感染者は4,257例です。(出典)
この4,257例の内訳としては、
- 新型コロナ患者
- 2,806例(66%)
- 無症状病原体保有者
- 360例(8%)
- 症状有無確認中
- 1,091例(26%)
となっています。
ここで言う「無症状病原体保有者」とは、症状はないが、PCR検査結果が陽性だった人のことを指します。(出典)
なお、上記の数字にはダイヤモンド・プリンセス号で起きた集団感染のデータが含まれていません。ダイヤモンド・プリンセス号のデータでは、新型コロナウイルス感染者の17.9%は無症状だったため、データによりばらつきがみられることがわかります。(出典)
つまり、新型コロナウイルス初期症状「なし」と診断される人が、患者全体の8%~17.9%にものぼります。
そのため、たとえ日本の大部分の人がどれだけ外出自粛をしようとも、日本経済を完全に停止しない限り、一部の「無症状病原体保有者」によって感染者が増え続ける可能性があるということを示しています。「無症状病原体保有者」から、他者へウイルスがうつる可能性や潜伏期間について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
新型コロナウイルスへの感染リスクを増大させないため、正しいマスクの付け方について、こちらの記事で説明していますのでご参照ください。
コロナ初期症状「なし」 感染封じ込め
では次に、新型コロナウイルス初期症状「なし」と診断された 「無症状病原体保有者」が他の人と接触することで、どのような感染の問題が発生するのかを、中国河南省の例をもとに考えてみましょう。
例えば 中国河南省平頂山市コウ県(人口約63万人)は、新型コロナウイルスを封じ込めるために、一旦は2020年2月上旬に都市封鎖の措置を受けました。(出典)
日本は2020年4月7日の時点で緊急事態宣言は出されていますが、まだ都市封鎖とまではいかないので、中国河南省の方が、より厳格な封鎖措置がされたと言えます。
そして中国河南省はその後、感染拡大が収まったとして、同月下旬には封鎖措置が解除されていました。
そこまでは良かったのですが、それから約2ヶ月後の2020年4月1日、中国河南省は「無症状病原体保有者」の存在が発覚したせいで、再度の都市封鎖となりました。一旦は都市封鎖が解除された後、また封鎖されるのは中国では初めての事例です。(出典)
このことから、「無症状病原体保有者」の存在が感染の封じ込めを困難にしている実態が浮かび上がったことが分かります。
日本においても、もちろん「自分も感染してしまったらどうしよう」という自分を守るための意識を持つことは重要かもしれません。
しかし前述の通り、新型コロナウイルス初期症状「なし」と診断される「無症状病原体保有者」が、患者全体の8%~17.9%にものぼることを考慮すると、今後はそこから一歩先に踏み込む必要がでてきます。
具体的にいうと、「もしかしたら自分も既に新型コロナウイルスに感染しているかもしれなので、他の人に感染しないようにしよう」という周りの人を守るための意識を持つことにより、
- 外出自粛
- 手洗い
- マスク装着
等を徹底するべきです。
そうすることで、中国のような度重なる都市封鎖に陥る事態を回避できるはずです。
- 新型コロナウイルスの初期症状の一つである「喉の痛み」や、
- 医療機関受診の目安
等について学びたい方はこちらの記事をご参照ください。
コロナ初期症状「なし」うつる
コロナ初期症状「なし」と診断されたとしても、他の人にうつる可能性があるため、14日間は隔離される必要があります。
例えば民間企業に勤務している場合で考えてみると、もし風邪を引いているにも関わらず症状がなければ「会社に来て働けば?」などと言われて当たり前かもしれません。
しかし新型コロナウイルスの場合は異なっており、厚生労働省によると、感染してから14日間は隔離期間が必要とされています。その間に保健所が患者の健康観察を実施し、症状に大きな変化がある等の場合は、医師の診察を受け、必要な場合には病院に入院することと定められているのです。(出典)
自宅で自主隔離を続ける場合は、感染を防ぐため家の中でも家族とは別室で過ごすはずです。また入院となれば、気軽には家族の顔を見ることができない状態にも陥ります。
したがって、いつコロナが発症するか分からない状態で、隔離されることが重なり、精神的にも不安定になる人もいることでしょう。
そのような不快な状態に陥らぬよう、つまり新型コロナウイルスに感染しないように、
- 外出自粛
- 手洗い
- マスク装着
を徹底する等により予防に努めるようにしましょう。
咳をすることで発生する飛沫感染や、コロナ予防策についてはこちらの記事をどうぞ。
コロナ初期症状「なし」医療崩壊
コロナ初期症状「なし」の患者や軽症者は、病院ではなくホテルへ移動する可能性があります。
というのも、新型コロナウイルスの患者が増え続けていくことにより、入院医療提供体制がひっ迫してきているためです。(出典)
もし今後も新型コロナウイルス患者が増加し続ければ、感染症病床等が不足する問題が生じてしまいます。これがいわゆる「医療崩壊」と言われるものです。(出典)
具体的にいうと、日本ではイタリアよりも高齢化が進んでいるにもかかわらず、人口10万人あたりの集中治療室(ICU)のベッド数はたった5床程度です。これはイタリアの半分以下であり、死者数から見たオーバーシュートは非常に早く訪れることが予想されます。(出典)
そこで新型コロナウイルスの初期症状「なし」 と診断された無症状患者や軽症者は、重症患者に病院のベッドを譲るために、宿泊施設や自宅で待機する必要が出てきます。
安倍首相も緊急事態宣言の時のインタビュー(56分45秒のあたり)で、トリアージについても質疑応答しています。トリアージとは、同時に多数の患者が出た時に、手当ての緊急度に従って優先順をつけることを指します。
海外では命の選択が行われているが、安倍総理はどう考えているか?という質問に対し、安倍首相は、軽症患者に民間の宿泊施設などに移動してもらい、重症患者が代わりに入院するということを説明していました。ここで言う「軽症者」というのは「無症状病原体保有者」も含まれています。
また軽症患者が移動先とする「民間の宿泊施設」とは、一例を挙げると、アパホテルが該当します。
2020年4月6日に、アパホテルズ&リゾーツは、新型コロナウイルスの無症状者および軽症者のホテルでの受け入れ方針を発表しました。(出典)
一棟貸しが前提で
- 東京で3000室、
- 大阪は1500室、
- 名古屋350室、
- 合計で5000室未満
を提供できる準備があるといいます。(出典)
このことについてアパホテルは風評被害も受けており、キャンセルも受けているにもかかわらず、元谷芙美子社長は以下のように言及しています。
「私の誇りとして、誰一人として社長の判断に反対する者がなくて、この国難にあたり一致団結して乗り切りたいと…。今は大変ですけど、収まった先には10年後、アパホテルがいい役割をしてくださったという評価がいただけると思って、頑張ります」(出典)
このような先義後利の行動をとる方もいるため、日本の医療崩壊まで時間は稼げることが出来るかもしれません。しかしそれにも限界があり、一人ひとりの予防への意識がより重要になってきているとも言えます。
つまり各自が、新型コロナウイルスに感染せぬよう、
- 外出自粛
- 手洗い
- マスク装着
を徹底することにより予防に努めるようにしましょう。
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