孫子の兵法が、ビジネスに当てはまる理由を知りたいですか?
孫子の名言である「勝ち易きに勝つ」という考えは、ビジネスにも当てはまるということを説明していきます。
一流のビジネスパーソンは強敵を避け、弱い相手ばかりを選択して戦いを挑み、常に勝ち続けているのです。
経営者やビジネスパーソンは必見です。
簡単に打ち負かすことができる、弱い相手を選ぶべき理由
経営者にとって、競合他社に勝ち続けることは難しいことです。
というのも何らかの資源が不足しているせいで、いつかは敵に負けてしまうことは必ず起こるためです。
例えば、自分にとって
- 人
- 物
- 金
が不足していたり、
- 業務上で予期せぬ出来事が発生してしまったり。他にも、
- 自分の子供が急に熱を出して、看病に時間を割かねばならなくなってしまったり・・・
このように様々な問題が発生してしまうことは往々にしてあります。
そこで、実際に競合他社に勝ち続ける一流のビジネスパーソンは、どのようにして勝っているのかといえば、実は強い相手とは戦ってはいないのです。
または、手抜きをして戦ったりはしません。
つまり、簡単に打ち負かす事ができる
- 弱い相手ばかりを選び、
- 余すところなく全力で戦い、
- 万全の状態で戦いに挑む
ことによって、勝ち続けているのです。
次の章では、一流のビジネスパーソンは、なぜそのようにするのかを、中国の古典を元に説明します。
孫子の名言「善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり」
戦略の教科書ともいわれている、孫子の兵法に次のような言葉があります。
「善く戦う者は、勝ち易きに勝つ者なり」
この言葉の意味は、戦上手は、必ず勝てるであろう「弱い相手」を、万全の状態で倒すものである、という考えです。
この考えは、一流のビジネスパーソンであれば、備えるべき条件であると言えます。
優秀なビジネスパーソンは、例えば、
- 人
- 物
- 金
の資源が不足している状況に陥ったとしても、簡単に打ち負かすことができる弱い競争相手を選び、常に勝っています。
つまり、戦略的に弱そうな競争相手を探す力こそが、一流のビジネスパーソンになる条件であると言っても過言ではありません。
一流の経営者やビジネスマンは、負け戦になりそうな戦いは避けます。
だから勝ち続けることができるのです。
負け戦をせず、勝ち戦だけ継続するためには、戦う前に戦況分析を十分に行った上で、「きっと勝てるであろう、弱いライバル」から優先して倒していきます。
あるいは、「敵が強い相手だ」などと分かった瞬間に戦いを避けて、一目散に逃げてしまいます。
例えば、あなたが営業職であれば、以下のことは心当たりがあると思います。
- 何時間も商品説明を、何回も面談を繰り返しているのに断られる顧客もいれば、一方で、
- 大して商品説明もしていないのに、即契約に至る顧客もいます。
後者はあまりにあっさり契約に至ってしまうので新人の場合は驚くかも知れませんが、ベテランであれば、このようなことは一定確率で必ず発生するということを理解しているはずです
ここで重要な点として、「大した努力もせずに契約に至るお客様」をいかに多く見つけるかが営業職にとっての力の見せ所なのです。
あなたが扱っている商品は「興味がない」と言ってくる顧客に対し、何度も繰り返し訪問して、長時間かけて説明をして、顧客の考えを曲げさせるのが、営業職の力の見せ所なのでは決してありません。
強い競合他社と戦っている暇など、あなたにはない!
あなたの会社の商品と他社の商品とを比較せずに、お客様が商品を即購入することは少ないと思います。
きっとほとんどの顧客は、複数の会社の商品を見比べて、その中から自分に合った商品を購入したいと考えるのが一般的でしょう。
そのため
- 他社と料金の面で相見積もりになったり、
- この担当者は信頼できる人物なのか?という点を比較したり
してお客様は購買ステップを進んで行くはずです。
そのように競合他社と比較された際に、比較対象となる競合他社が弱ければ弱いほど、あなたのセールスはうまくいきます。
例えば、あなたが男女3体3で合コンをしていたとします。
もし、あなた以外の人が
- 体型
- 顔
- 性格
などにかなり難がある人であるほど、あなたが輝いて見えるはずです。
しかし一方で、他の参加メンバーがその逆でイケメンぞろいであれば、あなたの存在はかすんでしまい、意中の女性のハートを射止める失敗確率は上がってしまうことでしょう。
この合コンの例と同様に、セールスの場面においても、できるだけライバルは弱い方があなたは得をするのです。
そのため、セールスにおいてあなたがまずするべき重要なことは、競合他社が弱い場合だけ戦うようにしましょう。
つまり、そのようにすべき最大の理由は、強い競合他社と戦っている暇など、あなたにはないためです。
また、強い相手と戦って労力を費やしてしまったが故に、勝てそうな弱い競合他社が現れた時に、あなたの資源が枯渇していたとしたら、勝ち戦も負け戦に変わってしまう可能性があります。
うまくいっていない営業職員の事例
例えば、うまくいっていない営業職の人は、既に強い競合他社が担当として張り付いているお客様に対し、自社の商品をゴリ押しで勧めようとします。
そのため、ほとんどの勝負が負け戦で終わります。
時には、断られても粘り続けることで、強い競合他社を打ち負かす事が出来るときもあるかも知れません。
しかし、もし契約にこぎつけたとしても
- 短期で解約に至ったり、
- 単価の低い契約しか得られなかったり、挙句の果ては
- 苦情につながったり
して無駄な時間を過ごすことが多いです。
つまり、勝つことを最終目的にするのではなく、
- 勝ちやすい弱い相手を選んで、
- 時間をかけずに、
- 労力を費やさずに、
- 全力を出して
叩き潰すのです。
そうすることで、あなたの営業成績はみるみるうちに伸びていきます。
非重要な場面では、手抜きをしよう
一流のビジネスパーソンと凡人との差は、いかに確実に勝てる戦いを選んで勝ってきたかという、取りこぼしの有無の差でしかありません。
だからこそ、ここぞという時に力を発揮できるようにするために、重要でない場面では力を温存しておくようにしましょう。
凡人は全ての物事を成功させようとすることで、力が分散してしまい、ここぞという場面で勝つことができずに失敗に終わります。
一方で、一流のビジネスパーソンは、
- 70%の「勝ってもメリットが少ない」非重要な戦いでは、
- 手抜きをしてわざと負けます。一方で、
- 30%の「得るものが大きい」重要な戦いでは、
- 取りこぼすことなく全力で戦い、勝利を収めます。
つまり、あなたも一流の人間になりたければ、絶対に負けられない場面で勝つために、非重要な場面で手抜きをして負け続ける必要があるということです。
具体的な手の抜き方について、詳細はこちらの記事をご覧ください。
また、マーケティングにおける「手抜きの重要性」を理解するためには、森岡毅氏によるベストセラー本「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」が最も分かりやすく説明されているのでオススメです。
ビジネスにおいて重要でない場面とは、全体の70%です。
残りの30%は重要な場面です。
「重要な場面か否かを見極める眼」を磨くことが、「マーケティング能力」を磨くことと同意語です。
そのため、今後は強い相手との戦いは極力避けるようにし、一方で弱い相手には果敢に戦いを挑み勝利を積み重ねていきましょう。
そうすれば、あなたも一流のビジネスパーソンに近づくことができます。
例えば、一流のビジネスパーソンの一人である森岡毅さんのマーケティング手法について、詳細はこちらの記事をご覧下さい。
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