【少子化の現状】日本と海外の出生率や婚姻【結婚に対する意識変化】

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少子化の現状を知りたいですか?

日本において少子化は悪化してきています。

しかし、出生数減少を実感しにくいという人は多いのではないでしょうか。

そこで、日本と海外の出生率や婚姻について、グラフや表を用いて説明します。

広い視野で少子化の現状を捉えたい方は必見です。

 

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少子化とは?

まず少子化という言葉の定義から説明していきます。

少子化というのは私たちの親の世代の人数よりも、私たち子供の世代の方が少なくなってしまうことを言います。

しょうしか【少子化】

親世代よりも子世代が少なくなること。

合計特殊出生率が人口置換水準を下回る状態が続き、子供の数が減少すること。

総人口に占める子供の人口の割合が低下すること。

出典

少子化(ショウシカ)とは? 意味や使い方 - コトバンク
デジタル大辞泉 - 少子化の用語解説 - 出生率の低下に伴い、総人口に占める子供の数が少なくなること。統計的には、合計特殊出生率(女性が一生の間に産む子供の数)が人口置換水準(長期的に人口が増減しない水準)に達しない状態が続くこと。日本では...

 

少子化の現状

少子化の現状を、日本と海外に大きく分類して説明します。

日本

出生率

まず、ベビーブームというのは、出生率がとても高くなっている時期のことを言います。

1947年から49年の間に生まれた人達のことを団塊の世代と呼び、第1次ベビーブームとも呼びます。

またこの団塊の世代の子供である、1971年から1974年頃に生まれた人達のことを団塊ジュニアと呼び、第2次ベビーブームとも呼びます。

出生率は三分の一へ減少

日本の出生率は第1次ベビーブームの時には270万人、第2次ベビーブーム期には210万人でしたが、1975年に200万人を下回ってからというもの毎年減り続けています。

1984年には150万人を下回り、1991年以降は増えたり減ったりを繰り返しつつ、緩やかに減少していっています。

2015年の出生数は100万人であり前年度より2138人増えました。

我が国の年間の出生数は、第1次ベビーブーム期には約270万人、第2次ベビーブーム期には約210万人であったが、1975(昭和50)年に200万人を割り込み、それ以降、毎年減少し続けた。

1984(昭和59)年には150万人を割り込み、1991(平成3)年以降は増加と減少を繰り返しながら、緩やかな減少傾向となっている。

2015(平成27)年の出生数は、100万5,677人であり、前年の100万3,539人より2,138人増加した。

出典

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合計特殊出生率としては、第1ベビーブーム期には4.3でしたが、第2次ベビーブーム期を含めて2.1台にまで減りました。

その後1966年には1.57まで下がり、さらに2005年には過去最低の一点に六まで下がってしまいました。

最近は微増傾向が付いていますが2015年は1.45となっています。

つまり日本はピーク時期と比べて約三分の一にまで出生率が下がってしまったのです。

そのため日本経済全体も三分の一に下がってしまう可能性があるということにします。

なぜなら、労働者人口が確実に減るので、その分経済も停滞するからです。

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出生数及び合計特殊出生率の年次推移

出典

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年齢別出生率の変化

女性の年齢別出生率として、ピークの年齢と、当該年齢の出生率は、1975年は25歳でしたが2015年は30歳と年齢の出生率は上昇していっています。

これは晩婚化の傾向をモロに受けていることを示しています。

1975年頃は、女性は大学に進学しない人が一般的でしたが、現在は大学に進学する女性が増えました。

現在の25歳といえば大学を卒業して企業に就職してから2年が経過した頃です。

大学を卒業してすぐに結婚すると言うと今で考えるとかなり早いと言えるので、昔と今とでは時代がいかに変わってきたかを示している数値であると言えます。

年齢別出生率の動向

女性の年齢別出生率を見ると、そのピークの年齢と当該年齢の出生率は、1975(昭和50)年は25歳で0.22、1990(平成2)年は28歳で0.16、2005(平成17)年は30歳で0.10と推移し、ピークの年齢は高くなり、当該年齢の出生率は低下したものの、2015(平成27)年は30歳で0.11とピークの年齢の出生率はやや上昇している。

出典

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合計特殊出生率の低下については20歳代の出生率が低下していますが一方で35歳時点の出生率は2005年の0.06から2015年の0.08まで上昇しました。

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女性の年齢別出生率

出典

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これは、出生前診断などの技術が発達してきて、高年齢でも障害のない赤ちゃんを出産する可能性が上がった事から、上昇傾向として推移してきていると思われます。

出生前診断には、超音波を使った画像の検査や染色体疾患に関する検査などがあります。

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出生前診断の種類

出典

出生前診断の種類|新型出生前診断(NIPT)のGeneTech株式会社
出生前診断には、超音波を使った画像の検査と、染色体疾患に対する検査があります。非確定検査および確定検査の違いや、各検査の対象疾患、精度、留意点などについてご説明しています。
総人口の推移

日本の総人口は2016年時点で12693万人です。

それぞれを大雑把に、三つの区分で分類してみると分かりやすいと思います。

一つ目は子供、二つ目は労働者、三つ目は高齢者です。

つまり、

  • 0歳から14歳までの子供の人口は1578万人(13%)、
  • 15歳から64歳までの労働者人口は7656万人(60%)、
  • 65歳以上の高齢者人口は3459万人(27%)

となります。

総人口と人口構造の推移

我が国の総人口は、2016(平成28)年で1億2,693万人となっている。

年少人口(0~14歳)、生産年齢人口(15~64歳)、高齢者人口(65歳以上)は、それぞれ1,578万人、7,656万人、3,459万人となっており、総人口に占める割合は、それぞれ12.4%、60.3%、27.3%となっている。

出典

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日本の将来推計人口(平成29年度推計)は日本の将来の人口推移です。

この中で、合計特殊出生率は2015年の時点で1.45であったところから、2024年には1.42へと減少し、2065年には1.44に推移すると予想されています。

これは近年、30歳から40歳代における出生率上昇を受けて、前回推計した1.35から1.44へと上昇してきています。

つまり、近年の少子化対策の効果が徐々に出始めているとも言えます。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」は、我が国の将来の人口規模や年齢構成等の人口構造の推移を推計している。

このうち、中位推計(出生中位・死亡中位)では、合計特殊出生率は、実績値が1.45であった2015(平成27)年から、2024(平成36)年の1.42、2035(平成47)年の1.43を経て、2065(平成77)年には1.44へ推移すると仮定している。

最終年次の合計特殊出生率の仮定を前回推計(平成24年1月推計)と比較すると、近年の30~40歳代における出生率上昇等を受けて、前回の1.35(2060(平成72)年)から1.44(2065年)に上昇している。

この中位推計の結果に基づけば、総人口は、2053(平成65)年には1億人を割って9,924万人となり、2065年には8,808万人になる。

前回推計結果(長期参考推計)と比較すると、2065年時点で前回の8,135万人が今回では8,808万人へと672万人増加している2

人口が1億人を下回る年次は前回の2048(平成60)年が2053年と5年遅くなっており、人口減少の速度は緩和されたものとなっている。

年齢3区分別の人口規模及び構成の推移をみると、年少人口は、2056(平成68)年には1,000万人を割り、2065年には898万人の規模になるものと推計され、総人口に占める割合は、10.2%となる。

生産年齢人口は、2056年には5,000万人を割り、2065年には4,529万人となる。

総人口に占める割合は、2065年には51.4%となる。

出典

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高齢者人口は2042年に3935万人でピークを迎えます。

つまり2016年時点で高齢者人口は1578万人なので、今の2.5倍に高齢者が増えるということを意味しています。

2019年4月19日に池袋で発生した池袋暴走事故においても、87歳の高齢者である飯塚幸三氏が運転していた自動車で事故を起こし、松永真菜さん・莉子ちゃんの母子二人が亡くなったことで大きくマスコミに取り上げられました。

もし高齢者が2.5倍に増えれば、単純計算で高齢者が起こす事故も2.5倍に増えるということを意味します。

そのため法規制やIT技術などを通して、今以上に社会は変わっていく必要があるといえます。

次世代のIT通信技術を理解するにはこちらの記事がおすすめです。

404 NOT FOUND | 経営戦略の武器
戦略とは、何をやらないのか(=資源配分)を選択すること
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我が国の総人口及び人口構造の推移と見通し

出典

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婚姻と出産

婚姻件数

婚姻件数は、第一次ベビーブーム世代が25歳の年齢を迎えた1970年から1974年に掛けては、年間100万組を超えていました。

しかし2015年には63万組まで減少しました。

また、1970年代は婚姻率が10%でしたが2015年には婚姻率が約5%となり、半分の水準にまで減少してしまったと言えます。

それだけ子供の数が減ったので、今から20年後には、日本の経済が半分にまで低下してしまうことを意味します。

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婚姻件数及び婚姻率の年次推移

出典

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未婚率の上昇

50歳の未婚割合としては1970年は男性1.7%、女性3.3%でした。

その後、2015年は男性23.4%、女性14.1%まで上昇しました。

晩婚化の流れが変わらなければ、今後も引き続き50歳児の未婚割合の上昇が続くとされています。

ちなみに統計上の生涯未婚率とは、50歳の男女のうち結婚歴がない人の割合を指します。

つまり1970年代と大雑把に比較すると、男性は約14倍も生涯未婚で過ごす人が増えたと言えます。

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50歳時の未婚割合の推移と将来推計

出典

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晩婚化と晩産化の進行

平均初婚年齢は男性も女性も上昇を続け、晩婚化が進行しています。

2015年の平均初婚年齢は男性が31歳、女性が29歳です。

これは1985年と比較すれば、男性は3歳、女性は4歳上昇しています。

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平均初婚年齢と出生順位別母の平均年齢の年次推移

出典

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完結出生児数
完結出生児数とは?

完結出生児数というのは、結婚持続期間が15年から19年の初婚同士の夫婦の平均出生子供数です。

例えば、結婚した30歳の人が、15年が経過し45歳になっても出産しないというのは、その後も出産しないだろうと考えられて作られた言葉です。

完結出生児数は1.94 (2015年時点) 

完結出生児数は1970年代は2.2前後で推移していましたが、2015年には1.9まで下がりました。

これは結婚しても子供をもうけない、という選択肢を選ぶ人がたくさん出てきていることを気にします。

確かに夫婦の子供をもうけることに関する、価値観が変わってきたとも取ることができます。

しかし、2019年現在においては、大半の夫婦にとってできれば子供は欲しいと考える夫婦が一般的です。

そのため、完結出生児数が減少した原因は、価値観の変化だけではなく経済面が原因である可能性が高いと思われます。

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完結出生児数の推移

出典

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結婚に対する意識の変化

いずれは結婚するつもりであると考える18歳から34歳の未婚者の割合は、男性で86%、女性で89%で高い水準となっています。

また、独身でいる理由としては、男女ともに適当な相手に巡り合わないが、最も多いです。

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未婚者(18~34歳)のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた者の割合

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独身でいる理由

出典

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非正規雇用では結婚しにくい

男性の就労形態別有配偶率を見てみましょう。

正社員では25歳から29歳で32%、30歳から34歳で58%です。

非正規雇用者では25歳から29歳で13%、30歳から34歳で23%です。

つまり非正規雇用者として働いている人の配偶者は、正社員の半分以下なのです。

非正規雇用者の内、パート・アルバイトでは25歳から29歳で7%、30歳から34歳で14%となっており、正社員の1/4以下です。

つまり就労形態の違いにより、配偶者のいる割合が大きく異なっているということが伺えます。

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男性の就労形態別有配偶率

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出産・子育てに対する意識変化

夫婦に尋ねた理想的な子供の数は、1987年から低下しており、2015年には2.3人となりました。

また、夫婦が実際に持つつもりの子どもの数も、過去最低の2.0人となりました。

子供を持たない理由としては、「子育てや教育にお金がかかるから」がトップとなりました。

やはり子供とお金の問題は密接に関係しているようです。

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平均理想子供数と平均予定子供数の推移

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妻の年齢別にみた、理想の子供数を持たない理由

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女性の出産前後の就業継続

女性の出産前後の就業状況としては、第1子を出産した有配偶女性で、第1子の出産前に就業していた女性のうち、出産後に就業を継続した女性の割合を比較していきます。

2009年以前は40%前後で推移してきましたが、2010年から2014年で53%へと大幅に上昇をしました。

また、育児休業を利用して就業を継続した女性の割合は、2010年から2014年に第一子を出産した女性では39%です。

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第1子出生年別にみた、第1子出産前後の妻の就業変化

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夫の家事・育児時間

夫の休日の家事育児を行う時間と、第2子以降の出生状況を見ると、正の関係性が見られます。

つまり夫が家事育児を行う時間が増えるほど、妻は第二子を出産しようと考える傾向があるということです。

つまり少子化は女性が家事や育児に縛られてしまうことを嫌がることから発生しているとも言えます。

そこで男性は、女性の家事育児を今まで以上に手伝うことが少子化対策になると思われます。

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夫の休日の家事・育児時間別にみた、第2子以降の出生の状況

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6歳未満の子供を持つ夫婦の家事・育児関連時間(1日当たり・国際比較)

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海外

合計特殊出生率

諸外国の合計特殊出生率の推移を見てみましょう。

ここで比較する国はフランス、スウェーデン、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアです。

1960年代までは2.0以上でしたが、1970年からは低下し、1990年頃からは回復する国もみられるようになりました。

合計特殊出生率1.5を境に緩少子化国と超少子化国と二つに分類されます。

緩少子化国はフランススウェーデン、アメリカ、イギリスで超少子化国はイタリア日本、ドイツです。

緩少子化国では若い年齢での出産を先送りした女性が、20歳代後半から30歳代にかけて出産するので、若い年齢での年齢別出生率が低下する一方で、高い年齢での年齢別出生率が上昇することで、合計特殊出生率が反転上昇したと考えられます。

一方で超少子化国の中でもイタリアや日本は若い年齢での年齢別出生率が大幅に低下し、高い年齢での年齢別出生率は上昇していないため、合計特殊出生率は低下して未だに1.5を超えることができずにいると思われます。

また、超少子化国といわれているドイツの年齢別出生率については、イタリアや日本よりも早く1975年には合計特殊出生率が1.5を下回りました。

そのため、当該年の年齢別出生率のピークはイタリアや日本の年齢別出生率よりも低い0.11でこれはドイツの2013年の年齢別出生率のピークである0.1とほぼ変わらない水準となっています。

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諸外国の合計特殊出生率の動き(欧米)

 

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「緩少子化」国(フランス、スウェーデン、アメリカ、イギリス)の年齢別出生率

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「超少子化」国(イタリア、日本、ドイツ)の年齢別出生率

出典

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ここまでが少子化の現状についての説明でした。

次に、少子化の対策について知りたい方は、こちらの記事も併せて読むことで社会経済への理解が一層深まりますのでおすすめです。

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