森岡毅さんが、2014年9月放送のNHKのプロフェッショナル 仕事の流儀で取り上げられてから、一躍名を広めました。
しかし一部で、森岡毅さんが伝えたかった事と異なる特集がされてしまった可能性もあるため、彼が伝えたかった真実について詳しく説明していきます。
プロフェッショナル 仕事の流儀とは
そもそも、プロフェッショナル 仕事の流儀というのは、NHKで放映される番組のことです。
この番組で過去に取り上げられてきた人は、様々な業界の人達がいますが、プロ中のプロといわれる人物しか出演することができません。
つまり、森岡毅さんがこの番組で取り上げられて放映されたということは、一流の人材の証でもあります。
プロフェッショナル 仕事の流儀で誤って特集されてしまった点
この番組を見る際に、注意すべき点があります。
それは、番組での特集のされ方と実際に伝えたかった趣旨が少し異なるという点です。
確率思考の戦略論で触れられていますが、森岡毅さんは著書「確率思考の戦略論」の中で以下のように主張されています。
以前NHKのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル仕事の流儀』が私を特集してくださった際に、この言葉を番組中で紹介してくれました。
さまざまな解釈で世の中に伝わったと思いますが、意味を逆にとられている人もいるようです。
決して熱に数字を込めてはいけないのです。
戦略家としてやっていく上で私が大切にしている心構えですので、より明確にお伝えしようと思います。
引用元
森岡毅;今西聖貴.確率思考の戦略論USJでも実証された数学マーケティングの力(角川書店単行本)(Kindleの位置No.1555-1559). .Kindle版.
辛いけれども正しい意志決定(タフコール)を行わなければならないとき、感情は多くの場合において邪魔にしかなりません。
だから感情が正しい意志決定の邪魔にならないサイコパスは、意志決定の局面で有利です。
引用元
森岡毅;今西聖貴.確率思考の戦略論USJでも実証された数学マーケティングの力(角川書店単行本)(Kindleの位置No.1597-1599). .Kindle版.
「数字に熱を込めろ」の「数字」とは、情緒を排した成功確率の高い戦略のことを意味しています。
引用元
森岡毅;今西聖貴.確率思考の戦略論USJでも実証された数学マーケティングの力(角川書店単行本)(Kindleの位置No.1803-1804). .Kindle版.
森岡毅が本当は伝えたかった真意
書籍の中で上記のように説明されていますが、私がより詳しく解説したいと思います。
森岡毅さんが本当は伝えたかったことは、どんなに情熱を燃やしたとしても、最終的な意思決定を下す際には、感情を排して数字に基づいた意思決定を下さなければいけないということです。
具体的に、感情を排した意思決定を下す、ということはどのようなことかという点については、森岡毅さんはサイコパスを例に挙げて説明しています。
サイコパスとは
サイコパスの定義は、辞書には以下のように記載があります。
サイコパスの定義
反社会的人格の持ち主を表す言葉。
日本語訳は「精神病質者」。
サイコパスは「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」で精神障害者と定義されており、病名としては反社会性パーソナリティ障害に該当するとされている。
サイコパスの特徴的性格は、冷酷・無慈悲・尊大・良心の欠如・罪悪感の薄さなど。
診断は「HARE PCL-R第2版テクニカルマニュアル」に定められた20項目を用いて専門家により行われる。
フィクションの世界では異常犯罪者として扱われることがあるが、実際に犯罪を犯す者は稀。
確立された治療法はない。
出典
サイコパス(さいこぱす)とは? 意味や使い方 - コトバンクデジタル大辞泉 - サイコパスの用語解説 - 精神病質(その人格のために本人や社会が悩む、正常とされる人格から逸脱したもの)である人。
森岡毅さんはサイコパスについて詳細に語っています。
サイコパスというのは海外でよく使われる言葉ですが、映画ハンニバルに出て来たレクター博士もサイコパス性の高い人間です。
著書「確率思考の戦略論」において、経営者はサイコパス性が高い人が向いているが、森岡毅さん自身はサイコパスではないと述べています。
そして彼は涙もろいし、情に厚い人間であると著書「確率思考の戦略論」の中で自分を説明しています。
サイコパスは経営者に向いている
サイコパスについて説明すると、アメリカのサイコパスの比率は、日本と比べて高い傾向にあります。
また、サイコパス性が高い人達が得意とすることは、自分の感情を入れずに、意思決定をすることができるという点です。
そのため例えば、経営において臆することなく、従業員の解雇を容易くやってのけることもできます。
つまりサイコパスは会社の利益を最優先し、冷徹な判断を瞬時に下すことができるので、サイコパスは経営者に向いていると言えます。
しかし、森岡毅さんはサイコパスではないので、経営の判断を下す際に色々と苦労したようです。
例えば、USJのアトラクションに関して、映画以外の要素を取り入れるという重大な意思決定を行った時に、消費者から森岡毅さんの自宅に苦情の手紙が殺到したようです。
その時に森岡毅さんは、
- ストレスで血尿が出たり、
- 夜に車で何時間もドライブしながら大声を出したり、
- 日本刀を見つめながら夜を明かしたこともある
と著書「苦しかったときの話をしようか」の中でも述べられています。
しかしサイコパスでもないのに、それだけ多くのプレッシャーの中でも、彼の精神が折れることなく偉業を成し遂げることができたのはなぜでしょうか?
それは、統計的な数値に基づいた戦略と、USJを通して多くの人を感動させたいという情熱が、彼の心を支えたはずです。
そこであなたも、森岡毅さんから統計分析マーケティングだけではなく、揺るぎない情熱を学び取り、彼のような一流のプロフェッショナルを目指しましょう。
森岡毅さんの統計分析マーケティングについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
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